IS 〜デジモンテイマーたちの新たな伝説〜
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Side一夏

 

クラス代表決定戦の次の日、山田先生が

 

「では1組の代表は織斑秋人君に決定しました」

 

と言った。

 

「あの〜、なんで僕がクラス代表なんですか?昨日負けましたよね」

 

「あ、はいそれは」

 

「俺は辞退した」

 

「なんでだ?」

 

「ただ、生徒会の仕事が忙しいからだ。今年はいろいろイレギュラーなことが多いからな」

 

「で、でも生徒会に入っていてもクラス代表と兼任できるだろ?」

 

「まあ、普通ならな」

 

「なら」

 

「だが、それが一人や二人ならの時だけだ」

 

「え?」

 

「生徒会のもう一人の副会長は一年四組のクラス代表も兼任しているし、会計の鈴も二組のクラス代表。会長や書記もそれぞれ二年と三年のクラス代表なんだ。もし俺までクラス代表を兼任してみろ。いつでも動けるのは残ったもう一人の会計一人になってしまう。だから、俺がクラス代表になるわけにはいかないんだよ」

 

一夏の説明に全員が納得した。確かにそれならクラス代表になるわけにはいかない。もしなって生徒会の仕事に支障が出たら大変である。

 

「よし、ではクラス代表は織斑秋人。異存はないな」

 

『はい』

 

side out

 

「すこし、よろしいですか?」

 

そう言って立ち上がったのはセシリアだった。

 

「クラスのみなさん。この間はとても失礼なことを言って申し訳ありませんでした。そう簡単に許されるとは思いませんがこの場をお借りして謝罪します。本当に申し訳ありませんでした」

そいって頭を下げるセシリア。

 

この間のこととは、一夏が生徒会室に行っている間にあったクラス代表を決める話し合いのことである。この時に推薦されたのが一夏と秋人だった。しかしセシリアはそれに納得いかず異議を唱え、自分こそが代表になるべきだと言い出した。次第にそれはエスカレートしていき、日本に対する差別やあきらかな人種差別まで言い始めた。そこまで言われては秋人も黙ってはおらず、セシリアの発言に『それはイギリスの日本に対する意見ととってもいいのか』と反論、いくら候補生とはいえその発言は祖国の発言ととられてもおかしくはない。しかも、日本はIS発明者と世界最強のIS操縦者の出身国である。そんな国を貶したと捉えられて関係が悪くなったらイギリスは世界で孤立してしまう。そこまで秋人が指摘したときになってやっと自分の発言のせいでどのような事態が招かれるか、クラスの中での自分の立場の悪さに気づき、苦し紛れに秋人に決闘を申し込んだのだ。

 

そのことを謝罪するセシリア。その姿には誠意がこめられており彼女の反省している様子がうかがえたので誰も何も言わなかった。

 

Side一夏

「ISには意識に似たようなものがあります。操縦時間に比例してIS側も操縦者を理解しようとします。それによって相互的に理解し、よりその性能を引き出せるようになります。ですので皆さん、ISは道具ではなく、パートナーとして扱ってくださいね」

 

ISの意識、コア人格、幽里のことか。

ちなみに俺たちのISにはコア人格がある。みんな、俺たちをサポートしてくれるのだが今はほとんどがデジタルワールドの桜花さんの研究所で調整中。

帰ってきたのは、俺の幽里と簪の白歌だけだ。

・・

・・・

『織斑君クラス代表就任おめでとう!!』

 

ぱんっ、ぱぱーん

 

「あ、ありがとう」

 

授業が終わり生徒会の仕事も終えて簪、鈴、本音といっしょに食堂に来たらクラスメートによってこの『織斑秋人クラス代表就任パーティー』に参加させられていた。

 

「織斑、なんだこの状況は、十文字以内で簡潔に説明してくれ」

 

「いや、僕にもさっぱり、ってゆうか十文字じゃ無理だ!」

 

「冗談だ」

 

どうやら女子の間で勝手に企画されていたらしい。

 

「いやーほんとよかったよ。これでクラス対抗戦も盛りあがるねえ」

 

「ほんとほんと」

 

「ラッキーだったよねー同じクラスになれて」

 

「ほんとほんと」

 

さっきから相槌を打っているのは、二組の女子だよな。まあ、四組の簪もいるからべつにいいのか?

 

「人気者だな、秋人」

 

「ほんとにそう思うか?」

 

「ふん」

 

篠ノ之は不機嫌そうだな。大方織斑がちやほやされるのが気に入らないのだろう。

 

「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生織斑秋人君と一夏君にインタビューしに来ました〜!!あ、私は新聞部部長の黛薫子でーす!はい、名刺」

 

「はあ」

 

「では織斑君、クラス代表になった感想をどうぞ」

 

「とりあえず、誰が相手でも勝ちに行きます!」

 

「おお〜さすが男の子だね〜」

 

「うん、でもクラス対抗戦での優勝は無理かな〜」

 

『!!!』

 

突然、義姉さんの声が聞こえてきたのでみんなびっくりしている。

 

「おお〜たっちゃんじゃん!相変わらずすごいね〜」

 

「ふふ、いつでもあなたの隣にいる生徒会長ですから」

 

そりゃ義姉さんが気配を完全に隠したらほとんどの人がわからないって。

 

「あ、あの〜あなたは?」

 

「はじめまして織斑秋人君。IS学園生徒会長の更識楯無です」

 

「え!?」

 

「生徒会長!?」

 

「あの人が」

 

義姉さんの自己紹介にみんなが驚く。

 

「それより、さっきの言葉はどういう意味ですか?!」

 

篠ノ之が若干怒気をはらませながら食い掛かる。

 

「そのままの意味よ。優勝は二組、もしくは四組よ」

 

「なぜそう言い切れますの?」

 

オルコットも問いかける。

 

「だって四組の代表は私の自慢の妹の簪ちゃんだし、二組の代表も私の愛弟子の鈴ちゃんだから♪」

 

『えええっ!』

 

全員が簪と鈴に視線を向ける。

 

「お、おねえちゃん!いきなり何言うの!」

 

「だって本当のことじゃない♪簪ちゃんだってまけるきはないでしょ」

 

「そ、そうだけど」

 

「まあまあ、簪も少し落ち着きなさい」

 

「鈴?」

 

「実際私とあんたは同じくらいの実力だし、一夏たち意外に負けるつもりはないんでしょ?」

 

「その通りだけど、だからってこんなところで言わないでよ」

 

二人がそんなことを言っているとオルコットが近づいてきて

 

「あなたが、四組のクラス代表ですか。初めまして、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットです」

 

「あ、四組のクラス代表で日本の代表候補生の更識簪です」

 

つけくわえると簪もフロンティア社のテストパイロットだ。簪は鈴と違って更識家の出だから、候補生になっている。まあ、いざとなったら捨てるって言っているけど。

 

「あなたが日本の代表候補生だったのですか。同じ候補生どうしよろしくお願いいたしますわ」

 

「は、はい」

 

「それで、なぜ秋人が負けるのだ?」

 

簪とオルコットが挨拶をしていると篠ノ之が割り込んできた。

 

「だって簪ちゃんと鈴ちゃんの実力は一夏と同じかそれ以上だもの」

 

『!!!』

 

「ううっ」

 

全員が義姉さんの言葉に驚愕し簪と鈴に視線が集中する。

 

「そうそう。だってこの一週間いっちーのIS訓練の相手をしていたのってかんちゃんとリンリンだしね。あ、いっちーこれ食べる?」

 

そういって本音は俺にお菓子を差し出してきた。

 

「ん?サンキュ」

 

「あ〜ん」

 

「あ〜ん」

 

もぐもぐ。

 

「一夏。このケーキもどう?」

 

「一夏!シュークリームもおいしいわよ」

 

本音の行動を見た簪と鈴もすかさず、俺の口にケーキが乗ったフォークと一口のミニシュークリームを持ってきた。

それを俺はたべる。

 

「うん。二つともおいしい。ありがとう簪、鈴」

 

「うん。えへへ」

 

「ふふん。感謝しなさい」

 

簪はうれしそうに微笑み、鈴は胸を張るがその頬は赤くなっていた。

 

その甘い空気にみんながコーヒーを飲む。

 

「し、しかし更識には専用機があるのだぞ。その更識より強いなd「あ、簪も専用機もちだぞ」な、なに!」

 

我に返った箒が会話を再開するが、すぐに一夏の言葉に動揺する。

 

「しかも、俺のISとおなじ製作元だ。多分スペックは同じくらいだったけ?」

 

「うん。蒼鋼は遠距離主体だけど」

 

「鈴の専用機は・・・、というか、あれはどうなんだ?」

 

「う〜ん。近接しようだけどあの人の魔改造を受けているから、どうなってるのか」

 

鈴はやれやれと首を振る。

その言葉に何も言えなくなる篠ノ之。

 

「ま、だからもし優勝する気なら、それはあきらめたほうがいいかもしれないわよ」

 

そういって去っていく義姉さん。

その後も何とも言えない空気になり、俺たちはさっさと自室へ戻っていった。

・・

・・・

次の日の一限目授業

「今日は一組と四組の合同で授業を行う。まず、ISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット、更識、更識妹。試しに飛んでみろ」

 

織斑先生に言われて前に出る。

そうして、ISを纏う。

 

「あれが、更識さんのIS」

 

「結構、重装備だね」

 

「更識君と同じく強そう」

 

「うう、はずかしい」

 

昨日のパーティーのせいか一組の生徒に注目される簪。

 

簪のIS『蒼鋼・狼』

左肩に六連装ミサイルランチャー

右肩にレーザーキャノン

右手にビームガン

左腕にはガトリングガン『メタルストーム』

両足には六連小型ミサイルポッド

非固定部位の二対四枚のウィングスラスター(八連装小型ミサイルポッド搭載)がかなり目立っている。

装甲も角張っているが無駄な部分がないスリムなデザインで、その名の様に澄み渡るような蒼色のISだ。

遠距離主体のISだが、近接戦闘もできる武装がある。

 

「よし全員展開したな。だが、織斑もう少し早く展開できるようになれ。お前が一番遅いぞ」

 

「はい、わかりました」

 

「よし、飛べ!」

 

一斉に飛び立つ。

 

「くっ、早いですね。お二人とも」

 

「まあ、おれのISは高機動型だからな」

 

「私の蒼鋼もかなりスピードが出るから」

 

「みんなすごいな。どんなイメージで飛んでいるんだ?」

 

「イメージはしょせんイメージ。他人のイメージよりも自分のやりやすいイメージを探すほうがよろしいですわよ秋人さん」

 

「でもそれの参考にしたいんだ」

 

「そうですかならば私は」

 

『ねえ、一夏』

 

プライベートチャンネルで簪からの通信が来たのでそれに答える。

 

『なんだ?』

 

『セシリアって織斑君に?』

 

『ああ、惚れているな』

 

『やっぱり』

 

ま、あの態度を見てれば誰でもわかるな。篠ノ之といいたらしだな、織斑。理由はよくわからん。

 

「秋人!いつまでそんなところにいる!はやくおりてこい!」

 

突然、篠ノ之の声が響き渡った。地上をみてみると山田先生のインカムを奪った篠ノ之が見えた。うん、嫉妬だな。というか教師に何しているんだ。

あ、織斑先生にはたかれた。

 

「四人とも急降下と完全停止をやってみろ」

 

「でわ、お先に」

 

まず、オルコットが不機嫌になりながらも地上に向かっていった。

どうやら成功したみたいだ。

 

「うまいなあ、よし次僕が言ってもいい?」

 

「ああ」「うん」

 

そう言って織斑も向っていった。

 

何とか成功したようだがノルマは達成できなかったらしく織斑先生になにかいわれている。

あ、篠ノ之とオルコットが言い合いを初めて、織斑先生に注意された。まあ内容はなんとなくわかるが。

 

「さて、俺達も行くか、簪」

 

「うん」

 

俺達も二人同時に急降下を始める。

しかもその速度は先に行った二人の倍以上だ。

俺はバーニア、簪はウィングスラスターを全開。体勢をすぐに立て直し、停止に成功する。

地面からは十センチジャスト。うん、デジタルワールドでの訓練の賜物だ。

 

「うまいな。だがあまり速度を出しすぎるな。見ている方がハラハラする」

 

「「はい」」

 

その後、武装の展開なんかをやった。

俺と簪は特に問題はなく、オルコットは展開速度に問題はなかったが展開するときのポーズの改善を指摘されていた。織斑はもう少し早く展開できるようになった方がいいな。

その日の夜。

俺、簪、鈴はIS学園の端にある林に来ており、ある一点を見つめていた。

なぜなら、俺たちが見つめる先には、穴があいていた。

青い空にぽっかりと空いた電子的な粒子が織りなすゲート、デジタルゲートが!

 

「来た!」

 

簪の声がしたと同時に

 

「「きしゃあああああああ!!!」」

 

「GUOOOOOO!!!!」

 

うなり声が聞こえた後ゲートから巨大なクワガタとカマキリ、そして翼をもつ竜、電子の獣、デジタルモンスター、デジモンが現れた!

 

クワガーモン

属性 ウイルス

世代 成熟期

昆虫型

必殺技 シザーアームズ

得意技 パワーギロチン

頭部に巨大な鋏を持つ昆虫型デジモン。強靭なパワーで敵を挟み込んで締め上げる。ワクチン属性のカブテリモンとは敵対関係。強靭なパワーと硬い甲殻に守られており、特に鋏の部分のパワーは超強力で一度敵を挟み込むと、相手が息絶えるまで締め上げる。

 

スナイモン

属性 ワクチン

世代 成熟期

昆虫型

必殺技 シャドウシックル

得意技 シャープエッジ

ウィルスハンターとして研究所で造られた実験体デジモン。カマキリのデータから造られており、正確な機械のようにターゲットを追い詰める。冷たい性格でワクチン種からもデータ種からも恐れられている存在だ。両腕の大鎌は鋭く研ぎ澄まされており、あらゆるものを鋭利に切り刻むことが可能となっている。スナイモンは目を持たないデジモンであるが、頭から生えた赤い触覚がセンサーとなっており、ターゲットの位置を性格に捉えることができる。必殺技は、目にも止まらない超音速の一刀『シャドウシックル』

 

エアドラモン

属性 ワクチン

世代 成熟期

幻獣型

必殺技 スピニングニードル

得意技 ゴッドトルネード

巨大な翼を生やした幻獣型デジモン。空中からの攻撃を得意とし、その咆哮は嵐を呼び、翼を羽ばたかせることで巨大な竜巻を起こす。性格はかなり凶暴だが、高い知性を持っている。しかし、並みのテイマーでは使役することは、まず不可能であろう。必殺技は巨大な翼を羽ばたかせ、鋭利な真空刃を発生させる『スピニングニードル』。

 

現れたデジモンたちの情報を俺と簪、鈴はDアークで確認する。

すると、デジモンたちは俺達を敵と判断したのかこっちに向かってきた。

 

「一夏!」

 

「ああ、幽里!」

 

『このあたりに生命反応はないぞ』

 

よし

 

「行くぞアグモン」

 

「お願い、ガブモン」

 

「ぶっ飛ばすわよ、ドラコモン」

 

「「「おう(はい)」」」

 

アークが輝き、画面に

 

――EVOLUTION――

 

と表示される。

そして、アグモンたちのデータが一度分解され、より大きく、より強くなっていく。

これが進化。

 

「アグモンX進化!

 

グレイモンX!」

 

「ガブモンX進化!

 

ガルルモンX!」

 

「ドラコモン進化!

 

コアドラモン!」

 

アグモンは巨大な体を持つ成熟期型デジモングレイモンに、ガブモンは青い毛におおわれた美しいオオカミ、ガルルモンに、ドラコモンは体表が青い二足歩行のドラゴン、コアドラモンに進化した。

 

グレイモンX

属性 ワクチン

世代 成熟期

恐竜型

X抗体有り

必殺技 メガバースト、メガフレイム

得意技 グレートアントラー、ホーンインパルス

頭部の皮膚が硬化して甲虫のような殻に覆われた恐竜型デジモン。鋭い爪、巨大な角を持った全身凶器のような体で、非常に攻撃的なデジモンである。しかし、知性が高く手なづけることが出来れば恐らくこれほど強いモンスターはいない。フォルダ大陸に生息するグレイモンは狂暴性はなく、その高い知性から仲間同士の連携を利用した戦い方をすることができる。必殺技の『メガフレイム』は口から超高熱火炎を吐き出し全てを焼き払う。X抗体によるデジコアへの影響として先頭種族として恐竜型デジモンでも随一の優秀なグレイモンは、更にその攻撃性が増している。大型のデジモンが多い恐竜型の中でも比較的体格は小さいが、肉食恐竜らしいその獰猛性を如何なく発揮し、戦いに勝利し自ら強さを増していくのである。『メガフレイム』を口内で極限まで高め爆発的な威力を持つ『メガバースト』を身に付けている。

 

ガルルモンX

属性 ワクチン

世代 成熟期

獣型

X抗体有り

必殺技 フォックスファイアー

得意技 フリーズファング

青白銀色の毛皮に体を覆われた、狼のような姿をした獣型デジモン。その体毛は伝説のレアメタルと言われている「ミスリル」のように硬く、肩口から伸びているブレードは鋭い切れ味を持っており、触れるものを寸断してしまう。極寒の地で鍛えられた筋肉と激しい闘争本能を持ち、肉食獣のような敏捷性と標的を確実に仕留める正確さを持っており、他のデジモンからは恐れられている存在。しかし、知性が非常に高く、主人やリーダーと認めた者に対しては忠実に従う。必殺技は口から吐き出す高熱の青い炎『フォックスファイアー』。X抗体によるデジコアへの影響としてその希少な体毛はより極寒の地さらに硬く鍛え上げられ、傷つけることは容易ではなくなった。闘争本能はより激しさを増し、最後まで戦い抜く為、ガルルモンと戦おうとするデジモンは殆どいなくなった。戦闘種族としてのデジモンとしては随一の資質を誇る分、テイマーとして相応の資格を問われるデジモンといえるだろう。

 

コアドラモン

属性 ワクチン

世代 成熟期

竜族

必殺技 ブルーフレアブレス,ストライクボマー,ジ・シュルネン-II

「ドラモン」の名を冠するデジモンにはデジコアに必ず竜因子のデータを有しており、その竜因子データの割合が高ければ高いほど体の形状が竜型になっていくが、コアドラモンの竜因子データ割合は100%となっており、まさしく純血の竜型デジモンである。体表が青いコアドラモンは、標高の非常に高い山岳地域だけで採掘される「ブルーディアマンテ」と呼ばれる希少な宝石を多量に摂取したドラコモンが進化した姿といわれており、険しい山々で生き延びるための発達した翼で高速な飛行を行うことが出来る。必殺技は、青色に輝く灼熱のブレスを放つ『ブルーフレアブレス』と強靭な尻尾を使って相手に痛恨の打撃を与える『ストライクボマー』。『ブルーフレアブレス』はデジモンの体表を覆うテクスチャーデータを分解する効果があり、このブレスを受けたデジモンはむき出しとなったデジコアへの攻撃を許すことになるだろう。ドラコモン同様に「逆鱗」といわれるウロコを持っており、ここに触れてしまうと怒りのあまり意識を失い、頭部の角を激しく発光させた後に口から放つ拡散レーザービーム『ジ・シュルネン-II』を無差別に放ってしまう。

 

「『スピニングニードル』!」

 

進化が終わり臨戦態勢を整えるとエアドラモンの必殺技、『スピニングニードル』の真空刃が飛んできた。

 

「ウオオオオ!!」

 

その真空刃をガルルモンが受け止める。ガルルモンの固い毛皮の前ではその程度の技は無意味となる。

ガルルモンは飛び上がりエアドラモンに向かっていった。

 

「『シャドウシックル』!」

 

今度はスナイモンの『シャドウシックル』が襲ってくる。

 

「『ストライクボマー』!」

 

しかしそれはコアドラモンの尻尾による打撃『ストライクボマー』によって弾き飛ばされる。

 

「一夏、こいつの相手は私たちがするわ」

 

「お前はそっちのクワガタを頼む」

 

鈴とコアドラモンの言葉に俺は頷きクワガーモンの方に意識を集中させる。

 

「きしゃああああ!!」

 

「グオオオオ!!!」

 

クワガーモンがグレイモンに向かっていくがグレイモンはクワガーモンの顎の鋏を掴み押さえつける。

しばらく、そのまま拮抗していたが

 

「ウオオオオ!!!」

 

「キシャアアア!??!」

 

グレイモンが顎を持ち上げた。そのまま持ち上げたクワガーモンをグレイモンが地面にたたきつける。

 

「『メガフレイム』!」

 

クワガーモンに向けてグレイモンは必殺技の『メガフレイム』を放つ。

クワガーモンはそれが致命傷となったのかデータになって消えて行った。

クワガーモンのデータはこのままデジタルワールドへ流れ、再びデジタマとなって生まれ変わるだろう。

とりあえず、二人の様子が気になった俺は退化したアグモンと二人の方に目を向けた。

 

 

 

「『ゴッドトルネード』!」

 

エアドラモンの巻き起こした竜巻に飛ばされてしまったガルルモンだがすぐに体勢を立て直す。

 

「『フォックスファイヤー』!」

 

ガルルモンは口から青い炎を出して攻撃するが。

 

「やっぱりかわされる」

 

エアドラモンは空中を飛んで軽々と躱してしまう。

だったら、こっちも飛ぶしかない。

 

私は制服のポケットから一枚のカードを取り出すとそれをアークについているカード挿入口にとおす。

 

「カードスラッシュ!白い羽」

 

すると、ガルルモンに三対六枚の純白の羽が現れる。

そして、ガルルモンは勢いよく飛翔。

 

ガブ!

 

「GOO!?」

 

そのままエアドラモンに噛み付く。飛行能力を得たとはいえガルルモンのスピードは飛んでいるエアドラモンに及ばない。

しかし、簪とガルルモンは何度も、白い羽を使った空中戦の練習をしており瞬間的にならかなりのスピードで飛べるようになった。

 

「『フリーズファング』」

 

噛み付いたままガルルモンは牙から冷気を流し込む。

エアドラモン必死にガルルモンを振り落とそうとするが全く離れない。

そのままエアドラモンは凍りつき、データに分解された。

 

 

 

「『シャドウシックル』!」

 

スナイモンが必殺技を仕掛けてくる。

しかし、コアドラモンは背中の翼で巧みに空を舞い躱す。

 

「おーい、鈴。俺達は終わらせたから早くしろ」

 

「え?もう。しょうがないなコアドラモン!」

 

「おう、いくぜえ!」

 

コアドラモンは今までと打って変わってスナイモンに突進し、地面に自分ごと叩きつける。

スナイモンはそれにより、半分地面に埋まる。

 

「よっし!コアドラモン!そのままとど「グガガアアアアア!!!」へ?」

 

鈴が指示ようとするがそのまえにコアドラモンはめちゃくちゃに暴れ始めた。

 

『ジ・シュルネン-II』

 

頭部の角を発行させながら口から吐き出した熱線でスナイモンを吹き飛ばす。

しかし、コアドラモンはまだ暴れ続ける。

 

「ま、まさか」

 

簪が恐る恐る声を出す。

 

「逆鱗に触れたのか?」

 

「た、多分」

 

あちゃ〜と声を出すのは鈴。

 

「しょうがない。私が大人しくさせる」

 

「「まかせた」」

 

鈴はアークを手に持ったまま暴れ続けるコアドラモンに近づく。

アークを鈴が振るとそこからエネルギーでできた鞭が伸びた。

鞭はコアドラモンの首に巻きつき。

 

「どりゃああああ!!」

 

鈴はそのまま、引っ張る。するとコアドラモンは倒れこむ。

 

「相変わらず、すごいな『デジソウル』は」

 

「うん」

 

鈴の手からよく見ると赤い光が漏れておりそれが闇夜に輝いていた。

 

「さ〜て、ちょっとO・OH・NA・SIしましょうか」

 

いまだ暴れ続けるコアドラモンに鈴は笑顔を浮かべそういった。

 

そのあと、何とかコアドラモンは大人しくなった。何があったって?聞かない方がいい。

 

そうして、俺達は用事を済ませ、寮に戻っていった。

 

なんでデジタルゲートが開いたのかはわからない。

そもそも、ここに来たのは突然アークに不審な反応があったからなのだ。

俺はこれが何かの前触れの様な気がして、簪と鈴も同じことを考えているみたいだった。

 

説明
七話 平穏?
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織斑一夏 更識簪 更識楯無 布仏虚 布仏本音 凰鈴音 デジモン インフィニット・ストラトス IS 

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