IS x 龍騎?鏡の戦士達 Vent 11:暗黒龍と鋼の巨人
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二台のライドシューターはそのスピードと巨体を活かし、オルタナティブと龍騎ごとシアゴースト達を吹っ飛ばす。

 

「何なの?!」

 

「分からん・・・・」

 

ライドシューターのハッチが開き、二人のライダーが現れた。一人は龍騎と姿が良く似ており、もう一人は緑色の体に機械的なデザインを持ち、マガジンが銃身の下にあるモーゼルの様な銃のスライド部分で肩をトントンと叩いている。

 

「あたし達以外にもいたの?!それも私にそっくりだし!!」

 

「お前達は一体誰だ?コイツらは何なのだ?!」

 

だが、二人は答えず、デッキからカードを抜き取った。

 

「どいていろ、怪我をするぞ。」

 

『ストライクベント』

 

ブラックドラグバイザーから発されたくぐもった音声と共にドラグブラッカーの頭の形をしたドラグクローが右手に現れる。

 

「テストも兼ねてやってみるか・・・」

 

『シュートベント』

 

両肩に巨大な砲門、ギガキャノンが現れた。二人はシアゴースト達を蹴散らして行き、僅か数分で数が半分以下に減った。

 

「仕上げだ。」

 

マグナバイザーの秒間百二十発と言う驚異的な連射能力を活かしてシアゴーストに銃弾を浴びせると、

 

『ソードベント』

 

ドラグセイバー片手にリュウガがシアゴースト達を雑草を刈るかの様に斬り伏せ、殆どのエネルギーを摂取した。

 

「さてと。」

 

リュウガとゾルダは龍騎とオルタナティブに向き直る。

 

「お前らは何故ライダーになった?」

 

「証明する為だ!私が・・・・・私が相応しいと!」

 

「ある人に、側にいて欲しいから・・・!!」

 

リュウガの質問に、二人はハッキリとそう答える。

 

「随分と手前勝手な理由だな。」

 

ゾルダは二人に背を向けてライドシューターに向かおうとしたが、突然二人が襲いかかって来た。だが、当然リュウガがそれを見過ごす筈が無い。再びデッキに手を伸ばし、カードを装填する。

 

『アドベント』

 

ドラグブラッカーの尻尾が二人を弾き飛ばし、壁に叩き付ける。

 

「やったわね?!」

 

『アドベント』

 

龍騎も己の契約モンスターを召喚し、ドラグブラッカーと戦わせる。龍騎自身もリュウガに殴り掛かったが、まるでハエでも振り払うかの如く簡単にあしらわれ、攻撃も全く通らない。ドラグセイバーをも弾かれ、逆に二刀流で追い詰められて行く。

 

「貴様、よくも!」

 

オルタナティブは黒い大剣スラッシュダガーを振り回してリュウガに攻撃を仕掛けようとする。だが、その攻撃はゾルダの銃撃により防がれた。

 

「お前の相手は俺だ。そもそもそんなに隙だらけで大振りじゃ当たらないぞ?」

 

ガン=カタの様な動きで攻撃をいなし、至近距離で銃撃を食らわせる。地面に倒れ込んだ所で蹴り飛ばし、拾い上げたスラッシュダガーを右手に持った。それを力一杯オルタナティブに何度か叩き付ける。

 

「お前は戦いが何たるかを分かっていない。あそこにいる龍騎もだ。 それに動機が不純過ぎる。そんな自己中心的且つ独善的過ぎる願いを持ってライダーになったんだったら、ならない方が良かったんじゃないか?」

 

「なっ・・・・?!」

 

「誰に相応しくなりたいかは知りたくもないが、向こうに取っちゃ良い迷惑じゃないのか?相手の視点から考えるのもまた一つの手だぞ。せいぜい((契約モンスター|サイコローグ))に食われない様にな。(あの動き・・・・間違い無いか。)」

 

それだけ言うと、ライドシューターに乗ってミラーワールドを後にした。

 

「キャアッ!!」

 

龍騎は壁に叩き付けられ、交差させたドラグセイバーを喉元に突き付けられる。

 

「側にいたいって事は、そいつを守りたいって事か?だが、今のお前じゃ誰かを守るどころか、自分を守る事すら出来てないぞ?ちっぽけな願いしか頭に無いなんて、お前はよっぽど欲が無いんだな。」

 

「そ、そんな事は」

 

「あるだろう。それに、欲しいと思う事自体は悪くない。それをどうするかは、お前次第だがな。」

 

ドラグセイバーを両手でクルクルと振り回し、龍騎のドラグセイバーを投げ捨てると、彼もまたライドシューターに乗って姿を消した。

 

「まったく・・・・・さっきのオルタナティブがライダーに相応しい筈が無い。俺が行ってデッキを取り戻して来ます。」

 

「確かにな。だが、もう一人の方は、確か・・・・・鳳鈴音とか言ってたか?あいつの方はいくらか希望があるぞ?」

 

「え・・・・龍騎は、鈴が・・・?!」

 

「ああ。しかし、皮肉だな。気付いてるんだろう、お前も?」

 

「・・・・・・何を言って」

 

「とぼけるな。あいつらがお前を好きなのは見れば分かる。その為に、あいつらは恐らく戦うだろう。特に、あの篠ノ之箒が今の所一番警戒すべき相手だと思う。あいつの経歴を洗ったが、要人保護プログラムの所為でかなり精神的に参ってるらしい。仮にもあの天才の妹だ。彼女を握れば束の生殺与奪を握る要因になるかもしれないが、逆にその国が滅ぶ事をも意味する。善くも悪くもあいつは要人だ。だが、あいつはISを作り出した姉を嫌っている筈だ。ISを作った所為でお前と引き離されてしまったからな。想いがが溢れたら、何をしでかすか分かった物じゃない。お前も充分気をつけろ。顔、見られるなよ?人前でライダーに変身する事も多くなるだろうからな。俺が言った事、忘れるな。これを渡しておく。何枚か作れたからな。」

 

「はい。」

 

一夏はゾルダのデッキを変換すると、アドベントカードを数枚手渡された。それを黙ってポケットに突っ込み、帰って行った。一夏が歩き去るのを司狼は腕組みをしてずっと見ているが、こう呟いた。

 

「まだ、渡す時期じゃないよな。こいつは。」

 

司狼の手に握られた((四枚|・・))のカードは怪しい光を放っていた。

 

(あの二人は俺達の正体にはまだ気付いていない・・・・後はシザースが誰なのかを突き止めなきゃな・・・・・・あわよくばどちらかに消してもらいたいが・・・・)

 

そう思いながら携帯を取り出した。

 

「憲司。」

 

『あ、社長さん。何か用事?』

 

「二つある。一つはシザースが誰なのかを突き止める事。もう一つはウチの弁護士とその秘書に連絡。近い内に訴状の用意をする様にってね。」

 

『了解です。あ、そうそう、知り合いのフィクサーさんから((仕事|・・))の依頼が来たんですけど。現金即払いって言ってますし。』

 

「詳しく話して。」

 

『操ってる企業の内部にクーデターの動きがあるそうだから、それを止めて欲しいって。黒幕は専務取締役と社長秘書。株を取りまとめようとしているってさ。金に糸目は付けないから防いで欲しい、必要な物は取り揃える。そう言ってるけど。』

 

「オッケー。早速ウチの弁護士の仕事開始だ。連絡頼むよ。」

 

『ウィ?ッス。』

 

 

 

 

 

「ふう・・・・・」

 

その頃、一夏は部屋で一息ついていた。人も余り来ない為静かだ。だがそんな時、内線でスコールから電話がかかった。

 

「どうしたんですか?」

 

『貴方に会いたい人がいるみたいよ?』

 

「俺に?誰ですか?」

 

『中国の・・・・』

 

「すぐに出ます。待たせといて下さい。」

 

一夏はデッキを引っ掴んでカードの順番を確認すると、直ぐにロビーに出た。ソファーには鈴音が足をパタパタさせながら座っている。

 

「鈴・・・・・どうした?」

 

「あの、ね・・・・・その・・・・・約束、覚えてる・・・?」

 

「ああ。『料理が上手くなったら、毎日酢豚を食べてくれる?』だったか。で?それを言うからには上手くなったんだろうな?」

 

「勿論!はい。」

 

小さいタッパーを差し出される。その中身は言わずもがな、酢豚である。一緒に渡された割り箸を使って一口食べてみた。

 

「おお、美味い!」

 

「でしょ?」

 

「鈴。正直に答えてくれ。お前・・・・・ミラーワールドで戦って何をしていた?その戦いで何を望んでいる?」

 

「ミラー、ワールド・・・?何それ。」

 

「無双龍、ドラグレッダー。お前の契約モンスターが、俺には見えている。お前も知ってるんだろう?ライダーの事を。まあ、俺だって鬼じゃない。無理矢理聞き出したくはないからな。話す気になったら、俺を探しに来い。クラス対抗戦でまた会おうぜ。」

 

それだけ言うと、酢豚の残りを完食してタッパーをテーブルの上に置き、部屋に戻った。

説明
ミラーワールドに向かったリュウガとゾルダは・・・?
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コメント
ラウラか千冬がきそうな予感が・・・(デーモン赤ペン)
それはもちろん。当然誰かはまだ教えませんが。(i-pod男)
鈴と箒が龍騎とオルタナティブか><ということは王蛇もでるのか?(yosiaki)
いえ、戦友ないし親友にはなるでしょうが、ヒロインにはならない・・・・筈です。箒に関してはアンチを掠って救済ルートになります(i-pod男)
一夏のヒロインは鈴ですか?(竜羽)
なんだろう、箒が敵になりそう……。(ゆっけ)
タグ
ゾルダ IS 仮面ライダー龍騎 

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