現象起こしの転生者 第六十話
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第六十話「姫VS主人公」

 

「……あれ?」

 

善吉がどこか呆けた声を出す。

俺がここにいるのは体育館の細工でわかっていたと思う。

しかし、ここに悪平等、理外点がそろっていることは予想外だったのでしょう。

 

『よう、びっくりしたか?』

 

おそらく善吉の前に車いすで座っているであろう俺は善吉にそういう。

目が見えないせいでほかの人員の位置がわからないのが不満だ。

姫ちゃんだけは俺の後ろで車いすの取っ手を握っているのがわかる。

分かる理由は、愛だ。

 

「どうしたんだよ、全員そろって。新しい敵が現れたとかでも言うのか?」

 

何と勘の鋭い。その通り、新しい敵が現れた。

名前は獅子目言彦(ししめいいひこ)、安心院さんに軽く一億回ほど勝ったとかいう人物だ。

外見はまさしく鬼といえる外見。安心院さんのように、人外と言えど人の体とはいいがたい。

 

『その通りだよ善吉。このシーズンが終わった後、

すぐに起こるイベントによって、また新しく敵が出てくる』

 

「安心院さんやお前らがいるなら、大丈夫なんじゃねーのか?」

 

『ほとんど(・・・・)はね』

 

俺の答えに善吉が息を詰まらせた。

俺に勝てるやつの姿が想像できなかったのだろう。

正直、俺も負ける相手と言うのは今のところ先日のアランくらいだ。

 

『ただ、今のところ、俺達理外点は不確定だ。

戦ったわけじゃないから実は勝てるかもしれない』

 

「そうか……あれ? でもなんでここに集まってるんだ?」

 

『ああ、今回の目的は二つなんだ。安心院さん』

 

「おっけー」

 

安心院さんの上履きが床をこする。

漫画でよく聞く、髪がなびく音がした。

また何かのスキルで持つ使ったんだろうか。

 

「安心院さんの! これで安心言彦対策ー!!」

 

『「「「おー!!!!」」」』

 

目の前に女教師姿の安心院さんが浮かぶようだ。

安心院さんであろう人の靴音はヒールに変わり、

保健室においてあるホワイトボートにマジックが滑る音がする。

 

「言彦って言うのはボクの昔の敵でね、一億回ほど負けたことがある。

今回は、善吉君を彼に勝てるように、改造しようという試みさ!」

 

ボードに何かが当たる音がする。音からしてペンをボードにぶつけた音。

 

「やることは零君が言ったように主に二つ!

一つ目、善吉君のスキルを強化し、出来るだけ零君レベルまで引き上げ、

言彦に対抗できるであろうレベルに上げる」

 

もう一度ペンがボードを走る。

 

「二つ目、もう一つこの間戦った言葉使い達の、

言葉使い(スタイル)を覚えてもらう」

 

「言葉使い? でも、今のシーズンが終わったらってもうすぐだぜ?」

 

その通りさ。でも、此処には常識にとらわれなさすぎる六人がいるんだ。

それくらいの時間はどうとでもしよう。

 

『まぁなんにせよ、今の弱体化した俺と互角くらいにはするつもりだから』

 

俺は善吉にそう告げる。

今回に主に活躍してもらうのは終姉弟だ。

俺の能力は、元のものをいじくるのは得意だが、

どうも一から作るのは単純でない限り創の方が使いやすいようだ。

 

『じゃあ、まずはその兎をベッドに寝かせて』

 

「あ、おお」

 

ベッドに誰かが収まる音がした。

まず一番に口を開いたのは善吉だ。

 

「あ、そうだ。強化するなら俺の今のレベルも計った方がいいんじゃないか?」

 

「そうだね、そうしようか」

 

善吉の案に賛成した安心院さんが、俺に向けて頼むよと言ってくる。

俺は能力を発動し、保健室内をいじくり廻し、部屋の床と壁を大きな広場ほどにまで引き延ばした。

追加で自動修復機能も付ければ勝手に治る空間の出来上がり。

 

『できたよ、いつでも構わない』

 

「わかった、じゃあ最初は姫ちゃんでいいかな」

 

「いいですよ」

 

俺の後ろにある気配が行ってきます言う。

愛しのプリンセスに俺は行ってらっしゃいと返す。

周りから「お熱いことで」ときこえるが、気にしない。

 

「じゃあ広いところに移ろうぜ」

 

「わかりました」

 

地面を蹴る音が響く。

次に聞こえたのは頭上から、

空気を揺るがす轟音が響いた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

頭上へと飛びあがった私が一番にしたことは、

善吉くんの動きを止めることでした。

 

「『影遊び』」

 

私の能力の制限時間は一時間。

その間、善吉くんが生きていられれば、兄さんと互角。

生きていなければ安心院さん位という感じですね。

 

「『絶滅の一撃』」

 

本気でかかります。

私は黒い球体を手のひらに乗せ、善吉くんへと突っ込む。

 

「好きな時に好きな場所にいるスキル『腑罪証明』」

 

善吉くんがそう呟くと、目の前の善吉くんが消える。

頭上の風を切る音で、頭上へ移動したことを悟る。

 

「せいっ」

 

「甘いです!」

 

善吉くんの踵落としを受けるのは不可能だ。

私はそのまま自分を転送して躱し、同時に距離を取りました。

 

「一色とは、随分とシンプルにイメージチェンジしたんですね」

 

「そうか? まぁ黒一色ってのはシンプルだな。

でも、神姫はいつもそんな感じだろ?」

 

「そうですね、銀や黒の一色だけですからとってもシンプルです」

 

でも、黒髪も銀髪も、兄さんは綺麗と言ってくれるので、気に入ってるのです。

女の子の宝であり、ささやかな私の自慢の髪。やわらかいね、と兄さんに行ってもらえるのが

いつも嬉しくて、私はいつも念入りに髪を手入れしています。

 

「えへへ、ふへへへへ」

 

「神姫ー一人に浸ってるぞー」

 

「はっ!」

 

善吉くんに指摘されて、あわてて戦闘に移る。

今度は『銃器祭り』による弾幕。

 

「全ぶで五百七十銃の口! 避けられますか!?」

 

視界が弾丸で埋め尽くされる。

続けて両手を前にだし技を告げる。

 

「『流星の尾』ツインヴァージョンです」

 

両手のひらから白い光線が発射される。

目の前が光線の光で覆われる。

弾丸に交戦が当たった瞬間周囲が爆発する。

 

「さて……どうでしょう」

 

爆発したところを見ていると、その煙が真っ二つになった。

切れるはずがない物体。切れるのは…安心院さんくらいですか。

煙の中から出てきたのは剣を手にした善吉くん。

 

「絶対斬のスキル『これっきりの厄足』」

 

見たことのあるスキルを吸収するスキルを持つ善吉くん。

今回の吸収対象は安心院さんだ、しかし、その対象の安心院さんはスキルを失ってない…

 

「めだかさんの『完成』……ですか」

 

剣を構える善吉くんを前に、私も剣を出して構える。

目の前の彼のスキルは昇華するスキル……おそらく完成はもう一段階上のスキルになっているはず。

 

「それは……なんですか?」

 

「『革命』……目撃したスキルをコピーし、もう一つ上のスキルへ、『作り直す』スキル」

 

私の背中を寒いものが走った。

おそらくそれは彼の記憶の中にあるスキルを知っているから。

足に力を入れ、『光騎(ライトナイト)』を発動する。光速で移動した私は、

善吉くんを真っ二つにするように剣を振り下ろした。

 

「はあああああああああ!!!」

 

しかし、それは善吉くんに受けられる。そこからは能力と技の打ち合いだった。

 

「光速のスキル『光化静翔』」

 

「光速に加速する技『光騎』」

 

「凍らせるスキル『絶帯冷度(エンドエイジ)』」

 

「融解させる技『露真融壊(メルトダウナー)』」

 

「百回攻撃するスキル『百烈権(ファインライト)』」

 

「絶対回避の技『用心あれば憂いなし(クライエスケープ)』」

 

「コンボのスキル『猛打傷(ヒットメーカー)』」

 

「コマンドキャンセルの技『無礼作法(ギミックキャンセラー)』」

 

「回避攻撃のスキル『当たらなければ問題ない(ヒットアチャンス)』

 

「攻撃を跳ね返す技『防御は最大の攻撃』」

 

「回避不能のスキル『簡単な的(イージーモード)』」

 

「攻撃不可の技『濡れた爆弾(インビジブルパンチ)』」

 

「干渉無効のスキル『我が道をゆく(メインカントリー)』」

 

「発動失敗の技『残念無念次は無し(ラストチャンス)』

 

「……のスキル!」

 

「……の技!」

 

「……のスキル!」

 

「……の技!」

 

「……のスキル!」

 

「……の技!」

 

「……」

 

「……」

 

「…」

 

「…」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

お互いの剣が掠り、時に発動するスキルをぶつけ、最後に離れたときは、

私の時間が残り五分になっていました。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「ふぅ……ふぅ……」

 

息を切らしながらもにらみ合う。

善吉くんは、構えると、こういいました。

 

「次のスキルで終わりにしようか」

 

その提案は私も嬉しいもの。

鬼畜技を残していますが、残り時間からするとすべては発動できない。

一つでいいなら簡単です。

 

「いいですよ、一回だけです」

 

「「せーのっ」」

 

善吉くんの傷がすべてなくなり、

服の傷すらもがなくなる。

このスキルは……

 

「『これは夢だ(ゲームリセット)』……自分だけやり直すスキル」

 

おそらくの魂胆はこうだ。

回復し、披露している私は時間切れで終了。

自分は能力干渉が一時的に効かないから、自分の勝と……甘いです。

 

「『限界通知(リミットオーバー)』」

 

そう呟いた瞬間、私の背中に淡く白い光がともる。

 

「え?」

 

そう疑問の声を上げた善吉くんが地面へと落下する。

その彼を見て私は言った。

 

「相手の限界を設定する技……あなたの限界は、普段のあなたと同じです」

 

地面に落下する善吉くん。

 

「通常、私たちは善吉くんに干渉『しません』。

ただしないだけ、甘いですよ善吉くん、私たちはいつでもあなたに勝てる、

勝ちたいなら攻撃するスキルで時間稼ぎするのがセオリーなのに」

 

「失敗した……俺の負けだよ」

 

善吉くんが負けを認める。と、同時に私にもリミットが来る。

二人して落下する中。二人ともが淡い光に包まれ、

気が付くと、私は兄さんの腕の中、善吉くんは椅子の上にいました。

 

『お疲れ様』

 

兄さんは、見えないはずの、すこし灰色がかった目で私を見る。

真っ黒に染まってしまった手を能力で動かし、私を撫で、優しくキスをしてくれた。

 

『少し寝てていいよ。どっちにしろ動けないでしょ?

ずっと抱きしめててあげるからさ』

 

兄さんがにっこり笑って私の頭を撫でる。

そうされている内に、私は眠たくなり、

意識が遠のいていった。

説明
神様と転生した主人公が
めだかで原作に入るお話

※注意※
めだかボックスの二次創作です
キャラ崩壊するかもです
作者は分が苦手です
俺TUEEEE系です
自分的解釈もあります

上記でもよい方以外はバックすることをお勧めします
構わないという方はよろしくお願いします
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タグ
転生 神様がヒロイン 妹はブラコン 兄妹夫婦 兄はシスコン 俺TUEEEE 主人公最強 チート めだかボックス 

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