バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つもの 第六話 |
「雄二!」
「鋼牙、島田!丁度良かった。ここを頼んでくれるか?」
「ああ。お前は行け!」
「恩に着るぜ!」
雄二とムッツリーニ、秀吉は鋼牙たちを置いて去っていった。
「どうするつもりよ、冴島。いえ、言いずらいから鋼牙って呼んでいい?うちのことも美波って言っていいから。」
「・・・・・・・・・わかった。ここは俺がある程度敵を引きつける。」
「う、うちは!」
「いざという時のために頼む。」
「わ、わかった。」
『いたぞ、馬鹿どもだ!』
『打ち殺せ!』
『鋼牙を倒したら名が揚がるぞ!』
「き、来た!」
「落ち着け。こいつらは自分らにうぬばれている。天才曰く、自分にうぬぼれたらそこまでの存在だ。」
『けっ!そんなこと言ってもおまえらFクラスは馬鹿の集まりなんだよ!』
『そうだ!ゴミだ!』
「・・・・・・・・・・貴様ら、言ってくれるな!!」
鋼牙が吠えた瞬間、窓が衝撃でゆれた。
『試獣召喚!』
『Bクラス 真田由香&工藤真二&中部和則 VS Fクラス 冴島鋼牙
175点 140点 186点 997点 』
『え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!』
美波およびBクラス生徒は驚きを隠せなかった。
『お、おおおおお、お前カンニングしただろ!!』
『そ、そそそそそそうだ!!そうに違いないわ!』
「ほう、こいつがカンニングしたとでも言うのか、お前ら!」
突然後ろから声をかけられて驚く皆。その声は西村先生であった。
「こいつは俺にザルバを預け、上着を脱ぎ、十分は無実だと俺の前で堂々と証明した。それでもお前らはカンニングしたとでも言うのか?」
「い、いえ・・・・・」
「ちなみにこの点数はさっき取ったばっかのものだ。」
『ええ!!』
さらに驚いた。まあそうだろうな。
鋼牙の召還獣は青い鞘に入った双剣を片手に持っていた。
「一気に方を付ける!」
鋼牙の召還獣が通り過ぎ、爆音が響き渡る。鋼牙の召還獣の足元の木目の床には白煙が立っていた。それと同時にBクラスの召還獣三対は消滅していた。
『・・・・・・・・・・え!?』
三人とも状況が飲み込めなかった。だが西村先生の一言で全てがわかった。
「戦死者は補修だ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
『え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!』
三人は悲鳴を上げながらその場を去っ行った。
「・・・・・・・・・・鋼牙・・・・」
「なんだ、美波。」
「・・・・・・・・どうしてあんなことできんの?なんなのあんた?」
「・・・・・・・・・・・・」
鋼牙は黙って教室に戻って行った。
「おお!戻ってきたか!」
「ああ。倒してやった。」
「鋼牙ったら一人で倒しちゃうんだから驚いたわよ。」
鋼牙を呼び捨てにしている美波の言葉に少し恐い笑顔で姫路は話しかけてきた。
「・・・・随分二人とも仲良くなったんですね?」
「?名前で呼ぶといったからな。姫路も呼んで構わんが?」
「えっ!?い、いいんですか!」
「?何でそんなことを聞く。言いずらいなら名字でも名前でも構わん。」
「そ、そうですか・・・・・・そうですよね・・・・・・鋼牙君ですから・・・・・・」
姫路は少しげんなりしたが俺にはわからない。何か間違ったこと言ったか?
「まあ茶番はそこまでにしてだ。」
雄二が空気を変える。
「やつらはここまで卑怯な手を使ってきた。こっちも対応するぞ!」
「どう対抗するつもりよ?」
「それは明日話す。今日は解散!明日補充が必要なやつは早めに帰れよ!」
戦いは明日に持ち越しとなった。さて、あそこに行くか。
キンッ、キンッ、ジャギギギギキンッと金属が何かにぶつかる音が鳴り止まない地下室。鋼牙は双剣を振り、火花を散らしていた。
「はああっ!」
鋼牙は双剣を一振りした瞬間カチャンッと何かが止まる音が響く。鋼牙は剣を立て、鞘に収めた。そこへ扉を開け学園長の藤堂カヲルが入ってきた。
「相変わらずこの部屋は不気味だね。」
「学園長・・・」
「どうだい、試召戦争のほうは?」
「状況からして最悪です。C,およびBクラスがグルとなって攻めて来ました。」
「そいつは厄介さね。あの鎧を出せばいいのに。」
「あれは見せびらかす物ではありません。」
「・・・・ふっ・・・・」
学園長が突然笑ったことに鋼牙は少し疑問に思った。
「あんたも同じだね。」
「・・・・・どういうことですか?」
「アンタの親父、冴島大河は鎧を召還することはめったに無かった。召還するときは本当に危機的状況のときだけだったけどね。」
「・・・・・・・」
「まあ、りんを守るとなると過剰に反応しながら戦ったね、あいつは。」
「・・・・・・・そうですか。」
「まああんたは五つ鎧を持っていることが普通じゃない。本来なら一つが当たり前なんだがあいつらが転校する際にお前に譲りたいって言い張ったからね。」
「俺はあいつら以外にあの鎧がふさわしいと思った人物はいません。第一五人しかいませんでしたし。」
「まあそれもあるね。ただこれだけは言っておくよ!」
「っ!?」
「姉妹校対戦の日まで負けるな!・・・・・てあいつがお前が入学した頃に言ってくれと大河からの遺言の一つだよ。」
「父からの!」
「ああ。昔手紙で送られてね。本当は伝言のつもりだった手紙があの事故を境に遺言になっちまった。」
「・・・・・・・・・・・」
鋼牙は思いつめた顔をしていた。
「そんな顔しなさんな。あれはお前のせいじゃない!」
「でも・・・・・あれは俺にとって忘れてはならない日です。今でも力がないことに俺は後悔しています。俺が父を死へいざなったものです。」
カヲルはそんな鋼牙を見て大河に心の中で問いかけた。
(大河・・・・・・・お前は『守りし者』の鋼牙を守りたかったんだろ。・・・・・どうしてこいつはお前と同じになってんだい。)
その思いに大河は答えられない。今は亡き者なのだから。
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オマエタチ、ヒトリトフクスウ、ドッチガカツトオモウ? カズガオオケレバカテルノハオカシイゼ。 『実力』 ミカケガスベテジャナイゼ。 |
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