魔獣使いミーナの語る”ヨゴれた自由”
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「私?自由だと思うわ。」とサバサバと口にする。

 

ミーナ自身は、仕事の故にこの地に送り込まれたのに、それの何が自由だと反論してみた。

ミーナは語る。「確かに、独り者は自由なのね。でも、私にとって、私の手に届く場所に触れ合える仲間がいることの方が自由だと思うの。」

 

どうしてと尋ねてみる。

「一人だと束縛するものがないけど、遠くには行けない。それだけ、自分って重いものなのよ。」

 

ミーナは、虚空を見つめながら言葉を続ける。

「だから、本当の自由というものは、自分の心の聖域を開放してしまう事だと思うの。私の大切にしているものを、みんなに見てくださいって……ね。重さ、それから自由になるには、汚れることを受け入れなきゃ。」

 

ミーナは、私がよく意味が分からないといった顔をしているのを見て呟く。

「わたし…間違ってる?そうかもね。それ以前に、人の世界から外れて遠くに来てしまった私が、人のことをとやかく言える身分じゃないよね。」

 

 

(……ここで日記は途切れている。)

 

私は、日記を見返して思う。

ミーナ先輩は、あの時何を見ていたのだろう?ううん。私だって、変わらない。人のことをとやかく言えるほど、立派な生き方はできてない。ミーナ先輩の言うように、私の私だけの聖域を汚すことなんてできない。でも、ミーナ先輩は、ああ言ったけど、穢れとは正反対の潔癖症だと思うんだ。多分、その聖域をすべて委ねてもいいと思う出会いがあったんだと思う。羨ましいな。だからこそ、私は許せないんだよ。

 

説明
2011年3月頃のイラストをそのままに、作品説明を膨らませて小説にしてみた。
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