「はあ・・・・・・」

七乃は自室で、ただひたすらボーっとしていた。

食事もろくに取らず、顔には生気が無い。

美羽が消えてから、七乃はまさに生きる屍となっていたのだ。

「張勲様。この政策についてですが・・・・・・」

「貴方たちで適当にやっといてください・・・・・・」

「張勲様。お食事を・・・・・・」

「お腹空いてないんで要りません・・・・・・」

部下たちとの受け答えも無気力でぞんざいだった。

「袁術様は行方不明。張勲様もあの調子では、ここも長くはないな・・・・・・」

とある文官のこの独り言は、今の袁術陣営の脆さを如実に語っていた・・・・・・

「麗羽さん。体調を崩されたって聞きましたけど、大丈夫ですか？」

「ええ、心配してくれてありがとう桃香さん」

麗羽の自室で、麗羽と桃香は話をしていた。

麗羽は寝台に座って、椅子を借りて座っている桃香と向き合っている。

「ところで、白蓮さんの説得は上手く行ったのかしら？」

麗羽の問いに、桃香は難しい顔をする。

現在、麗羽は桃香と同盟を組んでいる。

そして、その同盟に白蓮も加えようと、麗羽陣営、桃香陣営の両方から説得を試みているのだが・・・・・・

「白蓮ちゃんず〜〜っと悩んでるみたいで、まだ返答くれないんですよ」

「相変わらず優柔不断な人ですわねえ・・・・・・」

白蓮の決断を鈍らせているのは、白蓮に対する麗羽のいままでの行いが原因なのだが、本人は気づいていないようである。

「一刀さんなら、一刀さんならきっと何とかしてくれると思うんですけど・・・・・・」

「確かに。報告しなければいけない事もありますし、そろそろ戻ってきてくれないかしら・・・・・・」

「何ですか？報告しなければいけないことって？」

桃香は首を傾げる。

「ええ、まあたいした事ではないのですけど・・・・・・」

そのまま麗羽はこう続けた。

「わたくし、一刀さんとの子供が出来ましたの」

平然と爆弾発言をした麗羽に

「・・・・・・」

桃香はしばらく硬直し

そして

「ええええええええええええええ！！」

城中に響き渡るような驚きの声を上げたのだった・・・・・・