二代目 Mの英雄 |
皆は覚えているだろうか、かつて、面白いように誘拐された姫がおり、それを毎度毎度飽きもせずに助けた男が居る事を。彼は一度は世界征服を目論む者の魔の手から、ある時は全宇宙の危機から、ある時は最悪の魔女の復活のたびに、姫と一緒に世界を守った。
それから数十年の歳月が経過する。
キノコ王国の某町の某所、そこで一人の少女が箒を片手に玄関先を掃いていた。
「今日は清々しいな、やっぱりここしばらく雨だったのが原因かな?」
この少女の名は「マリー」彼女の後ろにそびえるアパート「キノコ荘」の大家をしている現役女子高生である。
しばらくすると、遠くから一人の少女がフラフラ歩いてきた。
「おはようございます。テレビ見ましたよ。お疲れ様。」
「ああ、おはよう。」
マリーがあいさつすると、少女はこう返した。彼女の名は「ルキ」この国の大人気アイドルで、別名「ヒーローソングの女王」の異名を持つ。昨日と今日で、コンサートとテレビ出演の二つをこなしてきたのだ。
「今日は非番ですか?」
「はい、だから今日は寝ます。」
マリーにこう訊かれると、ルキはこう答えた。そして、
「あとこれ、今月の家賃です。」
こう言って、まとまった金の入った封筒と一緒に、小包を渡した。
「誕生日おめでとう、姉。」
ルキはこう言うと、自分の部屋に引き上げて行った。
「覚えててくれたんだ。」
マリーはこう考えながら、ルキの背中を見送った。ちなみに中には、花の形の髪飾りが入っていた。
その後、玄関を掃き終わったマリーは、自室に戻ると、朝食を用意した。
「あら、もうこんな時間?早く食べてしまわないと。」
マリーはこう言うと、作った朝食を急いで食べた。その後、通学用の鞄を手に取ると、一枚の写真の前に来た。そこには、赤い帽子を被った男と、その男に抱かれる幼いころの自分、緑の帽子を被った男と、その男に抱かれる幼いルキ、そして、緑の恐竜と、桃色のドレスを身に着けた現在のキノコ王国の女王「ピーチ」が写っている。
「お父様、行ってきます。」
彼女は写真にこう言うと、家を出て自分の通う学校に向かった。
学校での出来事である。
「良いか、かつてジャングルから現れたゴリラが女性を一人誘拐する事件があった。これを。」
教師が生徒たちにキノコ王国史を教えているが、マリーは眠っている。彼女にとっては、退屈極まりないのだ。
「おいマリー!!起きろ!!」
教師が呼ぶと、
「ふえ?」
マリーは起きた。
「ふえ?じゃない!!お前ここ分かるのか?」
教師が今教えている場所に付いて訊くと、
「かつてジャングルを脱走したドンキーコングが、ポリーンと言う女性をさらって鉄筋の建物の上に逃げて行った。それを、この時はビデオゲームマンと呼ばれていたマリオが救出した話でしょう。」
マリーはこう答えた。
「というか、お前は何で授業も訊いていないのに、そんな深い場所まで分かる?」
教師が訊くと、
「ただの雑学好きのたまものです。」
と、マリーはこう答えた。本当はもっと違う理由なのだが、彼女はあくまで口に出そうとはしない。
すると、突然扉が開いた。
「あの、マリーさん居ます……か?」
現れたのは、一目見ただけでは少女見間違えそうな少年で、扉を開けるや否やこう言った。傷だらけの姿で。
傷だらけなのも驚きだが、それ以上に驚くこともあった。
「ブロッサ王子?!!」
「何でキノコ王国の王子がマリーの名前を知ってるの?!!」
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