コードギアス 起きたら異世界に来ていた者ゼブル 第二話  ゼブルのギアス
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side ゼブル

 

目が覚めた俺が見たのは未だ見慣れない天井だった。

 

ふぅ、最近は夢の中でまで寝ているとは、俺の睡眠欲は底がしれないね。

 

今度こそちゃんと起きないと。

 

 

俺は目を擦ってもう一度天井を見上げた。

 

・・・何も変わってない。

 

 

ちなみにこの行動は数日間ずっと繰り返してきた。

 

最初のほうはあまりの事に混乱して軽く錯乱状態になったりもしたけど、人の慣れというのは恐ろしく今では順応しきっている。

 

 

そう、俺がこの世界にきて既に1週間が経った。

 

その数日間に、俺はV.V.の元で自分のギアスの能力や効果、使用条件などを理解し、空いた時間はV.V.が用意してくれた部屋で《自分が知っているこの世界》と《実際自分がいるこの世界》との違いを調べていた。

 

 

「日本とブリタニアの戦争、厳島の奇跡、エリア11、半ブリタニア勢力日本解放戦線の存在、ここまでは一緒なんだよね」

 

分かっている範囲では相違店は見られなかった。

 

 

ただ、気になることが1つ。それはゼロが現れる2年前に俺はこの世界に来たということだった。

 

何故2年も前に俺がこの世界に飛ばされたのだろう?

 

前準備が出来るといえば幸運で片付ければそれまでだが。

 

何かの意思が働いているとしたらどうだろう?

では、誰が?そして何のために?

 

等と色々考えごとをしていると

 

『ゼブル様、饗主V.V.がお呼びでいます。至急黄昏の扉にきてください』

 

「すぐに行くよ」

 

親友からのお呼びがかかった。

 

俺は椅子から立ち上がると、いつもの黒い制服を身に纏い部屋を出た。

 

 

Side out

 

そこは彼がV.V.と初めて会った場所にして、彼が異世界で・・・・初めて寝ていた扉の前だ。

 

「お待たせV.V.。で、用事は何かな?」

 

「ちょっと君のギアスの効果を再度理解しておきたくたね」

 

扉の前の椅子に座っている少年。この少年こそ彼に食衣住とギアスを与えた人物、V.V.だ。

 

 

「なんでまた?」

 

「君のギアスは君が思っているよりとても興味深いものなんだ。後で実際に君のギアスである事を実験するから念の為にね」

 

「また実験か。めんどくさいけど、仕方ない。それじゃは話すよ」

 

 

 

V.V.から授けられたゼブルのギアス。

 

ゼブルはそれを「性格を換えるだけのギアス」と感じ取っているが、

実際は「自分が望んだパーソナリティーを相手に付け足す力」と言ったほうが正しい。

 

パーソナリティとは性格だけでなく人格や個性も含む。

つまり分かりやすくすると「性格及び人格を付け足すギアス」ということになる。

 

これはゼブルの「自分を変えたい」という願いが具現化したものだとV.V.は考えている。

 

 

例えて説明するならば、積極的でない男に「お前は積極的な男だ」とギアスをかければ、行動がギアスをかける前とは180度回転して何事にも取り組むその通り積極的な性格がプラスされる。

 

ゼブル自身はあまり良い能力と思っていないが、実は人間の性格というものはとても面白い物で、例えば目の前の嫌いな食べ物を食させようとしよう。

 

同じ人でもわがままな性格に換えると「絶対に食べない」と一切否定し、言われたことに素直に従う性格だと「頑張って食べてみる」とチャレンジをするだろう。

 

つまり、同じ人間でも性格が違えば考え方の異なる、全く別の人間になるのだ。

 

人格に至っては多重人格と呼ばれていることから分かるように全くの別人扱いである。

 

 

ここで現状況でゼブルが理解している限りの能力の説明を述べよう。

 

1、能力は相手の性格及び人格を書き足すギアス。

 

2、発動条件としては相手の目を見なければならないが、ルルーシュのギアスと同じように光情報なので鏡に反射させてギアスをかける事もできる。しかし透過率の低いバイザー等を付けている者には発動しない。

 

3、ギアスをかけた対象に「元に戻れ」というと、付け足した全ての性格と人格が消え、元の性格に戻る。

 

4、パーソナリティを付け足す際に複数の性格を植えつける事も可能。更に、「強くて豪快な暑苦しくなれ」や「おしとやかで清楚なになれ」等のキー単語を繋げる事も可能。この場合1つとして数える(最大7回まで植え付け可能)。しかし相手が意味を理解出来なかったり、間違って理解もする可能性もある上、相反するものを付け足す際には先にかけた方を優先する。

 

5、多数の相手にも一度で足せるが、同じ内容しか付け足せない。

 

6、同じ相手に何度も使える(足しては消してを何度も繰り返せるという意味である)。

 

7、本来の人格、性格を消すことはできない。

 

 

しかし、この能力の本当にすごい所は先ほど述べたように《1人の人間を別の人間とすること》が出来るのである。

 

たしかに、記憶を無くしたり換えられたら、性格が変わるかもしれないがその人の心の本質は変わらない。

しかし、ゼブルのギアスは相手の本質すら換える事が出来る。

 

 

例えばルルーシュのギアスは1人に1回だが、ゼブルのギアスを使うと

 

ルルーシュのギアスをかけ終わる→ゼブルのギアスを使い人格を足す→ルルーシュのギアスをまたかける事が出来る。

 

しかし、同じ人《人(格)》にはギアスは効かない。

 

ルルーシュのギアスをかけ終わる→ゼブルのギアスを使い人格を換える→ルルーシュのギアスをまたかける事が出来る→ゼブルのギアスで人格を元に戻す→ルルーシュのギアスは効かない。

 

と、なる。

 

 

そして、V.V.はそのゼブルのギアスのその特性を使った実験を始める。

 

 

 

「ここは?」

 

「ちょっとした実験室だよ」

 

「SMプレイは遠慮させて頂きたいのですが」

 

「残念だけど違うよ」

 

説明を終えたゼブルはV.V.と共に手術室と思われる部屋に案内された。

 

その部屋は真ん中に木製の椅子があるだけの殺風景な部屋だった。

 

 

そこに子供が入って来る。推定年齢7,8才の少女だ。

 

その子が真ん中の椅子に座らされるが、あまり怖がってはいないみたいだ。

 

「この子にギアスをかけてみて」

 

「俺のギアスを?」

 

「うん、内容はそうだな。適当に大人しくしろ、とかで」

 

「すでに大人しいけから心配だけど。ちょっと、ゴメンね」

 

 

女の子と目を合わせると、

 

「ゼブル ] プレイエントが植える、偽りの人格を!」

 

ゼブルの右目に赤い鳥のような紋章が浮かんだ。

 

 

ギアスは上手く発動した。後は少女が起きるのを待つだけ。

 

「あのさV.V.」

 

「なんだい?」

 

「この台詞止めない?すっっっごく恥かしいんだけど」

 

「何でさ?格好良いじゃないか」

 

「それに苗字?を付けてくれたのは嬉しいよ。プレイエントだってまだ分かる。でも、Xってなに?何のX?」

 

「気にし過ぎだよ。格好良ければ何でも許されるってね。次はポーズも考えておくから楽しみに待っててね」

 

「・・・」

 

ポーズまでさせる気か、とゼブルは思った。

 

 

 

「う、うう」

 

「起きたみたいだね」

 

そんなことをしている間に少女は目を覚ました。

 

「・・・」

 

ゼブルのギアスがキチンと聞いているのか、とても大人しい。

 

「君のギアス能力は範囲内の人間の視覚を一時的に奪うものだったね。彼にギアスを使ってみてよ」

 

「分かりました」

 

「分からないで欲しいかも」

 

「いいから」

 

少女がギアスを発動しようとするが・・。

 

「ギアスが使えない」

 

「使えないって」

 

「分かったかい?君のギアスの影響でこの子のギアスは使用不能になったんだ」

 

「どういう事?」

 

ゼブルの知らないゼブルのギアスの能力をV.V.は理解しているようだ。

 

伊達にギアス饗団の饗主ではないという所だろう。

 

「その前にまだやることがある。今度はもう一度僕がギアスを与える」

 

「(そんなほいほい上げれるもんなんだね)」

 

「これでよし。もう一度ギアスを使ってご覧」

 

「はい」

 

少女の右目にギアスの紋章が映る。

 

「(今度は成功か、でも別段俺の体に変化は・・・あるね)」

 

ギアスが発動されてからV.V.が口を動かしているが、何を言っているのかをゼブルは理解することが出来なかった。

 

どうやら範囲内の人間の視覚を奪う力から聴覚を奪う力に変化しているようだ。

 

 

「何言ってるのか全然聞こえないよ」

 

「うん、成功みたいだね。ギアスを解いて」

 

「はい」

 

「お、治った」

 

「二日前にやった実験でギアス能力者2人の内1人が君のギアスを受けた後に何故かギアスがまるで使えなくなっていたんだ。その子にまたギアスを与えたらなんと違う能力だったんだ」

 

「今回と同じて訳か。俺の能力が原因だってこと?」

 

「多分ね、次に彼女のギアスを解いてくれないかい?」

 

「元に戻って」

 

「さあ、もう一度ギアスを使ってごらん」

 

「はい」

 

再び少女がゼブルに向かってギアスを発動する。

 

「おお、今度は何も見えないや。これは怖い」

 

今度は視界が奪われ、目の前が真っ黒になった。

 

 

「ちゃんと元のギアスに戻ってるね。戻っていいよ」

 

「ちょ、怖いから止めてから行って!」

 

意外と暗いのが苦手なゼブルであった。

 

 

 

女の子を下がらせた後V.V.は言った。

 

「君のギアスは本当に面白いね。君がギアスをかけたもう1人には君のギアスにかかってなかったよね?」

 

「ああ、そうだった。あの時はびっくりしたね。俺のギアスが効かないないんてってさ」

 

そう、最初にギアスをかけた2人のうち1人にはちゃんとギアスによる性格の植え付けが出来たが、もう1人には何故か2,3度やり直しをしたが結局ギアスにかかった症状は見れなかった。

 

「彼はさ、多重人格者になっていたよ」

 

「はい?」

 

「君のギアスに反抗してギアスが消えたかと思っていたら。急に『男は汗と友情だ』って言ってテニスの素振りを始めたらしい。その数時間後に元の性格に戻ったけど、その次の日に全身筋肉痛になったんだって」

 

「(確かにその人には強くて豪快で暑苦しい熱血マンになれって言ったね。でも、素振り程度で全身筋肉痛ってどんだけモヤシなんだよ)」

 

今頃痛みで困っているであろう職員を哀れむ。

 

 

「後で2人のギアスを消しに行くよ。その前にかけた13人もだね」

 

「いや、経過が知りたいから消さないで。しかし君のギアスは本当に凄いね」

 

「そうか?」

 

「こんな意味不明なギアス長年色んなギアスを見ている僕でも初めてだよ」

 

「それって褒められてるの?」

 

「もちろんさ、違うギアスを発現させるギアスの存在自体が異常だし」

 

「・・・(それにしても、何かが閃きそうなんだよね)」

 

多重人格 ギアス 目 光情報 性格 願い

 

「・・・・・・え?(嘘だろ?これが成功したら)」

 

そしてゼブルの頭にある名案が浮かぶ。

 

「V.V.」

 

「なんだい?」

 

「ある実験をしてみたいんだけどいいかな?」

 

「いったい、何をするんだい?」

 

「とても面白い実験さ」

 

ゼブルがおかしそうに笑った。

 

 

説明
コードギアスを知っているのを前提に書いておりますので、分からないところがございましたらお気軽に伝えてください。
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コメント
うおおおお、ゼブルだあああああ!? まさか山ブル地帯様もこっちに移ってきてくれるとは……! 応援してます。頑張ってください!(メガネオオカミ)
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コードギアス オリジナル要素満載 チート クロスオーバー 原作崩壊 ハーレム 

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