魔法少女リリカルなのはmemories 第五章 ベルカ時代の記憶(メモリー) 第六十五話
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「っ!?」

 

 先に動き出したのはフェイトであり、一気にナノハへと接近する。

 しかしナノハはそんなことに全く動じず、しかもフェイトから見れば何も((動作をしていない|・・・・・・・・))ように見られた。

 

「いくらなんでも、私に対して舐めすぎだよなのはっ!!」

 

 瞬時にバルディッシュのアサルトフォームからハーケンフォームへと変え、そのままハーケンスラッシュでナノハへと攻撃しようとする。

 

「……『セイクリッドスフィア』」

 

 だが、別にナノハはフェイトを舐めていた訳ではない。元々フェイトがこちらに向かってきていた時には、とっくに迎え撃つ魔法を準備していたのだから。

 ナノハとフェイトのちょうど間辺りにスフィアを発生させたナノハはそれらを全てフェイトに向けて放つ!!

 何も考えずに突き進んでしまったことに今更ながら気づいてしまったフェイトはこんな近距離で避けようがなく、出来るとしてもダメージを軽減するだけであった。

 

「くっ」

 

 何とか少しのダメージで済んだと思ったが、ナノハの怒りで冷静さを僅かに失っていたという事をフェイトは自覚し、一度ナノハから離れようとした。

 しかし、そんな悠長をナノハは与えるつもりはなかった。すぐに背後に下がろうとしているフェイトに向かって一気に詰め寄り、その速さは一瞬でフェイトもそのナノハの行動に追いつけていなかった。

 

「まずいっ!?」

「『ティルヴィング』!!」

 

 その攻撃は、フェイトの体をもろにダメージを与え、殺傷設定であれば一回で殺せるだけの力であった。

 ティルヴィングはその自分の名をそのまま使用し、余計な名前は付け足さない。付け足したとしても最初にティルヴィングという名が絶対に付いており、ティルヴィング・フルアクセスブレイカーもその一つである。他のデバイスとかとは違い、そのデバイスの名前をいう事によって力を発揮するのであった。

 ちなみに、先ほどフェイトに放ったセイクリッドスフィアであるが、あれはティルヴィングを使用した者ではなくて、レイジングハートとテュディアを同時起動したときに使用できる魔法であった。アクセルレインなどと同様に散らばった魔力を使用する者なのだが、かなりの微弱でも相当な威力を放てるという魔法であった。ティルヴィングが関わっているような魔法ではないため、ティルヴィングという名を付ける必要なかったのである。

 補足すると、今のナノハはティルヴィングも使え、さらにはレイジングハートとテュディアの二つを合わせた力を使用することが可能であり、ティルヴィングは確かにレイジングハートとテュディアの二つがなければ使用することは出来ない。しかし発動するためにしかレイジングハートとテュディアを使わない為に、それぞれ((別物|・・))として使用することが可能であるのだ。そもそもレイジングハートとテュディアはティルヴィングや聖王の力を封印するためにオリヴィエがとシルヴェルンの先祖が作ったものであり、またそれらは単体としても魔法を使えるのであるから、今のナノハはオリヴィエよりも使用できる魔法の数は多いのであった。

 思いっきり攻撃を受けてしまったフェイトであったが、何とか意識を持ちこたえていたが地面に倒れているのだった。

 

「で、まだ諦めないつもりでいるの?」

 

 ナノハは上から目線でフェイトに言い、その顔はフェイトを攻撃したことに対して何も感情を持っていないような感じであった。

 それにしても圧倒的な強さであるとフェイトは今更になって理解する。実は先ほどの攻撃の間にたった一発を直撃したときにディフェンサープラスを瞬時に使ったのだが、それを簡単に貫通させてフェイトに直撃をくらわせていた。見た感じバリア貫通能力は無いように思え、瞬時だとしてもかなりの威力を軽減させたと思ったのに、まだそれほどの威力が残っていた事にはさすがにフェイトも驚いていた。

 だがそれでも簡単に諦めるわけにはいかない。自分が倒されれば絶対にヴィヴィオとアインハルトの二人を捕らわれてしまうから――

 

「……まだ立ち上がるんだ」

「はぁ、はぁ、何としてでも、ヴィヴィオとアインハルトは私が守るっ!!」

「……そう。本当ならこれで終わらせようと思ったけど、もう一発当てる必要があるようだね」

 

 そういうとナノハはフェイトから離れ、先ほど自分が立っていた位置まで戻るのであった。

 それからナノハは剣の持ち構えとしてはおかしな持ち方に変え、ティルヴィングの剣先をフェイトと向けてその剣先から魔力が収束していた。

 だが、その構え方を見てフェイトはこれから何をされるのかすぐに理解した。

 そう、ヴォルフラムの画面部分だけ破壊し、それ以外は無傷で済んだあの攻撃。どういう原理でそのようになったのかは疑問であるが、あの攻撃は普通の砲撃では絶対にありえない法則があるのだろうとなんとなく理解していた。

 しかし、このまま立ち尽くしていたとしても避けられるわけがないため、フェイトは放たれたと同時に攻撃を避けようと考えていた。

 

「無駄だよフェイトちゃん。前にも見ていたから分かるかもしれないけど、次に放つ攻撃はどんなことをしようと避けることは不可能。どんなに足掻こうとしても無理なんだから」

 

 ナノハの言葉はハッタリだとフェイトは思うしなかなかった。そんな魔法があるとは今まで聞いたことがないし、もしそんな魔法が実際に存在するとしてしまったらナノハに勝てる者なんていないに等しい事であった。

 だからこそ認めない。もしそうだとしても絶対に避けてみせるとフェイトは思っていた。

 

「それじゃあ、非殺傷設定だから死ぬことはないけど、次に会うときは多分何もかも終わっている頃だと思うから――」

 

 いつの間にか剣先に魔力の収束を終えており、そしてナノハはフェイトに向けて放つのであった。

 

「『ティルヴィング・フルアクセスブレイカー』っ!!」

 

 フェイトはそのナノハの言葉と共にすぐに攻撃を回避するように上空へと逃げようとする。しかし、ナノハが放った砲撃はフェイトが居た位置から突然と方向を上へと変え、フェイトに向かって飛んでいくのであった。

 

「ぇ――」

 

 まったくもって想定外の方向転換にフェイトは理解できておらず、さらに避けようとしても避けられる事は不可能な距離まで迫っていた。

 そしてフェイトはそのままその砲撃を受けることになるのであった。フェイトはそのまま砲撃を受けた後、ナノハからは見えないところへと飛ばされてそこで気絶して倒れるのであった。

 

「……本来なら確認するべきなんだろうけど、せめて見ないであげる。ごめんねフェイトちゃん、もう決めた事だから――」

 

 感情を押し殺したとしても、それくらいは見せたくないだろというナノハの思いによるものであり、せめてもの償いであった。

 そしてナノハは多分これで動けることは不可能だと思ってフェイトが倒れた姿を見ずに、ヴィヴィオとアインハルトの近くに行って転移魔法を使用して離脱することにした。

説明
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。

二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。

それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。



魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。
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コメント
次回も、楽しみにしてます!(ryuujin5648)
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