真・恋姫†無双 〜桃園の6姉弟〜
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 第4話 中編 関姉弟と張三姉妹

 

 沙紗Side

 

 私と姉上は今、森の中で見つけた旅芸人の方々と次の村まで一緒に行っている途中です。

 

 何故、行動を共にする様になったのかと聞かれると旅芸人の方が頼み込んで来たからです。

 

 姉上が断ったにも関わらず旅芸人の方がそれでも頼み込んで来たので、姉上も相手の迫力に負け渋々では有りましたが次の村まで共に行動をする様になりました。

 

 「沙紗は後ろを歩いてくれ私は前を歩くから、何か怪しい動きを見せたら言うのだぞ」

 

 「分かりました、姉上」

 

 そう言って姉上は、前を歩き始めました。

 

 姉上に続いて護衛の方々が旅芸人の方々を挟む様に歩き出しました。

 

 会う前にも思ったのですが、この人達から悪い印象を受けないのは私だけなのでしょうか?

 

 護衛の方々は見た所少しは武芸が出来るみたいですが、姉上に勝てる程の武をもっている様には見えないです。

 

 旅芸人の方々は言っていた通り、ただの旅芸人の様ですし。

 

 こんな人達も歌で民達を、元気にしようと頑張っているのでしょうか?

 

 前の二人が何やら話しています、悪い予感しかしないのは何故でしょうか?

 

 「ねぇ、あんた」

 

 護衛の方と交代して水色の髪の人が話し掛けて来ました。

 

 「・・・・・・」

 

 先程姉上に『奴等とは話をするなよ!!』と言われたので答えたくても出来ません。

 

 「何で無視するのよ!!」

 

 凄く怒っています、そんな大声で怒鳴ると皆が此方に振り向きますよ。

 

 「どうしたの?ちーちゃん?」

 

 桃色の髪の人が心配そうな顔で此方を見て来ました。

 

 「如何した、沙紗何かあったのか?」

 

 姉上も此方を見て来ました。

 

 「いえ、何でもありません」

 

 「何にも無いですって、話し掛けたのに無視したでしょ!!」

 

 「それは・・・」

 

 「それは、私が話しをするなと言ったからだ!!」

 

 私が言う前に姉上が話しに入って来ました。

 

 「何でよ、少しぐらい良いじゃない!!」

 

 凄く悪い方向に行きそうなので、話しに割って入る事にします。

 

 「姉上、村に着くまでの間だけでも話しをさせて貰えないでしょうか?」

 

 これで、許しが貰えたら良いのですが・・・

 

 「・・・・・・沙紗がそう言うなら、村に着くまでの間だけだぞ。後、真名の交換をするのは駄目だからな!!」

 

 良かったです。姉上の許しが出て、これで怒られずに済みます。

 

 「それは、分かっています。姉上有り難う御座います」

 

 「ああ、沙紗の頼みとあれば断る訳にもいくまい」

 

 そう言うと姉上は、前を向いて歩き始めました。

 

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 「許しが出たのでどんな話しをしますか?」

 

 私がそう聞くと、水色の髪の人は呆然とした顔で此方を見て来ました。

 

 「あんた、姉の扱いに為れてるのね・・・・」

 

 酷い事を言われました。

 

 「そんな事は無いですよ、私はそのままの事を言っただけです。それで如何しますか?」

 

 「じゃあ、名を教えてよ。いつまでも『あんた』って呼びたくないしそれぐらい良いでしょ?」

 

 名の交換ですか・・・しかし・・・

 

 「私の名を知っているのでは?」

 

 「知っているけど、ちぃはあんたから聞きたいの!!」

 

 やはり私達の名は、幽州内では知れわたっているのですね。

 

 「分かりました、私の名も教えますから貴女もですよ?」

 

 「分かってるわよ」

 

 「では、私は姓は関、名は索、字は維之です。村までですが、よろしくお願いします」

 

 「ちぃの姓名は張宝よ、字は無いの、よろしくしてあげるわ。それと名の呼び方だけど『ちぃ』って呼んでくれない、そっちの方が呼びやすいでしょ?」

 

 そういえば張宝さんの姉妹の方もそう呼んでいましたね。ですが、これは私が気軽に呼んでも良いのでしょうか?

 

 「それは真名ではないのですか?」

 

 「そうだけど、本当は少し違うから良いわよ」

 

 少し違うか・・・本当に良いのだろうか?でも張宝さんも良いと言ってくれているので呼ぶ事にしましょう。

 

 「分かりました、張宝さんが良いと言うのならそう呼びます」

 

 本人が良いと言っているから良いと思うのですが、姉上には知られない様にしましょう。

 

 「それでは、名の交換もした事ですしどういった話しをしますか?ちぃさん」

 

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 地和Side

 

 「それでは、名の交換もした事ですしどういった話しをしますか?ちぃさん」

 

 やっと、名の交換が出来た。

 

 関索の第一印象は凄くカッコイイ。顔も、ちぃの好みだし早く名の交換がしたかったから、ちぃが先に話し掛けた。

 

 天和姉さんの好みにも近いし、もしかしたら先に話し掛けられるかもしれないと思って一番後ろに行って話しをしてみた。

 

 そしたら関羽に邪魔されたけど、関索が説得してくれて話せる様になった。

 

 「関索達は、どうして何処にも仕官しないの?貴方達の武なら何処に行ってもすぐ将になれると思うんだけど?」

 

 関索達の噂は、幽州内の何処に行っても聞くから少し気になった。

 

 曰くいろんな町や村に行っては賊討伐をしていると・・・・

 

 「姉上が言うには『仕官等をしたらそこだけしか守れないだろ』と、だから何処にも仕官せずに各町や各村を回りながら旅を続けているのですよ」

 

 そんな理由があったんだ、なんか凄いなぁ。

 

 「へぇ〜〜、そうなんだ凄いのね」

 

 「それを言うのであれば、ちぃさん達三人も凄いですよ。町や村を回り民達を元気にする為、歌を聞かせているのでしょう?」

 

 褒められちゃった、誰にも言われた事が無いから凄く嬉しい。

 

 「まぁそうだけど、でも関索達の方が凄いと思うわよ?私達は民を元気にしてあげる事は出来るけど賊の恐怖から守る事は出来ないもの・・・」

 

 そうよ・・・・私達は民を元気にしてあげる事だけしか出来ないから・・・・でも関索達は賊の恐怖から守る事も民を笑顔にする事も出来る。

 

 「そうでしょうか?私は凄いと思いますが、民の事を考えているのですからどちらも変わらないですよ」

 

 「・・・・//////」

 

 「ちぃさん、大丈夫ですか?顔が赤いですよ?」

 

 「だ、大丈夫だから気にしないで!!」

 

 関索の笑顔に見とれていた何て言えない、今は凛々しくてカッコイイけど笑うと可愛いなんて卑怯よ。

 

 このまま一緒に旅出来ないかなぁ〜、そしたら関索の真名も教えてもらえるかもしれないのに・・・無理なんだろうなぁ〜

 

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 愛紗Side

 

 気になる、後ろが凄く気になる。どんな話しをしているのだろうか?・・・・こんな事なら話しを許すのではなかった。

 

 何故、私は許してしまったのだ・・・・あの時沙紗に頼まれたからだが、沙紗の頼み事を断る等出来ない。

 

 私達が故郷に居た時もこの様な事があった、沙紗は村でも人気者だった特に若い娘達からの人気は凄かった。

 

 私から見た沙紗は頼りになる弟なのだが、若い娘達から見た沙紗はカッコイイそうだ。

 

 私の見方と若い娘達との見方が違うのは解かるが、何故か納得がいかない・・・・やはり私が姉だからなのか?

 

 それと今一緒に居るこの三人というよりは、一番後ろに居る水色の髪の女も沙紗の事が気になるのか話し掛けて来た。

 

 これ以上親しく為らない様に速く次の村に行かないと。

 

 「ちーちゃんだけずるいな〜、お姉ちゃんもあの子と喋りたいのに〜」

 

 何!!この女もか!!

 

 「天和姉さん、我慢して私達の夢が叶わなく為っても良いの?」

 

 「それは嫌だよ!!・・・分かった我慢する」

 

 こんな事なら旅の同行を許すのでは無かった。

 

 ・・・後悔しても仕方が無い、今は急ぎ次の村に行く事だけを考えよう。

説明
関姉弟は、森で二人の男と三人の女に出会いました。この五人の正体は誰なのか?そして、どう関わって来るのか?
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