魔法戦記リリカルなのはmemories 最終章 新たなる聖王の歴史(メモリー) 序幕【決戦前日】 第八十六話
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「――それで、まずは意見がある人はおるん?」

「じゃあ、あたしから良いですか?」

 

 フィルノが宣戦布告してから約一時間後、特務六課であるはやてたちは急遽ヴォルフラムに集まることにした。

 今は時空管理局にて止めているのだが、特務六課だけで話すのには一番良い場所だと思ってはやてが全員集めたのだ。

 そして全員が集まったところで会議を始め、はやては最初に何か聞きたいことがあるか全員に向けて言ったところである。

 するとスバルが声を出して手を挙げ、全員がスバルの方へ顔を向ける。

 

「あの、フィルノ・オルデルタが言ってた事は本当なんでしょうか?」

「多分本当の事やろうな。そうでなければ今までフィルノやなのはちゃんが研究所を次々に破壊していった理由が理解できるし、あの書類は偽装することが不可能なのは管理局員なら分かるやろ?」

「では、フィルノ・オルデルタがこれからやろうとしている事は?」

「管理局の仕組みを大幅に変えるか、最悪管理局を一度崩壊させて新たに組織を作るかの二択やろうな。彼らもさすがに管理局を無くして、世界を誰かが統制していない世界にしてしまえばベルカ時代の再来になってしまうしな」

 

 フィルノやなのはも多分管理局みたいな世界統制を無くすことは快く思ってないだろう。彼らが気に食わないのは管理局が極秘裏にやっていた人体実験などの違法実験であり、管理局全てが悪いとは思っていないとはやては推測していた。

 スバルが話し終えてすぐに、今度はティアナが手を挙げる。

 

「あのオリヴィエ・セーゲブレヒドに似ていた服装を着ていた正体は、本当になのはさんなんでしょうか?」

「それは間違えないよ……。なのはがあの騎士甲冑に変わっていくのを私は目の前で見たのだから――」

 

 ティアナの質問に、フェイトが答える。目の前でなのはが騎士甲冑を纏ったオリヴィエに似ていた姿に変わり、ヴィヴィオとアインハルトの二人を攫って行ったのだから間違えるわけがない。

 そして、あの時なのはは全く本気を出していない。それなのにフェイトは敗れてしまうと言う事が異常であり、今のなのはが持つ力はこの場に居る全員が勝てないだろう。

 それはフェイトだけが思っている訳でなく、フェイトが簡単に敗れてしまった時点で特務六課のメンバー全員が思っていた事だ。極力なのはと戦うのは避けたいところなんだろうが、今回に限ってはなのはを野放しにして戦うわけにはいかなかった。

 

「やはり、なのはさんを一番気を付けなければいけない要注意人物なんですね」

「せやろうな。だからなのはちゃんに関しては私、フェイト二佐、シグナム三佐、ヴィータ一尉、トーマ空曹の五人に、私にリィン一尉、シグナムにアギト曹長を付けた計七人で動く。なのはちゃんの場合は上空で動ける者の方がええからな」

「は、はやて部隊長自ら動くのですか!?」

「そうでもしなければ、なのはちゃんには勝てへんという事や」

 

 エリオがはやて自ら動く事に驚いていたが、なのはと戦うには多数で戦わなければ勝てないと、フェイトが戦ったことを聞いてから知っていた。それでも勝てるかどうかが難しい状況であるのに、自ら出ないのはどうかとはやては思っていた。

 すべてはなのはに対抗するためにする対応だった。多分これでも足りないと思うが、上空で戦うと考えればそれ位しか出せなかった。

 

「それで、ほかにこれに対する意見はあるか?」

「待ったはやて、その中から私を抜いてくれるかな?」

「……その理由もあるんやろうな?」

 

 フェイトがそう言ったことに対し、はやては珍しくフェイトに対して強い口調で言った。はやてから考えると、フェイトがなのはに戦う戦力として失うのは痛い事だったし、今回に限ってはそれなりの理由がなければ許可するつもりは無かった。

 だがフェイトははやてが強い口調で言った事にもあまり気にせずに、理由を話し始める。

 

「アリシア・テスタロッサって名乗った彼女。あの子と戦い、彼女の正体を知りたい」

「……そっか、フェイトちゃんにはそっちの問題もあったな。だけど、そう簡単にその件は今回に限って許可できへんな」

「分かってる。だけどアリシアと名乗った彼女と決着をつけなければいけないから――」

「……分かった。ただし状況に応じては、戦闘を途中で中断して私たちと共になのはちゃんと戦ってくれるのが条件や」

 

 フェイトははやてが言った条件を呑んで、頷いた。

 それを確認したはやてはフェイトの方向から全員へと向け、話しを再開する。

 

「それで他の呼ばれなかった人たちはフィルノ・オルデルタ、デュナ・シルフィア、リィナ・シルフィア、エメリア・ラスティルと戦ってくれな。誰がどう戦うかは任せるが、状況に応じて対応してくれな」

「そう言えば、さっき聞いた話なのですけど、わたしたち特務六課が率先してツュッヒティゲンと戦えという命令は本当なのですか?」

 

 キャロが本当なのかどうかを確かめるために、はやてに問いかける。

 それを聞いたはやてはその事かと思い、ため息を吐きながらも答えた。

 

「その通りや。どうやら私たちは管理局から逃げるなという事なんやろうな。元々逃げるつもりなんてなかったが、向こうとしてはなのはと私たちを戦わせたいんやろうな」

「それに、管理局員の大半が先ほどの放送でどうすればいいのか分からない人で頼める人が数少ないからこそ、私たちに頼んだろうね。私たちの場合はなのはの事もあるし、冷静だと思ったからだと思うし」

「フェイトちゃんの言う通りやろうな。まぁ、この戦いに私たち管理局が勝とうとなのはちゃん達が勝とうと管理局の裏はどのみち追い詰められる事になる。そう考えるとどうしてそれを阻止しようと管理局の裏は動こうとしなかったのは疑問やが」

 

 確かにはやての言うとおりだった、このような事態になる前に何か手を打っているはずだと思うのだが、そのような気配がはやてたちからでは見えなかった。

 

「……まぁ、今はそんな事より目の前の事を考えなければな」

 

 そう思ったはやては話をなのは達ツュッヒティゲンに戻し、それを聞いていたフェイト達も頷いて、対策をさらに考える事にしていったのだった――

説明
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。

二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。

それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。



魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。
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