SAO〜黒を冠する戦士たち〜 第百三十六技 消息不明
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第百三十六技 消息不明

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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リズベットSide

 

シリカとヴァルが結婚したこともあって、一時的だけどヴァルは前線から身を引いている。

 

その代わり、キリトとアスナは前線へと復帰した。

 

アスナが落ち着いたということもあり、前線に戻ったと言っていた。

 

今日は、ハクヤとキリトとアスナの訪問から四日が経った日である。

 

いつも通りにお店を開店し、仕事を始めた。昼頃を過ぎた時に彼女はやってきた。

 

「リズ!」

 

「ア、アスナ? いきなりどう、し…泣いてるの?」

 

「キリトくんが……キリトくんがっ!」

 

アスナは泣きながらあたしに縋りついてきた。その様子を見て嫌な予感以上のものを感じ取った。

 

「落ち着きなさい……キリトに、何があったの?」

 

正直に言うと、あたし自身も落ち着いている状態ではない。

 

親友の大切な人で自分の友人でもある人に何かが起こったのだ。あたしも一刻も早く聞きたかった。

 

「キリトくんが……居なくなったの…」

 

「どういう、こと? 居なくなった? キリトが?」

 

あのキリトがアスナを置いて居なくなるということがあたしには信じられない。

 

なんの冗談かと言おうと思ったけど、次のアスナの一言であたしの思考も停止した。

 

「キリトくんだけじゃないの。ハジメ君も、カノンさんも、ハクヤ君もなの」

 

「え……」

 

ハクヤ、も…? 彼が…居なくなった? なんで、どうして?

 

「午前中は…キリトくんとは、別行動で…。お昼には帰って来るって、言ってて…。

 でも、お昼をすぎても帰って来なくて……。メッセージも送ったけど、返信がこなくて…。

 前線の迷宮のMAPも見たんだけど、キリトくんを示すカーソルが出なくて……。

 シャインさんにも、ティアさんにも、ヴァル君とルナリオ君にも連絡したんだけど、知らないって…」

 

それを聞いたあたしは最悪の可能性を考えてしまった。

 

「『生命の碑』に書かれた……四人の名前は…?」

 

もし生命の碑に書かれている四人の名前が消失していたら……それが示すのは、死…。

 

「いま、ティアさんが確認しに行ってる…」

 

アスナがそう言った時、店の中に人が入ってきた。ティアさんだ。

 

「ティアさん! みんなは、キリトくんは!?」

 

「四人とも、名前は消えていませんでしたよ」

 

その言葉を聞いてあたしもアスナもホッとした。だけど、四人の消息が不明だということに変わりはない。

 

「でも、それなら一体どこに……」

 

「迷宮の中に居るのは間違いないはずです。

 ただ、未踏破エリアにいるか、なんらかの罠に掛かってしまった可能性があります」

 

あたしの呟きにティアさんが答えてくれた。確かにそれなら納得できる。

 

「でも、キリトくんって、罠とか嫌な空気にすごく敏感で……罠に掛かるなんて思えないんです…」

 

「そうですね。私達黒衣衆の中で最も警戒心の高い四人が罠に掛かるのは、まずありえないとは思います。

 といっても今の私達に出来るのは、キリト君達が入った最前線の迷宮を探索するか、

 無事に帰ってくることを祈るだけです…」

 

「っ〜〜〜〜〜!」

 

「ちょっ、アスナ!?」

 

ティアさんの話を聞き終えたアスナがいきなり身を翻して走り出そうとしたので、あたしはその手を掴んで引き留めた。

 

「どこに行く気よ!」

 

「迷宮の探索に行くの! だから、離し「(パチンッ!)」っ、リ、ズ…?」

 

あたしはアスナの頬を叩いた。彼女は目を見開いて呆然としている。

 

「どう、落ち着いた?……いくらあんたが強くても、たった一人で最前線の迷宮を探索できるわけないでしょ。

 それに……あんたに何かあったら、帰ってきたキリトにあたしはなんて言えばいいのよ…」

 

「ぁ……でも、でも…(グス)、わたし…ど、したら、いいか(グスン)、わからない…」

 

店にきた時と同じように涙を流すアスナ。あたしは彼女の体を優しく抱き締めた。

 

「信じて待ちなさい……あたしも、キリト達が帰ってくるのを信じるから…」

 

「……うん(クスン)、信じる…」

 

小さい声でそれでもちゃんと答えたアスナ。まったく世話が焼けるわね。

 

その後、キリトが消息不明になったという連絡を受けた黒猫団のみんながやってきた。

 

ケイタとサチの提案でアスナは黒猫団と共に行動することになった。

 

また、シリカとヴァルも彼らと一緒に居ることが決まったらしい。

 

そして店にはあたしとティアさんが残った。

 

「えっと〜、ティアさんは行かないんですか?」

 

あたしがそう尋ねるとティアさんは近づいてきてあたしを抱き締めた。

 

「あの、ティアさん?」

 

「大丈夫ですよ。ハクヤ君はリズさんを置いて消えたりなんかしません、絶対に…」

 

「ぁ……ぅ、うぅぅ…ハク、ヤァ……」

 

あたしは涙が堪えきれなくなり、そのままティアさんの胸の中で泣いた。

 

不安だった…ハクヤが、大好きなあの人が、消えてしまうのではないかと。

 

だからいまは、ティアさんの優しさに甘えることにした。

 

リズベットSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

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後書きです。

 

キリト、ハクヤ、ハジメ、カノンが消息不明!

 

この事態にアスナとリズ、仲間達はどうするのか・・・そして彼らはどこに・・・!

 

とか言ってみましたが、次回はそのキリト達四人の視点になります。

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
第百三十六話です。
タイトル通りの展開になります!

どうぞ・・・。
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コメント
アサシン様へ それは次回で・・・(本郷 刃)
あの四人にいったい何が?(アサシン)
train様へ 分かりました、甘くなる時は後書きに書かせていただきますのでw(本郷 刃)
あの4人でも引っかかる罠があるんですかね〜。もしこの先甘くなるんだったら事前に知らせてくださいね、BC(black coffee)用意するんで(^^)(train)
Kyogo2012様へ キリト達がいなくなった経緯は次回で分かりますよ。(本郷 刃)
やぎすけ様へ クラインならそうなっていてもおかしくないですねw 連絡ですか?もちろん入れてますよ、既に迷宮区で探索しているはずです。(本郷 刃)
サイト様へ はい、次回で判明しますw マスター「わかりました、いってらっしゃいませ」(本郷 刃)
話の内容からして、仲間が罠にかかりそうになっていたから、キリトが代わりにそれを受けたということなのかな?(Kyogo2012)
この状況だと、クラインは4人(特にカノンとキリト)の名前を叫びながら、迷宮で暴走してそう。(そういえば、クラインには連絡しましたか?)(やぎすけ)
まぁ次回で判明しますなw・・・あ!マスターちょっくら銃剣と聖書あと記録結晶もって迷宮区に散歩しに行ってくるから飲み物用意しとって^^(サイト)
ふかやん様へ どういう意図でキリト達がこうなったのでしょうかね?w(本郷 刃)
魅沙祈様へ ・・・・・・・・・ふっ(ニヤリ)(本郷 刃)
RevolutionT1115様へ アスナはキリトと一緒になったことで弱くなっています。リズはそんな親友の為に強がった次第です。キリト達については次回で・・・。(本郷 刃)
まさか…『ラフィン・コフィン』の連中か!?それとも…軍を追放されたキバオウ一派の企みなのでしょうか…!?どちらにせよ、無事に帰還してほしい物です…。(ふかやん)
読み返しておもったが…これってもしかしてキリトとアスナが再会→激甘ていうフラグか!?(魅沙祈)
こいつらが揃いも揃ってひっかかるトラップってどんなんだ…リズベットが強いな、アスナ動揺しすぎ;;キリト達結晶無効化エリアで暴れてるとかか?(RevolutionT1115)
魅沙祈様へ 是非続きをお楽しみに!!(本郷 刃)
神薙様へ どうです、カッコイイでしょ! それでも、不安な描写もそれなりに書けたと思います。(本郷 刃)
不知火 観珪様へ まぁ、手こずるというよりは・・・ふっ。 団長「まぁ待ちたまえ、今回私は手を出してはいない。作者の意図なのだよ」(本郷 刃)
えっ!?消息不明!?キリト君!!アスナを不安にさせないで〜(ToT)ていうかあの四人が罠にかかるとは考えにくい…あぁ〜!!!!続きが気になる!!!!(魅沙祈)
何この漢前なリズベットさん、超カッコイイんですけどwww(神薙)
76層は黒衣衆でも手こずるとか、一般攻略組とか涙目ww おい、そこの君! ヒースクリフをよんでこい!ww(神余 雛)
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