B★RIS――ブラック★ロックインフィニット・ストラトス――転生して一夏の兄になった一人の男の娘の物語
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第17話 学年別トーナメント

 

 

例の事件があってから数日。いよいよ学年別トーナメントの日だ。

僕とシャルと一夏は更衣室で着替えを終わらせ、トーナメントの組み合わせ発表を待っていた。

あ、シャルはちゃんと別のところで着替えさせたよ?

 

「しかし、すごい人の数だな。」

 

「3年にはスカウト、2年では1年間の成果の確認にそれぞれ人が来ているからね。」

 

「ほんっと、ご苦労なことだね。あれ、一夏は誰と組んだんだっけ?」

 

「1組の女子だ。お前らがあの時助けてくれなかったから大変だったんだぞ。」

 

「「あはは〜。」」

 

「笑うなよ!」

 

いや、だってあの時は一夏よりシャルのほうがいろいろと危なかったし。

女子だってばれたら一大事だもん。

 

「千夏も一夏も、ボーデヴィッヒさんとの対戦だけが気になってるみたいだね。」

 

「そりゃね。あの時決着付けれなかったし。それに・・・。」

 

「それに、何?」

 

「いや、なんでもない。」

 

危ない危ない。ここでVTシステムのことなんて話したら大変なことになる。僕がこの世界の未来をうろ覚えながら知ってることが誰かにバレたら大変なことになりそうだ。

 

「あまり感情的にならないでね。ボーデヴィッヒさんは、今のところ1年の中で千夏並の実力を持ってると思う。」

 

「分かってる。」

 

そうこう話しているとトーナメントの組み合わせが発表された。

その組み合わせを見て僕達3人は驚く。

そりゃそうでしょ。僕とシャルはシード、一夏と1組の女子はボーデヴィッヒと箒のペアと当たったんだから。

 

「げぇ・・・。仮にあいつに勝てても次は千夏兄とシャルルが相手かよ・・・。勝てるきがしねぇ・・・。」

 

「あははー・・・、手加減しないからね。」

 

さてと、VTシステムの対処はどうしようかな。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

十数分後

 

「畜生、負けたー!」

 

「あれ?」

 

「? 千夏、どうしたの?」

 

何で原作どおりVTシステム作動しないの?馬鹿なの?死ぬの?

それとも、この世界に僕がイレギュラーとして入った所為で、VTシステムが起動する世界ではなくなった?そうだったらいいんだけどな。

 

「千夏?どうしたの?難しい顔して。」

 

「小さい頃から思ってたんだけど難しい顔ってどんな顔なのかな?」

 

「さぁ・・・?」

 

「まぁいいや。次、僕達の試合だよ。早く行こう。」

 

VTシステム作動しないなら思う存分暴れることできるねー。ボーデヴィッヒが泣き出すまでぼっこぼこにしようかな?

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ISアリーナ内

僕、シャルル、ボーデヴィッヒ、箒がそれぞれ対峙する。

僕とボーデヴィッヒはそれぞれ睨み合い、シャルルはともかく箒はその場違いな空気にどうしようかとオロオロしていた。

 

「まさか・・・わずか2戦で織斑兄弟を始末できるとわな。待つ手間が省けたと言うものだ。」

 

「さいですか。それに関しては同意するよ。」

 

カウントダウンが始まる。

 

3―――

 

「シャル、箒の足止め、もしくはISのシールドエネルギーを0にすることに専念して。」

 

2―――

 

「え、でも一人でボーデヴィッヒさん相手に出来るの?」

 

1―――

 

「大丈夫。僕に任せて。」

 

0!

 

「叩きのめす!」

「傷つける!」

 

((瞬間加速|イグニッション・ブースト))で牽制射撃しながら急接近。そのまま左手のロックキャノンをスピアに変形させ振り下ろす。

当然ながらボーデヴィッヒもやられるのをただじっと待っているわけ無く、AICで僕の動きを止める。

しかしこうなることは予測していた。((瞬間加速|イグニッション・ブースト))中に分離させていたビットをボーデヴィッヒに向け突っ込ませる。

ボーデヴィッヒはAICを解除し、ビットの攻撃を完全によけた。

 

「開幕直後の特攻と思わせてからの誘導攻撃・・・。なかなかやるな。」

 

「そりゃどーも! 『バーストショット』!」

 

ほぼゼロ距離からの攻撃にかかわらず、ボーデヴィッヒはかろうじてバーストショットも避ける。

さすが軍人。

しかしボーデヴィッヒに何かが飛んできてシールドエネルギーを削る。

―――シャルのアサルトライフルだ。名前忘れたけど。

周囲を警戒しないで戦うほどだと、まだまだだね。

 

「逃がさない!」

 

シャルはラピットスイッチで別のアサルトライフル・・・。と言うよりあれはサブマシンガン?個人防衛用火気?で更に銃弾を打ち込みボーデヴィッヒに追い討ちをかける。

あれ?箒の足止めしてって頼んだんだけどな・・・。箒まだ生き残ってるし・・・。

あ、箒がシャルに切り込んだ。あー、シャルも周りを警戒しながら戦わないと・・・って危ない!

 

「逃がすか!」

 

今度はボーデヴィッヒが僕に方のレールカノンを撃っていた。

危ない危ない、危うく直撃するところだった。

 

「私を忘れてもらっては困る!」

 

今度は箒が僕に急接近。箒には悪いけど今は邪魔だなぁ・・・。

 

「ご退場願いまーす!」

 

箒の癖、剣道のときのように刀を振り下ろすからカウンターをかけやすい。

スピアを変形させ再びロックキャノンに戻す。そのまま右手にもロックキャノンを展開し、その銃口を箒に向ける。

 

「箒、ごめんね。『ダブル・バーストショット』!」

 

これもほぼゼロ距離で撃ったのに避けられる。一瞬僕の射撃の腕が落ちたのかと思ったがそうではなかった。

ボーデヴィッヒが箒をワイヤーでつかみ、何もない場所に放り投げた。助けたわけじゃなく、ただ邪魔だったから・・・。

 

放り投げられた箒が再び戦線に復帰しようとしたとき、シャルが牽制射撃で交代させ、そのまま接近戦に持ち込んだ。最初は不安だったがショットガンを連射して箒のシールドエネルギーをゼロにした。

っていうか、ショットガン連射って・・・。あのショットガン、ラピットファイア付いてるのか・・・。

って他の戦闘に見とれている場合じゃない。こっちもボーデヴィッヒと接近戦になってるんだ。

シャルがまたショットガンで射撃。見事にボーデヴィッヒに命中。

その距離でショットガン命中させるとか・・・シャル、恐ろしい子!

 

「お待たせ。」

 

「助かったよ。AICの弱点も分かったし、これでケリつけよっか!」

 

「分かった!」

 

シャルが((瞬間加速|イグニッション・ブースト))で接近。サブマシンガンで近距離から実弾の雨を降らせる。シャル、((瞬間加速|イグニッション・ブースト))できたんだ。

ボーデヴィッヒの意識がそっちに集中してる今を狙って、後ろからバーストショットを叩き込む。

え、何でフォトンシャワー使わないかって?あれは貫通能力あるからシャルにまで攻撃届いちゃうから。

 

「この死に損ないが!」

 

「何処見てるの?」

 

「!?」

 

「この距離なら外さない!」

 

うわ、あれ確かシールド・ピアーズだよね。シールド貫通する奴。

あんな物隠し持ってたのか・・・。おぉ、怖い怖い。

 

・・・あぁ、壁まで吹っ飛んだボーデヴィッヒに更にそれを叩き込むか・・・。シャルって絶対怒ると怖いタイプだね。

 

 

直後、シャルが吹き飛ばされた。と同時に、ボーデヴィッヒのISに異変が起こり始める。

・・・しかし、それを見ることができない。僕の体とISにも変化が起きていた。

体中を走り回る激痛。ふと見ると、僕の体中になにやら棘のようなものが刺さっていた。

 

{敵IS 暴走の恐れあり 危険レベルS このままでは危険です Iシステムを作動します}

 

「I・・・システム・・・?」

 

あぁ・・・Iシステムって自動機動の機能も付いてたんだっけ・・・ヤバイ・・・。

シャル・・・早く・・・逃げて・・・。

説明
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