魔法少女リリカルなのは 四天王始めました
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この日、三学年にの生徒の一部のテンションが高いのと低いの2つに分かれたとリゼットから念話で教えられた。

 

お気楽なものだ……狙われているのに気づかずに寧ろ、昨日の月村邸で張られた結界に気がついた転生者は何人ほどいるのだろうか。

 

ヴァルドが捜しているすずかの誘拐を狙う転生者の情報は無い……早く見つかってくれないかと思う。

 

 

 

休み時間になったので図書室に向かう。

 

何を読もうかと、本を探しているとーー

 

(レイン、今何処にいる?)

 

リゼットから念話が来た。

 

(図書室だけど何か)

 

(図書室ね)

 

それだけ言うとリゼットは念話を切った。

 

何なんだ?疑問に思いながらも本を探していく。

 

「レイン」

 

「レイン君」

 

呼ばれたので振り返ると息を切らしたリゼットとすずかが図書室に入ってきた。

 

「「匿って!」」

 

何があった!?

 

 

 

 

「で……何があったの?」

 

場所を図書館の奥に移し、二人に問いかける。

 

「簡単に言うとバカとアホに追われてたのよ」

 

バカとアホと言われても分からないのだが?説明を求める。

 

「奈倉君と南雲君って言う二人なんだけど」

 

「その二人がどうしたの」

 

めんどくさそうな事になってそうだから個人的に関わりたくないのが本音だが、話を聞くだけ聞こう。

 

「勘違い野郎でハーレムメンバーに私達を勝手に入れてるのよ」

 

疲れたように溜め息を吐きながら言うリゼット。うん、理解した。

 

「リアルにそんなのが存在したんだな……そっちの方が俺は驚きだが」

 

とりあえず、そいつらが最初のターゲットでいいかな……。

 

「お疲れ、二人とも」

 

「あっ!すずか、リゼット」

 

「えっ?……すずかちゃん、リゼットちゃん」

 

俺がリゼット、すずかの二人を労っていると金髪少女と栗毛ツインテール少女の二人組がリゼット、すずかを見て声をあげた。

 

「あなた達も無事だったのね」

 

「よかったの」

 

すずかとリゼットをの無事を確認して安堵の溜め息を吐く、金髪少女と栗毛ツインテール少女。

 

「で……あんたは誰なの?」

 

金髪少女に睨まれた。

 

「レイン、レイン・ヴェルテール」

 

「えっ?」

 

俺が答えると金髪少女が固まり、その隣にいる茶髪ツインテール少女も同様に固まってしまった。

 

そして、予鐘がなったので固まった二人はリゼット達に任せて俺は教室に戻った。

 

 

 

 

昼になるとリゼットが俺のいるクラスに弁当を持ってやって来た。その後をすずか、金髪少女、栗毛ツインテール少女が続いて来た。

 

リゼット意外の三人は居心地悪そうにしているが、あえてそこに触れずにリゼットに話しかける。

 

「何かよう?」

 

「匿って」

 

またか……。

 

隣の席の子に頼み、机と椅子を借りてリゼット達が使う分を確保する。

 

「ありがとうございます」

 

金髪少女にお礼を言われた。

 

「どういたしまして」

 

そして、いざ弁当を食べようとしたときにーー

 

「此処にいたのか……なのは、すずか、アリサ、リゼット」

 

茶髪のイケメン男子がやって来た。その声を聞いた瞬間に四人は顔をしかめ、明らかに機嫌が悪くなった。

 

そして、俺に気づくとキザな笑みを浮かべながら近いてーー

 

「俺は南雲司と言います。あなたの名前は?」

 

自己紹介した後、名前を聞かれた。早く弁当が食べたいので手短に名前だけ答える。

 

「レイン、レイン・ヴェルテール」

 

「あなたも俺のyがっ!」

 

そして、俺の手を握って何か言おうとした瞬間にクラスメートの一人、竹沢に殴り飛ばされた。

 

「貴様ぁ!我等がクラスメート、レインに無礼を働いた罪!此処で裁いてくれるわぁ!」

 

「断罪を!」

 

「断罪を!」

 

「断罪を!」

 

さらに人数が増え南雲を教室から運びだして何処かへ連れていった。

 

「「「「「…………………………」」」」」

 

何だったんだ、一体?

 

何とも言えない空気の中、弁当を食べ始める俺達。しばらくすると竹沢が戻って来た。

 

「あの無礼者は我々が処置しておきましたので心配には及びません。それでは」

 

そう言って竹沢は一礼すると自分の席に戻っていった。

 

 

 

 

今日は学校が終わり次第、すぐに帰った。何か……めんどくさそうな事に巻き込まれる予感がしたのだ

 

とりあえず、庭で大剣の素振りをする。目を瞑り、神経を研ぎ澄ませ、イメージするのは常に覚醒体の自分を相手に戦う人型の自分。

 

自分以外では相手にならない為この方法でしか訓練が出来ない。一度シアと訓練をした時は打ち出される砲撃魔法を切り裂き、一瞬で間合いを詰めて俺の勝ちになって、リゼットの時も似たような感じになってしまって、俺自身の訓練にならなかったのだ。

 

それに、使える技はどれも俺の身体能力に左右されるので訓練は欠かせない。

 

それから、一時間ほど訓練を続ける。

 

「ふぅ……」

 

目を開き、大きく息を吐く。大剣を地面に突き刺して空を見上げる。

 

「どうしたのだ?」

 

声の主、シアに空を見上げながら答える。

 

「そろそろ、忙しくなる気がしてね」

「そうか……」

 

シアがそう言った直後、俺の肩にシアが乗っかり、肩車状態となる。

 

「余らは仲間であり家族だ。少なくとも余はそう思っている」

 

家族か……。確かに同じ家で暮らしているから家族だよな。心が温かく感じる。それと同時に俺は家族に危害を加えるものには一切の容赦もしないことを誓った。例え相手が顔見知りであっても……。

 

 

 

リゼットが帰ってきた。

 

「お帰りなさい」

 

「ただいま。……レイン、家にいる皆をリビングに集めて、今夜……転生者を最低でも一人殺るわ」

 

真剣な表情で言うリゼットに俺は無言で頷き、皆をリビングに呼ぶ。

 

全員が揃ったのでリゼットが話し出す。

 

「さっき、なのは達と一緒にユーノを動物病院に連れていったわ。その時に複数の監視の目を感じたから今夜出現する暴走体から逃げるユーノをなのはが助け、デバイスを発動する。きっと介入する転生者がいるはずだから……その転生者殺るわ」

 

「リゼット……前々から気になっていたのだが転生者は全て殺すのか?」

 

「全員は殺さない……人格的面も考慮するから何人かは生き残る予定よ」

 

その言葉を聞いて俺は安堵した。リゼットが友人を殺さなくて済むことに。

 

それから各々の配置、移動経路わ綿密にしていき計画を練り上げていく。

 

 

 

深夜になり、そろそろかと思っていると念話が聞こえてた。

 

(誰か……僕の声が聞こえてたら助けてください)

 

「来た!皆、予定通りの位置に」

 

リゼットの発言と同時に所定の位置に向かう。

 

俺は家にあった般若の面を着けて人相をバレないようにして電柱の上を暴走体の後ろ側から追っていく。

 

 

シアとレオンは狙撃ポイントで待機している。レオンのジャミングでシアの存在を隠し、その間にシアが魔力を砲身にチャージする。

 

ヴァルドは強制転移魔法の準備、リゼットは次元跳躍魔法の準備をしている。

 

因みに四人のBJはヴァルドが完全にマの付く人達のボス、レオンが神父と同じ格好で十字架の代わりに懐中時計を持っている。シアは赤ずきんの格好、リゼットは11Eyesのリーゼロッテ・ヴェルクマイスターの格好。

 

デバイス持ちが羨ましい今日この頃……。

 

少しジュエルシードの暴走体から目を離していた間にフェレットと栗毛ツインテール少女が合流した。

 

さらに、そこに三人ほどBJを纏った少年達が現れ、フェレットを抱き上げた栗毛ツインテール少女を逃がした。

 

(今だ!シア、リゼット)

 

念話で二人に攻撃するように言い、俺は一気に駆け出す。

 

同時にシアの放った赤き閃光に一人が飲み込まれ、もう一人はリゼットの紅蓮の業火に焼かれ、命を失った。

 

突然の出来事に固まっている少年の胸元を俺は手を鋭く変化させて一思いに貫く。

 

少年は吐血すると体をビクビクと痙攣させたのち動かなくなった。それを見届けると俺は突き刺した腕を振るい壁に叩きつける。

 

グシャリ、と何かを潰す音がして、少年が叩きつけられた。壁が鮮血に染まった。既に、暴走体はフェレットと栗毛ツインテール少女を追っているのでここにいない。

 

そして、桃色の光が空へ上がったタイミングでヴァルドの強制転移魔法が発動して家に戻り、すぐに血を落とすために風呂に入る。その時に片腕に付着している血を本の出来心で舐めてしまう。

 

…………ッ!?!?これは…………!!正直に言おう美味しかったのだ。それはもう、今までの食事が物足りなくなるくらいに……。

 

……止めよう。この事は忘れるべきだ……でなければいずれ俺自身が家族に仇なしてしまう。

 

俺はこの時ばかりは血を舐めた事を深く後悔した。

 

 

 

説明
無印編 1話 魔法少女誕生の裏側で
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