現代に生きる恋姫達 目指すは恋姫同窓会 星の前編
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ある日、私はとあるテレビ番組を見ていた。

身近に起きた、日常には中々怒りえないだろう出来事を、

何らかの形で映像に収めることが出来たとして、

それを番組宛に投稿し、放映する番組ね。

 

私自身が見ようと思ったのではなくて、

父が見ていたから、気分転換がてら私も見ることにした。

 

今回の特集は、数日前にニュースでやっていた、

銃で武装した男と一人の女性刑事の追走劇の詳細について。

 

ニュースでは、市街地内で暴走車の運転手が銃を乱射しながら逃げ、

女性刑事がそれを追いかけ、無事に逮捕でき、周辺住民にも被害がなかったとのこと。

ニュースでは起こった事件と、その結果しか放送されなかった。

 

そして今回、街の監視カメラや偶然その追走劇の一部を捉えていた映像、

それらを組み合わせたことによって出来た追走劇の映像が放映される。

コメンテーターによると、アクション映画さながららしい。

 

CMを挟んで、映像が始まった。

それを見て、私は開いた口がふさがらなかった。

 

いくつかの映像を組み合わせたために、

暴走車と刑事が運転する車の映像がたびたび変わる。

横から映したものがあれば後から映したもの、上から映したものもある。

その追走側の車、運転手やナンバーは見えないようにされているのだけど…

この車って、カズトの車と一緒じゃないかしら…

 

カメラ映像の中に撮影日時が表示されているものがあった。

その日、カズトは確か…サバイバル同好会の友人と一緒にサバゲーの施設で大会に参加すると言っていたわね。

そう言えば、最近連絡を取っていないわ。

 

…ちょっと確認が必要ね。

 

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プルルルル…プルルルル…ピッ

 

『もしもし?』

「カズト、今いいかしら?」

『ああ、問題ない。どうした?』

「ちょっと確認したいのだけど…

 今テレビで、最近あった市街地内で起こった暴走車と銃の乱射、

 その追走劇の特集をやっているのだけど。

 ここに映っている車、カズトの車じゃないかしら?」

 

私が問いかけると、暫く沈黙が降りた。

テレビでは逃走車が周囲のものにぶつかりつつ、

助手席から男が恐らく銃を構えて乗り出し、

その後を追走車が見事なドライビングテクニックをもって追いかけているシーンが流れてる。

 

『…ちょっと待て。………マジだ。本当に特集でやってやがる』

「…その口ぶりからして、やっぱりカズトの車なのね。

 銃を乱射していて、それを追いかける人がいたとなると、

 追ってくる車、この場合カズトが撃たれることがあったと思うのだけれど、

 大丈夫だったの?」

『ああ、ニュースでも言ってただろ。怪我人は出ずに無事犯人逮捕って。

 まぁ、車の方がちょっとやられたが。フロントガラスにも風穴開けられちまったし』

「カズト自身には怪我はないのね」

『おう、かすり傷一つなく切り抜けられたぜ』

 

それを聞いて私はほっとした。

カズトは、私の男友達の中では一番仲がいいと思っている。

そのカズトが、私の知らないところで危険な目にあい怪我をした、

なんてことにならなかったことに本当に安心した。

でも同じ理由で少し怒りも沸いてきた。

 

「なんでこんなことが起こったのに、私に何の連絡もないのよ」

『それはスマンかった。このことで最近ドタバタしすぎててな。

 事件のことで警察と、車の修理で修理屋と、その他諸々の手続がな。

 で、今日やっと落ち着いたところだ』

「そう。…ねぇ、明日何か予定はあるかしら?」

『う〜ん、あるっちゃある、ないっちゃないが、どうした?』

「詳しい話をカズトの家で聞かせて欲しいのだけど、

 明日何かあるの?」

『ああ、そういうことなら問題ない。

 むしろ華琳がいた方が都合がいいかもしれないな』

 

言っている意味がわからなかった。

事件ということで家族が混じってくるならわかるが、

事件に居合わせたわけでもない私がいて都合がいいだなんて…

 

「どういうこと?」

『明日な、あの銃撃暴走犯を追ってた刑事さんがウチに来ていろいろ話すことになってんだ』

「ますますわからないわよ。何でそこまで親しくなったのかとか、

 何で私がいて都合がいいのかとか」

『ああ、多分このこと言や華琳も納得すると同時に驚くと思うんだが…

 その女性刑事さん、恋姫から転生した星だった』

 

カズトの言葉通り、私は納得するのと同時に驚愕した。

 

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そして翌日の夕方。私はカズトの家に来ていた。

何故こんな遅い時間なのかと言うと、先方の仕事が終わる時間に合わせたからだ。

先方の名前は常山(つねやま)星子(せいこ)。前世では趙雲子龍で真名が星だった。

 

星子刑事が来るまでに、どんな風に出会ったかを聞いておく。

 

サバゲー大会の帰り道、近道の裏通りを抜けようとしたところで一台の車、

暴走車が突っ込んできて、カズトは車をバックさせつつそれを回避。

暴走車がカズトの横を通り過ぎたところで今度は白バイが来たのだ。

何処か故障していたのか、曲がりきれずにカズトの近くに転倒。

 

流石に放っておけず、白バイの運転手に近づいた。

上手く受身を取っていたのか、白バイの運転手はすぐに立ち上がった。

パッと見怪我は見当たらなかったが、状況が状況だったのでカズトは大丈夫か問いかける。

それに答えるためか、白バイの運転手、女性刑事がヘルメットを取って、

そこでお互いの顔を見ることになった。

 

カズト自身は美人だと思ったくらいだったが、

女性刑事の方はカズトの顔を見てかなり驚いた顔をしたらしい。

この時点では、その女性刑事が星だとはわからなかったとのこと。

 

その後、成り行きで犯人追走に協力することになり、

相手が銃を所持しているので、それに対処するために女性刑事が助手席に、

カズトが運転手となって犯人を追い、無事に逮捕することが出来た。

 

逮捕後、諸々の手続のために話す時間があって、

そのときの対話で女性刑事が星であるとわかった。

 

それからは、カズトの方は手続諸々、

星の方も手続諸々と自分の仕事があって中々時間が空けられなかったが、

明日は休みが取れたので、今日の夜は飲み明かしながらいろいろ話すことになった。

 

 

と言うことで、今日は泊りがけでいろんなこと、

主に恋姫関係について話すことになっていて、

同じ恋姫の転生者である私もいた方がいいかもしれないらしかった。

 

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仕事の時間的に夕食を食べずに直接来ると言っていたらしく、

今カズトの家のリビングのテーブルには数々の料理と酒と、

何故か大量のメンマが用意されている。

 

メンマの事を聞くと、今の星は前世と同様、

いや、下手したらそれ以上のメンマジャンキーで、

夕食のリクエストを聞いたときも、

「メンマさえあれば、他は何でも良いです」

と言われたらしかった。

前世も含めてそんなにメンマが好きだなんて…

 

と、話しているとインターホンが鳴った。

カズトが受話器をとって確認を取る。

 

「は〜い、どちらさんですか?……待ってましたよ。

 今鍵を開けに行くんで」ガチャ

 

「来たのね」

 

「ああ。そんじゃ出迎えに行くか」

 

「そうね」

 

そう言って私たちは立ち上がり、リビングを出て玄関へと向かう。

数歩歩いて扉にたどり着き、カズトが扉を開いた。

 

「いらっしゃい星子さん」

 

「お邪魔しますぞ、カズト殿。…っと、

 そちらは…もしや華琳殿、ですかな?」

 

「ええ。そう言うあなたは趙雲で真名が星だった娘ね」

 

「話には聞いていましたが、本当に前世と全く同じ容姿ですな。

 そう、私がかつての趙雲。今の名前は星子ですがね」

 

「…そう言う貴女は前世よりも成長しているようね。

 所で、私はあなたのことをなんて呼べばいいかしら?」

 

「華琳殿のお好きなように。前世のように星でも、

 カズト殿のように星子さんでも、どちらでも」

 

「そう、なら星と呼ばせてもらうわ。

 改めてよろしくね、星」

 

「こちらこそよろしく、華琳殿」

 

そう言って、星は”若干”私を”見下ろしつつ”笑みを向けた。

 

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そう、”見下ろしつつ”…

今の星の容姿で、変わってないのは顔立ちと髪型。

 

変わっている所は…

上から順に、まず髪の色。前世では水色だったけど、今は黒。

瞳の色も髪と同じく黒。

 

そして最後に体型…

前世よりも更に成長を遂げていて、

身長やプロポーションは前世(恋姫原作)の秋蘭と同等かそれ以上。

身長180cmのカズトとは僅かな差しか見られない。

 

星の仕事着なのか、見事にスーツを着こなしていて、

その細長い手足や胸などのスタイルの良さを増している。

 

本っ当に…なんで私だけ前世と変わってないのよ!?(#)

 

「…はて、私は何か華琳殿を怒らせるようなことを?」

 

「あ〜、これに関しては今の星子さんが何を言ってもフォローどころか、

 怒りを増長させるだけだからな。本人が落ち着くまでそっとしといてやってくれや」

 

「?よくわからないが、カズト殿がそう言うなら。

 それと、カズト殿も私のことは星と呼んでくれて結構。

 それに敬語も別に使わなくてもよろしい」

 

「そうか?一応俺たちよりも年上だから気をつけてたつもりなんだが…

 まぁ、星がそう言うなら遠慮なく」

 

「ええ」

 

そんなやり取りをしながら二人はリビングへと向かった。

 

「ほら、華琳もいい加減落ち着いて来いよ」

 

「…わかったわ」

 

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「そんじゃ…星と会えた事を祝って、乾杯!」

 

「「乾杯」」

 

あれから、私たちは食事をとることにした。

星は明日は休日なので問題無しと言うことで酒を飲んでいる。

私も友人の家に泊まりに行くと言って来たから、

帰りの心配もないので飲んでる。

 

ある程度食事が進んでから私は話し始めた。

 

「それじゃ、聞かせてもらいましょうか。

 星はどのような経緯があって前世のことを思い出して、

 それから今までどのように生きていたのか。

 ついでに、事件のことも教えて欲しいのだけれど」

 

「前世のことに関しては私も聞きたいですな。

 それと、カズト殿との出会いに関しても。

 そして事件については…まぁ他言禁止と言うわけでもないから大丈夫でしょう。

 これについてはカズト殿も説明に加わってもらいたいのだが」

 

「了解。まぁ、俺の視点と星の視点で話していった方が伝わりやすいだろうしな」

 

まずは私たちのことから話した。

私が前世のことを思い出した経緯、

他の娘たちと会いたいという願望と現実を知った挫折、

カズトとの出会い、それから今に到るまでを。

 

私の話が終わり、星とカズトの話になる。

さて、どんな話が聞けるかしら…

 

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〜あとがき〜

 

恋姫同好会シリーズ 星の前編 いかがでしたでしょうか?

 

と、言うわけで…今生の星は、前世と同様正義に生きる存在、刑事となりました。

 

ちなみに、本作中に出てきた星のスーツは…

 

ドラゴンエイジのエムゼロと言う漫画の式さんをモデルにしてます(知ってる人どれくらいいるかな?)。

 

これに関しては、あくまで参考と言うことで、流してもらっても問題ないです。

 

性格に関しては、前世(恋姫)同様正義に生きていますが、

 

現代でカズトよりも年上でそのままだとただの痛い女になってしまうので、

 

真面目に正義をやってます。その結果が刑事です。

 

口調に関して違和感をもつ方もいたと思いますが、

 

これは前世の口調が抜け切れず混ざってしまったものと考えてください。

 

○○殿と呼んでいるのが、その表れです。

 

それと現時点、カズトの家に来た時点でカズト=一刀ではないと知っているので、

 

カズトのことを主殿と呼んでいません。

 

このあたりも含めて後編で話します。

 

つまり、時系列で言うと後編は前編の少し過去の話となります。

 

後ついでに、今回おまけがなかったのは、後編でカズトと星の話が終わってからの方が入れやすいと思ったからです。

 

決しておまけが思いつかなかったからじゃありませんですことよ?

 

何故か本編よりおまけの方が破壊力があるので、今回もそうなのだと思った方はスイマセン…

 

 

次回、星の後編ではカズトと星から事件のことと、

 

解決後にあった出来事について語られます。

 

果たして、どんなことが起こったのか…

 

お楽しみに。それでは、この辺で…

説明
皆さんお待たせしました。

華蝶仮面(メンマ仮面)こと星さんです。

楽しんでいただけたら幸いです。

では、どうぞ…
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コメント
牛乳魔人さん 「逮捕しちゃうぞ」…あながち外れてないところがあったりするんだよなぁ。一時期使おうと思ってたりもしたし。 それから誤字報告、ありがとうございました(MiTi)
一丸さん 「ほんと〜〜〜にぃ!?」…フッ、その発言、後編にて後悔させて見せよう(某弓兵風(MiTi)
スターダストさん いや、自分の中の予定だとオタク文化に関わらない娘って意外と多いと思いますよ?少なくともMiTiはその予定(MiTi)
グリセンブランドさん 認めちゃったよ、本人が!?まぁ、こういう時って更生するか開き直って貫き通すかしかないっすからね(笑(MiTi)
白バイ乗ってる婦人警官・・・ワシ「逮捕しちゃうぞ」の夏美が思い浮かんだだよ。あと誤字かな?「一番中がいいと思っている。」中→仲?「お邪魔しますぞ、カズト君。…っと、」君→殿?(牛乳魔人)
↓確かにオタク文化にかかわってないのは初ですねwwまあ、初って言っても、4人目(三組目)別作者の蓮華を入れると5人目ですがwwそして・・・おまけが思いつかなかったわけではない?・・・ほんと〜〜〜にぃ!?ww・・・・では続き楽しみに待ってます。(一丸)
おお!?まさかの刑事ですかwww・・・やっとオタク文化に関わってない存在出てきたよ;(スターダスト)
星 「前世が痛い女だったと言われれば・・否定できない部分が有るのは事実ですね・・・(トーンダウン)」(グリセルブランド)
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 北郷一刀じゃないカズト 華琳 真・恋姫†無双 恋姫同窓会シリーズ 

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