歯医者体験談 その1
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私は「智美デンタルクリニック」へと向かった。

診察室に入ると、あの消毒液の臭い匂いはなく、フルーツの香りがした。

受付を済ませてから10分後、名前が呼ばれ診察室に入る。

「knzさんおまたせしました。こちらへどうぞ。」

歯科衛生士さんから呼ばれ、私は診察室へと向かった。

やはりいくつになっても歯医者は怖く、足がガクガクと震え出す。

「エプロン掛けますね。少々お待ちください。」

衛生士さんからエプロンを掛けてもらい、しばらくして待つ。

先生はどんな人なのかと心臓が破裂しそうな位ドキドキしていた。

その時、私の右後ろから優しげな女性の声がした。

「knzさんこんにちわ。」

「こ、こん、こんにちわ。」

今回の治療は新しく入って来たと見られる美人の女医さんのようだ。

「knzさんの担当をします立花です。よろしくお願いします。」

「は、はい・・。」

立花先生、一見したところロングのナチュラルストレートで暗めのブラウンがかかった髪で

スレンダー系の美人である。マスク姿ではあるが眼はキリッとした医者独特の知的さを漂わせた。

「どこが痛みますか?」

「えーと、前の上の歯と右上の奥歯がとても痛みますね。」

「ちょっと確認してみます。イスを倒しますね。」

グイーンと音を立てながらイスが倒れ、カチッと無影灯をつけた。

私は無影灯の眩しさで軽く片眼をつぶる。

「はい、お口開けて下さい。」

 

ぐいっ!!

 

恐る恐る口を開けようとした瞬間、私の口の中に美人歯科医の指が挿入される。

顔が真っ赤になりそうなくらいドキドキしていた。

一方、立花先生はハンドミラーで私の虫歯になった奥歯を入念に診ている。

「う〜ん、一度詰めた銀歯の中まで虫歯ができていますね〜。」

立花先生の指先が私の口の裏側を小刻みに動く。立花先生の指は柔らかく

又、歯科用の手袋の感触が気持ちよかった。

「はい、お口濯いで下さい。」

イスが上がり、私は口を2回程濯いだ。

「まずはお口全体のレントゲンをとります。」

 

先ほどの歯科衛生士がやってきて、レントゲン室へ案内した。

レントゲン室に入り衛生士さんが重みのあるエプロンを掛ける。

「これをかんで下さいねー。」

レントゲン用のプラスチックのようなものを噛んだ。

グイーンと音を立て私の頭をぐるぐると回り始めた。

レントゲンの機械が止まり、衛生士さんがドアを開けた。

「はい、お疲れさまでした。」

衛生士さんは噛んでいるプラスチックを取り、エプロンを外す。

「こちらでお待ちくださいね。」

再度歯科用チェアに横たわった。

説明
入室からレントゲン撮影までです。
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