出された料理は、一言で表すなら…メンマだった。

丼で白米に乗っているのはメンマ、小鉢のおかずはメンマ、

普通なら漬物とかがある所にもメンマ、コップに注がれてるのは…流石に普通のお茶だったが。

メンマ尽くしの様を見て、取調室なら普通カツ丼じゃないかって突込みが浮かんだが、

それよりも聞きたい事、確認したいことが出来た。

会った時から感じていたこと、見覚えがあると思った顔とメンマ料理。

そして”星”子という名前。それらから導き出された答えは…

「…ちょっと突拍子の無いこと、聞いていいですか？」

「構いませんぞ」

「まず…転生って信じます？

　前世で死んで、その後記憶を持ったまま生まれ変わるって言う」

「確かに突拍子がないが、私は信じている」

「良かった。それじゃ、本命の質問。

　星子さんって…前世では趙雲子龍で真名が星、だったりしました？」

直球で質問すると、少し沈黙が降りた後、

星子さんはニヤリと笑った。

「会った時からもしやと思っておりましたが、

　やはりそうでありましたか」

「てことは、正解？」

「ええ、では改めて自己紹介をしておこうか。

　私の名前は常山星子、職は刑事。

　前世では趙雲子龍、常山の昇龍の異名を持ち、真名は星であった。

　そう言うそちらは顔と言い名前と言い、

　私のことを知っているということは…

　主殿もしくはその転生者ですかな」

高らかに自己紹介した後、俺にそう聞いてきた。

書類作成のときに名前を見てるから、

カズトって名前であり、星の前世も知ってるんで、

俺が一刀であると思って何処か期待もあるんだろう表情だけど…

「確かに、俺の名前は”ホンゴウカズト”だけど…

　残念ながら星子さんにとっての主殿ではないです」

「…なん、だと…………そうであったか」

多少ショックを受けた様子だったけど、立ち直るのも早かった。

「あまりショックじゃなかった感じですね？」

「ああ、他人の空似という場合も度予想はしていたからな。

　しかし、そうなると何故私のことを知っているのかという疑問がわいてくるが…」

「そのことについてなんですが、星子さんって恋姫†夢想ってゲーム知ってますか？」

それから、俺たちは星子さん特性のメンマ定食を食べながら恋姫のことと転生者のことを話した。

三国志のことは知っていたが、恋姫のゲームの存在は知っていなかった。

星子さん自身は正史とは異なった三国志から転生したのだという認識していて、

自分以外にも同じように転生した者もいるだろうという所までは考えたが、

他に転生した娘に関しては元々の性格から自分から探すよりも、

運に任せて見つけるor見つかるのを待つ方がよいと考えた末、

結局自分から探すことはしていなかったらしい。

そして今日、俺という外見と名前（読みだけ）が一致した者が現れて、

声をかけたことで今に到るということだった。

一通り星子さんについての話を聞いた後、俺自身のことを話した。

なんちゃって大学生で、大学の勉強以外にもいろいろやってること、

恋姫のゲームの存在を知り、それがきっかけで彼女と別れることになったこと、

それから暫くして転生した華琳と出会えたこと、

その後、華琳の希望もあって二人で積極的に恋姫からの転生者探しを行って、

既に何人かの転生者と会うことが出来たことを話した。

「まさか…普通の三国志とは違うとは思っていましたが、

　ゲームの世界とは予想出来なんだ。それも１８禁の…

　まぁ、主殿と私たちが乳繰り合っていた日々は結構あったから納得は出来てしまうが」

「そのせいで、俺は彼女と別れちまったんで、

　星子さんも俺＝一刀って考えはしないでくださいね」

「承知した。それにしても、やはり私以外にもいたのですな…

　その娘たちとは今も連絡を取り合っているので？」

「もちろん。なんなら会えるようセッティングしますか？」

「ああ、ありがたい。暫くは今回の事件のことでいろいろあるだろうし、

　私自身の仕事もあるので、いつ出来るかはわからぬが…

　連絡先を交換しておこうか。都合の良い日を連絡する」

「了解、そんじゃ今後ともよろしく」

〜それから数日が経ち…〜

「と、いう感じだな」

「…当事者から聞くと、改めて何の映画の撮影をしていたのって思えてしまうわね」

食事を食べつつ、酒を飲み、メンマをつまみ、時々華琳からつっこみを喰らいながら、

俺と星は会ってから今に到るまでを語った。

「それで、星は今まで自分から他の娘を探してはいなかったようだけれど、

　今後はどうするのかしら？」

「私としましても会いたいという思いはありますが、

　何分刑事としての仕事もありますからな。

　仕事をしている中で手がかりになりそうなことがあれば連絡するということで」

「わかったわ。なら私からも、刑事である星に協力してもらいたいこととかあれば連絡するわ。

　もちろん、それ以外でも他の娘が見つかったときは一報入れるわ」

「うむ、よろしくお願いしますぞ、華琳殿」

華琳と星が連絡先を交換した後、暫く酒とつまみを取りながら談笑した。

日をまたぎそうな時間帯になったが、3人とも酒を飲んだので運転者無し。

いつものパターンで、二人は俺の家に泊まることとなった。

翌日、3人互いに別れを告げてお開きになる、と思ったところで星の携帯が鳴った。

「はい、こちら常山です。はい、はい…なるほど、例の集団が…

　えぇ…む、それはしかし…」

敬語であることから電話の相手は上司で、

何かしら事件か何かかと予想は出来た。

暫く見守っていると、何故か星が俺の事を見て考え始めた。

「…とりあえず、本人の了承が取れたらということで。

　少々お待ちを」

そう言うと、携帯を離して俺に向かって問いかけてきた。

「カズト殿、少々厄介なことが起きてな。

　その運転技術を見込んで協力してもらいたいことがあるのだが」

「…また事件？銃を撃たれるの可能性があるんなら却下するが」

「いや、今回の相手はいわゆる暴走族の集団でな。

　主にある峠で不法レースを行っているらしく、

　一網打尽にするにはレースに参加する形で入り込みたいのだ」

「…また映画みたいな展開になりそうね」

「うむ、まぁカズト殿の運転技術ならば問題ないと私は見ている。

　それから、カズト殿に頼む理由はそれだけではないのだ」

「「どうゆうこと？」」

「何日か前からその事件のことを調べているのだがな…

　そのレースに参加している者、

　その一人が…私たちと同じく転生者であると私は考えているのだ」

次の娘に続く…

〜おまけ１（星の食生活はEML）〜

その料理はメンマで満ちていた

おかずはメンマで　付け合せもメンマ

どこから見てもメンマしか見えず

メンマ以外には　白米くらいしかない

彼女は、常に一人、メンマを食して至福に浸る

ゆえに他の具など必要とせず

彼女の料理は

メンマで満ちていた

彼女が送るのは…

無数の…　メンマを…　ふんだんに使った料理の食生活…

その名は…

Everydishe's Menmas Life（毎食メンマの食生活）

〜おまけ２（お馴染お泊りの一時）〜

人は学習するものだ。毎回転生した誰かを見つけては、

その報告会を高確率でカズト宅で行われて、

その時は決まって華琳と見つけたもう一人を泊めることになる。

その度に寝間着（俺の服で何を着るか）について一悶着が起こった。

今回は、そうならないように服を用意しておいた。

それも、どんな体型の娘が来ても良いようなものを。

俺の服じゃないことに一瞬残念そうな表情をした気がしたが、

それは気のせいだったということで置いておいて…

「…で、その結果がコレなのね」

「ああ。これなら誰だろうと問題ないだろう」

俺が用意しておいて、華琳と星が着ているのは、

旅館などでよく見る浴衣だ。

柄の類はほとんどない、紺一色のシンプルなもの。

日本に住んでいるからには一度は袖を通すだろう。

だが、そのシンプルな浴衣でも着る人によって見た目は変わるものだ。

実際二人が着ると、紺という濃い色が肌の白さを際立たせ、

普段は襟などで見えないうなじの部分が魅力を引き立てる。

更には…

「ちょっと星。そんなはしたない格好しないでちゃんと着なさいよ」

「まぁまぁ華琳殿、酒も入って今日は無礼講と言うもの。

　この浴衣も私の着たいように着て良いではありませぬか」

「ここにはカズトもいるんだから自重しなさい！」

浴衣は着方によってはとても露出度が高く艶めかしくなる。

華琳は普通に着ているのだが…

対する星はかなり飲んでいて、風呂上りということもあって若干顔が赤い。

酔っているためか、暑さを感じているのか、はたまた両方なのか、

星は浴衣をかなり着崩している。

襟部分は胸がギリギリ見えないという位置までずり下がり、

足の方は片足を伸ばし、もう片方はひざを曲げて座っている大勢なんだが、

両足共に、そのきれいな生足が太もも部分までさらされている。

そんな絶妙なさらけ具合に、いけないとわかってても目がいってしまう。

そんな俺の視線に気づいた星は、隠すどころかにやりと笑って、

「おやカズト殿、そんなに私の肢体がみたいのですかな？」

そう言いながら、襟部分をずらし下ろすような、

上から胸元にかけてなぞる動きを見せてくる。

誘っているのか、それともからかっているのか…

それに対して俺は…

「…風呂に入ってくる。後は任せた、華琳」

順番的に好都合だったので風呂へと逃げた。

風呂から上がりリビングに戻るとそこには…

酔いつぶれた二人がいたので、両方とも寝室へと放り込んでその日は終わった。

〜おまけ３（朝の一時、浴衣ver）〜

翌朝、比較的まともに起きれた俺は二人を起こすことにした。

どちらにも起きれなかったら起こしてくれと頼まれていたので、

女が寝ている部屋に入ることには…まぁ今回はよしとする。

そもそも、ここは俺の家だし。

華琳の方は、多少昨晩の酒が後を引いてる感じではあったが、

声をかけて軽くゆすると起きてくれた。

着替えるので出てくれと言う要望に素直にしたがって退室。

そのまま星が寝ている部屋へを向かう。

ノックをしても返事なし、入ってみるとぐっすり眠っていた。

少し大きな声で呼びかけても、軽くゆすってみても反応が無かったので、

昨晩酔いつぶれる前に頼まれていた通り、

普通に起こしても起きれなかったら布団を引っぺがしてでも起こしてくれと言われてたので、

その言葉通り、俺は星の布団をひっぺがし、そして固まった。

格好は昨晩渡した浴衣、体勢は横向きに寝転んでる。

簡単に言えばコレだけなのだが、詳しく語るとそのヤバさがわかる。

下から言うと、両足共にひざを少し曲げて前に出している。

浴衣の特性上足と連動しない場合が多く、今回もそれで、

太ももまでの生足がさらけ出されている。

太ももより上は、帯があったことによる影響で隠れている。

ただ、”あった”と表現するとおり、腰の少し上辺りに乗っているだけ。

腹の前あたりで結ばれることで機能する帯は、

現在ほどけていて帯として全く機能していない。

上半身に関して、下に来ている腕だけは問題なかった。

もう片方は、背中の方に手が通されてない袖が垂れ下がっている。

その通すべき手は、なんとへその上辺りから肘より先が出ていた。

もしこのまま星を起こしたとしたら…

片手だけ浴衣の袖に手を通した状態≒脱いでる状態になってしまうのだ！？

刻一刻と迫る星の起床時間、今でも艶めかしいのに起きたらもっと眼ぷ…悪くなる状況。

そんな苦境に立たされた俺がするべき行動は…

「カズト、星は起きたのかし「華琳！後は任せた！！」ら？」

「言っとくが、この状態は俺が来る前からなってたからな！？」

着替え終わって様子を見に来た華琳に丸投げして逃げるしかなかった。

退室して閉じた扉に背を預けて直前の緊張と若干の興奮を抑えているとこんな会話が聞こえてきた。

「ちょっと星！なんで下着がないのよ！？」

「これは異なことを。浴衣は下着無しで着るのが普通でありましょう？」

「いつの時代の話よ！？いいからさっさと服を着なさい！！」

なんて会話が聞こえてしまった。

着けていなかったのは上か、下か、はたまた両方か。

いずれにしても、あのまま部屋にいたらとんでもない事態に発展するのは間違いない。

正に危機一髪で、それを脱することが出来たことには安心したが、

少し残念だったと思ってしまうのはしょうがない。だって男だし…

〜あとがき〜

現代恋姫シリーズ　星の後編　いかがでしたでしょうか？

今回は事件後〜それを語り終えるまでの話。ついでに挟乃狼さんに倣って次に繋げるような形で。

ワイルドスピード３を観て思い浮かんだこの娘の話、誰がヒロインかは…恋姫を知る人なら予想できるでしょう。

そして、色的な意味でまたしてもおまけの破壊力が本編以上になってしまった…

おまけ１に関しては…本当にただ思いついただけ。

実際こんな偏っているを通り越す食生活したらどうなるんでしょう？

おまけ２に関しては…とりあえず星のカズトに対する信用度を表してみました。

好感度は、カズト＝一刀ではないが、それでも今まであった男性の中では上位に位置してるって感じです。

で、カズトならば見られても大丈夫。その先に行くかは本人にもわからず。

酔いが入ってることとからかい癖が出ていたのも含まれます。

おまけ３に関しては…夫婦・カップルで旅館に言ったら起こるかもといった作者の妄想。

ルパンダイブをしそうな状況だが、それをしたら、それは”一刀”であって”カズト”ではない。

下着云々に関しては…酔っていたということにして置いてください。

今後の予定ですが…

現在執筆中なのが七乃の後編（中編になる場合があるかも）。腹黒さを表すのに苦労してます…

七乃につながる形で美羽。

他に浮かんでいるのは霞・桔梗・それから年末年始で新たに凪・愛紗が浮かんでます。

自分のほかにルサナさんが雪蓮と冥琳を執筆中とこ。

挟乃狼さんは…一刀の後編とその後に期待してます。

この他にも、現代恋姫シリーズの執筆に参加したいという方、

もしくはこんな現代恋姫娘が見たいという方、案があればどんどんお願いします。