魔法少女リリカルなのは聖伝 〜ヒーローズサーガ〜 ステージ4(後)
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過去の作品は此方です。

 

 

 

プロローグ:http://www.tinami.com/view/485896

ステージ1:http://www.tinami.com/view/488611

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ステージ3(後):http://www.tinami.com/view/505890

ステージ4(前):http://www.tinami.com/view/510841

 

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拠点キューブ…

 

「っ!? …今のは…?」

 

『どうした、もう少し寝ててもいいんだぜ』

 

ゼロの声が気遣う様に響いてくる。拠点キューブまで戻って来た時、ダブルオーとオーズの大技を使った事の疲労が襲ってきた結果、そのまま眠り続けていた訳だ。

 

「いや、大丈夫…。…それで、メリクリウスのプラネットディフェンサーを回収したけど…」

 

『…時間はかかるが修理は出来そうだ』

 

「それは良かったけど、何か分かりそうな事は…」

 

『残念ながら、何も…』

 

ダブルオーの言葉に拾ってきた甲斐は少しは有った事は安心するが、情報についてはオーズに否定された。

 

『一応、ミッドチルダや地球の文字が刻まれた部品が有る。その程度の事は分かるけどな…』

 

ゼロがそう言って首を振っているのが手に取るように分かる。僅かなパーツから分かった事は、残念ながら何らかの方法で地球やミッドチルダで入手している程度だ。

 

「…あとは…敵に襲われたと思われる、フェイト=テスタロッサの証言だけか…」

 

『その事なら、そろそろ彼女が目を覚ます頃だ』

 

「っ!? 分かった」

 

ダブルオーの言葉にそう答える。敵の正体について現在の状況では彼女の証言だけが唯一の手掛かりとなるかもしれない。

 

(…この世界の本来の歴史なら、この時点で彼女があそこまで負傷する相手は居なかった筈だ。だとしたら…)

 

『幹部級』の敵としか考えられない。…転生者である可能性については………まあ、間違いなく幹部級になっている可能性が高いので考えない事にしているが。

 

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???

 

「気が付いた…みたいだね」

 

治療を終えたフェイトを寝かせていた部屋に入ると向けられたのは、総矢へと向けられた警戒心全開の視線。

 

「……此処は何処ですか……?」

 

「えーと、拠点キューブって言うオレの…基地と言うか、家みたいな場所だけど…。昨日倒れていた君を助けて連れて来たんだけど…何が有ったの?」

 

彼女の問いに答えつつそう聞き返す。流石に警戒されるで有ろう事は分かっていたが、

 

(…先ずは警戒を解かないと、話どころじゃないか…)

 

「倒れて…あのっ!? アルフ…其処に私の他に誰か居ませんでしたか!?」

 

「いや、あそこで倒れていたのは君だけだった」

 

首を振りながらフェイトの問いにそう答える。念の為に彼女以外にも誰か居ないか調べてみたが、其処には彼女以外誰も居なかった。

 

「そんな……お母さん…アルフ……」

 

そう呟いて涙を流す彼女を落ち着かせると、少しずつ何が有ったのかを話してくれた。

 

何でも、母親に頼まれ事をされた時、彼女達の家…『時の庭園』に数人の(勝手な)来客が有った。一度話しを切り上げて母親が対応(対処)しようとした時、黒い霧に包まれて苦しみ始めたかと思うと、其処に居たのは多種多様な人型の怪物とロボット達。

襲い掛かってくる相手に抵抗したのだが、フェイト達では強すぎる相手に手も足も出ずにこれ以上は危険だと言ってアルフと言う彼女の使い魔によって向かう予定だった無理矢理地球に逃がされた。

なお、母は逃げようと言う言葉も聞かずに彼女に見向きもせずに何かを必死に守る様に戦っていたらしい。

 

要約するとこんな所だ。…助けてくれた相手なのだから、と言う意思が目立つのだが、彼女の言葉が正しければ、本当に幹部級が大量に誕生していた。

 

『ようするに、カミサマから貰ったちーとのうりょうって奴で何かしようとした結果、悪意に乗っ取られて幹部級になった訳か』

 

(…そうみたいだね…)

 

思いっきりヒーロー軍団との戦っているカミサマとやらに対する髪の毛一本ほどは有った同情の気持ちが消滅した瞬間だったりする。はっきり言って『余計な事しやがって』と言う心境だ。

 

「…直ぐに聞くのは気が引けるけど…その怪物やロボット達はこの中に居る?」

 

そう言ってフェイトに見せる空中ディスプレイには拠点キューブのデータの中にあるエネミーデータの画像が映し出されている。

 

「…あの中の一人は…これと似ていたけど、もっと太めだった気が…」

 

「うわぁ…」(相手は『テンペラー星人』…しかも、メビウスが戦った固体じゃなくて、ウルトラ六兄弟と戦った奴か)

 

そう言ってフェイトが指さしたのは『テンペラー星人』の画像。それはメビウスと戦った細めのタイプのテンペラー星人だが、彼女が言うのはもう少し太め…ウルトラ六兄弟と戦ったタイプのテンペラー星人だ。

 

(…敵は宇宙人タイプ…ゼロの専門か…相性ならダブルオーだけど)

 

「あと、ロボットはこれとこれと…」

 

そう言って指差したのは三機のガンダムタイプのMS『チーム・トリニティ』の『ガンダムスローネ』のアイン、ツバイ、ドライの三機。

 

(…ダブルオーの専門のMSまで!? 分かっていたけど、結構きついな…)

 

彼女から告げられた事実に思わず頭を抱えたくなる総矢だった。実際、今の総矢の力では何処まで幹部級と戦えるかどうかは分からない。それがこうも多いとなると頭を抱えたくなるのも無理は無いだろう。

 

「…あなたは何者なんですか…?」

 

「…それは自己紹介と言う意味、それとも…何故あいつ等の事を知っているのか? って意味?」

 

「………」

 

暫く時の庭園を襲撃した相手の事を聞いていると、不意にフェイトがそう問いかけてくる。彼女の視線に込められているのは、全開の警戒心。

 

「取り合えず自己紹介からさせて貰うと、オレは『天地 総矢』。君は?」

 

「わ、私は『フェイト・テスタロッサ』です」

 

「…此処はオレがヤツラと戦う為の拠点。だからこそ、あいつ等のデータも揃っている」

 

「…貴方は、時空管理局の局員、なんですか…」

 

「…いや、どちらかと言えばフリーな立場の人間って所だね。……なるべくなら関わりたくないと思ってるし」

 

実際、時空管理局に所属している転生者はかなり多い。総矢にしてみれば管理局と言う場所はある意味じゃ、幹部級に変わる候補者が大量に存在している場所でもあるのだ。

精神安定のためにもなるべくなら係わり合いになりたくない。……万が一所属してしまったら……何時幹部級に襲われるか分からないのだし。

 

(…先の事は後で考えよう…)

 

実際、悪意の先手を打てるこの世界に於ける大きな事件では、その現場となる場所に拠点キューブとの出入り口を設置すれば良いだけの話だ。飽く迄自分の役割は悪意の生み出した敵と戦うことだけと、割り切っておくことにする。

 

だがそれは逆に言えば“それ以外”では対処できない部分も出てきてしまう危険性もある。そうなると…。

 

(…その内、管理局内の転生者の探索もしておくか…。そんな事よりも今は…)

 

今の総矢の優先事項は一つ。

 

「…フェイトさん…。一つだけ聞きたい…君はこれからどうする?」

 

「…私は…」

 

そう、彼女の今後の行動について把握しておく事だ。既に母親であるプレシア・テスタロッサは生きているかどうかも分からず、使い魔であるアルフの行方も分からない。……そして、幾ら彼女が才能がある魔導師と言っても怪人や怪獣・宇宙人、MSに簡単に勝てるとは思えない。

 

(……出来れば、早い段階で高町さんと一緒に行動していてほしいな)

 

そうしてくれれば守り易いのだが。既に物語は狂っているのだ、だったらなるべく揺れ幅を安定させつつ世界を破壊させなければ良いだけの話だ。

 

説明
悪意によって滅びを迎える未来を回避すべく、三人のヒーロー達は一人の少年に力を託す。
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