SAO〜黒を冠する戦士たち〜 第百十三技 武器の正体
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第百十三技 武器の正体

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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キリトSide

 

近くの宿に部屋をとった俺は三人を連れて部屋に入った。

 

「圏内でHPが0になった!?」

 

「((決闘|デュエル))ではない、というのは確かなのですか?」

 

俺とアスナは今回の一件のあらましを二人に話した。シャインもティアさんもかなり驚愕した様子だ。

 

「ウィナー表示を発見できなかったうえに、システムウインドウすらなかった。

 仮に決闘であっても、食事をしにきた場所で、ましてや『完全決着モード』を受けるというのはあり得ない」

 

「それに…その直前までヨルコさんと歩いていたのなら、『睡眠PK』もないと思います」

 

「確かに…」

 

「決闘にしても、手が込み過ぎていますしね…」

 

俺とアスナの説明を受けて、シャインは納得し、ティアさんもいくつかの疑問点を考えている。

 

決闘の線はほぼ無いということだ。そして、この事件は計画されたものという事になる。

 

「そこで数少ない手がかりであるこの二つの鑑定をティアさんに…」

 

俺はアイテムストレージから凶器である逆棘のついた赤黒い槍と証拠品のロープを取り出した。

 

ティアさんは頷くとロープから鑑定を始めた。

 

「ロープの方は……NPCショップで売っている汎用品です。耐久値はほとんど削られていますね」

 

耐久値に関しては俺が斬ったからだろう。それで消滅しなかったのは不幸中の幸いだ。

 

続いて槍の鑑定を始めた。さすがに凶器として使われたものなので、皆に沈黙が降りる。

 

この槍は長さからして短槍の部類なのだろう。

 

いくつもある逆棘は引き抜くときの要求筋力値を高く求める。

 

ナーブギアにおいて筋力などのステータスを最大限に引き出すにはやはりイメージが重要だ。

 

だが、カインズ氏があの死への恐怖の中で冷静にイメージを出来るはずなどないので、

引き抜く為の筋力を引き出すことが出来なかったのだろう。

 

『貫通継続ダメージ』によるHPの減少は恐ろしいはずだ。

 

それを考えると、やはり今回の事件は突発的なものではなく計画性のあるものという事だ。

 

そこでティアさんの鑑定が終わったようだ。彼女は息を吐くと厳しい表情をした。

 

「PCメイドです。製作者は……『グリムロック』、綴りは『Grimlock』ですね。

 私は聞いたことありませんが、みなさんは?」

 

「グリムロック……俺は無いな」

 

「私も、聞いたことありません」

 

「俺もだ」

 

ティアさんが聞いてくるが、俺もアスナもシャインも知らない名前だった。

 

つまり一線級の鍛冶師ではないということか。

 

「なんにせよ手がかりにはなるわ。

 このクラスの武器を作れるようになるためにレベルを上げるのには、ソロプレイを続けるのは無理だと思うし。

 中層の街とかにいけばそのグリムロックさんとパーティを組んだ事のある人がいるかもしれない」

 

アスナの言う通りだ。攻略組ならばまだしも、鍛冶屋を営んでいるかもしれない者がソロで動くには限界がある。

 

「どのみち情報がまだ足りな過ぎる。ティアさん、情報収集をお願いします。シャインはティアさんの護衛を…」

 

「「はい・おう」」

 

「俺はアスナと共に、明日改めてヨルコさんの話を聞く。いいか、アスナ?」

 

「ええ」

 

ただ、これだけの人数で動くのも心許無いな。みんなにも頼むか…。

 

「槍はルナリオにもう一度鑑定してもらおう。なにか手がかりが掴めるかもしれないしな」

 

「それがいいな」

 

俺の言ったことにシャインは賛成を示した。

 

「それとハクヤとハジメ、ヴァルとカノンさんには最前線の攻略にあたってもらおう。

 俺達四人とルナリオが前線から離れるとなると、攻略の維持が難しくなるからな。

 後はアルゴにもなにかいい((情報|ネタ))がないか、エギルには商人達の伝手を借りよう。

 他の攻略組や知り合いのギルドにも情報がないか連絡をしておく」

 

俺の言葉を聞き終わると三人は頷いた。そうだ、忘れるところだった。

 

「ティアさん、念のために武器の銘を教えてください」

 

「あ、はい。えっと、『ギルティソーン』……『罪のイバラ』ですね…」

 

システムがランダムにつける名前にしても、事件も相まってか随分とらしい名前だ。

 

なんにせよ情報がまだ定まらない。他の攻略組にはまだこの情報は連絡しない方がいいな。

 

明日情報が揃ったら連絡しよう。

 

「とりあえず今日は解散にしよう。二人は明日の事もあるからこのまま休んでくれ。気を付けてな」

 

「キリトも気ぃつけろよ。それじゃあな、キリト、アスナちゃん」

 

「キリト君、アスナさん。おやすみなさい」

 

「はい、おやすみなさい」

 

二人は挨拶をすませると部屋から出ていった。

 

「さて、アスナはどうする? 俺は『始まりの街』に向かうが…」

 

「何をしにいくの?」

 

「グリムロックが生きているかを確認しにいく。死んでいたら元も子もないからな」

 

彼が死んでいたら話を聞くどころじゃない。まずは生存確認だ。

 

「それなら私も行くわ」

 

「わかった。行こうか…」

 

俺とアスナは宿を後にして第1層主街区にして全ての始まりの場所である、『始まりの街』に向かった。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

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後書きです。

 

キリトのリーダーシップが相変わらず高い件についてw

 

ここらへんの原作との違いは、登場するキャラとセリフの違い程度ですかね?

 

それでは、また・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
第百十三話です。
凶器である武器の能力とは・・・。

どうぞ・・・。
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コメント
アサシン様へ 気のせいじゃなくて良かったw(本郷 刃)
↓気のせいでは無いかと、ニヤリ(アサシン)
サイト様へ いくら本作のキリトでも、攻略組レベルの殺人鬼三人に一人は厳しいと思います・・・なのに、あっさり一人で勝てそうなのは自分の気のせいでしょうか?(本郷 刃)
RevolutionT1115様へ このキリトさんは大人な人ですからw しか〜し・・・・・・(ニヤリ)(本郷 刃)
神薙様へ そんな感じでスタンバってますwww(本郷 刃)
原作だとラフコフのメンバーは三人でしたけど、このキリト相手にじゃ立場が逆転しそうで怖いw(サイト)
自分の手に刺そうとかバカなことはしない大人なキリトさんでしたww・・・・・・時機到来したラフコフ達「ショータイム」←「ステンバーイ…ステンバーイ…」の言い過ぎでかすれ声になるとww(RevolutionT1115)
ラフコフ達「「「ステンバーイ…ステンバーイ…」」」 こんな感じか?www(神薙)
不知火 観珪様へ もちろんきますけど、事件終盤なのでそれまでは待機してもらっています。(本郷 刃)
早くラフコフこないかな……?(wktk(神余 雛)
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