魔法先生ネギま 〜疾風物語〜 第十二話
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所変わって京都は((R毘古社|かがびこのやしろ))。その縁側で、日に当たりながら寛いでいる者がいた

 

「さて、疾風君たちが京を発って七日…。そろそろ、報告が来てもいいころだね」

 

それが文なのかクラマ君なのか、はたまた既に解決しちゃってるってのもあるかもしれないな

そう心の中で呟いて、茶を啜る

彼らは関西呪術協会と京都神鳴流が誇る最大戦力。彼らが依頼された仕事を放棄、または失敗した事は無い

まあ、たまに依頼料を貰い『忘れる』ことはあるけどねぇ…

今回は貰ってきて欲しいなあ…。依頼人は麻帆良の地主なんだし

 

「彼はお人好しだからなぁ。ま、そういう所が好かれるのかもね」

 

お、茶柱立ってる。いい事があるかな

 

 

「長!大変です!!」

 

 

突然、ここを守護している巫女が大声を上げ、僕を呼んだ

 

「どうした!落ち着いて報告しろ。何があった」

 

そう叱咤すると息を荒げていた巫女は落ち着きを取り戻し、幾分顔を青ざめてこう言った

 

「疾風さんと、クラマさんが戻りました。…しかし、クラマさんは昏睡状態。疾風さんも極度の疲労が見られます」

 

その報告に、僕は持っていた湯呑みを手からこぼした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「疾風!!」

「おお、泰春か…」

 

僕が会いに行ったとき、疾風君は随分衰弱した様子だった

 

「…とりあえず、話は出来るみたいだね。何があったんだ?君らがそんなにやられるなんて」

「ああ、とりあえず依頼は無事に終わったよ。こっちの報告は後でする」

 

こっちの報告?その言葉に違和感を感じる

依頼の妖怪にやられたのではないのか?

 

「どういう意味だい?『こっちの報告』とは。妖怪にやられたんじゃないのかい?」

「…ちょっと、不測の事態があってね。西洋魔法使い、という奴らを知ってるか?」

 

『西洋魔法使い』この言葉は聞き覚えがある。

此処最近、日本にきりすと教とやらと共にやってきた者達だ

しかし呪術協会との仲は余り良いとは言えない。何故なら彼らは魔法を広めようとして陰陽術を否定しているからだ

それだけならまだいい。近頃は呪術協会や陰陽師に攻撃を仕掛ける者もいるからだ

 

「ああ。西洋の方からやってきた手品師の事だろう?最近は、愚かにも呪術協会にも仕掛けてきたけどね」

 

僕の言い放った『手品師』という言葉に疾風君が吹き出す

 

「手品師とは言い得て妙だな。まあとにかく、その西洋魔法使いにやられたんだ。町の中でいきなり魔法をぶっ放されて、町の人を護るために障壁を全力で展開したけど、自分には間に合わなくってな。俺は胴体に直撃、クラマも脚をやられた。そんで、その治療のためにチャクラを限界まで酷使したから、アイツはぶっ倒れてる。俺は胴体の前面が綺麗に吹き飛んでてな、自分の傷を自分で治せる状態じゃなかったらしい。なんせ、臓物が丸見えだったと言ってたからな」

 

疾風君の説明した、自分がやられたときの状況。それを聞いて、僕は自分を抑えるのに精一杯だった

街中で魔法を放つ?町の人を巻き込む事を考えずに?

…狂ってる。奴らは正義のために仕方がない事だとでも吹聴するのだろう

 

「…そう、だったのか。それで、その魔法使いは?」

「逃げたと言っていたよ。クラマが陰陽術で追い払った」

 

そうか。出来れば生かして捕まえて欲しかったが、そんなことが出来る状況じゃないしね

 

「そうか、それじゃあこの話は後で突き詰めていくとしよう。依頼のほうはどうだった?解決はしたみたいだけど」

「ああ、まず依頼人の母親だが、妖怪に憑かれていたよ。その妖怪は麻帆良の土地神、蛇神だった。それで斬魔衝で母親から追い出した後、斬った」

 

解決したのか。それにしても、なぜ神が取り憑いたんだ?

 

「成る程。だけど、何で神が取り憑いたんだい?蛇神だけど、邪神ではないんだろう?」

「世界樹の魔力によって消滅した妖怪たちがその神に縋り、何百何千と年を重ねていって、ついに堕ちたらしい」

 

…それは危険だな。古今東西、堕ちた神なんて碌な事をしない

 

「ふむ、では社か何かを作って監視させたほうがいいかな。まあ、それも置いておこう。で、依頼料の話なんだけど?」

 

僕は疾風に向けて、殺気を飛ばしながら問いただす。余談だが、この話を覗いていた巫女によると、このときの僕はとても『イイ』笑顔だったらしい

 

「あ、あの、その、なんていうか…」

「ん?どうしたのかな?言ってごらんよ。貰ってきたんだろう?」

 

どんどん疾風を問い詰める。次の瞬間に、固まる事を知らずに

 

 

 

 

「ま、麻帆良の土地を貰っちゃいました。…なんて言ったら、信じる?」

「……はぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾風の土地を貰った、と言う説明を聞いた後で僕はただ、こう思った

 

「その楠根っていう人。大胆だね。まさか、先祖代々の土地を『妖怪は持て余す』なんて理由で手放すなんて」

「まあ、俺も聞いたときは目が点になったしね」

 

大胆と言うか、何も考えていないのか…

 

「でもそうすると、麻帆良を呪術協会の直轄地にするのは厳しいね。距離的にも難しいし、あくまでも『風見手華』名義なんだから」

「((風見手華|おれ))が土地を手放せばいいんだが、そうすると楠根さんたちの顔に泥を塗る事になるからなぁ…」

 

惜しいなあ。あの聖地は気や魔力で満ちているから、修行とかにはもってこいなんだけどな

 

「惜しいけど麻帆良は諦めようか。疾風君だったら、護ってくれるだろうしね。そういえば、今度の大発光はいつだったっけ?」

「たしか楠根さんが、前回は10年前って言ってたから次は12年後かな」

「楽しみだね。じゃあ僕は、それまで生きなきゃね。暗殺とか、戦いとかでも負けるわけにはいかなくなったよ」

 

22年に一度の大発光に思いを馳せながら、僕達は談笑していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だがクラマ君は昏睡状態から回復した途端、凄い勢いで本山の食べ物を食べ尽くした

その余波を食らって、僕と疾風君は三日間食事を貰えなかった。理不尽だ

 

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第十二話です。早く本編入れー!若しくは大戦期入れー!と言う方。今しばらくお待ちください

もう少しでやっと、やっとエヴァ以外の原作キャラが出せそうなんです…!

だから、今しばらくお待ちを…!

 

2012.12/10 大発光の年数を変更しました

説明
第十二話です。お楽しみいただければ幸いです
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