魔法戦記リリカルなのはmemories 閑章 第八十三話
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この話で終わらせようと思っていたら、分割する羽目に……

 

まさか倍に文量が増えるとは思ってもいなかったよ!!

 

ってなわけで、次回で閑章終わります…… この話で終わらせたかったな……

 

それではどうぞ!!

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「凄い……凄いぞ!! あのゆりかごと互角に戦ってやがる!!」

 

 一方、聖王のゆりかごにオリヴィエと、闇の書の闇との戦いを下で眺めながらベスカは感激していた。

 最初は興味からで、聖王のゆりかごと同等に戦えるものはないものかと気になったのが始まりだった。

 日数が経つうちにその興味は次第に欲望と変貌し、その欲望を叶えるがために行動を移したようなものだ。

 そして夜天の書のプログラムを書き換えれば聖王のゆりかごと互角に戦えるのではないかという結論を導きだし、丁度世界が科学兵器による被害が悲惨になり、戦争になったのを利用してベスカは動き出したのだ。

 スパイとして聖王家と敵対していたエメジスタの王を人体実験材料にし、エメジスタの王は聖王家に対抗できる力を与える事が出来ると言ったら、思い通りに簡単に食い付いてきた。

 そう。この戦争はたった一人の欲望の為に早く終わる戦争を長引かせ、その後最悪な自体を招いてしまうのだ。

 

「……さて、闇の書とゆりかごの戦いを見ていたいのだけど、この状況をどうするべきか」

 

 ベスカはそれから一度冷静となって、周りを見ながらこの状況をどうするべきか考えていた。

 ベスカの周囲には四人の守護騎士がベスカを囲んでおり、用済みになったベスカを殺そうと動き出したのだろう。

 目的は同じだったとしても、主を利用したことに関しては変わりなく、このまま生かしておけば主にまた被害が及ぶかもしれないと思ったからだった。

 

「……はぁ、めんどくせー。私……いや俺はこの状況をじっくり見ていたいというのに……」

「主を侮辱し、利用したという罪。受けてもらうぞ」

 

 シグナムがベスカに攻撃を仕掛けようとして、レヴァンティンで殺しにかかる。

 ベスカはレヴァンティンが自分を殺そうと迫っているというのにもかかわらず、表情を一つも変えずにシグナムの方を見ていた。

 そしてレヴァンティンがベスカに当たりそうとした刹那、確実に殺すまでレヴァンティンが迫っていが、一瞬のうちでベスカの姿が消えた。

 

「何っ!?」

 

 守護騎士たち四人は何が起こったのか理解できずにいたが、すぐにベスカを探すことに行動を移すが、周囲にベスカの気配も姿も見当たらなかった。

 しかも今は闇の書の闇のが復活した時に周囲を吹き飛ばしてしまっているため、肉眼でも遠くに居れば誰かいることは把握できるくらいであり、それでも見つからないという事は余りにもおかしかった。

 転移魔法を使ったのかとも考えたが、そのような様子は一度も見えていなかったし、ものすごいスピードを出して逃げたとしたらそれによる風が吹き荒れるはずだ。それがないという事はものすごいスピードを出して逃げているという事ではないと分かる。

 そうなるとやはり転移魔法を他人から見えないようにして使用したという事だった。すぐに転移位置を探知すれば分かったかもしれないが、生憎驚いていたりどうやって逃げたのかというのを考えてしまい、少し時間が経ってしまっているためにどこへ転移したのかは分からなかった。

 

「シャマル、場所が分かるか?」

「だめ。姿を消してからもう時間が経ってしまってるからどこ行ったか分からないわ」

「やはりな。逃がしてしまったのならば仕方ない。私たちはこれからどうするか?」

 

 シグナムの言うとおり、今の守護騎士四人には特にこれといってする事がなかった。ベスカには逃げられてしまったし、やれることと言えば闇の書の闇と聖王のゆりかごの戦いを唯みているだけしか思いつかないでいた。

 するとヴィータが何かを思いついたのか、他の守護騎士たちに話しかける。

 

「とりあえず、あの上に浮かんでいるものを一緒に破壊しねぇか? 応戦すれば勝てる可能性も……」

「いや、それは止めた方が良いだろう。逆にあの中に入れば邪魔になる可能性がある」

 

 闇の書の闇と一緒に聖王のゆりかごを破壊しようという考えをヴィータは出すが、ザフィーラの言われた通り自分たちが邪魔となる可能性が考えられた。

 あの戦いにわざわざ応戦したとしても、闇の書の闇から邪魔だとも思われる可能性が高かった。だからあの戦いに入らない方が良さそうだとも思えた。

 

「ならばあたしたちは何をすればいいんだ?」

「まずは先ほどいたベスカという人物の捜索、見つけ次第殺せばいいだろう」

「ならば手分けして探した方が良さそうね」

「そうだな。見つけ次第全員に思念通話を使うように」

 

 意見もまとまったようで、結局シグナム達たち四人は逃げたベスカを捜索して、見つけ次第殺すという考えにするのだった。

 そして四人はベスカを探しに分担し、行動を開始した――

 

 

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「……どうやら、向こうは俺を探しているようだな」

 

 その張本人であるベスカは、シグナム達が動き出したのを見て、自分を探しているのだろうと思っていた。

 ベスカがいる所は闇の書の闇と聖王のゆりかごの戦いが見える近場の山であり、シグナム達の姿も見えるところに居た。

 ベスカはシグナム達へ視線を向けていたが、視線の方向を変え、闇の書の闇と聖王のゆりかごの方へ向ける事にした。

 先ほども言っていたが予想通り互角に戦っている事にベスカは嬉しかった。自分が作ったと言っていいものが、あの聖王のゆりかごと同等な戦いを見せているのだから。

 

「ずっと見ていたいのはやまやまなんだが、このままここに居ればこの世界が崩壊しそうだし、なるべく遠くに逃げた方が良いな。最悪、巨大次元震を起こしかねない」

 

 次元震の事まで想定しているかいないかと言えば想定していなかった。ゆりかごと同等な力を持っている者と戦えば次元震が起こる可能性が考えられたことに今更気づいたのだ。

 最後まで見届けたいと思っていたのだが、それで自分の命が殺されてしまえば意味がない。ここは潔く、見たいという望みを切り捨てるしかなかった。

 

「それでは、どうのような結果になろうと、オリヴィエ聖王女の成したことは素晴らしい事だと思います。最後まで見れないことは悔やまれますが、結果は後日知ろうと思いますので」

 

 もしオリヴィエが生き残るのならば、ベスカの命はないだろう。それならそれでベスカにとっては良かった。その対策も、いや死んだとしてもすでに((してある|・・・・))のだから――

 そしてベスカは戦っている方に背中を向け、転移魔法を発動してこの世界から遠くへと逃げてしまうのだった――

 

 

----

 

 

「……これは認めなければならないようだな、ベスカ。貴様が考えた暴走プログラムはゆりかごと同等の力を持っているようだな……」

 

 目の前に居る闇の書の闇と戦い、この聖王のゆりかごと互角な戦いをしている事に、オリヴィエは久しぶりに楽しんでいた。

 だが、お互いに損傷や傷を与えていないし、それ以前に無傷の状態なので決着はなかなか着きそうになかった。

 それはオリヴィエも戦って分かっていたことであり、だからこそそれほどの余裕と楽しさが湧いてくるのだった。

 

「だがまぁ、ゆりかご内に侵入されたら戦況は変わるかもしれないがな」

 

 一応、ゆりかご内には侵入した際に対する機械兵器、ナノハがいる現代ではガジェットドローンIV型はゆりかご内に備わっている。

 外に出して出撃することも出来るのだが、一瞬にして破壊されるだろうし、待機していたとしても同じことになるだろう。ティルヴィングがオリヴィエの手にない状況なので、ゆりかご内に侵入される事だけは危険だった。

 だから潜入させるだけは何とか防ぐようにしながら、オリヴィエは目の前に居る闇の書の闇と戦っていた。

 多分、この状況だけで終わる気配がないだろう。向こうも、そしてこちらも本気は出していないとオリヴィエは思っていた。

 そう思った矢先、闇の書の闇は今までの攻撃から行動を変え、黒い闇を自分の目の前に収束させるのだった――

説明
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。

二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。

それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。



魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。
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