真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 拠点:華雄 真名がない者同盟・・・?
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まえがき コメントありがとうございます。いやー、前回の月ちゃんでは書きながらも読み返しながらもにやにやが止まりませんでした。銀髪萌である私にとっては有意義な時間でしたw今回は華雄姐さんの拠点ですね。真でも萌将伝でも影の薄かった姐さんをどうやって立ち回らせるか楽しみです。それではごゆっくりしていってください。

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「ん、んーーーっ。」

 

おはようございます。月です。ただいま起床しました。一刀さんは・・・まだ起きてませんね。また私の頭を撫でていたんですね。私も撫でてみたら一刀さんの気持ちが分かるでしょうか?ちょっと撫でてみましょう。一刀さんの頭を撫でてみると一刀さんはくすぐったそうに身をよじりました。寝顔と相まって可愛いです。普段はきりっとしているのに寝顔は幼げなんですね。ちょっと癖になりそうです。時間もまだ余裕がありますし、もうちょっとだけ続けさせてもらいましょう。

 

「ふふっ、昨日の仕返しです♪」

 

仕返しと言っても私も気持ちよかったのでお返しですね。とりあえず昨日の炒飯の皿を片づけましょうか。寝台から出ようとするが・・・、

 

「あれ?動けません。」

 

後ろから一刀が月を抱きしめていた。

 

「ん!んん!」

 

抜け出せません。へぅ。ここで変に動いて一刀さんを起こすのも悪いですし、しばらくこのままでいましょう。一刀さんの香りがします。落ち着きますねぇ。月は一刀がまで起きてようとしていたがいつの間にか夢の中に落ちて行った。・・・。

 

「ん。ふはぁぁ〜〜〜。」

 

あー、良く寝た。月も大人しく寝ていてくれたおかげでぐっすり眠れた。月の頭に手を乗せたままだったな。もう一回だけくしゃっと撫でると自分の頭に月の手が乗せられているのに気付いた。

 

「寝てる途中に俺も撫でられてたみたいだ。」

 

とりあえず一度ぐいーっと腕を伸ばすと刻み良く関節がくきっと鳴った。ふぅと一息つくと月がもぞもぞと動いて彼女の瞳がゆっくりと開いた。

 

「おはよう、月。」

「あ、おはようございます。私、また眠っちゃったんですね。」

 

月はむくっと起き上がると、時間もそろそろ良い頃ですので着替えて朝ごはんにしましょう。と言ったのでお互いに着替えることにした。しかしここで問題が一つ発生した。

 

「その、着替えるので後ろ向いててもらえまえますか?」

「あ・・・ごめん!」

 

一刀はフランチェスカの制服を着るだけなので特に問題はないのだが月はそうはいかない。気が回らなかったな。というか、俺外で待ってれば良かったんじゃ・・・。そう思う頃には月は着替えを終えたらしい。

 

「お待たせしました。」

 

月が着替えを終わらせたので朝食を作りに二人で朝食を作りに厨房に向かった。今日は俺がご飯作ろうかな。日本食の朝食を言えば味噌汁とご飯と、魚が何匹かあれば焼いて焼き魚にすればどうにかなるな。その頃の月は一刀の思案顔を見て何を考えているんでしょうか?と少し興味津々に一刀の顔を見ていた。

 

「月、ここに味噌ってあるかな?」

「みそ?みそとはどのようなものですか?」

「いろいろあるんだけど、そうだね。大豆や米を発酵させて熟成させたものなんだけど。なかには麦を使ったものもあるよ。」

「それと同じかは分かりませんが、醤はありますよ。醤を造っている熟成途中のものが美味しいんです。」

 

醤油の素みたいなものかな?なら多分大丈夫だ。

 

「ならそれと、魚があればいいんだけど。」

「そうですね。鯖があったと思います。」

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鯖か。塩サバにしたら美味しいかな。とりあえず厨房に到着すると俺は仕込みを始め、月は俺が頼んだ醤と豆腐、葱。それと鯖を持ってきてた。

 

「これから向こうにいた頃に大体毎日食べてた朝食を作るから月に手伝いと味見を頼みたいんだけど良いかな?」

「はい♪」

 

朝食を作り終えたころには月が味噌汁を不思議そうに覗き込んでいた。うーん。緑茶がないのが残念だな。

 

「これは何ていうお料理なんですか?良い香りですね。」

「味噌汁っていって今日は醤で味をつけてるんだ。ちょっと味見してもらっていい?」

「はい。」

 

味噌汁を一掬いして月に渡すとちょびっと口につけてこくっと喉を鳴らした。

 

「美味しいです。味付けが薄味で私は好きです。」

 

目がキラキラになってる。これはハマったのかな。

 

「そして、お味噌汁を飲んだあとにご飯を食べてみて。」

「(ぱく。もくもく・・・。)合いますね。なんででしょうか。そこまで際立った味付けではないんですけど。」

「なんでだろうね。」

 

二人で考えたのだが案の定分かるわけもなくとりあえず朝ごはんを二人で外の庭まで運んだ。そこには朝から剣を振って汗をかいた愛紗がいた。

 

「おはよう、愛紗。」

「おはようございます、愛紗さん。」

 

愛紗が俺たちに気付いてこちらに駆け寄ってきた。

 

「おはようございます。ご主人様、月。」

 

愛紗は俺たちが料理を持っているのに気付くと卓をこちらに寄せてくれた。

 

「ありがとう。」

 

俺たちは料理を置くと愛紗がやはり味噌汁に興味をそそられたようだ。

 

「ご主人様、こちらの汁物はなんですか?」

「俺のが向こうにいた頃に毎日食べてた朝ごはんの一つだよ。お味噌汁って言って今日は醤で味付けしてるんだ。」

「皆が来る前に一口飲む?」

「とっても美味しいですよ。」

「いえ、またあとに後にとっておきます。桃香様と鈴々を起こさなければいけませんので。」

「いつもごめんね?」

「義姉妹ですので。当然のことです。」

 

それもそうだな。愛紗が二人を起こしに行ってから三人で戻ってきたのは一刻後のことだった。あーあー、今日も相変わらず桃香の寝癖が酷いことに・・・。いつもの三割増しくらいか。とりあえず飲み物用に備えておいた水を手に馴染ませてまだ夢見心地な桃香に近づいた。

 

「あ、ご主人様。おはよ〜。」

「おはよう。ちょっと冷たいけど我慢してくれ。」

 

水を浸した手で桃香の首を触ると、うひゃ!と可愛らしい悲鳴をあげた。

 

「ご主人様、冷たいよ〜。」

「けど目は覚めただろ?とりあえず寝癖を直すからじっとしててな。」

 

桃香は寝癖を直している間、借りてきた猫のように大人しくなる。いつも元気いっぱいだからこんなときがあっても良いかもね。

 

「いつもありがとうね。」

「どういたしまして。」

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桃香の寝癖を直し終えるころには皆が外に集まっていた。みんないつの間に出てきたんだ?俺と月で配膳は終わっていたので全員が席に着いたのを確認するとそれぞれ料理を口に運んでいく。皆、初めて見る日本食に興味津々の様子で、朱里と雛里と清羅に至っては今度レシピを教えてくださいと頼まれまでした。もちろんそれには了承を出す。それにしても、自分が作った料理を美味しそうに食べてもらえるのは嬉しい。一刀も華雄との模擬線に備えて朝食を摂りながら、桃香たちの談笑に加わった。・・・。朝食の時間も終わり、食器を片付けると華雄から鍛練場に来るように言われたので大人しくついて行く。先ほどの飯を食べていたときとは別人と思えるくらいに気を発している。これは覚悟しないとやられるな。

 

「着いたぞ。武器を構えろ。」

 

華雄はそう言ってある程度の距離を取ると金剛爆斧を構えた。俺も彼女に習って聖桜を構える。

 

「いざ、参る!」

 

二人の掛け声と同時に、お互いに相手目掛けて駆けだす。先手を取ったのは華雄だった。彼女の一閃が一刀を襲う。その一撃を一刀は難なく回避して見せた。

 

「なかなかやるな!だが!なっ・・・。」

 

次に繋げようと体勢を立て直そうとした一瞬の隙を見逃さなかった一刀は華雄の首に手刀をくらわせ彼女の意識を掠め取った。倒れこんだ華雄をそっと抱き寄せると日陰のある壁にもたれかからせ、一刀もその隣に座った。あたりを見渡すと愛紗と鈴々が模擬戦をしているようだ。その側では桃香が二人の応援をしている。槍が交わる度にキィィーーンという金属のぶつかる音が聞こえてくる。

 

「うにゃ!うにゃ!うにゃうにゃうにゃうにゃー!!」

 

キィーン!キィーン!ガキーン!

 

「相変わらずお前の一撃を受けるのは堪えるな。腕が痺れてくる。だが次は私の番だ!はあああぁぁぁぁーーーー!!!」

 

愛紗の剣戟の嵐が襲う。一撃一撃が重く隙がないので鈴々がそれに圧されてじりじりと後退していく。

 

「これで、終わりだ!」

「うにゃにゃー!?」

 

愛紗の最後の一撃に鈴々の蛇矛が持ち主の手から離れ空中を舞い地に刺さった。それを見た鈴々ががっくしと肩を落とした。

 

「負けたのだ・・・。昨日は星にも負けたし。」

「二人ともお疲れ〜。愛紗ちゃん、おめでとう。」

「ありがとうございます。」

「う〜、鍛錬の量を十倍に増やしてからまた勝負なのだ!」

「望むところだ。返り討ちにしてやろう。」

「今度こそ勝つのだ!」

 

三人とも仲良いなー。本当の姉妹みたい。それにしても鍛錬十倍か。俺も五倍くらい増やそうかな。もとより鈴々たちより練習量の多かった一刀が翌日から練習量を増やしたことで鈴々たちが手足も出なくなったのはまた別の話。それから一刻の間桃香たちのやり取りを見ていると隣で気を失っていた華雄が目を覚ました。

 

「・・・んん、私は気を失っていたのか。」

「おはよう。具合はどう?」

「あぁ、大丈夫だ。問題ない。」

 

華雄は首をこきこきっと鳴らすとすくっと立ち上がった。

 

「私は負けたのだな。というか、まさかあのようにあっさり負けてしまうとはな。」

「華雄は真っ直ぐ突っ込んでくるから行動が読みやすいんだ。もう少し先のことも考えてみるべきじゃない?」

「頭では分かっているのだがな。私は力押しの方が性に合うのだ。この方法はなかなか変えられん。」

「そっか。」

「私に買った褒美として何かやろう。と思ったのだが、私は真名を持ち合わせていないからな。」

 

華雄が思案顔を続けること数分後、何か思いついたようでこちらに視線を向けてきた。

 

「北郷も私と同じく真名を持ち合わせていなかったな?」

「あぁ。そうだけど?」

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「同盟を組もう。名付けて!真名が無いもの同盟だ!大陸広しと言えどもこれに当てはまるのは私とお前しかいないのだからな!」

 

同盟の名前にそのまんまやないかい!と関西人もびっくりな突っ込みを心の中で入れつつ、同盟か。それも一つの信頼の形なんだろうな。

 

「分かった。」

「そうか。良かった。ではこれから我々は同志だ。よろしく頼むぞ、一刀。」

「こちらこそよろしくな、華雄。」

 

二人で握手を交わすとこのやり取りを見ていた三人がこちらに近づいてきた。そういえば昼から桃香と出かける約束をしてたな。そろそろ部屋に戻って準備しないと。そんなことを考えながらもそれから一刻の間、五人で談笑していた一刀であった。

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あとがき 拠点:華雄はいかがだったでしょうか。・・・。・・・。読み返して一言。華雄姐さん出番少なっ!ごめんなさい。冒頭の月ちゃんが出てた方が長いとは・・・。それは置いといて、次は拠点:桃香です。やっとメインヒロイン登場!本当は桃香→月→愛紗の順番で書きたかったのですが模擬戦しようにも桃香が一刀の相手をするのは無理があるなー。と思いこのような流れになりました。ちなみに上記三人が作者の好きな恋姫武将トップ3です。最近は夜も少しだけ涼しくなってきて過ごしやすくなってきたので執筆も精神的にリラックスして書けるので調子がいいです。昼間は学校なので頭の中ではあの子をこう動かせればこういう話に持って行けるからみたいな感じでネタをさがしては携帯でぽちぽちメモをとってたり。それでは次回、拠点:桃香 恋する乙女、初めての・・・ でお会いましょう。

説明
何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。
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コメント
華雄ちんにも楽々圧勝ですね(阿修羅姫)
こんだけ強けりゃ逆に一刀はここにきて良かったかもなー(keishun0512)
華雄は漢√だと恋より強くなってたしポテンシャルあるよね(yosi)
何か一刀と月が既に新婚夫婦みたいな感じがする…えっ?次回メインヒロイン登場?…へぇー(棒読み)。(mokiti1976-2010)
桃香さんの強化フラグはあるんでしょうか?史実の劉備は決して弱かったわけではなかったわけですし(竜羽)
華雄は自分の弱さに気付くと強くなるタイプですよね〜(本郷 刃)
華雄はどこまで強くなれるかな?(アルヤ)
タグ
真・恋姫†無双 一刀  華雄 鈴々 愛紗  

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