〜少年が望んだ世界と力〜
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キバットバット三世「『〜少年が望んだ世界と力〜』、キバって行くぜ!」

 

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「指示や命令を守るのは個人のみならず集団を守るためのルールです」

 

なのはとユーノが命令違反をしたため、現在リンディにお説教されている。

そして俺は何故か呼ばれ、今はなのはとユーノがお説教されているを見ている。

 

「勝手な判断や行動が貴方達でだけでなく周囲の人達をもしれないとゆうこと、それは分かりますね?」

 

「「はい・・・」」

 

なのはとユーノが元気がない返事を返す。

 

「本来なら厳罰に処すところですが結果としていくつか得るとこがありました。よって今回のことについては不問とします」

 

「「あ・・」」

 

「但し、二度目はありませんよ。いいですね?」

 

「はい」

 

「すみませんでした」

 

「さて、問題はこれからね。クロノ、事件の大本についてなにか心当たりが?」

 

「はい。エイミィ、モニターに」

 

『はいはーい』

 

クロノの指示で通信室にいるエイミィがモニターにデータを送ってきた。

そこにはフェイトの母「プレシア・テスタロッサ」が映し出される。

 

「あらぁ!」

 

「そう。僕らと同じミッドチルダ出身の魔導師、プレシア・テスタロッサ」

 

クロノがリンディ、なのは、ユーノにプレシア・テスタロッサの説明をしていく。

プレシアについてもある程度は覚えていたのでこの時俺は庭園戦でどの様に戦うかを考えていた。

 

「エイミィ!プレシア女史についてもう少し詳しいデータを出せる?放逐後の足取り、家族関係、その他なんでも」

 

『はいはい。すぐ探します』

 

リンディはエイミィに指示をだし、エイミィは再びデータを探しにかかる。

 

 

 

 

数分後、エイミィが詳細なデータを持って会議室に現れ、現在報告中。

 

「プレシア女史もフェイトちゃんもあれだけの魔力を放出した直後ではそうそう動きはとれないでしょ。その間にアースラのシールド強化もしないといけないし」

 

エイミィからの報告を聞いたリンディはフェイト達が直ぐには行動しないと推測する。

 

「貴方達は一休みしておいたほうがいいわね」

 

「あ、でも・・・」

 

「特になのはさんと健悟君はあまり長く休みっぱなしでも良くないでしょ。一時帰宅を許可します。ご家族と学校に少し顔を見せておいたほうがいいわ」

 

「はい」

 

「じゃあ、部屋に戻って仕度するか」

 

俺は一時帰宅の準備をするために部屋に戻ろうとする。

 

「ちょっと待ってもらおう」

 

「ん?」

 

戻ろうとした時、俺はクロノに呼び止められた。

 

「君はまだ残ってもらう」

 

「何故だ?」

 

「君に聞きたいことがある」

 

・・・なんだかめんどうなことになりそうだな。

 

「聞きたいことってなんだ?勝手に出撃したことか?言っておくが高町達と同じ命令違反についてなら俺は契約上独自行動が許されているから問題ないはずだが?」

 

「そのことじゃない」

 

ん?

違うのか?

 

「何故あの子は君の名前を知っていた?」

 

「!」

 

このクロ助め!

本当にめんどうな質問しやがって!

 

「なんのことだ?」

 

「とぼけても無駄だ!君が海に落ちそうになった時、あの子が君の名前を呼んでいるのを僕は聞いた!」

 

「気のせいじゃないのか?」

 

俺は説明すると色々言われそうなのでなんとか誤魔化そうとした。

 

「君達はどうだった?」

 

クロノはあの場にいたなのはとユーノに訊いた。

 

「えっと、実は私も聞こえたんだ。野田君が落ちそうになった時にフェイトちゃんが健悟って呼ぶのを」

 

「僕も・・・」

 

「これでもまだ誤魔化すつもりか?」

 

あの場にいたなのはとユーノが証人になった。

それにクロノだけでなくリンディやエイミィに証人になったなのはとユーノも訊きたそうだ。

これでは誤魔化すのは不可能だな。

 

「ちっ、分かったよ。話すよ」

 

誤魔化すことが不可能なので話すことにした。

 

「俺はフェイト・テスタロッサとその使い魔のアルフと小規模次元震が起こる前日にたまたま町で出会い、俺の家で食事を一緒にした」

 

「何!」

 

「「えっ!」」

 

「あらぁ」

 

「あらら」

 

上からクロノ、なのは、ユーノ、リンディ、エイミィがそれぞれの反応をした。

 

「何故黙っていた?」

 

予想通り、クロノに怒鳴られた。

 

「正直これはプライベートなことだから喋りたくなかったからだ」

 

「いくら個人的なこととはいえ、そんなのが許されると思ってるのか?」

 

そう言われると思ったから言いたくなかったんだよ。

 

「はいはい。今度からは気をつけるよ」

 

とりあえずクロノには適当に返事を返す。

 

「ではあの子を助けたのも罪を軽くするように要求したのもジュエルシードを渡しのもそれが理由なのか?」

 

「それは違うな。ジュエルシードを渡したり助けたのは本当にただの気まぐれ、そして罪を軽くするように要求したのは前に言ったようにあの子には何か特別な事情があるような気がするからだ」

 

「信用出来ないな」

 

「ちなみに俺はフェイト達にライダーであることは話してないぞ?今日正体を知られた」

 

「そうなの?」

 

「基本的にライダーに関すること情報は極秘レベルSSS(トリプルS)クラスですからそう簡単に教える訳にはいきません。それに敵対している者なら尚更です」

 

・・・・・そう本来なら極秘レベルSSSクラスの情報なのに最近ではアリサにすずか、恭也さん、美由希さん、忍さんに軽々と教えたんだよなぁ。

もう極秘もなにもないな。

 

「つまりフェイトちゃんが敵であることを知っていたのは健悟君だけでフェイトちゃんは今の姿の健悟君がフェニックスであったこと、またはフェニックスが健悟君であったことを知らなかったのね?」

 

「はい。皆の前で変身を解除したことがありますがあの時はオールドライドを使っていたので」

 

「皆の前ってことはクロノ君と出会った時だよね?」

 

「おう。それに食事をしたのはその一回だけだ。それ以来は戦場でしか会っていない」

 

「・・・・・そう」

 

「まぁ、俺も黙ってたのは悪かったですし謝らせてもらいます。すいませんでしたリンディ提督」

 

そういって俺はリンディに頭を下げる。

 

「・・・本当なら色々言いたいけれどなのはさんやユーノ君と同じ様にいくつか得るところもあったことだし、今回は不問とします。でも・・・」

 

「二度目はない・・・ですね?」

 

「えぇ」

 

「了解しました」

 

「よろしいのですか艦長?」

 

「クロノ執務官、貴方の言いたいことは分かるわ。でも彼の行動のおかげでなのはさん達のジュエルシードの封印がやり易くなったのも事実よ。まぁ、回収の時は貴方が酷い目にあったけど」

 

「それはそうですが」

 

「彼も次からは気をつけると言ってるし、信じてあげましょう」

 

「・・・分かりました」

 

クロノは前回の交渉の時と同じように若干納得出来ないままリンディの指示に従う。

 

「じゃあ俺は部屋に戻ります」

 

「あっ!ごめん健悟君。私からも聞きたいことがいくつかあるんだけどいいかな?」

 

俺が部屋に戻ろうとした時にエイミィに呼び止められる。

まぁ質問されることは予想は出来ていたが。

 

「えぇ、どうぞ」

 

「僕の時と随分態度が違うな」

 

「気のせいだ。それでエイミィさん、聞きたいこととは?」

 

クロノの質問を軽く流し、エイミィに質問の内容を訊く。

 

「うん。フェイトちゃんを助けに行った時に変身したあのロボット、ブラックサレナだっけ?あれってなんなの?MSやASとも違うの?」

 

ほぼ予想通りの質問内容がきた。

 

「えぇ、違います。あれは別の世界で開発された局地対応型の人型機動兵器『エステバリス』と呼ばれる機体の一体で本来の大きさは6メートル程です」

 

「へぇ〜」

 

「局地対応型って?」

 

「あらゆる場所で戦えるってことだよなのは」

 

局地対応型の意味を知らなかったなのはに答えようとしたが先にユーノがなのはの質問に答えた。

 

「じゃあ次にあのブラックサレナになった時に使った転移魔法みたいなのはなんなの?」

 

「あれはボソンジャンプと呼ばれるものです」

 

「「「「「ボソンジャンプ?」」」」」

 

「まぁ簡単に言えば一種の瞬間移動のようなものなので転移魔法と同じようなものです」

 

俺自身もボソンジャンプについてはあまりよくは覚えていないので大雑把に説明する。

 

「魔法以外での転移が出来るなんて」

 

「ほんと、色んな世界があるのね」

 

「ちなみにボソンジャンプをする時に発生したあの反応は?」

 

「あれはボソン粒子反応と呼ばれるものでボソンジャンプする時、または目的地に出現する時に発生します」

 

「へぇ〜」

 

「ただし、ボソンジャンプは誰でも出来るという訳でなくある特定の人でなければボソンジャンプをすることは出来ません。一般の人達がボソンジャンプをする際はディストーションフィールドと呼ばれるバリアのようなものを使用すれば可能です。しかし戦艦クラスが発生させるものですが」

 

「なんだかディストーションフィールドって私達のディストーションシールドとなんだか名前が似てるわね?」

 

「で、次の質問なんだけどなんで健悟君はあんなに早く攻撃がくることが分かってたの?それに攻撃を防いだ時の姿って確かクロノ君が到着する前にジュエルシード回収する時に乗ってた黒いロボットと同じだったよね?あのロボットって一体なんなの?あと他のロボット達も」

 

「攻撃がくることが早く分かったのは俺がアースラに来た時にアースラの船外に監視役としてMS2機を配備していたのでそいつらから報告を受けてすぐに防御をすることが出来ました」

 

「へぇ〜。でもなんで監視役のMSを?」

 

「いざって時のためです。その結果今回のように素早く対応することが出来ました。次にあの黒いロボットですがあのロボットは最初のライオン型のロボットとサポートマシンが合体して誕生するGストーンを持つ勇者王、ガオガイガーです」

 

「「「「「・・・・・はい?」」」」」

 

何故か全員がポカンっとなった状態になる。

 

「勇者です」

 

大事なことなので2回言いました。

 

「ゆ、勇者?」

 

「はい、勇者です。ちなみにさっきの黄色いロボットの雷龍と青いロボットの氷竜、歌を歌っていたロボットのマイクもガオガイガーと同じ勇者、勇者ロボです」

 

「えーっとどういうこと?」

 

イマイチ理解出来ていないエイミィが再び訊いてくる。

 

「彼らはGストーンと呼ばれる物を持っていて、そのGストーンが動力源になっています。またGストーンは持つ者の命の力『勇気』に反応することで莫大なエネルギーを生み出す命の宝石。Gストーンを持つ者、それが勇者です。まぁこれは一部であり他の世界にも勇者と呼ばれるロボット達はいます」

 

「人の命の力、勇気をエネルギーに変える命の宝石ねぇ」

 

「なんだか信じられないな」

 

「高町達は地上であったことがあるだろうけど雷龍と氷竜の他にいた緑のロボットの風龍と赤いロボットの炎竜、ガオガイガーの時にハンマーになったオレンジのロボットのゴルディーマーグ、そしてボルフォッグも勇者ロボだ」

 

「あのロボットさん達やボルフォッグさんも?」

 

「ああ。では、説明も済んだので部屋に戻らせてもらいます」

 

説明が済んだので俺は今度こそ部屋に戻ろうとした。

 

「ちょっと待ってくれる?」

 

今度はリンディに止められた。

 

「今度はなんですか?」

 

「ごめんなさい。これが最後の質問だから、さっきの戦闘で現れた航空部隊は一体なんだったの?」

 

ああ、エアリーズとトーラスのことか。

確かに説明しないとな。

 

「あの機体は眼の部分がゴーグル型だったのが型式番号OZ-07AMS エアリーズ、もう一体が型式番号OZ-12SMS トーラスと呼ばれるMSで前に戦ったMSとは別の世界のMSです。高町は覚えているだろうけど、前にお前が戦ったウィングガンダムと同じ世界のMSなんだ」

 

「ウィングさんと?」

 

「おう。まぁあのトーラスの場合正式な型式番号はOZ-01MDでしょうけど」

 

「なんで分かるの?それにどうして同じ機体なのに型式番号が違うの?」

 

エイミィが型式番号の違いについて質問してきた。

これに関しては俺も不思議に思う。

なんでわざわざ型式番号を変更するんだろうか?

 

「あの戦闘中にアポロンが敵をスキャンした結果モビルドールであることが判明したからです」

 

「モビルドールとはなんだ?」

 

「簡単に言えば無人のMSのことです。パイロットを必要とせず、与えられたプログラムに従って戦う、まさに人形ですよ」

 

「だからあの時、健悟君はあの雷龍っていう黄色のロボットやもう一体の白いMSに全力で戦わせてたのね?」

 

「えぇ、無人機なら遠慮なんてしてられませんから。では今度こそ部屋に戻らせてもらいます」

 

「えぇ、分かったわ。ありがとう」

 

「それでは」

 

そういって俺は会議室を出て部屋に戻った。

 

 

 

???Side

とある平行世界。

その世界のとある場所に建てられたビルの会議室で小規模次元震が起きた時、ビルの屋上でなのは達を見ていた人物達が集まっていた。

 

「どうやらロストロギア、ジュエルシードは全て回収されてしまったようだな」

 

「そのようですな。あれがあれば強力な機体を作ることが出来たというのに」

 

1人の男がそういうと別の男が答える。

 

「全くなにがMDだ。回収して帰ってくるどころか全滅とは、全く当てにならんではないか!」

 

今回の作戦でMDがジュエルシードを回収出来なかったことに対して丸型のゴーグルをかけ、軍服を着た大柄の男が文句を言う。

 

「貴様、私のMDを馬鹿にするのか!?」

 

その男に対しMDを開発した人物がMDを馬鹿にされて怒る。

 

「ふん!本当のことを言っただけだろうが!」

 

「なんだと!貴様らティターンズ部隊は一度も戦闘に参加していないくせによくも偉そうな口が言えるな!」

 

「あぁ〜もう、煩いなぁ〜。少し静かにしてくれませんか?」

 

2人の男が言い争っていると青年が割り込む。

 

「どっちもたいした結果を残してないのにくだらないことで揉めるのは止めてくれませんか?」

 

「ガキは黙っていろ!」

 

「そこにいる貴様の部下もたいした結果を残していないではないか!」

 

青年にそう言われると大柄の男は怒鳴り、MDの開発者はこの場にいた青年の部下であり、野田健悟と戦った霧夜エリカ(以降 姫)と鮫永新一(以降 フカヒレ)を見る。

 

「何言ってんのよ!あんた達よりはよっぽど働いてるし、何度か追い詰めた時もあったわ!」

 

「そうだそうだ!」

 

「でも、結果的には負けて帰ってきたよね?」

 

「くっ!」

 

姫とフカヒレが言い返すと今度は黄緑色の髪の男が割り込んだ。

 

「最初は450人近いライオトルーパーやMS、ASを連れて行ったのにMSとAS部隊は全滅、450人近くいたライオトルーパーは56人にまで減らされ貴方達は逃げ延び、しかもミスタ・Feに助けられた」

 

「それに二度目はあんたらだけでなくグロンギとロードにも協力させたのにも関わらず、ライダーに変身したのが初めての民間人に戦闘能力の高いオルフェノク達をオクトパスオルフェノクとロングホーンオルフェノクを除く全員を倒されるなんて失態よねぇ?やっぱり所詮は人間ってことかしら?」

 

黄緑色の髪の男の後ろに立っている薄紫色の男と黄緑色の男と容姿は黄緑色の男が女になったような容姿の人物が姫とフカヒレをあざ笑う。

 

「好き勝手言ってくれるじゃない!」

 

-106 ENTER

 

『BURST MODE』

 

馬鹿にされた姫はカイザフォンを取り出しコードを入力、カイザフォンをフォンブラスターに変形させ銃口を向ける。

 

バンッ!

 

「!」

 

しかし姫がフォンブラスターの銃口お向けた瞬間、別の場所から銃声が聞こえ銃弾は姫の足元に着弾した。

 

「おっと、そのへんにしておけよお嬢ちゃん?俺様のスポンサー様を傷つけられたら困るんだよぉ」

 

銃を撃ったのは長髪に不精ヒゲを生やした男で黄緑色の男が雇った傭兵だった。

 

「くっ!」

 

「止めておきたまえ」

 

姫と傭兵の男がフォンブラスターと銃を向けていると銀色のオーロラが出現し、眼鏡とコート、フェルト帽を被った壮年の男が現れる。

 

「今は揉めている場合ではない。あの憎きフェニックスを倒すために我々は協力をしているのだからな」

 

「・・・」

 

眼鏡とコート、フェルト帽を被った壮年の男にそう言われると最初に姫がフォンブラスターを下ろしカイザフォンに戻し、傭兵の男も姫がカイザフォンを仕舞うのを確認すると銃を仕舞う。

 

「さて諸君、突然だが仕事が入った」

 

「ほぉ、今回はどんな仕事なんだおっさん?」

 

銃を仕舞った傭兵が壮年の男に仕事の内容を尋ねる。

 

「あの黒い服の少女の狼が負傷し動けない状態にある。あの狼を捕まえてくるのだ」

 

「いけませんねぇ?。そのような狼を捕まえてどうするのですか?」

 

「成る程なぁ。その狼を取っ捕まえて餌にし、あの小娘からジュエルシードとやらを奪うってことか」

 

全身が機械の男が捕獲する理由を尋ねると別の男が答えを出した。

 

「その通りだミスタ・Fe」

 

壮年の男が答えを言ったコードネーム「ミスタ・Fe」と呼ばれ、以前アースラでフェニックスを苦しめた男、ガウルンを見る。

 

「今は任務中じゃないんだ。コードネームでなくてもいいんだぜ?」

 

「では、ミスタ・ガウルンと呼ばせてもらおう」

 

「あぁ、それでいいぜ。それで誰がその狼を捕まえに行くんだ?」

 

「私としては以前仮面ライダーフェニックスを圧倒したミスタ・ガウルン、貴方に行ってもらいたいんだが?」

 

「行ってやりたいが俺のコダールはまだ未完成の状態なんでな。どうせアイツを倒すなら完全な状態で倒したいからな」

 

「そうか。なら貴様はどうだ?ミスタ・ガウルンと同型の機体だろ?」

 

ガウルンに断られると壮年の男は会議室で1人棒状の10円駄菓子を食べている男に訊く。

 

「確かに面白そうだが俺は狼に興味はねぇよ。それにまだ俺のモミアゲが短いんでね。もう少し伸ばしてから出撃したいんだよ」

 

そういって男は自分のモミアゲを掴みアピールする。

 

「君達はどうだ?」

 

今度は黄緑色の男達に訊いた。

 

「残念ながら僕らの機体はまだ最終調整が終わってませんので今回の出撃は不可能です」

 

「貴様達は?」

 

「私のカイザギアとフカヒレ君のデルタギアは現在メンテナンス中、後7時間は掛かるわよ」

 

「活動可能だったMDが全機破壊されたからな。次に活動可能の機体を用意するのに後9日は掛かる」

 

「こんなくだらん作戦にわしの有能な部隊を動かすつもりなどないわ!」

 

「いけませんねぇ〜。残念ながら私も今すぐとなると不可能です」

 

「俺に任せてもらえますか?」

 

次々と断られていく中、1人の男が部屋に入ってきた。

 

「話は聞かせてもらいましたよ。俺ならすぐに出られる。俺が必ずこの仕事を遂行してみせる」

 

「・・・・・・いいだろう。ただしライフエナジーは吸うなよ」

 

「分かっている」

 

壮年の男に許可をもらうとその男は銀色のオーロラを出現させ、姿を消した。

 

 

地球 海鳴市 野田家

 

「ふぅ」

 

アースラから地球に戻り、リンディはなのはとユーノと共に高町家に行ったので俺は1人家に帰ってきた。

 

「約10日ぶりの家ですね」

 

「そうだな。アポロン、オートバジンのメンテナンスは?」

 

「既に開始させています」

 

「流石、仕事が早いな」

 

「恐れ入ります」

 

「さーってと折角帰ってきたし今日こそはゆっくりしようかな」

 

前回はゆっくり出来なかったので今回こそは身体を休めようと思った時、部屋に置いてあるスピーカーから突然バイオリンの音が鳴り響く。

 

「マスター、残念ながらそれは不可能なようです」

 

「・・・敵か?」

 

「イエス」

 

アポロンから俺の休息を妨げる報告が入ってきた。

 

「全く、何処に居ようが戦う運命なのかねぇ俺は。場所は?」

 

「データを表示します」

 

アポロンにデータを見せてもらうと俺はあることを思い出す。

 

「この場所は・・・。アポロン、今日は確か・・・」

 

「アルフがプレシアと戦い、負傷しアリサ様に保護される日のはずです」

 

「狙いはアルフか。それにこのままだとアリサも危険だな。アポロン、Gトレーラーは?」

 

「いつでも出動可能です」

 

「よし、Gトレーラー及びガングルー、ガンドーベル出撃だ!」

 

「ラージャ」

 

アポロンに指示を出すと俺は現場に向うために急いで家を出た。

 

 

 

アリサSide

 

「送信っと」

 

10日ぶりに来たなのはからのメールに返事を返し携帯を閉じた。

 

「アリサお嬢様、何か良いお知らせでも?」

 

「別に。普通のメールよ。ん?」

 

鮫島の質問に普通のメールだと返し窓の外を見ると何かが見えた。

 

「鮫島、ちょっと止めて!」

 

鮫島に車を止めてもらい、すぐに車を降りて私は駆け出した。

するとそこにはオレンジ色の大きな犬が怪我をして倒れていた。

 

「やっぱり大型犬」

 

「怪我をしていますな。かなり酷いようです」

 

「でも、まだ生きてる。鮫島!」

 

「心得ております」

 

「ちょっと待ってもらおうか」

 

鮫島が大型犬を運ぼうとした時、前から声が聞こえた。

前を見ると男の人がゆっくり歩いてきていた。

 

「どちらさまでしょうか?」

 

「俺のことはどうでもいいんだよ。俺はその犬に用があるんだ」

 

鮫島がどこの誰か聞こうとしたけど男の人は無視し、怪我している大型犬を指差した。

 

「大人しくそいつを俺に渡しな。でないと・・・」

 

「「!!」」

 

「お前達のライフエナジーを奪うぜ?」

 

私達の目の前で男の人が青い馬の怪物に姿を変えた。

その姿はこの前戦ったオルフェノクやグロンギやロードとも違っていた。

 

「アリサお嬢様には手出しさせません!」

 

「うっせぇよじじい!」

 

「うっ!」

 

鮫島が私を守ろうと私の前に立つと馬の怪物に殴り飛ばされた。

 

「鮫島!」

 

私はすぐに鮫島に駆け寄った。

 

「鮫島、しっかり!」

 

「ア、アリサ・・・・おじょう・・・さ・・・ま・・・お逃げくだ・・・さい」

 

鮫島は私に逃げるように言うとそのまま気を失った。

 

「鮫島!」

 

「くくくくっ、折角だからそいつのライフエナジーをもらっておくか。安心しなお嬢ちゃん、後でお前のライフエナジーも食ってやるからよ」

 

馬の怪物が笑いながらゆっくり私に近づいてくる。

前回は怖がらずに怪物と戦えたけど今は違う。

あの時は健悟から仮面ライダーのベルトを借りて戦ったけど、あの後すぐに返して今の私には戦う力がない。

仮面ライダーの力がないと私はただの子ども、仮面ライダーの力を持っていて、毎回私を助けてくれる健悟は今は他の場所に行っていてこの町にいない。

このまま殺されるのかと思うと急に怖くなり、パパやママ、なのはとすずかを思いだし涙が出てきた。

 

『あいつの友達も、家族も、その周りの人達の涙もみたくない!その人達にも笑っていて欲しい!だから、その人達の笑顔を守るために、俺は怒り、そして戦う!!』

 

そして何故か急に以前、健悟が言っていたことが私の頭の中に響き渡った。

 

『俺を信じろ』

 

「・・・・・た・・・けて・・・」

 

震えた声が私の口から出た。

 

「あ?」

 

「助けて、健悟ーー!!」

 

今はいない、来るはずがない健悟の名前を目をつぶり、大声で呼んだ。

 

「ははははは!叫んだところで誰も助けにこない・・・・がああっ!」

 

馬の怪物が笑っていると突然声が途切れ、ダメージを受けた時の声を上げた。

 

「え?」

 

目を開けるとそこには赤色のカブトムシと青色のクワガタムシが私の目の前で飛んでいた。

その赤色のカブトムシと青色のクワガタムシは以前健悟の家で紹介してもらった仮面ライダーに変身させる「カブトゼクター」「ガタックゼクター」だった。

 

「あ、あんた達」

 

ウーウーウーウーウ

 

「アリサ!」

 

「え?」

 

突然現れたカブトゼクターとガタックゼクターに唖然としていると聞き覚えのあるサイレンの音が聞こえ、サイレンが止まり後ろから名前を呼ばれ振り返った。

振り返ると名前を呼んだ男、健悟がGトレーラーから降りてきて私に駆け寄ってきた。

 

 

 

「アリサ!」

 

俺はGトレーラーから降りるとすぐにアリサに駆け寄る。

 

「健悟、なんでここに?」

 

俺が現れたことにアリサは混乱しているようだ。

 

「一時帰宅したんだ。アリサ、大丈夫か?」

 

「く、来るのが遅いのよ!」

 

アリサの安全を確認するとアリサは涙を拭き、怒ってきた。

 

「すまんすまん。謝るから怒るな。カブトゼクター、ガタックゼクター、ありがとう」

 

「「♪♪」」

 

「それよりも・・・・」

 

アリサに謝り、カブトゼクター、ガタックゼクターにアリサを助けてくれたことに礼を言って、怪物を見る。

 

「本当にいやがったな。しかもファンガイアか」

 

俺はアリサを襲った怪物「ファンガイア」を睨みつけた。

 

「き、貴様よくも!!」

 

カブトゼクターとガタックゼクターに攻撃されたファンガイア「ホースファンガイア」が俺を睨みつけてきた。

 

「相手がファンガイアなら今回は私はお休みですね」

 

「そうだな。そして今回はあいつだな。キバットバット三世!」

 

「おう!」

 

俺が呼ぶと人間よりも知力が高いとされている蝙蝠に似た体形の小型モンスター種族「キバット族」の三代目「キバットバット三世」が現れた。

 

「な!キバット三世だと!?」

 

キバットが現れたことにホースファンガイアは驚いている。

 

「はじめまして、だな?」

 

「あぁ。改めて俺様はキバットバット三世だ!よろしく!」

 

「おう。俺は野田健悟だ。よろしくな」

 

「貴様、何者だ!」

 

俺とキバットが自己紹介しているとホースファンガイアが叫ぶ。

 

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!!キバット!」

 

「俺様の出番だぜ!キバッていくぜ!ガブッ!」

 

俺はホースファンガイアにそういうとキバットの名を呼ぶ。

呼ばれたキバットは俺の左手に噛み付いた。

 

「くっ!」

 

キバットが噛み付くと俺の身体に魔皇力と呼ばれる力を注入、身体に模様が浮かび腰に鎖が巻かるとキバットの止まり木となる赤いベルト「キバットベルト」が巻かれる。

 

「変身っ!」

 

キバットをキバットベルトに止めさせると身体が銀色に包まれる。

銀色が弾けると俺は「仮面ライダーキバ」に変身した。

 

「はぁぁぁっ」

 

キバに変身した俺は変身後のポーズをとる。

 

「健悟、その姿は?」

 

「今回の俺はキバ、仮面ライダーキバだ」

 

「キバ・・・」

 

アリサにライダーの名前を聞かれ答えるとアリサは名前を繰り返した。

 

「アリサ、アポロンと一緒にGトレーラーに避難しろ」

 

「う、うん!」

 

「ご武運を、マスター」

 

「ガングルー、ガンドーベル、そこの執事さんとおおか---・・・じゃなくて大型犬をGトレーラーの中に運んでくれ。運び終わったらお前達はそいつらを守ってくれ」

 

「・・・承知!」

 

「・・・お任せ!」

 

ガングルー、ガンドーベルに指示を出すとガングルー、ガンドーベルはラジオを使って返事を返し、執事さんとアルフをGトレーラーに運んだ。

 

「さーって。いこうか、ファンガイア!」

 

アリサとアルフ、執事さんがGトレーラーに避難しガングルー、ガンドーベルが外でGトレーラーの護衛に移行したのを確認し、ホースファンガイアに構えをとる。

 

「そうか。貴様が野田健悟か。あらゆる世界のライダーに変身する人間、通りでキバに変身出来る訳だ。はははははっ!俺は運がいい!貴様を倒し、その首を持って帰れば俺は恐らく幹部待遇だな!」

 

どうやら怪人達の間でも俺は人気者になってしまったようだ。

 

「お前の目的はあの狼だな?」

 

「あぁ、そのはずだったが今は貴様の首をもらうのが優先だ!」

 

そういってホースファンガイアは己の身体の細胞から剣を生成した。

 

「うおおおおおっ!!」

 

ホースフォンガイアが俺に向って走り出し、剣で斬りかかってきた。

 

「よっ!ほっ!よっと!」

 

ホースファンガイアが連続で斬りかかってくるがアースラで9日間オートバジンと訓練していたので俺は軽々と回避していく。

 

「動きが単純だな。それにスピードも遅い。貴様の力はこの程度か?」

 

敵の攻撃はオートバジンとの格闘戦訓練と比べれば攻撃パターンが読みやすく、キレがない。

しかもオートバジンのように射撃武器を持っていない完全な格闘戦限定だから射撃を警戒しないで済むからやりやすい。

スピードの方もやはり以前訓練したナイトメアプラスよりも遅い。

 

「黙れぇぇぇっ!」

 

気に障ったらしく叫びながら剣を振り下ろしてきた。

 

「遅いっていってんだろ!」

 

「ごぉっ!」

 

ホースファンガイアが剣を横に大降りするがしゃがんで回避し、スキだらけの腹部に拳を入れる。

 

「ぐっ!」

 

腹部を殴られ、ホースファンガイアが後ろに下がると俺はキバットベルトの左側から「フエッスル」を取り出す。

 

「キバット、いくぞ!」

 

「おう!」

 

取り出したフエッスルをキバットに銜えさせた。

 

「ガルルセイバー!!」

 

キバットが呼びながら青色のフエッスル「ガルルフエッスル」を発動させ、笛の音が響き渡る。

 

海鳴市内

海鳴市内の高層ビルの中層部、その中はビルの中とは違う空間が存在している。

その中でタキシードを着た男性がコーヒーを飲んでいる。

するとキバットから発せられた笛のような音が部屋に響き渡った。

 

「呼ばれたか。さーて、異世界の娑婆の空気を吸いに行くか」

 

そういうと男性の姿は突然青色の狼の姿に変わった。

この狼はキバに使役させる3体のアームドモンスターの1体。

3体のアームドモンスターのリーダー的存在でありライオンファンガイアによって滅ぼされたウルフィン族最強の戦士にして最後の生き残り「ガルル」。

先程の男性の姿は人間の世界での仮の姿で今の青色の狼の姿が本来の姿。

そしてガルルは彫像に姿が変わった。

 

「ギャオォォォォォン!!」

 

すると高層ビルの中層部から西洋風の城と一体化したような姿のドラゴンが現れ、空を飛んでいった。

 

 

 

「ギャオォォォォォン!!」

 

「来たぜ、健悟!」

 

キバットとそういうとドラゴンが飛んできた。

そのドラゴンはキバの使役モンスター「キャッスルドラン」。

そしてキャッスルドランは口から何かを出す。

出されたものは先程のガルルが変化した彫像だった。

そして彫像の姿がなにやら武器のような形になっている。

 

「はっ!」

 

キャッスルドランから出されたのを掴むとガルルが変化した剣「魔獣剣ガルルセイバー」に形を変えた。

 

アオオォォォン

 

ガルルセイバーを持つと狼の鳴き声の後にキバの左腕に鎖が巻かれていき、鎖が弾けると左腕の色が青色に変わり、左肩は青い狼の毛がたった様な姿になっている。

更に先程巻かれた鎖が今度は胸にも巻かれ、再び弾けると左腕と同じ様に青色に変わる。

 

アオオォォォン

 

そして再び狼の鳴き声の後キバとキバットの眼の色が青色に染まった。

ガルルフエッスルでガルルが変化し、ガルルの力が秘められているガルルセイバーを召喚することで変身し、ガルルの力を受け継いたことでキック力、走力等の脚力に優れたフォーム「仮面ライダーキバ ガルルフォーム」にフォームチェンジした。

 

「いくぜ!」

 

「こいつ、調子に乗るな!!」

 

俺はガルルセイバーを、ホースファンガイアは剣を構え互いに向って行く。

 

「はっ!そりゃ!おりゃー!」

 

「ぐああああ!」

 

最初の攻撃でホースファンガイアの剣を弾き、右斜め、左斜めとバツ字になるようにガルルセイバーで斬る。

 

「ふっ!はっ!せりゃー!」

 

「ごあああっ!」

 

追い討ちをかけるように連続で斬りかかり、斬られたホースファンガイアは衝撃で後ろに飛ばされ、地面に倒れ、倒れたと同時にホースファンガイアは剣を落とす。

 

「くそっ!舐めるな!!!」

 

地面倒れたホースファンガイアはすぐに立ち上がり、剣を拾わず今度は素手で向ってくる。

 

「動きが単純だと何度言えば分かる!!」

 

そういって俺は向ってきたホースファンガイアの左頬にハイキックを入れた。

 

「ぐおっ!」

 

頭部にハイキックを受けたホースファンガイアは地面を転がる。

 

「おおぉ〜、流石ガルルフォーム、さっきよりもキック力が上がってるなぁ〜。キバット、今日は初回だ。キバフォームで決めるぞ!」

 

「おう!」

 

俺がそういうとキバットがガルルフォームから元のキバフォームに戻してくれた。

キバフォームに戻ったことを確認し、キバットベルトの右腰にあるフエッスルを取り出し、キバットにくわえさせた。

 

「ウェイクアップ!」

 

キバットが必殺技を発動させる赤いフエッスル「ウェイクアップフエッスル」を発動させるとキバットがベルトから離れ、夕方だったはずの周囲が三日月が浮かぶ夜に代わる。

 

「はっ!はあぁぁぁっ・・・」

 

周りが夜になると俺は構えをとる。

 

「はっ!」

 

右足を高く上げるとキバットが右足の拘束を開放した。

 

「はあっ!」

 

俺は右足を上げたまま左足で上空に高く飛び上がる。

 

「むっ!」

 

「はあああああああっ!!!」

 

飛び上がった俺は月をバックにし、ホースファンガイアに飛び蹴りを放つ。

 

「があっ!!!」

 

飛び蹴りを受けたホースファンガイアは地面に倒れ、倒れた地面にはキバの紋章が刻まれた。

 

「があああああっ!!!」

 

キバの必殺技「ダークネスムーンブレイク」を受けたホースファンガイアは身体がステンドグラスのようになり、音を立てて砕けた。

そして砕けたホースファンガイアからライフエナジーが出てきた。

 

「ギャオォォォォォン!!」

 

出てきたライフエナジーをキャッスルドランが食べ、食べ終えるとキャッスルドランは帰っていった。

 

「ふぅ」

 

キャッスルドランが帰るとキバの右足が再び拘束され、変身が解除される。

 

「ありがとうな。キバット」

 

「気にするな。じゃあ俺様はそろそろ帰るぜ。また俺様が必要な時は呼べよ。いつでも駆けつけるぜ!」

 

「おう」

 

「じゃあな!」

 

そういってキバットもキャッスルドランが飛んでいった方向に飛んでいった。

 

「健悟」

 

戦闘が終わるとアリサがGトレーラーから出てきた。

 

「あの敵はなんだったの?」

 

「あれはファンガイア。人の生命エネルギーを食う怪人だ。それよりも執事さんとあの大型犬は?」

 

アリサの質問に簡易に答え、執事さんとアルフの容態を訊く。

 

「鮫島は気絶してるだけだから大丈夫だけどあの犬の方は早く治療してあげないと・・・」

 

「わかった。急ごう。アリサ、お前の家でいいか?」

 

「うん。あ、でも車・・・」

 

そういえば車があったな。

どうするか。

 

「ご安心くださいマスター。Gトレーラーには簡易式のレッカー機能を搭載しています」

 

「そうなのか?」

 

「カスタマイズ済みです。作業はガングルー達にさせましょう」

 

本当にこいつは準備がいいな。

 

「分かった。すぐに始めよう」

 

ガングルーとガンドーベルに車を持ってきてもらい、Gトレーラーに繋いでもらいアリサの家に向って走り出す。

 

 

 

???Side

Gトレーラーが去って行った後、林から眼鏡とコート、フェルト帽を被った壮年の男が出てきた。

 

「ホースファンガイアめ、全く使えん奴だ。おのれ、野田健悟!またしても我々の邪魔をしおって!一体何度邪魔をすれば気が済むのだ!それに今度はキバに変身し、ゼクターすら所持しているとは・・・、そろそろ彼には消えてもらおう。次は必ず葬ってやる。覚悟しておけ、野田健悟・・・」

 

眼鏡とコート、フェルト帽を被った壮年の男は不気味な笑みを浮かべたまま銀色のオーロラの中に消えていった。

 

 

 

アルフSide

目が覚めるとあたしは檻の中にいた。

 

「あ!目ぇ覚めた」

 

声が聞こえた方を見ると金髪の髪の子どもがいた。

 

(あれ?このちびっ子どっかで・・・)

 

「あんた頑丈にできてんのね?あんなに怪我してたのに命に別状はないってさ。怪我が治るまでは家で面倒を看て上げるからさ。安心していいよ」

 

あたしがこの子のことを思い出そうとしているとあたしの前に餌を置いて頭を撫でてくれた。

 

(あ・・・・)

 

頭を撫でてもらってる時に随分前にこの世界の温泉に行った時を思い出した。

 

(あの子の友達なんだ・・・)

 

そして、あの白い魔導師の子の友達であることを思い出した。

 

「ほら。軟らかいドッグフードなんだけど・・・食べられる?」

 

あたしはあの子の友達が置いてくれた餌に近づき、餌を食べる。

あたしが餌を食べる姿を優しい目で見てくれている。

 

「ふふふっ、そんなに食欲があるなら心配ないね。食べたらゆっくり休んで早く良くなりなね?」

 

「アリサ・・・」

 

餌を食べていると白い魔導師の友達の名を呼ぶ男の子どもが近づいてきた。

そして、その声はあたしに聞き覚えがあった。

 

「あ、健悟」

 

その子どもは以前あたしとフェイトをご飯に誘ってくれて仮面ライダーフェニックスの正体である、野田健悟だった。

 

 

 

 

俺がオールドライドを使いアリサの家の人達を誤魔化し、今はオールドライドを解除してアリサのところに行くとアルフが目を覚まし、餌を食べていた。

 

「どうだ、その犬の状態は?」

 

「うん。食欲もあるから心配ないよ」

 

「そうか」

 

心配ないと聞かされ俺はホッとする。

 

「あんたの方はどうだったの?」

 

「なんとか誤魔化しきれた。車両が車両だからな」

 

Gトレーラーが警察の車両なので警察の関係者と言っておいた。

誤魔化すのが結構楽だった。

 

「そっか」

 

「アリサ、今日はもう休んだほうがいい。時間が時間だし、明日も学校がある。それに色々あって疲れただろ?」

 

「うん。そうする。健悟はどうするの?なんだったら、その・・・家に泊まっていく?」

 

アリサが頬を赤く染めながら家に泊まるかと誘ってきた。

 

「いや、この犬をもう少し見てから帰るよ。流石に泊めてもらうのは色々問題になる」

 

アリサの誘いを俺は断った。

 

「そ、そうよね。じゃ、じゃあまた明日・・・」

 

「おう」

 

そういってアリサは家に戻ろうと歩き出した。

 

「・・・健悟!」

 

「ん?」

 

しかしアリサは家に戻る前に俺を呼び、呼ばれた俺はアリサの方を振り返る。

 

「その・・・ありがとう。今回も助けてくれて」

 

アリサは今日助けたことのお礼を言ってくれた。

 

「気にするな。また何かあったら次も必ず俺がアリサを守ってやる。なんたって俺は・・・・通りすがり仮面ライダーだからな」

 

「/////な、何よ!かっこつけて!」

 

俺がそういうとアリサは顔を真っ赤にし、俺に背を向ける。

 

「・・・・・ありがとう。期待してるわ」

 

アリサは背を向けたままそういって家に戻っていった。

 

「・・・あれ?もしかして俺結構恥ずかしいこと言った?」

 

今のアリサの行動を見て自分が今言ったことが実は恥ずかしいことだったことを今知った。

 

「もしかしてではなくほぼ間違いなくだと思います」

 

「・・・まぁいいか。それより・・・」

 

恥ずかしい台詞はどうでもいいので今1番重要なアルフの方を向き、アルフの前にしゃがむ。

 

「よう、アルフ。大丈夫か?」

 

「・・・・・」

 

俺が話しかけてもアルフは黙ったままだった。

 

「今は管理局の連中は見てないから安心していいぞ?」

 

「・・・・・」

 

しかしそれでもアルフは黙ったままだ。

 

「アルフ、何があったのか訊かせてくれ」

 

「・・・・その前にあたしからも訊きたいことがあるんだ」

 

「なんだ?」

 

ようやくアルフが口を開き、アルフの質問を訊く。

 

「・・・あんたは初めて会った時から知ってたんだろ?あたしとフェイトが敵だってこと」

 

「あぁ、そうだ」

 

俺は素直に答えた。

 

「じゃあ、なんで初めて会った時、フェイトを助けてくれて、飯まで誘ってくれたんだい?それにこれまで何度もフェイトを助けてくれて、一度は管理局とも戦ってまで、そして今回もあたしを助けてくれた。どうして敵であるはずのあたし達にそこまでしてくれるんだい?」

 

「さぁな。俺は単なる気まぐれな男だからな。飯に誘ったのもこれまで何度も助けたのも気まぐれだ。今回は友達であるアリサが危なかったからな」

 

「・・・そうかい」

 

アルフが顔を俯かせる。

 

「・・・まぁでも強いて言うなら」

 

「?」

 

「あいつ、フェイトには何か特別な理由があるような気がするからほぉっておけなかった・・・・からかな」

 

「!!」

 

半分は嘘、半分は真実。

本当はフェイトのことを知っているからほぉっておけなかった。

 

「理由があるとしたらそれぐらいなんだが・・・・・これじゃあ駄目か?」

 

「・・・」

 

俺が理由を言うとアルフは無言のまま背を向ける。

 

「アルフ?」

 

「あんた、変わってるね」

 

アルフは背を向けたまま俺にそういった。

 

「そうか?」

 

「あぁ、本当に・・・・・健悟、頼みがあるんだ」

 

「ん?」

 

「今日なにがあったか、そしてこれまでのことを全部話すよ。だからあの子を、フェイトを助けて!あの子は何も悪くないんだ!」

 

アルフはそういいながら俺の方に再び振り向き、俺に近づく。

 

「あぁ、安心しろアルフ。最初っからそのつもりだ」

 

アルフを安心させようと俺はアルフの頭を撫でた。

 

「フェイトを守ってみせる。必ず」

 

「ありがとう」

 

そしてアルフはこれまでのこと、何故怪我をしていたのか全て話してくれた。

 

「なるほどな」

 

話の内容は原作でアルフが明日なのはとユーノ、クロノ達と話す内容と全く同じだった。

 

「健悟・・・」

 

「分かってる。話してくれてありがとうな。今は心配しないで身体を休めろ。でないと怪我が治らないぞ?」

 

話してくれたことにお礼をいい、アルフの頭を撫でる。

 

「分かったよ」

 

「それと嫌かもしれないがこのことは管理局にも言ったほうがいい。大丈夫、あいつらはまだ信頼出来るほうだ。それに何かあったら俺が何とかする」

 

「・・・そうだね。そうするよ」

 

アルフが管理局に話さないと言わないか心配だったが、承知してくれて助かった。

 

「じゃあな、アルフ」

 

「あぁ」

 

アルフに別れを告げ、Gトレーラーを駐車している場所に向って歩き出す。

 

 

 

アルフと別れ、Gトレーラーに乗ろうとした時、俺は動きを止めた。

 

「・・・・・いるんだろ?ボルフォッグ」

 

「気付いていたのですね、健悟機動隊長」

 

そういうとホログラフィックカモフラージュを解除し、ボルフォッグが俺の後ろに姿を現す。

 

「そろそろ来る頃だと思っただけだ」

 

俺は後ろを振り返り、ボルフォッグを見上げる。

 

「そうですか。ところで私をここに呼んだのはあの狼が理由ですね?」

 

「流石ボルフォッグ、察しがいいな。あいつがまたいつ狙われるか分からない。もし敵が来た場合、下手をすればここの住人に被害が出る可能性がある。そこでお前に監視役を頼みたいんだがいいか?」

 

「了解しました。お任せ下さい」

 

俺が指示を出すとボルフォッグは笑顔で了解してくれた。

 

「すまない」

 

「お気になさらないでください。これも私の任務です。健悟機動隊長は早く帰宅し、早く休んでください」

 

「あぁ、ありがとう。じゃあ後は頼む」

 

「了解です」

 

そういってボルフォッグはホログラフィックカモフラージュで再び姿を消す。

 

「アポロン、撤収しよう」

 

「ラージャ」

 

Gトレーラーに乗り込み、家に帰宅した。

 

 

-3ページ-

 

 

後書き

 

ARXー7アーバレスト 「さぁ、昨日に続き今日も更新!」

 

健悟「今のところは絶好調だな」

 

アポロン「それもあともう少し」

 

ARXー7アーバレスト 「不吉なこと言わないでくれない?さてさて、やっと原作の第10話あたりまでやってきたねぇ〜」

 

健悟「正確的には10話のAパートが終わった辺りだな」

 

アポロン「ここまで来るのに随分時間がかかりましたね」

 

ARXー7アーバレスト 「そこは言わないでくれ」

 

健悟「クライマックスまでもう少しだな」

 

アポロン「今後どのような展開になるのか不安ですね」

 

健悟「頑張れよ?」

 

ARXー7アーバレスト 「了解。ではそろそろ次回予告にいこうか!今回はこれだ!」

 

アポロン「BGMスタート」

 

BGM「次回予告」

 

健悟「ほぉー、エヴァンゲリオンか」

 

ARXー7アーバレスト「そしてこの人も登場だ!」

 

葛城ミサト「あれー?何処よここ?」

 

健悟「今回は本人連れてきたー!!」

 

アポロン「ある意味やりたい放題ですね」

 

ARXー7アーバレスト「お忙しいところすいません。すぐに終わりますんでちょっとこの台本を読んでもらえますか?」

 

葛城ミサト「え?私が?」

 

ARXー7アーバレスト「お願いします!!」

 

葛城ミサト「わ、分かりました。えーっと、ゴホンッ!助けられたアルフはなのは達に全てを話す。フェイトのことを知り、どうにかしたいと思うなのは。そして母のためになのはと戦うフェイト。しかし戦いの後、フェイトは母から衝撃の事実を明かされる。そんな中健悟は1人何を思うのか?次回『第二十六話 母と娘』さーて、次回もサービス、サービス♪」

 

ARXー7アーバレスト「ありがとうございました!!」

 

健悟「うわー、生サービスだぁ」

 

アポロン「マスター、それではビールみたいですよ?」

 

葛城ミサト「えーっとこれでいいの?」

 

ARXー7アーバレスト「はい結構です!」

 

アポロン「それでは、みなさまのご意見とご感想をお待ちしています」

 

健悟「アンケートの方も改めてお待ちしてます」

 

ARXー7アーバレスト 「次回も」

 

葛城ミサト「次回もサービスしちゃうわよん♪」

 

ARXー7アーバレスト「最後取られた!!」

 

 

-4ページ-

 

今回登場した仮面ライダー、怪人紹介

 

仮面ライダーキバ

変身する者が『キバの鎧』を身に纏い、ファンガイアと戦う仮面ライダー。

黄色の複眼、赤と銀と黒のボディにヴァンパイアがモチーフとされている。

現在の姿のキバフォームはキバの基本フォームで素手での格闘戦中心とした戦闘スタイルを取る。

平成仮面ライダー作品の第九作「仮面ライダーキバ」の主役ライダー。

キャッチコピーは「覚醒(ウェイクアップ)!運命(さだめ)の鎖を解き放て!!」「それはバイオリンをめぐる、父と子の物語・・・」

 

ファンガイア

仮面ライダーキバの世界の怪人。

人間の生命エネルギー「ライフエナジー」を糧として生きるモンスター種族の一種であり、存在する13の魔族の頂点に君臨している最強の種族とされている。

 

 

説明
第二十五話 アルフ
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仮面ライダーカブト ガオガイガー 仮面ライダー 平成仮面ライダー リリカルなのは 仮面ライダーキバ チート オリ主 

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