殺人鬼の兄弟は異世界を旅する
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「態々すまんのぅ」

 

「いえ……それで用件は?」

 

 俺は呼び出されて学園長室に入り、用件を聞いた。

 

「実は中等部の2年生が修学旅行に京都へ行くことになったんじゃ。それは知っておるじゃろう?」

 

「ええ」

 

 さっき明日菜達が買い物をしてたからな。

 

「実はのぅ、わしはネギ君に関西呪術協会に親書を渡してあるのじゃ。ネギ君はそれを呪術協会の総本山の長に渡すように頼んだのじゃよ。そこで、君等にはネギ君の護衛を頼みたいのじゃ」

 

「……」 

 

 このじじぃ、正気か? いくらネギが魔法使いだからといっても、まだ十歳に満たない子供だぞ? 何故ネギにそんなことをさせる?

 

 それに、護衛を付けるということは敵対する奴等がいるということだろう? なら、尚更危険だろうに……。

 

「勿論、旅費はこちらで支払おう。それと、なにか必要なモノがあれば用意するぞい?」

 

 ま、俺は報酬さえ貰えれば問題無い。志貴もそうだろう。

 

「いや、構いません」

 

「そうかの? なら修学旅行は二日後じゃ。一応影でネギ君を守ってくれると助かるのぅ」

 

 一応……ね。つまるところ、バレても良いってことだろう。

 

「分かりました。では、俺達はこれで……」

 

 俺達は学園長室を後にした。

 

『……それにしても桜鬼の言った通りね。アレ、どう見ても人間には見えないわ』

 

 レンが肩に乗って言った。

 

 因みに、レンの事は学園長に言ってあるので、問題無い。

 

 さて、俺達は部屋に戻り、二日後の準備をする。必要な物をバッグに詰め、あとは装備を確認するだけだ。

 

 押し入れの中に入っているトランクをいくつか取り出し、それを開ける。すると、中には七夜家に伝わる暗器が納められていた。

 

 これはオーディンに貰った特典の一つで、七夜家の装備をこちらに送ってくれたのだ。因みに、送られたのは昨日だったりする。

 

「取りあえず、投げナイフと鋼糸ぐらいか?」

 

「そうだねぇ……敵の情報が少なすぎるし、その二つで良いんじゃないかね?」

 

 俺が選んだのは投げナイフと鋼糸。鋼糸とは頑丈な合金を繊維状にしたものだ。肉眼での視認が難しく、切れ味が最高に良い。

 鋼糸は手袋があり、その甲からそれぞれの指先に繋がっている。分かりやすく言うと、BLACKCATのジェノス=ハザードが使っている奴を

 イメージすればいい。勿論オリハルコン程の強度はないが。

 

「ま、大抵の奴なら鋼糸でも十分だし、七ツ夜もあるしな」

 

 本来なら七ツ夜一つで十分だ。魔眼や浄眼もあるし、問題は無い。

 

「それに、レンもいる」

 

『うふふ、勿論よ? この私の実力を見せてあげるわ』

 

『……(コクリ)』

 

 使い魔であるレンの実力を計るには丁度良いかもしれない。

 

 さて、思ったより準備が早く終わったな。取りあえず、今日はゆっくり休もう。

 

 

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 それから二日経った。

 

 とうとう修学旅行の日が来たのだ。ま、俺達は旅行じゃなくて仕事だけどな。

 

「取りあえず後部車両に乗るか?」

 

「そうだな」

 

 俺達は早速新幹線に乗る。レンは子猫モードでバッグの中に隠れている。流石に人に見られるとマズイからな。

 

 因みに、道中のレン達のおやつはバームクーヘンだったりする。猫の癖に贅沢な奴め……。

 

 

 ―――数十分後

 

 

「……ん?」

 

「……何か来るみたいだ」

 

 俺達は何かがこちらに向かってくる気配を察知した。数は二人。内一人はすぐ前の扉の向こうに、もう一人はこちらに向かって走ってきている。

 

 そして人では無い何かも一緒に。

 

「……む?」

 

「止まった?」

 

 そしてそれらはこちらの車両に入る手前で止まった。

 

 そして、気配はすぐに奥へと消えていく。

 

「なんだったんだ?」

 

「さあ?」

 

 

 ――――数時間後

 

 

「さて、着いたな」

 

「ああ、この世界の京都も変わらないな」

 

「そうだな……」

 

 俺達は京都の風景を見て呟いた。

 

 前の世界では京都によく退魔の仕事で呼ばれていたのだ。

 

 我ら七夜一族は陰陽の理が通じない時の切り札だからだ。今となっては懐かしいな。

 

『ん……みゅぅ? ……んん〜……くぅ。 桜鬼、着いたの?』

 

『〜〜〜っ……はふぅ』

 

「ああ、着いたぞ」

 

 そしてレン達が起きた。猫らしく精一杯伸びをして、まだ目がトロンとしている。少しすると白レンが肩に乗って来た。

 

 やれやれ、本当に肩に乗るのが好きな奴だ。

 

「それじゃ、ネギ達を追いかけるとしますかね、兄さん?」

 

「ああ、行こう」

 

 そして俺達はネギ達一行を付けた。

 

 だが、問題が発生した。いや、別に命に関わるような事や、襲撃があった訳では無い。その……変な事が多発しているのだ。

 

 何故か道の真ん中にカエル入りの落とし穴が掘られていたり、音羽の滝に酒が流されていたり等々。

 

 なんかこう……あまりにも稚拙過ぎる嫌がらせだな。

 

「本気で妨害する気があるのか?」

 

 思わずこう言ってしまう程の事だ。正直やる気が失せるが、もしかしたら相手はコレを狙っているのだろうか? 

 

 取りあえず、旅館に行くとしよう。

 

 

 

 

「さて、俺達の部屋は一階の隅だったな」

 

「ああ、学園長殿が手配してくれたらしい」

 

 一階なら侵入者の対応がしやすいからな。ま、すぐにネギ達にバレるだろうが……。

 

 さて、ここまで来たからには温泉に入っておきたい。今は午後三時なので空いているだろう。

 

「それじゃあレン、とりあえず風呂に入るぞ」

 

「お前もだレン、ここ最近風呂に入ってないだろ?」

 

『……え゙っ!?』

『っ!?』

 

 俺達がそう言うとレン達はギギギッと音が聞こえるかのようにこちらを振り返る。

 

 ここ数日レン達は風呂に入って無いからな。そろそろ入らないと臭うし、清潔にしないとな。

 

『ちょ、ちょっと待って! そ、その……ほら! 私達は後で入るから!』

 

「―――っ!(コクコク!)」

 

 黒レンも首を激しく縦に振って同意する。だがそれは認めない。

 

「ダメだ。そう言って昨日も結局入らなかっただろ?」

 

「さあ、行くぞ」

 

『こ、この人でなしーー! は、離しなさいよぉ〜! お風呂はい〜や〜だぁああーー!』

 

『〜〜〜っ!?』

 

 白レンは逃走しようとしたが俺が『閃走・水月』で回り込んで捕獲。そのまま暴れる白レンの首根っこを掴んで連行する。黒レンは必死に畳に爪を立てて抵抗するがあえなく志貴に捕縛され、同じく温泉へ連行された。

 

 因みに、2人共子猫モードなのでこちらの羞恥心は無い。流石に人の姿では犯罪の香りがするので無理矢理とはいかないが……。下半身はタオルを捲けば大丈夫だろう。

 

 

 

 

説明
第四話 いざ京都へ
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コメント
私の持ちキャラは秋葉(クレ)、制服秋葉(フル)、七夜志貴(ハーフ)、ワラキア(クレ&フル)、真祖アルク(クレ&フル)、翡翠&琥珀(クレ)、青子先生(フル)、ネコアルクカオス(ハーフ)ですね。……あれ? 多すぎじゃね?(クライシス)
メルブラはワラキアさんと先生が持ちキャラでしたねwww レンとお風呂か……どうせならアルクやシオン、先生と入りt(ここから先は爪跡と弾痕により読むことができない)(Unknown)
私もレンと一緒にお風呂……ぷはっ!?(←鼻血)(クライシス)
メルブラではレンが持ちキャラなおいら(笑)原作のネギま読み直さないと微妙に忘れている所がでているなぁ、全巻あるので暇見て読み返そう。レンとお風呂・・・いいなぁ(ォィw(氷屋)
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転生 直視の魔眼 月姫からネギま!へ 宝具 原作崩壊 七夜一族 ハーレムになるかは未定 チートだと思います キャラ崩壊 

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