IS x 龍騎?鏡の戦士達 Vent 9: 編入生とデッキ
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明日早朝、一夏は学園の射撃場にいた。既に数時間はそこにいたのだろうか、地面にはかなりの数の薬莢が散乱している。一夏の手に握られているのは、ステンレスの大型リボルバーだった。かなりの改造を重ねているのか、レーザーポインター付きのリボルバーであると言う以外はベースとなった銃が何なのかすら分からなくなっている。だが、一夏はそれを利き腕とは逆の左手でそれを撃っていた。どれも心臓にあたる部分と頭部を撃ち抜いている

 

「一夏さん・・・・・?」

 

「ん・・・?おお、セシリアか。おはよう。」

 

「おはようございます。朝から射撃の特訓ですか・・・いつからここにいらしたのですか?」

 

「まあ、俺も色々とあるんだよ。右腕はこんなだし、出来なくはないけど、左手でも色々と出来る様にならないと不便だからな。」

 

左手には親指から中指までの指先が切り落とされた革のグローブを嵌めており、人型の的には大きな穴が幾つもあいていた。

 

「いつも、持ち歩いているんですの?」

 

「自衛手段としてな。これ以外には今コートの背面にあるホルスターに持ってるパラオードナンス二丁。余り使わない奴がル・マット、トーラス・ジャッジとMTS 225が一丁だ。持ち歩くのは時と場合、後気分による。」

 

新たに銃弾を縦溝の無いシリンダーに押し込むと、ホルスターの中に突っ込んだ。脱いでいた革のコートを羽織る。

 

「で、どうした?俺に何か用事でもあったのか?」

 

「実は、その・・・・・恥ずかしながら、私はBT適正値が高いとは言えフレキシブル所か、ビットに合わせての同時攻撃すら出来ないので、差し支えなければ一夏さんにISの操縦をご教授願いたいのです。」

 

「俺に?教えるのってあんまり柄じゃないしなあ・・・・・そもそも、フレキシブルって言ってしまえばビームを曲げる技術だろ?それに、ビットとの連携攻撃なら練習して行けば・・・・」

 

「駄目、ですの・・・・?」

 

もし彼女に犬耳が付いていたらしおれていただろう。まるで捨てられた子犬の顔その物だ。それを見た一夏は暫く考えていたが、息をついて頭を掻く。

 

「分かった。でも、俺もテストパイロットとしての仕事もあるから、スケジュールの確認とかもしなきゃ行けないぞ?時間も大して取れないと思うし。それでも良いか?」

 

「はい!よろしくお願いしますわ、一夏さん!」

 

「えーっと・・・・じゃあ、今日放課後からでも良いか?」

 

「勿論ですわ!」

 

セシリアは小躍りしながら出て行く。

 

「お前は、優しいな。」

 

一夏は後ろから聞こえた声に咄嗟に反応し、リボルバーを引き抜いた。

 

「おいおい、朝からいきなりご挨拶だな。」

 

「森次さん、脅かさないで下さい。何かありましたか?」

 

「ああ。実は社長代行が残っているデッキのうちの三つを渡したらしい。何を考えているのかは分からないが、気をつけろ。強大なパワーを秘めたデッキは、いずれそいつを滅ぼす。ここではミラーモンスターはあまり見ないから、気をつけろよ?ダークウィングに寝込みを襲われたら笑えないぞ。かく言う俺もバイオグリーザを押さえ付けるのも限界だが。」

 

だが、そこで音が聞こえた。あの耳障りな甲高いノイズが。

 

「モンスターか?」

 

「らしいな。行くぞ。」

 

二人は反応が強まる所まで近付いた。窓に向かってデッキを翳した。

 

「「変身!」」

 

バックルにデッキを装填し、ベルデとナイトはミラーワールドに飛び込んだ。そこにいたのは、合計二体のバズスティンガー、ビー、ワスプ、(以降B、Wと表記)そしてバクラーケン、ウイスクラーケンだった。

 

「四体・・・・・二体ずつだな。行けるか?」

 

「ご心配無く。」

 

ナイトはダークバイザーを構え、ベルデは指を曲げ伸ばしすると、地面を蹴って天井を床にして走り始める。飛び蹴りでバクラーケンとバズスティンガーWを他のモンスターから引き離し、ダークバイザーを使って切り掛かる。ベルデは閉鎖された空間の中で飛び回り、四方八方から攻撃を仕掛けた。

 

『ホールドベント』

 

両手にバイオグリーザの眼球を模したヨーヨー、バイオワインダーが現れた。それを壁にぶつけた変幻自在の跳弾(?)で攻撃し、バイオストリングスで締め上げて捕縛する。

 

「時間も惜しい。纏めて潰してやる。」

 

『ファイナルベント』

 

バイオバイザーのカードキャッチャーにカードを取り付けて装填する。バイオグリーザが姿を現し、舌を伸ばした。降りて来るその舌に足を絡ませ、ウィスクラーケンとバズスティンガーBを片手ずつで掴み、空中で回転しながらパイルドライバーを決めた。爆発を引き起こし、二体のエネルギーを吸収したバイオグリーザは満足げな鳴き声を上げて再び姿を消した。ナイトはダークバイザーとウィングランサーの二刀流でバクラーケンとバズスティンガーWを相手に立ち回っていた。後ろから迫って来たバクラーケンをダークバイザーで貫き、その隙に逃げようとしたバズスティンガーWにはウィングランサーを投げつけた。同時に爆発し、ダークウィングもそのエネルギーを吸収して飛び去った。

 

「ファイナルベントを使わないのか?」

 

「確かに一番確実ですけど、変身一回につき一度しか使えませんから。文字通り、切り札にしておきますよ。」

 

二人はミラーワールドから出ると、変身を解いた。

 

「さてと、準備運動も終わったし、朝飯に行くか。」

 

「そうですね。」

 

食堂は思いの外空いていた。滞りなく和食セットAの大盛りを注文すると、席に着いた。

 

「いやー、ここの飯は美味いな。」

 

「そうですね。あ、所で司狼さんは?」

 

「ボスなら((商談|・・))に行った。あの人は極力汚れ仕事は自分でやるタイプだからな。ありがたい事だ。」

 

「森次さんは、どうやって司狼さんと?」

 

「ああ。俺は一応これでも日系のアメリカ人だからな。アメリカの特殊部隊で働いていた。((破壊工作|デモリッション))と潜入が専門でな。でも、ISの所為でお払い箱だ。そこを拾って貰ったのさ。俺は元々独り者だったから、迷惑をかける相手もいなかったが生きたかった。もう一度・・・・他の奴らも同じ様な境遇ばっかりなのさ。」

 

「そう、ですか・・・・」

 

「一夏、どこにいたのだ?!」

 

「射撃場にいたが、それが何か?」

 

「何故道場に来ない?!」

 

「行くなんて約束を取り付けてないだろう?俺だってテストパイロットの仕事があるんだ。何でもかんでもお前の思い通りに動くなんて臆面も無く考えるな。放課後も用事があるから。どうしてもって言うなら、後日改めてって事になる。緊急の用事なら別だけど。」

 

「わ、私のISの操縦を見て欲しい!」

 

「使用許可申請書、通るとは限らないだろ?」

 

再び食事に手をつけ、咀嚼してからそう言い返す。

 

「専用機持ちならまだしも、量産機の申請すら通っていなければ、出来る物も出来ない。後、出来るとしたら道場でか?一本勝負位ならやってやるよ。」

 

「ほ、本当か?!」

 

「それ位ならどうにでもなる。それより、早く食べ終わらないと、担任の鉄槌が降って来るぞ。」

 

既に食事を済ませた一夏はトレーを返却口に持って行き、森次と共に教室に戻って行った。だが、一夏はまだ気付いていない。箒の手に握られていた、オルタナティブのデッキに・・・・・・

 

 

 

 

場所は変わって教室へ。現在騒がしくなっている。

 

「ねえねえ、織斑君聞いた?二組の編入生の事。」

 

「編入生?新年度早々とは、珍しいな。確か・・・・中国からだっけ?俺も気を付け無きゃな。色々と。」

 

「あら、私達の存在を危ぶんでの編入でございましょうか?」

 

「それもあるが・・・・・狙うとするなら俺だ。危険を承知で俺のISのデータを盗もうとする馬鹿だって世界中にいる筈だ。そう言う奴らがいれば・・・・・」

 

ジャコン!

 

一夏の左手にリボルバーが握られていた。撃鉄は起こされていないが、それでも十分に威圧的だ。

 

「送り込んで来た奴らごと、消す。」

 

「ま、まあ、専用機持ちは一組と四組しかいないから大丈夫よ!」

 

「そ、そうよねー!」

 

一夏の威圧感を振り払おうと乾いた笑みを浮かべる生徒達。

 

「その情報古いよ。」

 

待ってましたとばかりにツインテールの改造された制服を着た生徒がドアを開く。

 

「二組も代表が専用機持ちになったの。そう簡単に勝ちは譲らせないから。久し振りね、一夏。」

 

「ああ。まあな。だが、お前に負けてたら示しがつかない。ぶっ倒される覚悟はしとけよ?そっちは相変わらずフットワークの軽い事で。後、後ろに気を付けた方が良いぞ。」

 

「え?」

 

ガウン!

 

一夏のマグナムが火を吹き、千冬が出席簿を振り下ろす事で弾を両断した。

 

「織斑、教師に向かって発砲するとはどう言うつもりだ?そもそも何故そんな物を持っている?」

 

「何の遠慮も無しに生徒の頭をカチ割ろうとしていたので。後、今のはゴム弾ですから、人外の先生はそれ位じゃ死にません。武器の使用、及び携行の許可は降りていますから、何の問題もありません。鈴、さっさと教室に戻れ。流石に次は庇い切れない。話は昼飯の時にでも聞くから。」

 

「わ、分かったわよ!また後でね。」

 

硝煙を吹き、再びホルスターに銃をしまうと、一夏は何食わぬ顔でノートを開き、参考書に目を通し始めた。

 

((((怖ぇえええええええええええええ!!!この姉弟怖ぇえええええええええええええ!!!))))

 

「御鏡はどうした?」

 

「仕事があるとかで。取引先の商談を聞くだけ聞きに行ったそうです。(商談と言うより依頼を引き受けるか否かなんだけどな・・・・・)」

 

「そうか。では授業を始める。(商談?直々に行く必要があるのか?)」

 

 

 

 

 

 

そして昼休み。森次は野暮用の為にいない為、一夏は一人で座って食べていた。

 

「一夏、ここ良い?」

 

「どうぞ。にしても、本当に久し振りだな。」

 

「そうね。でも、驚いたわ、まさかアンタがISを動かせる様になるなんて。それに、あのAD・VeX7のテストパイロットって、凄いわね。」

 

「お前こそ、中国の代表候補生になったんだろ?一年で。お前の方が出世頭なんじゃないか?」

 

「「一夏(さん)!」」

 

「ん?おお、セシリア、箒。」

 

「この二人は・・・・?」

 

「こっちがイギリスの代表候補生のセシリア・オルコット。代表補佐をしてる。で、こっちが篠ノ之箒。幼馴染みだ。頭が固いのが難点だが、まあ仲良くしてくれ。」

 

「よろしく、二人共。」

 

「こちらこそ、よろしくお願いしますわ。」

 

「お互いに、な。」

 

三人の間に火花が散っている事等気にも止めず、食事を続ける。

 

「それよりも一夏さん、この方との関係は・・・?」

 

「ああ、箒に次いで付き合いが長い幼馴染みだ。箒は当然知らないだろうけどな、入れ違い位に来たし。良く一緒に飯食ってた。親父さん、元気か?」

 

「あ、その・・・・お店は、もう・・・・」

 

一夏は自分の迂闊な言葉を呪い、慌てて取り繕った。

 

「ああ、いや、悪いな。俺の方こそいらん事聞いて。」

 

「一夏、その、良ければ操縦見てあげようか?」

 

俯きがちに鈴音がそう聞く。

 

「折角ですけど、必要ありませんわ。一夏さんは実力でクラス代表になったのですから。負けはしましたが、入試の際、織斑先生のシールドエネルギーを半分近く削ったのです。」

 

セシリアは多少喧嘩腰に彼女の申し出を却下する。

 

「セシリア、あんまり言わない方が良いよ、それは?形はどうあれ、俺は負けたんだから。まあ、それなりには強いとだけ言って置こう。」

 

海鮮パスタをまた一口咀嚼する。二皿目に手を伸ばし、麦茶を飲んだ。

 

「さてと、午後の授業は実技を少しやるだけだから、時間はまああると・・・・」

 

ポケットから予定をぎっしりと書き留めてある手帳を取り出してやる事が無いか確認すると、再び食事を再開する。

 

「セシリア、一応放課後第三アリーナで待っててくれるか?少し野暮用が出来るかもしれない。」

 

「はい!お待ちしておりますわ!」

 

「ちょ、ちょっと一夏!どう言う事、それ?!」

 

「ああ、コイツの訓練にちょっと付き合うだけだ。俺も新しい武装のテストをしたいからな。」

 

「じゃあ、私も行く。一夏がどれだけ強いか、私も見ておきたいし。」

 

「セシリア、どう思う?俺としては長年の友人の気持ちを汲んでやりたいんだが。」

 

「相手に手の内を晒すのは気が引けますが・・・・・分かりました。」

 

「ならば私も行くぞ!打鉄の使用許可も降りた!」

 

「まあ、良いか・・・・・でも、道場に行くか、ISの訓練をするか、どっちだ?」

 

「うっ・・・・・」

 

「言って置くが両方はやらないぞ。じゃあな。」

 

一夏は二皿目のパスタを食べ終え、すぐに立ち上がった。その後ろ姿を見て、鈴音は複雑な表情を浮かべ、テーブルの下で握っているデッキを更に強く握り締める。どちらも、彼の態度に苛立ちが募り始めていた・・・・・

 

説明
お待たせしました、他のライダー達も二人程登場させます。
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コメント
暮らす代表→クラス代表   さてさて、オーディンから渡されたデッキを持つ二人。一夏と彼女らにとって吉と出るか凶と出るか?(西湘カモメ)
タグ
インフィニット・ストラトス IS 仮面ライダー龍騎 

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