大阪市営電気鉄道 二階付電車5号
説明
 先日アップしました2013年賀状の絵柄より、大阪市電二階付電車5号を単独イラストに仕立ててみました。 
◆ 大阪市電はいまから110年前、明治36(1903)年9月12日にまず花園橋西詰(現在の地下鉄中央線九条駅近く)と築港桟橋(現在の中央線大阪港駅付近)の区間の開業により創業します。同年暮れに誘客目的でこの『ニ階付電車』が導入されましたが、使用開始の認可が遅れ、運転開始は翌明治37年7月からとなりました。このニ階付き電車、合計で3両が導入され、当時の市民から『魚釣り電車』と呼ばれ親しまれましたが、その活躍の期間は短く、明治44年には3両とも松山電気軌道(現在の伊予鉄道軌道線の元となった鉄道)に売却されます。その後、台車部分がさらに能勢電鉄に譲渡され、その中の1台が電動貨車となり戦後まで活躍しました。その後、この台車が日本では数少ないドイツのヘルブランド社製で、かつ大阪市電創業時に由来する歴史的価値のあるものであることが判明したことから、阪急宝塚ファミリーパーク内の『宝塚電車館』にて保存展示されていました。同園閉園後の2003年、大阪市交通局に里帰りの形で寄贈され、運転台部分の復元を経て現在は緑木車輌工場にて保存され、同工場の年1度の公開イベントの折には一般展示されています。 
◆なお、同工場敷地内にある『市電保存館』にも『二階付電車5号』が保存されていますが、こちらは1953年の市営交通50周年の際に、大正時代に造られた別形式の単車をベースに改造・製作した車輌で、本線を自走させるためにその当時の市電保安基準に合わせたことなどから、オリジナル車とは寸法・形状などが異なります。こちらの復元5号電車はイベント時に花電車等とともに使用され、1969年3月の市電廃止記念電車パレードにも自走で運転されました。◆
  このイラストでは、外形は鉄道ピクトリアルなどに掲載の絵葉書を元に、色は過去イベント時に撮った復元5号電車の塗装を元に着彩してみました。

参考ページ:http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/11/post_73.html
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大阪市交通局 大阪市電 鉄道 路面電車 明治 

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