恋姫無双 釣りが好きな因果の中心4
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4話:兄は家を継ぎ、一刀は母娘共々就職する。

 

一刀はとらえた元夫を引きずりながら母娘のもとへ連れて行く。そして彼女たちの父親はこの男の処遇をどうするのか一刀に聞くと

 

一刀「なんか、曹操が裁いてくれるらしいよ。…あぁ、黄巾党の所に行ったときにあったんだ」

 

母「…それで、曹操様はこの男をどうするつもりなんでしょうか」

 

父親「それでは、曹操様が来るまでの間この男はどうするか」

 

一刀「…それまでは俺が責任もって捕まえておくよ。この状態を解除しても、この鎖は消えるわけじゃないし…“解”……………しばらくは歩くのがやっとだな。釣りもできない、こいつのおかげで」

 

一刀は藍色の鎧を纏い鎖で男を繋いだまま椅子に座り、1日中ボーとしている。時々、娘が遊ぶために一刀の所に来て、一刀は遊びながらも鎖を緩めることはなかった。そして、一刀が男をとらえたまま彼女の家に世話になってから4日。ようやく曹操がやってきた。

 

一刀「…遅かったな」

 

曹操「ずいぶんと大きな家でお世話になっているのね。それに貴方鎧なんか着てた。…まぁいいわ。で、あの男は何処って、そこにいるのがそうなの」

 

一刀「気にするな。あと、座ったままで申し訳ない。ちょっと事情があって立つのが辛いんだ」

 

曹操「気にしないわ」

 

??「だ、そうだ姉者。それにこの家を壊す気か」

 

猪?「む〜。おい、貴様とっととその男をよこせ」

 

一刀は男を差し出す(放り投げる)。すると、男が曹操に

 

元夫「貴殿が曹操様ですな。こやつらをどうか裁いてください。私の家を乗っ取ろうと企んでいるのです」

 

曹操「へぇ〜そうなの。…………ところで、彼女たちとこの者に見覚えはないかしら」

 

張梁「ひさしぶりね。あなた確か私たちに『街を襲って、この家の者を殺してくれ』って頼まなかったかしら」

 

??「俺は『家を乗っ取るのに邪魔な似顔絵の母娘を連れてこい、自分で始末したほうが確実だからな』と言われたぞ」

 

一刀「あっ、あんたは村を襲った。その状態でよく生きていられるな。食事取れないだろう」

 

元黄巾「………まぁ最初は友達に食べさせてもらったけど、最近じゃ足で食事がとれるようになったんだ…おかげで足が器用になった」

 

元夫の言い分に対し、曹操は証人としてつい数日前に彼女たちを殺すように依頼しようとした張三姉妹と両腕を失った見覚えのある男であった。曹操が連れてきた人を見たとき元夫は顔を青ざめた

 

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曹操「どうやら、見覚えがあるようね。………………この男は後できちんと処罰するけど……貴方達にちょっと話が……」

 

母娘・兄「…なんでしょうか」

 

一刀「…で、なんで俺はそこの人に睨まれているんだ」

 

曹操が少し離れたところで母娘とその兄と何か話している時、一刀は猪?に睨まれ続けていた。それを気にしないようにしながら曹操たちの所へ目を向ける

 

曹操は、この母娘を説得し一刀を自分の所に引き込むため、話し合いをしていた

 

曹操「…だから、北郷一刀を私のそばに置きたいのよ…駄目かしら」

 

母「……お話は分かりますが…娘も一刀さんにとても懐いていますし…そうなったら、娘が悲しみます」

 

兄「だな。あと妹も悲しむ」

 

娘「一刀お兄ちゃんを連れていっちゃ嫌」

 

曹操「………それで相談なんだけど。さっき北郷一刀の悪い癖のことを話していたでしょう」

 

母「…はい、それが」

 

曹操「…だから、その監視を貴方達に頼みたいのよ。そうね、北郷の専属侍女というのはどう。もちろん母娘ともに…」

 

母「けど、家のことが…」

 

父親「…桜歌、行きたいのなら行きなさい。なに、あとは(ガシッ)桜兵が継ぐから」

 

返事を渋っていた母…桜歌の所に彼女たちの父親がやってきていくように言うさらに

 

娘「お母さん。お兄ちゃんといられるなら私、お兄ちゃんと行きたい」

 

桜歌「………そうね。初めての人たちじゃ、絶対一刀さんの釣りを途中で止めるなんてでき無い物ね…わかりました。私たちは一刀さんについて行きます。あっ、私たちは桜歌と桜蘭とお呼びください。少し前に名を捨てて以来、真名だけで暮らしていましたから…もちろん、誰構わず教えていたわけじゃなくて…捨ててから教えているのは一刀さんだけですし…まぁ、あまり呼びませんが」

 

曹操「そう、わかったわ…………あとは北郷だけね」

 

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曹操たちが話し込んでいる中一刀は、特にやることもないのでいまだ放心している元夫をとらえている女性に声をかける

 

一刀「…そういえば、君たちの名前はなんていうんだ」

 

??「あぁ、そういえば言ってなかったな。私は夏侯淵という。そして、先ほどから北郷を睨みつけているのが………姉者、自己紹介ぐらいしたらどうだ」

 

姉者?「…ふん。夏侯惇だ…気安く呼ぶんじゃないぞ」

 

??「んにゃ、ボクはね…」

 

一刀「…(この2人が夏侯惇と夏侯淵、許緒ね…夏侯惇のほうはイメージと違うな)まぁ、よろしく」

 

夏侯淵「ん、北郷は華琳様について行くつもりなのか。彼女たちに恩を返すんじゃ…」

 

夏侯惇「ふん、どうせ面倒になったんだろう。そうに決まっている」

 

一刀「いや、恩は返すさ。ただ、先ほどからの彼女たちの雰囲気だと………俺についてきそうな気がして…」

 

一刀は、話の内容は聞き取れないが、なんとなく彼女たちと曹操の雰囲気からそうなんじゃないかと確信していた。その言葉を聞いた夏侯淵は面白そうに、夏候惇はさらに機嫌が悪くなった。それから少しして、ようやく話が終わったのか曹操と彼女たちがこっちに戻ってくる

 

曹操「という訳だから。彼女たち、桜歌と桜蘭はあなたについて行くそうよ。よかったわね」

 

一刀「なにが、という訳なのかわからないがそうか。君たちがその名を教えているということは信頼できるということか…じゃ、俺は曹操について行くことにするか。あっ、知っていると思うけど、俺の名は北郷一刀ちなみに字と真名なんて物はない…」

 

曹操「…どういうこと」

 

桜歌「…あっ、それはですね」

 

桜蘭「一刀お兄ちゃんは未来から来たんだって…すごいでしょう」

 

桜蘭の言葉に曹操たちだけでなく全員(桜兵以外)が驚き、しばらく放心していた。しばらくしていち早く回復したのは曹操で

 

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曹操「…どういうことかしら」

 

一刀「つまり…(この説明も3度目か)…………という訳。ちなみに、真名はないけど、この時代?の風習に合わせると一刀が真名にあたるけど気にしないでくれ」

 

一刀は持ってきたものを見せながら説明後、一刀は実にあっけらかんとした顔でさらに爆弾を投下した。それからなんだかんだいろいろ理屈を言われ、この場にいる曹操と夏侯惇、夏侯淵、許緒から真名を許される

 

華琳「それじゃ、早速行きましょうか。この男の処遇のこともあるし」

 

元夫「俺をどうするつもりだ」

 

一刀「俺に聞かれても…どうするつもりなんだ、そ…華琳さん」

 

華琳「それは後のお楽しみよ。…春蘭、秋蘭あと季衣も行くわよ」

 

桜歌「一刀さん私たちも行きましょう」

 

桜蘭「お兄ちゃん肩車…」

 

季衣「…いいなぁ」

 

一刀たちは街を出てしばらく移動(元夫は引きずっている)すると、待っていたのか曹の旗を掲げた一団が待ち構えていた

 

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猫耳?「華琳様、お待ちしておりました。………………あの、なんで男がいるんですか」

 

華琳「あぁ、まずは紹介からするわね。今日から私に仕えることになった…」

 

一刀「北郷一刀だ、よろしく。………………そこの猫耳以外」

 

猫耳?「ちょっと誰が」

 

桜歌「あらあら、申し遅れました。わたくしこの子の母親で桜歌と言います」

 

桜蘭「お母さんの娘の桜蘭といいます。ねぇ一刀お兄ちゃん、あの猫さん撫でてもいい」

 

猫耳?「ちょっと、だれが猫よ。私には荀ケという名前があるのよ…って無視するな。全く男は女性を抱くことしか考えてないのかしら…いえ、こいつの場合、こんな小さな子を襲うつもりでいるんじゃ………」

 

一刀は若干暴走し始めた猫耳改め荀ケを無視する形で残りの李典、楽進、于禁とあいさつを済ませ。いまだ一刀というよりも男が汚らわしいだの、どうしようもないだの言っている荀ケを尻目に真名を交換。本題に入ろうとしていた

 

華琳「桂花、その辺にしておきなさい。話が進まないから」

 

猫耳「…だから男は……………分かりました。で、この男がそうですか華琳様」

 

華琳「えぇ、どうかしら何とかなりそう」

 

荀ケ「大丈夫でしょう。彼女たちの外見などは分かっていませんから…」

 

一刀「で、こいつをどうするんだ、華琳さん。まぁ、なんとなくわかるが…」

 

一刀は華琳たちの言葉から事情を察した一刀だが、華琳の名を呼んだ瞬間

 

荀ケ「ちょっと、男が神聖な華琳様の真名を呼ぶんじゃないわよ…穢れるじゃない」

 

一刀「…で、こいつは斬っていいのか」

 

一刀はわざとらしく、荀ケと元夫を指しながら聞く。それを見た荀ケがさらにかみついてきたので素直に謝る。

 

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華琳「…………ええ、さすがに街で処刑するとちょっと面倒だから、ここまで連れてきたわけ。…そうね、貴方がとらえたこの黄巾党の首領の男を被害にあった人の家族の所まで連れて行って、謝らせているところに私たちが身柄を求めて来た…という設定よ」

 

一刀「そうですか…じゃ、俺は桜蘭と向こうで遊んでいるから終わったら呼んでくれ」

 

さすがに残酷なシーンを見せられないと考えた一刀は桜蘭を連れこの場所から離れようとしたが、それを華琳が止める

 

華琳「…何言っているのよ。あなた処刑するのよ。で、その首を持って私たちの所に来たんだから」

 

一刀「…はい?…なんで」

 

華琳「いくらあなたが強いといっても周囲が知らないんじゃ話にならないでしょう。それにそのほうが後々楽なのよ。それに、彼女たちはそのお礼をするためにあなたについて行くことにした…………らしいから、ね。」

 

秋蘭「そういうことだ。ほれ」

 

秋蘭が一刀に剣を渡す。一刀は受け取りながらため息をついて

 

一刀「あの、今は普通に動くのがやっとで…かなり難しいんだが」

 

凪「あなたは私を軽々と気絶させたではありませんか。それがどうしてできないというのですか」

 

真桜「そうやで、凪を軽く気絶させられるんや。こんな男の処刑なんて軽いもんやろう」

 

沙和「そうなのぉ〜」

 

華琳「どういうことなのか説明してもらおうかしら」

 

一刀は自分の戦い方と武器を説明し、現在は無理をしたせいで1ヶ月は動くのがやっとであることを説明した後

 

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華琳「なら、もう一度その、身体能力を上げて、動けるようにして処刑しなさい。いいわね」

 

一刀「……………………(ドSだな)わかったよ“真…(5じゃまだ無理か)10”…紫ノ鎌(しのれん)」

 

元夫「…やはり貴様は妖術使いかなんかか」

 

一刀「で、こいつの首を刎ねればいいんだな」

 

華琳「……………え、えぇ(初めて見たけどどうなっているのかしら)」

 

一刀は赤黒い鎌と白いコートに身を包んだ姿で華琳に了承を得ようと声をかける。突然一刀の姿が変わったことに驚きながら了承をする華琳。了承を得た一刀は元夫の首を斬りおとす。が、斬られた首と胴体から血の一滴も出てこなかった。疑問に思った春蘭は

 

春蘭「おい、貴様いったい何をした。変な服まで着てやはりこの男が言ったように妖術使いかなんかか」

 

一刀「さっき説明しただろう。俺の武器、七幻想は七つの武器?と鎧がセット…組み合わせになっているんだよ」

 

華琳「…そういえばそういっていたわね。初めて見たものだからちょっと驚いたわ。けど、首を刎ねたはずなのになんで血が出ないのかしら」

 

一刀「…それは、この紫ノ鎌には斬りつけた相手の血を喰らうことができるんだ…まぁ、喰らう量は決められるけど…とにかく、そういうわけでこの男の血はすべて喰らったから血が出なかったんだ」

 

華琳たちは一刀の説明に一部納得がいかないが、未来の武器は皆こういうものなんだろうと、無理やり納得することにした。その後、華琳は男の首を張角の首領として皇帝に報告した。…やはり、無理していた状態でさらに無理をしたせいで一刀はそれから1ヶ月動くのが辛い日を送ることになった。

 

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一刀シアタールーム

 

左慈「…曹操と一刀、2人を結ぶ赤い糸かなんかでもあるのか」

 

于吉「…ですね」

 

貂蝉「ご主人様と赤い糸…鋼線で結ばれてるのは私よ…けど、曹操ちゃんの所に必ず行くわね」

 

卑弥呼「ウム、心の中で北郷一刀が望んでいる事なのだろう」

 

4人はスクリーンに映し出された一刀たちを見ながらつぶやく

 

貂蝉「けど、ご主人様を襲うなら今しかないわね………左慈ちゃん私ちょっと用事が…」

 

卑弥呼「貂蝉、少し落ち着いたらどうじゃ。それに今はあそこに行くことができないこと忘れたわけではあるまい」

 

于吉「そうですよ。自由にあそこに行けるなら左慈と2人でゆっくりと観ることができるのですが」

 

左慈「よるな、触るな………まったく、そのことに関して北郷にお礼を言いたいな」

 

左慈の膝を撫でながら于吉が詰め寄るとすごい勢いで于吉から離れる。貂蝉は出番が来るまで入れないことを思い出し、落胆していた

 

卑弥呼「それにしても、使いすぎると動けなくなるとは…」

 

貂蝉「そうね。…たぶん、身体が強制的に保護してるんでしょうね……壊れないために」

 

左慈「ふん、それにしても、たかが釣りで時間を忘れて没頭するって」

 

卑弥呼「…うむ、恐ろしい集中力じゃ。まぁこの分ならすぐに曹操陣営の皆と打ち解けるじゃろう」

 

馬で引きずられながら移動している一刀を見ながらこれから起こる一刀の女難を楽しみにしていた

 

説明
様々な外史を巡り、元の世界を元に作られた外史で平和に暮らしていたが、左慈と貂蝉から今の自分の状況とこの世界の真の役割を聞き、世界を閉ざさない為物語を本人の意思とは関係なく作り続ける話…だと思う。

 最近、有名になった黄巾党の手を借り母娘を亡き者にしようとした元夫を捕まえる為、一刀もその後を追う。その時に曹操に出会うが、元夫を追うことを優先した一刀はその場を後にしておい、元夫について行った黄巾党の連中を殺し、とりあえず元夫を捕え処刑しようとしたが、曹操に止められ仕方なくその男を連れ母娘の元に戻る。
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