IS x 龍騎?鏡の戦士達 Vent 31:キャノンボールファスト
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一夏の精神世界での一件が過ぎたある日の事・・・・

 

「あーあ・・・・面倒くせえ・・・」

 

「司狼さん、そうは言ってられません。」

 

もう何度このやり取りをしただろう。司狼はソファーの上で寝転んで器用に紅茶を飲んでいた。

 

「けどよお、俺の場合リミッターがつくから嫌なんだよ。いっそ俺は出ない方がマシだ!結構譲歩したんだぞ!?」

 

「仕方無いじゃないですか、司狼さんの武器は出力マックスから半分にしても威力が高すぎるんですから。もしマックスだったらライダーの時と破壊力が変わりませんし、下手すれば相手が死んで、コアがぶっ壊れますよ?」

 

「あー!ストレスたまるぜ!」

 

司狼は子供の様に足をばたつかせてソファーから転げ落ち、地面を転げ回った。

 

「ストレスはこっちも同じですよ。ラウラはシャルロットと組んでかなり厄介ですし・・・・アドベントビーストプログラムは敵に回すと大変ですからね。」

 

「まあ、四の五の言ってられねえな。しゃーねー。行くぞ。」

 

「ういっす・・・最初は俺ですね。」

 

一夏はISを展開してそのままアリーナ上空に躍り出た。どうやら自分が最後だったらしく、既に全員が位置に着いていた。

 

「今回ばかりは兄さんとは言え勝たせてもらう。」

 

「上等だ、返り討ちにしてやる。」

 

(このアクセルベントと言うカード・・・・使ってみたい・・・・!!)

 

一夏とマドカは好戦的な笑みを浮かべた。ラウラは早く性能を試したいのかウズウズしている。簪も多少そわそわしていたが、テンパってこけると言う凡ミスは代表候補生であるため犯さない筈だ。(以前の誰かさんの様に・・・・)ライトが赤から緑に変わり、レースが始まった。一夏はいきなりイグニッションブーストで飛び出し、後ろにリボルウィングの徹甲ダーツを散撒いた。受け流す物もまともに喰らう物も様々だったが、現在は一夏がトップ、その後ろにマドカ、ラウラ、セシリア、鈴音、簪、そして箒が小競り合いをしていた。

 

「そこをどけえええええええ!!!」

 

「暑苦しいな。コイツと遊んでいろ。」

 

『Guard Vent』

 

マドカの左腕に現れた楯、ウィングシールドの効果で当たりに白い羽が舞い始め、トップの一夏以外が混乱し始める。だが、一夏への牽制も忘れずにスターブレイカーを撃って来る。一夏もどうにか避けて行くが、エネルギーを減らす零落白夜のシールドを使う訳にも行かない為、二、三発被弾してしまう。最終コーナーを回って行くと、頃合いを見て第一コーナーで散撒いた徹甲ダーツを起爆した。再び足止めに成功した一夏はどんどん前に進んで行くが、何かに追い抜かれた。その黒い影は・・・・

 

「ラウラ・・・!!そうか・・・・アクセルベントのカード!」

 

オルタナティブのデータを使ったIS、当然オルタナティブのアドベントカードも使える。迂闊さを呪った一夏は舌打ちをすると、デッキからカードを引き抜いた。

 

「ここで使うとは思わなかったが、ラウラ、真似させてもらうぞ?」

 

『Copy Vent』

 

途端に周りの景色がぼやけ、自分が物凄いスピードで移動し始めるのを感じた。着いたのはラウラの少し手前だったが、雪羅のカノンモードを使って攻撃した。

 

「待ちやがれーーーーー!!」

 

だが、一夏の動きはAICで封じられ、ワイヤーブレードが襲いかかって来る。数メートル後方斜め下に吹っ飛ばされたが、それは寧ろ不幸中の幸いだったのかもしれない。と言うのも、シャルロットの武装が文字通り火を噴いて銃弾、ビーム、ミサイルを散撒き始めたのだ。その渦中に一夏以外の殆どが巻き込まれた。

 

「シャルロット!気をつけろ!殺す気か!」

 

「だって!スピードが思う様に出ないんだもん!」

 

シャルロットの両腕にはダブリスト・シューター、左右の手にはデザートフォックス、ギガホーク、そして肩にはギガテクター、ギガキャノンと言う人間戦車とでも呼べる様なシャルロットが膨れっ面でいた。

 

「やけっぱちで攻撃しても意味無いぞ!(つってもあれを喰らったらシールドエネルギー即座に削られてアウトだから効果絶大だけど・・・・・残りは後一周半。ここでアレを使う訳にも行かないしな・・・・・)」

 

一夏は思案に耽りながらも前進する。第二ラップを終えて、ファイナルラップへと突入した。だが、ここで上空で爆発が起こり、空から何かが降って来た。

 

「あれは・・・・・!!!ゴーレム・・・・あの時の発展型・・?!」

 

((無登録|ノーナンバー))のコアは勿論、ラインアイ型のハイパーセンサー、右腕は肘から先がブレードとなり、左腕は砲口が四つ、更に空中に幾つかの球体が浮遊していた。

 

「あれは・・・・先生!」

 

『直ちに観客を避難させろ。状況をレベルDと断定!シールドのレベルをマックスまで引き上げる!専用機持ちは奴を押さえろ!クラストーナメントに現れた物と同型の物である事が推測出来る。』

 

「了解した。司狼さんをこっちに寄越してくれ。」

 

その時、ビームと矢の雨がゴーレムの上に降って来た。シールドで防御されたが、注意は反れた。

 

「もういるぜ。」

 

ブルート・ヴォルフを纏って空から舞い降りて来た。両手には連結したデュアルバイザーが握られている。その後ろには、黄色、黒、銀の三色に彩られたフルスキンのISが・・・・

 

「さてと、数馬、これは入社試験とヴェスパインのテスト稼働パート2だ。援護よろしく。しくじるんじゃないぞ?」

 

「はい!」

 

「さてと、あの時は二十五パーセントだったが、今回は本気の五十パーセントを見せてやる。しっかり見てろよ?」

 

デッキからゆっくりとカードを引き抜き、それをデュアルバイザーにカードを装填した。そのカードの名は・・・・

 

『ユナイトベント』

 

デュアルーパス二頭が光に包まれ、一つになった。その中から現れたのは、尻尾を二つ持ち、体中に突起を生やした二足歩行型の頭を二つ持つ大型モンスター、幻狼獣王レクスヴォルザードだった。背中の黒い蝙蝠の様な翼は、正に悪魔を連想させる。

 

『グゥウウウゥウゥウオオオオオオオオオオオオオオンンン!!!』

 

その遠吠えは、空気を揺るがした。ビリビリと肌にまで伝わる。その威厳、殺気、覇気、どれを取っても、正に北欧神話でオーディンを一飲みにした怪物を体現している。

 

「ハーーーッハッハッハッハッハッハッハ!!さてと。狩り、開始だ。ちょっと周りに被害が出るかもしれないから、全員を迅速に避難させて!」

 

悪役としか言えない様な笑い声と言葉とは裏腹に、満面の笑みを浮かべて笑っていた。

 

(そうか、力試しと来たか・・・・良いぜ。見せてやろうじゃないか!)

 

「YEEEEEEEEEEEEEEHAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

 

奇声を発しながらデュアルバイザーを剣に変形させ、錐揉み回転をしながら((多重瞬時加速|マルチプレックス・イグニッションブースト))を使ってゴーレムに向かって行く。ゴーレムの背後からはレクスヴォルザードがその強靭な腕を使ってラリアットを叩き込み、ゴーレムを吹き飛ばした。それを回転しながら切り刻む。

 

「ほらほら、どうしたああああああああ?!」

 

『Sword Vent』

 

レクスヴォルザードの二つの尻尾を連結させた巨大な武器、『クレッセントシャドウ』が現れた。飛んで来るビームの嵐をかい潜りながらも前進し、両腕を切り落とそうと両手の武器を振り下ろすが、ゴーレムの周りを浮遊していた球体が円を描くと、シールドバリアーを展開してその攻撃を防いだ。だが、そのシールドは力を入れる度にどんどんひび割れ、遂には砕けた。

 

「完璧だ。数馬、やれ!」

 

「了解。喰らえ!」

 

『Shoot Vent』

 

スティンガー・アローから放たれたエネルギーの矢が後ろから両肩と頭部を穿ち爆発を起こすと、更に前方から再びクレッセントシャドウとデュアルバイザーの二刀流で両腕を切り落とし、更に制御回路を的確にプラズマクローで焼き切った。コアを抜き取ると、残骸が数馬のISに装備された双剣、ワスプグラディウスによって三枚下しに切り裂かれた。

 

「ふう・・・・・」

 

「上出来だ。デビューにしちゃ悪くない。俺達のクラスに入る様に根回しはしてある。よろしくな?」

 

「はい。」

 

説明
ちょっと飛ばしたかもしれませんが、キャノンボールファストから行きます。後、司狼のユナイトベントが・・・
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タグ
ユナイトベント インフィニット・ストラトス 仮面ライダー龍騎 キャノンボールファスト 

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