ハイスクールD×D〜HSSを持つ転生者〜 第57話
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第57話〜旧魔王派幹部 クルゼレイ・アスモデウス〜

 

 

皆の気配を仙術で探りながら先へと進む。

 所々、ローブ姿の女が何名かいたが『聖母の微笑み』で傷を完治させてから先へ行く。

「(うわ……)」

 俺の目の前には、大きく抉り取られた壁や柱。

 地面は黒く焼けた痕のようになってる。

 焼けた地面の中央には、二人の女と男がいた。

 うん、わかったぞ。これは部長と朱乃さんが口ゲンカして…

 この二人は、それに巻き込まれたと考えてもいいだろうな。かわいそうに…。

 いくらベルセの状態でも、寒気が走る

「気の毒だな…。だが、ケンカをしている途中で何かを吹っかけたお前らも悪い」

 気絶している二人に『聖母の微笑み』をかけてやってから先へ進んだ。 

 

 

 

 

 

 

 

 神殿の奥へ進んでいくと、――目の前に、見覚えの無い魔法陣が展開されていた。

 現れたのは、一人の男性。

「お初に目にかかる。俺は真のアスモデウスの血を引く者、クルゼレイ・アスモデウス。

 "多重の創造者"神矢クリス。カテレアの敵討ちをさせてもらう!」

 こいつが…旧魔王派の幹部の一人、クルゼレイ・アスモデウスか。

 さっきの雑魚達よりも、段違いの魔力。相手は魔王クラスの敵…。

 いいねぇ…! 血が騒ぐぜ…!

 ベルセの血流が一段と強まり、ドス黒い血流は、とうとう全身に回っていった。

「それじゃあ、早速、死合いといこうか…!」

 俺はシャーロックの武装になり、滅びの魔力を纏わせたスクラマ・サクスで

 きりかかる。

 が、クルゼレイはそれを避ける。その表情は、憎悪に歪んでいた。

「その力…!忌まわしき偽者の魔王サーゼクスの滅びの魔力だな!?」

「ハッ! それがどうした。俺達の闘いにサーゼクス様は関係ない」

 クルゼレイは両手に巨大な魔力の塊を放ってきた。

「滅殺雷光」 

 滅びと雷光が、クルゼレイの魔力を打ち消した。

「雷光も扱うか…! 雷光使いの堕天使を思い出す…!」

 バラキエルさんの事を言っているのか。

 さっきまで憤怒の表情をしていたクルゼレイは、急に真面目な表情になった。

「俺はお前を屠る為に、お前の事を調べてきた。調べている内に…怖くなった。

 俺は本当に勝てるのか、と。だが、それもこいつのお陰で畏怖は完全に消えた!」

 クルゼレイは、一つのビンのようなものを取り出し中身を飲んだ。

 ドン…! と、ドス黒いオーラが立ち上る。

「ふはははははッッ! オーフィスの蛇の力で強くなったこの私に勝てる奴など、誰もいない!

 さぁ、これで終わりにしてやるッ!」

 クルゼレイは両手を上に翳すと、魔力の球が現れた。

 しかも、少しずつ大きくなっている…!

「その蛇とやらが、俺に勝てる必勝法ってやつなのか?」

「そうだ! この蛇の力によって俺は、前魔王クラスまでに引き上げられているのだよ!」

 これが前魔王クラスの力だと…?

 ふふふ、これが…? たったこれが前魔王クラスなのか?

 だったらまだ、サーゼクス様のほうが数倍は強いと思うぜ

 それに、相手は秘策を出してくれたんだ。こっちも出さないとなぁ?

 

 左手に赤龍帝、背に白龍皇、右手に聖槍を出現させ、力のある言葉を紡ぐ。

「((神器融合|セイグリット・フュージョン))ッ!」

 三つの『神滅具』は神々しい光を放ち、俺を包んでいく。

 『黄昏の聖槍』に、赤龍帝であるドライグと白龍皇のアルビオンの本来の姿が

 彫られている聖槍になっていく。

 俺の服装も、駒王学園の制服から黒いコートに黒いブーツ。黒い手袋に代わっていく。

「神器融合、『赤白皇帝神龍の聖槍』。お前に敬意を表して、俺の最高の技で滅す」

 クルゼレイは、神器融合にもあまり驚くことは無かった。

「これが、神器融合かッ! だが、この魔力をくらってはいくら『神滅具』が融合したとはいえ、

 耐えられないはずだッ!」  

 いつの間にか、二階建ての家並に魔力が大きくなっていた。

「さぁ、こいつで終わりだ」

 聖龍槍に、赤龍帝の赤いオーラ、白龍皇の白いオーラ、聖槍の聖なるオーラを纏わせる。

「この魔力で滅ぶがいいッ! 創造者ぁぁぁぁぁッッ!!」

 クルゼレイが魔力を俺に向かって投げつけた。

「いくぜ」

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost

BoostBoostBoostBoost!!!!!!』

 全速力でクルゼレイに向かって駆け出す。つま先、膝、腰、肘、手首の五つの加速点があれば…!

 パァァァァァァァアアアアッッッ!!!

 超音速の限界まで達した槍の先端から、((円錐水蒸気|ヴェイパー・コーン))

が放たれ、

 ついには、大気圏突入したときのように赤く染まり――

 バシュンッ!!

 巨大な魔力の塊は消滅し、そのままクルゼレイを貫いた。

「蛇を…使用しても…勝てぬのか…。全力で…負けた……」

 クルゼレイは聖龍槍に貫かれたまま、消滅していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……『((桜花|おうか))』の反動、でかすぎだろ。ただでさえ、回復が遅いのに」

 カラン…

 聖龍槍が右腕ごと落ちた。傷口から血が噴き出す。

「やばい…、血が出すぎだ。治療しておくか」

 右腕を傷口のほうへもっていき、『聖母の微笑み』で治していく。

 アーシアよりも遅いが、ちゃんと治ってくれているな。

 二分ぐらいでくっ付いて、ちゃんと動いてくれるか確認する。

 右手は…よし、動く。成功だな

「さて、行くか。今頃、一誠がディオドラ相手に善戦しているはずだしな」

 駒王学園の制服に戻し、先へ進んだ。

説明
オーディンの爺さんとの共闘で旧魔王派の奴らを屠った俺は、一誠達
に追いつく為に先へ進む。
だが、途中で奴が現れた…。
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コメント
↓同感です(無夢務)
クリス強すぎて最高です(朱雀)
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