恋姫無双〜決別と誓い〜 第二十三話
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〜Another view〜

 

「魏は王朝との連携を深めています。これを機にこの同盟から脱退をし魏と共に呉を叩きべきです!!」

 

「そうですぞ!このままでは呉に主導権を奪われたまま好き勝手にやられてしまいます!!」

 

と重鎮たちが集まる話し合いで喧騒がおこる。

 

どうやらこの同盟を快く思っている人はいないようだ。

 

山越の戦後処理も私たちが出る幕はなく、せいぜいおこぼれを貰うのがやっとといった感じ。

 

みんながそう思うのは無理はないと思う。

 

(でも・・・・・)

 

それでも私は呉と共に戦いたいと思っている。

 

蓮華さんからの叱責から私はずっと考えていた。

 

(何をすべきなのか。自分はどうしたいのか・・・・)

 

それが今の呉にあるような気がするのだ。

 

だけどそれだけでこの反対を押し切れるだけの度胸も理論も兼ね備えてはいなかった。

 

如何に朱里ちゃんにおんぶで抱っこの状態なのかが今更ながら身にしみた。

 

私一人では皆の怒りを背負うだけの器はないのだ。

 

皆が笑顔になれる居場所を作りたい。

 

たったそれだけなのにそんな思いとは関係なく私は今、政争に翻弄される日々。

 

いけないのだろうか?皆の幸せを願うことがどうしていけないことなんだろうか。

 

悔しくて情けなくて、涙が出てくるのを必死にこらえる。顔を下げ泣き顔を見られないようにするのが精一杯だった。

 

「桃香様・・・・・」

 

近くにいた愛紗ちゃんが私を心配してくれているが、それとは関係なく重鎮たちは大きな声で何やらまくしたてている。

 

朱里ちゃんがいない今音々音ちゃんと詠ちゃんが切り盛りしているがもはや二人では抑えきれない程反対派が強くなっている。

 

このままでは押し切られてしまうだろう。

 

(お前は次の世代につながる教育をさせなかった責任がある)

 

と蓮華さんに言われたのを思い出す。これが私が皆の顔を伺ってやってきたツケだとでも言うようにその言葉の意味を痛感する。

 

(私は間違ってたの・・・・?)

 

俯きながら私はただ情けなく涙を流すしかなかった。

 

〜Another view end〜

 

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「・・・・う・・・・ん?」

 

朝、眩しい日差しと朝だと知らせる鳥のさえずりが耳に入り目を覚ます。

 

「っつ!飲みすぎた・・・・。う?!」

 

吐き気と頭痛で動く気すらしない。久しぶりの酒に体はすっかりマイいてしまっていた。

 

隣をみるとスヤスヤと眠る冥琳が。

 

(酒の勢いってわけじゃないよな・・・・)

 

自分も彼女も一糸まとわぬ姿であるのに今更ながら気づき、昨夜のことを思い出して照れる。

 

そうなのだ。彼女とは恋仲という関係になったんだろうと思う。

 

じゃなきゃあんなことしないしな・・・。

 

「う・・・・・。一刀、おはよう」

 

彼女がゆっくりと目を覚ますと朗らかに微笑んで名前で呼んでくれる。

 

「ああ、おはよう。冥琳・・・・」

 

こちらも笑顔で返してやると、彼女は急にかぁっと顔を紅くしてそっぽを向いてしまう。

 

「どうした?」

 

「き、聞かないで・・・・。あなたとのことを思い出して・・・、その・・・」

 

胸がドキッと跳ねる。

 

なんと乙女な。鋭く厳しい目線で常に物事を見つめる自分の知っている将軍周瑜とはえらい差だ。

 

「なんだ昨日のことを?今更てれるなよ・・・。こっちも照れてくんじゃん」

 

と後ろから抱きしめてやるとビクッと体がはねたが受け入れてくれる。

 

「ありがう冥琳。

 

こんなに清々しい朝を迎えられたのは、そしてあんな醜い姿を見ても支えると言ってくれたこと・・・・。

 

正直救われた。暗い闇から冥琳が引きずり出してくれた・・・ありがとう」

 

と顔を見られないよう彼女の絹のように艶やかな髪にグリグリと押し付ける。

 

「いいんだ。私もお前の役に立たて嬉しい・・・」

 

「ふふっ。嬉しいことを言ってくれるじゃんか。昨夜あれほど激しかったのもうなずけるな・・・・」

 

「こらっ!!それは言うな・・・・」

 

とお互いに戯れあう。俺と彼女がこういった関係になるなんて想像もできなかったことだ。

 

こんな暖かな時間が何時までも続けばいいと願い、そして今度こそ守ってみせると心の中で誓い、強く彼女を引き寄せていった。

 

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朝食はなんと冥琳が作ってくれた(手が傷だらけになっていたのは言わないでおいた)

 

「どうだ?」

 

「うん美味しいよ。流石、美周朗様だな。料理も得意だとは」

 

「そ、そうか」

 

どこかホッとしたような含みを持たせる彼女。

 

もともと有力な豪族の長女であり、やはりこういったことに慣れてないのだろう。

 

だがかなり料理は美味い。いや惚れた弱みとかそんなんじゃないぞ?

 

 

朝食を食べ終えるとあまり着慣れない士官服に着替える。今日は陸軍参謀から呼び出しがかかっているからだ。

 

「今日は参謀本部に行くのだな?」

 

「ああ」

 

「そうか。お前はもう三佐だったな?おそらく人事に関わる話だろう」

 

「うんおそらくは。じゃあ早いけど行ってくるよ」

 

「ああ。あとの事は任せておけ」

 

なんか新婚みたいな雰囲気を出してるよね。ほんと・・・・。そんなことを思いながら参謀本部へと向かっていった。

 

「第三連隊北郷 入ります!!」

 

「許可する。入れ」

 

と参謀本部のとある一室に入室する。

 

「久しぶりじゃな。北郷」

 

褐色の肌に色素が薄い髪、目は若干つり目で強い意志がそこから伺える。黄蓋だった。

 

「お久しぶりです黄蓋中将」

 

「お前さんと最後に会ったのはもう四年前かの?時が経つのは早い。あの頃のお前はひよっこの小僧だったのにのぉ」

 

クククと低く笑う黄蓋。昔の俺を思い出しているのだろう。

 

「さて本題に移るがお前には暫くここ陸軍参謀本部に勤めてもらう」

 

「大本営にですか・・・?」

 

「そうじゃ。第三連隊は副官に引継ぎを済まし、現在は北方での魏の動きを独自に探りを入れておる」

 

もうすぐ協定の効力をなくすため再び魏の動きを監視しているのだろう。

 

山越の動乱が鎮圧されたためもう南には警戒網を張る必要性がなくなったためだ。

 

「そうですか。・・・・中将、質問よろしいでしょうか?」

 

「なんじゃ?」

 

「なぜ私が大本営に?」

 

「不満か?」

 

「いえ」

 

ふぅと溜息を漏らし座っている椅子の背もたれに寄りかかる黄蓋。

 

「自分を過小評価するところは相変わらずじゃな。これから人の上に立つなかでお前には政治力というものを身につけてもらいたいのでな」

 

「政治・・・・ですか」

 

「うむ。儂らがどういった奴らの下で動いておるのかを階級上お前は知る必要があるからの」

 

権力闘争や外交での摩擦。

 

色々なアクターや社会的の情勢の中俺たちは日々異なった動きをしていかなければならない。

 

 

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その中枢をどういうものか学べと言っているのだろう。

 

『俺はそうゆうのに疎い、嫌いの人間なんでね』

 

と言った魯粛准将はそれが嫌で多分現地にいるのだろう。

 

「お前は儂の下で働いてもらうぞ?拒否はできぬ。これは命令じゃ」

 

断るとどうなるか分かってるだろうなと言わんばかりにギロリと目力を強くする黄蓋。凄まじい威圧感だ。

 

「分かりました」

 

 

「うむ。それとじゃ、これは私事になるが冥琳のことは感謝しておる・・・。礼を言わせてもらう」

 

「そんな・・・自分は・・・・」

 

「冥琳は何処か思い詰めていたようでの・・・。わしらが言うても寝耳に水で、ほとほと手を焼いておった」

 

あんのバカ娘が・・・・と小さく呟く黄蓋。彼女と冥琳とは付き合いが子供の頃からと聞く。

 

小さい時に両親と死別した冥琳は、いつもは対立が激しい二人だが面倒をよく見てくれた黄蓋を親のように実は慕っているのを俺は知っている。

 

黄蓋も同じ気持ちなのだろう。

 

彼女の顔は泣く子も黙る鬼将軍黄蓋ではなく、母性を携えた優しき黄蓋であった。

 

「いいえ。自分は何もしていません。彼女が自分で考え自分で決めたことです。自分が彼女にいくらうるさく言っても彼女の考えは変わりません。

 

彼女が今の自分を客観的に見つめ直しそして自分の行ったことを過ちだったと認める潔い行いからだったと自分は考えています」

 

俺がそう言うとふふっと若干上機嫌な感じに鼻を鳴らし、

 

「お主も変わったな。策殿が今のお前を見たらさぞや驚いただろうに」

 

と言われ胸の奥で何かが蠢く。

 

(ヒトゴロシダ。オマエハ、ツミノナイヨワイヒトタチヲコロシタ。オマエハコロスバカリデ、ヒトヒトリスクウコトサエ、デキハシナイ)

 

憎しみの篭った口調で脳内に囁いてくるがそれを無視する。

 

(俺は一人ではない。大切な人を、守るべき人がいる・・・)

 

心でそう唱え冥琳の顔を思い出す。

 

(私はいつでも貴方の味方だから・・・)

 

そう俺は見つけたのだ。命を懸けてまで守るべき価値のある大切な人が・・・・!

 

だが俺は頭の中にあったそれらの出来事を悟られないように、

 

「恐縮です」

 

と平然と笑顔でこう言ったのであった。

 

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それからはまだ残っている休暇を前倒ししてすぐさま黄蓋のもとで働くこととなった。

 

体を動かすというよりはどちらかというと部隊と軍に関する運営、などオフィスワーク中心となった。

 

それから二週間。

 

どうやら二回目の蜀との首脳会談で今度はこちらから劉備が来るらしくその護衛任務を任されることとなった。

 

前回俺が甘寧の代わりに臨時で行った指揮が評価されてのことらしく、大本営での初めての仕事にてんやわんやの日々が続いた。

 

主に内務局と連携をとって警護の手筈を整えていく。

 

「劉備様による警備での手筈でまず注意すべきなのは狙撃だ。特に狙いやすいところを重点的に絞り私服の見張りをつける。護衛部隊は二個中隊で常備護衛目標から離れるな」

 

「はっ」

 

というふうに警備は厳戒態勢のまま問題もなくスケジュール通りことが進んだ。今回は趙雲将軍と関羽将軍が随伴するらしく無様な姿は見せられない。

 

そんな緊張感の中各方面軍との連携や事前の治安維持活動に精を出していった。

 

 

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劉備がこちらに到着しこの仕事も終わりが見えてきた。

 

「では警護の方はそちらの兵を使うようお願いします。待遇面での相談はこの北郷に申し付けください」

 

「いえこちらこそ。隙のない警護、見事でした」

 

と会話をしている責任者の冥琳と関羽をよそにチラリと劉備を盗み見る。目が何処かうつろで憔悴しきっているのがわかる。

 

だがそれを指摘するわけでもなく二人部屋から出ようとしたときに趙雲に呼び止められる。

 

「なんでしょうか?なにか気になる点でも?」

 

「ふむ、私は護衛のためにこちらに来たのだが、如何せん命令ばかりで体が少し鈍っていてな。北郷殿と少し手合わせをお願いしたいのだができますかな?」

 

と言ってこちらに挑戦的な視線を投げかけてくる趙雲。

 

「おい星!失礼だぞ!!」

 

と関羽が咎めるが無視して挑発を繰り返す。

 

「どうかなされたか?先程はなんでもと申しておったではないか。それともそなたの力では私の鈍りを解消できぬとでも?」

 

こちらをチラリとみる冥琳。

 

好きにしろ。

 

と目で語っている。劉備はこちらをじっと見つめているが目からは何も読み取れない。

 

(冥琳め、好きにできないのが分かっておきながら・・・・)

 

趙雲をもし怪我、死亡させたら友好関係に亀裂が走るのは目に見えてる。一人の兵が出来る権限を超える行為である。

 

冥琳は俺に趙雲の挑発を躱すところを見たいのだろう。

 

昔も自分がわかっていながら俺に言わせようとすることがあったしな。

 

「申し訳ありませんがそれはあくまでも『待遇面』での話であって、貴方の欲求不満を解消させるものではないことを申し上げなかったことを謝罪します」

 

「つまりできないと?孫呉の将兵はそこまで腰抜けだとは・・・・。私に負けるのが怖いか?北郷殿」

 

「勝ち負けの問題ではありません。無論あなたと戦っても勝つ自信はありますが、それで外交問題に発展でもしたら自分の首が飛びかねません。どうかご了承ください」

 

勝つ自信があると聞いたとき彼女の眉間がヒクヒクと引き攣るのを俺は見逃さなかった。

 

この手のタイプは残念ながらよく顔に出る。

 

普段は冷静な趙雲でも自分の実力を否定されたら流石にクルものがあるのだろう。

 

俗にいう騎士道精神とやらか。

 

「星、このままでは喧嘩腰のガキ大将と見られても仕方がないぞ。申し訳ありません。北郷殿、冥琳殿」

 

と関羽が仲介に入る。やはり劉備の側近となれば広く見渡せるらしい。

 

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そんなこんなで二人は部屋をあとにした。劉備は家臣の挑発を止めることなく終始黙ったままだったのが気になったが・・・。

 

「全くお前は・・・・。見ていて肝を冷やしたぞ。もう少し穏便に済ませられないのか?」

 

「申し訳ありません。ですがああでも言わないと聞かないと思いまして・・・。

 

あの手の性格の人間はいちいち安い挑発に引っかかりますからね。それに彼女も本気でああ言ってはいないはずです。自分の性格がどんなものかを知りたかったのでしょう。なので日頃の鬱憤を彼女で晴らせてもらいました。いやぁ面白い限りです」

 

冥琳はそれを聞くとお前の性格も相当だなといって呆れていたが

 

「よく見ているな。とはいっても私もお前なら同じようなことをして楽しんでいただろうから人のことは言えんがな・・・・。試されていると分かると尚更だよ」

 

と苦笑した。確かに冥琳ならしそうだな。

 

そして二人は声を出さずに笑いあった。

 

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そんななか激務から解放され家についた頃にはもう幾分日が沈んでいた頃だった。

 

「ん?」

 

正直あまり豪勢とは言えない零細で質素な自宅から何やらモクモクと煙が立ち込めている。

 

何事かと思い急いで中に入るとそこにはギコチナイ動きで釜戸を使って料理をしている冥琳が。

 

「お?一刀じゃないか。遅かったな」

 

「な?!どうして冥琳が?」

 

「どうしてって・・・。私が恋人のところに来てはいけないのか?」

 

「いやそういう訳じゃ・・・」

 

冥琳とはあの一夜以来だったからこうして彼女からそれに自分の自宅に足を運んでくれることと、

 

恋人と言ってくれたことに彼女をついに恋人にしたことに実感が湧いてきて、思わず顔が綻んでしまうのをなんとか我慢する俺。

 

「ではなにも問題はないな。少し待ってろ。もうすぐ夕食が出来るところなのだ・・・」

 

と真剣な表情で一生懸命料理を振るってくれる。

 

できたご飯は麦飯を炒め、魚を焼いた質素なものだが。魚は三枚におろされきれいに出来上がっている。

 

特に戦役での吐き気がする飯に比べたらそれこそ号泣ものである。

 

「おいしいよ。ありがとう冥琳」

 

「どういたしまして。それよりもどうだ?仕事のほうは」

 

「ああなんとかいってるよ。あと少しで終わるけどな。全く困った仕事だ」

 

首脳陣がこぞって集まるため軍隊を護衛する派遣しなければならないのだ。大名行列と似ているものがあるな。

 

「そうか。一刀、劉備が今回どのように動いてくると思う?一つお前の見解が聞きたい」

 

「魏の動きからして、蜀はこちらと同盟破棄を考えていると思う。ただ・・・・」

 

「ただ?」

 

「孔明がそれにどのような反応を見せるかが気になるところかな?孔明は呉の統治制度を模範とした制度づくりを目指しているはず。

 

その方針とは全く反対に舵取りをするわけだから諸葛亮とそれを支持する官僚たちは面白く思わないはず。政治の実権は諸葛亮にある今、劉備はどう動くかだな」

 

「ふむ。極めて模範的な回答だな。だが実際その通りだろう。どうするかは劉備のみが知っているということだ」

 

「その為にこの会談を?」

 

「それもあるが、内務局の工作員からある有力な情報が来て、それをこの外交で使ってみようと思ってな。魏は恐らく黄巾党を率いた人物らしき人物を匿っていると噂を聞いたことはあるか?」

 

「張宝だっけ?消息が分からないとなっていたが。まさか・・・」

 

「どうやら大規模な会場を設け兵士の慰労活動や兵の勧誘、世論の軟化に一役買っているとか。性別は女性らしく美しい容姿で歌や踊りを踊ったりと男性陣に絶大な人気を誇ってるとか。おそらく黄巾党もそうやって拡大していったのだろう。・・・・情けない話だが」

 

「たしかにな」

 

苦笑しながら顔をしかめる冥琳の言うことは同意する。

 

国を揺るがした大事件がまさかアイドルグループによるものだったとは誰が予想できただろうか?

 

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そのまま冥琳の話は続く。

 

「話は変わるが、お前は黄巾党の残党がどこの国に逃亡したかお前は考えたことがあるか?」

 

「?いや。ないけど」

 

「私もそのことには触れなかった。黄巾党残党はもう力がなく。放っておいても以前のような蜂起はしないといっても過言ではないからな。

 

ただその工作員の情報を下に色々と探りを入れてみた結果。

 

あの武装蜂起が鎮圧されてから大半が魏に逃げ込んでいるのだ。

 

・・・おかしくはないか?なぜバラバラに散乱することなくわざわざ魏で身を隠すような真似をするのか」

 

「それがもし本当なら・・・・」

 

「ああ魏が反社会勢力と結託して王朝を操り人形にしているという大義名分が我々に生まれる。これでどちらがいろいろな意味で逆賊なのかがハッキリとする。そうなると蜀は考えを改めるだろうと思ってな」

 

不敵にニヤリと冥琳は笑う。

 

逆らう者が朝敵というシナリオを描いた魏がまさか王朝と手を組む侵略者と変わってしまうという因果応報な結末。

 

蜀も王朝の再興を目指して魏との同盟を考えてはいたがこのままでは方針転換せざるおえず呉、山越との三国同盟を余儀なくされることとなる。

 

魏が逆らわなかったら曹操を筆頭とした重鎮たちの引渡しを呉は求めてくるだろう。

 

呉は貧困した民を見捨てはしないが逆らう者には徹底的な糾弾をする。

 

 

伝染病や貧困で苦しむ民を助けながら攻め入ったのはあまりにも有名な話だ。

 

そのかわり法の手続きに則って厳罰を最高幹部たちに下したのも忘れてはいけないエピソードの一つだ。

 

相手が魏でもそのスタンスは変わることはないだろう。

 

つまりは重鎮全員絞首刑かあるいは娼婦にでも売られ性欲処理の人形にされるか。

 

まぁいろいろと方法はあるであろう。

 

動かぬ証拠を掴んだ呉は何らかの工作でその情報を外に漏らす。

 

そうなれば魏に支援する豪族、商人たちの信頼は今度こそ地に堕ちる。

 

それこそ内務局によくやったと言ってやりたいぐらいだ。

 

 

それに合わせて王朝から脱却した新たな法治国家である呉の独立。

 

冥琳はそう考えているのだろう。

 

まぁ俺も佐官だしこの情報は知っても問題はないが珍しく仕事の話をする彼女はどうやら興奮気味で頬を赤らめている。

 

「しかし結局は蜀の支援なしに魏を押さえ込むことはできないだろう。明日からの会談が重要になるのは間違いないことだ」

 

と顔を引き締めて冥琳はこう締めくくった。

 

「劉備の様子が変なのが気になるしな・・・」

 

「ああ。彼女は度重なる政争で心身にガタが来てるようだ。孔明がいない今押さえつけるのは誰もいないからな」

 

「重鎮全てを手玉にとってた孔明はやはり凄まじかったんだなぁ」

 

「ああ。なんせ蜀の頭脳だ。彼女がいなくてこれまでどおりなのがよくやっている方だと思うが、流石にキツイか」

 

とどこか面白そうな含みを持たせる言い方をする冥琳。彼女は劉備をどう操り、ウンと言わせるかを考えているところなんだろう。

 

「そのために北郷。お前に頼みたいことがある・・・・・」

 

とメガネを光らせてこちらを見つめてくる。俺は劉備絡みでの相談であると予想し耳を傾けたのだった。

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皆さんこんにちわ、こんばんわ、そしておはようございます。

 

コックです。

 

ついに冥琳さんがデレましたがそれと並行して物語を少し進ませておきました。

 

今回桃香さんがへんになってますが次回からは元気にさせたいなと思います。

 

重ね重ね申し上げますが、桃香さん、そして蜀ファンの皆様に深くお詫び申し上げます。

 

次回からは朱然さんじ、徐盛さんコンビが頑張る話にもしていきたいなと。

 

三国志演義を知っている方ならわかると思いますが徐盛が活躍した戦いを頑張ってやっていこうかなと。

 

ただちょっと話、設定が違う可能性がありますので原作のインスパイアしたものだと思ってくれたらなと予告しておきます。

 

次回あたりから話を本格的に動かしていけたらなと思います。

 

話すネタが今回はないのでこのくらいで・・・(´Д` )

 

では再見!!

説明
短めですが早さを重視して載せます。

感想、誤字指摘お願いします。
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コメント
コメントありがとうございます。そうですね。どちらかというと政治は朱里さんのほうが向いてますよね。アニメなんかでも袁術をうまいこと丸め込めてましたし・・・・。朱里は政治家、雛里は優秀な官僚といった感じでしょうか(コック)
コメントありがとうございます。誤字は修正しておきました。桃香はそろそろ活躍させたいのでご安心を。ただどのように桃香さんが決断を下すかは未定ですが・・・(´Д`)(コック)
雛りんじゃドロドロ政界の舵取りは難しいよな(デーモン赤ペン)
儂らがどういた奴らの下で動いておるのかを⇒どういった その中枢をどうゆうものか学べと言っているのだろう⇒どういう   お花畑が変に暴発しそうでこわい^^;(黄金拍車)
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