真・御使い伝9
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夢を見た。

 

でもこの日の夢は、いつもとは違ったものだった。断片的なものであったが、蒲公英と一緒に街を歩いたり、話をしたり、遠乗りに行ったり、そして愛し合っている夢を・・・・。

 

 

夢と言うにははっきりし過ぎていて、実際に体験したのではないかと思わせるほどだった。蜀での日常があり幸せな日々。でも、その夢にあの女の子は居なかった・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン

 

一刀「すげぇ、現実感のある夢だったな」

 

朝日が差し込み目が覚める。横を見るとスヤスヤと寝息を立てて寝ている女の子。本当に幸せそうな顔で眠っていて、こっちまで幸せになってくる。でも何か忘れているような・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「ご主人様―!!どこにおられるのですかー!!おとなしく出てきてください!!」

 

遠くから声が聞こえてきた

 

 

 

一刀「や、やばい、昨日のことは誤解だったけど今この状況を見られたら間違いなく切られる!!・・・・・主にあそこが」

 

愛紗「ご主人様―!!」

 

 

声がだんだん近づいてくる

 

 

 

一刀「蒲公英起きて!!このままじゃ、本当に死んじゃう!!」

 

蒲公英「んんっ、大丈夫だよ。ご主人様」

 

一刀「い、いやだってね蒲公英さんこのままじゃあ・・・」

 

 

愛紗「ご主人様―!!おや?あの洞穴?あの中に隠れているのかもしれないな」

 

 

 

 

 

一刀「ぎゃああああああ!!もう駄目だ!俺の人生もここまでか」

 

半ば諦めかけたその時

 

愛紗「キャアアアアアアアアアアア!!!!!!」

外からすごい悲鳴が聞こえてきて、声のした方へ行ってみると、愛紗が落とし穴の中で気絶していた

 

 

 

一刀「うわぁ、これは・・・・」

 

雨が降っていたせいもあり落とし穴の中はグチョグチョで、というより昨日の雨があったのによく落とし穴として機能したな

 

 

蒲公英「ふぁあああ。ご主人様おはよ!あぁ、愛紗引っかかっちゃったんだ」

 

一刀「もしかして、この落とし穴も昨日俺が落ちた落とし穴ももしかして?」

 

 

蒲公英「うんっ!!!蒲公英が作ったんだよ!普段この森に人は来ないし、いくつか掘ってあったのそのままにしてたみたい、テヘッ」

 

 

一刀「はぁ、それより愛紗どうするんだよ?」

 

 

蒲公英「そのままでいいんじゃない?」

 

一刀「でも、いいのかなぁ?」

 

 

蒲公英「ご主人様が、怒り狂った愛紗に捕まって、説教を受けたいって言うなら別に蒲公英はいいよ・・・・まぁ、説教で済めば良い方だとは思うけど」

 

 

一刀「・・・・・・・・・・・」

 

 

蒲公英「・・・・・・ご主人様?」

 

 

 

一刀「よし、蒲公英!とりあえずここを離れようか!!」

 

ゴメン愛紗。俺は今の君に捕まるわけにはいかないんだ。

 

 

 

 

 

 

 

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蒲公英「ん?、気持ちの良い日だね?」

 

先ほどの場所から離れ、並んで歩いていると蒲公英はご機嫌そうだった。

 

一刀「蒲公英ご機嫌だな」

 

蒲公英「ん??えへへ、今こうしてご主人様いられることが嬉しくて」

 

 

一刀「蒲公英・・・・・俺も嬉しいよ」

 

 

蒲公英「それにね、夢でもご主人様と一緒にいられたからなんか嬉しくて」

 

 

一刀「夢?」

 

蒲公英「うん!!しかも実際にあったみたいな感じだったんだ、その中でねご主人様がね・・・・」

 

嬉しそうに夢の内容を語る蒲公英。しかしその夢に対する違和感が消えなかった。話の内容の所々が自分の見た夢と同じだったからだ

 

 

一刀「(単なる偶然か?それとも・・・・)」

 

 

蒲公英「ご主人様!隠れて!!」

 

いきなり蒲公英にそばの茂みに突き飛ばされた

 

 

翠「おーい!!蒲公英!」

 

 

 

蒲公英「ど、どうしたの!?お姉さま?」

 

 

 

翠「どうしたって、聞きたいのはこっちのほうだよ。昨日の夜どこに行ってたんだ?部屋に戻ってきてなかったみたいだし・・・・」

 

 

蒲公英「ええっと、ちょっと用事があって・・・」

 

 

翠「まぁ、いいけどさ、あんまり迷惑かけるなよ。あ、それよりご主人様見なかったか?」

 

 

蒲公英「み、見てないけど、どうかしたの?」

 

 

翠「いや、あたしも愛紗とかから聞いただけだから、よくわからないけど、なんかご主人様を勘違いで追い掛け回しちゃったらしくて、それで愛紗が謝りたいみたいで・・・」

 

 

 

一刀「(そうだったのか・・・・・愛紗に悪いことしちゃったかな。今からでも助けに行こうかな、そうしたら・・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「ご主人様本当に申し訳ありませんでした。どんな罰でも受けます」

 

 

 

一刀「気にしないで。誤解は解けたんだから」

 

 

愛紗「ご主人様・・・・・。あ、そ、それよりも昨夜はどこにおられたのですか?」

 

 

一刀「えっ!?」

 

 

 

愛紗「街をくまなく探していたのですが、ご主人様を見つけられなかったばかりか、目撃者もいなかったもので、・・・・・ご主人様?」

 

 

一刀「ええっと、昨夜はその、あのー・・・・」

 

愛紗「そういえば昨夜は蒲公英の姿も見えなかったと翠がぼやいておりました。ご主人様、もしや・・・・」

 

一刀「ぎくぅ!!!」

 

 

愛紗「・・・・・・・そうですか、そうですか。私が自責の念に駆られご主人様を探していた中、ご主人様はお楽しみでしたか・・・・そうですか・・・・・」

 

 

一刀「あ、愛紗さん?」

 

 

愛紗「そうですね、そうなった原因は私にもありますよね。嘘が真になったということですね。ならば私が責任を取りましょう」

 

 

一刀「愛紗さん?どうして武器を持つのかな?」

 

 

 

愛紗「大丈夫です。ご主人様を殺して私も死にますゆえどうかご覚悟を!!!」

 

 

一刀「い、いや待って!落ち着いて!!ぎゃああああああああああああああ!!!!!!!」

 

 

 

 

一刀「(うん!もう少し考えてから戻るべきだよね!)」

 

 

 

蒲公英「お、お姉さま、蒲公英もご主人様探すの手伝うよ、さ、行こ」

 

 

蒲公英も同じことを考えたのか、アイコンタクトをしたあと翠を連れてどこかへ行ってしまった。とりあえずその場から離れ、以前来た河辺までやってきた。

 

 

 

 

一刀「愛紗たちにどう言い訳しようかなぁ?というより逃げ続けたら余計にあらぬ誤解が生まれそうな気がするけど・・・・・それにしても眠い」

 

昨日の事も有り、睡魔が襲ってきた。そしてだんだんと意識が遠くなっていった。どれほど眠っただろうか。寝すぎたのか体が浮くような感覚に襲われた。

 

 

一刀「(そろそろ起きようかな)」

 

と目を開けようとすると

 

 

 

 

バッシャー!!!

 

 

 

 

いきなり水の中に放り込まれた

 

 

 

一刀「ぷはっ!!な、なんだ!?」

 

周りを見渡すと

 

 

恋「・・・・・・・」

 

 

一刀「れ、恋!?」

 

 

恋がいつものような無表情で立っていた

 

 

 

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恋SIDE

 

 

 

ご主人様が昨日から帰って来ない

 

昨日の朝ご主人様を起こしに行ってご主人様が気持ちよさそうに寝てたから恋も一緒に寝た。

 

起きたらご主人様がいなかった。胸に痛みがあった。この痛みが何なのかわからない。

 

起きていったら、みんなが朝のことを聞いてきて答えたら、愛紗が慌ててたみんなも慌ててご主人様を探しに行った。結局その日にご主人様は戻ってこなかった。

 

次の日なんとなくご主人様と最初に会った河に行ったら、ご主人様が気持ちよさそうに寝ていた。

 

 

恋も隣で寝ようとした。

 

ご主人様と一緒に寝るのは好き・・・・。いい匂いがして、とても暖かくて、幸せな気持ちになる。

 

 

 

 

でも今日のご主人様からは違う匂いがした。これは・・・・・・蒲公英の匂い?

 

 

 

ムカッ

 

 

 

蒲公英は嫌いじゃない。でもご主人様の匂いと混ざると、胸のあたりがモヤモヤする。ご主人様はその匂いの中で眠っている。その匂いを消したくて、

 

 

 

 

ご主人様を河に放り投げた。

 

 

 

 

ご主人様からした蒲公英の匂いは薄くなったけど、まだする・・・・・・・・だったら・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

一刀SIDE

 

 

 

いきなり河に放り込まれて、状況が飲み込めない。現状を確認すると、まず俺を河に放り込んだのは十中八九恋だろう。問題はその理由だ。

愛紗たちの誤解が解けているならばわざわざ危害を加えるようなことをさせる必要はない。まあ、恋の性格から言ってそれはないだろう。おそらく何かしらの意図があり、思いつきのまま、本能のままにやっちゃったんだろうな。たまに恋の行動には驚かされる。

 

 

 

 

ぱさっ。

 

ほら今も、目の前で服を脱ぎだして・・・

 

一刀「(ふむ、やっぱり前にも思ったけど、恋の肢体はすごいな。出るとこ出てて、引っ込むところは引っ込んで、すごく・・・・・・ゴクリっ・・・・・・って!!そうじゃなくて!!)恋なんで服脱ぎだしてるの!?」

 

 

 

恋「・・・・河に入るのに服は邪魔」

 

 

ああ、なるほど、ならなんで服を脱がせて河に放り込んでくれなかったんだろう?まあ脱がされても困るけど。

 

 

 

一刀「じゃ、じゃあ、俺は服乾かしてくるから」

 

 

とりあえず濡れて肌に張り付いた上着を脱ぎ、河から上がろうとすると、

 

 

 

がしっ

 

 

恋に腕を掴まれ止められた。

 

 

一刀「あのー、恋さん?この手を離していただけないでしょうか?」

 

 

恋「・・・・ダメ。・・・・まだ消えてない」

 

 

 

一刀「消えてないって、何が、あぷっ!!ちょっ!息が・・、痛い、痛い!!」

 

 

恋が頭を押さえつけ、息ができなくなったかと思えば、手で体を思いっきりこすってきた。

 

 

 

一刀「恋!!痛い!!やめt、〈ペロッ〉うひゃ!!!」

 

今度は擦った所を恋は舐めてきた

 

一刀「ちょ、恋くすぐったいって」

 

 

恋「・・・・(ペロペロ)(すりすり♪)」

 

さらには体をこすりつけてきた

 

 

 

一刀「(ふぉおおおおお!!!ヤバイ!これはマジでヤバイ!!もう柔らかい感触やら、甘い香りやらで!!)ちょっと恋ストップ、じゃなくて待って待って!!」

 

 

恋「???」

 

 

一刀「恋は何でこんなことを?」

 

 

恋「・・・・ご主人様から蒲公英の匂いがしたから?」

 

 

一刀「いや、質問を疑問で返されても・・・(ってことはさっきのは、匂いを消そうとして!?野性的というかなんというか、本当に動物みたいだなぁ)じゃ、じゃあ匂いも取れたことだし、上がろうか」

 

 

恋「・・・・まだ、残ってる」

 

 

一刀「えっ!?まだどこか洗ってないところあっ[チュっ]・・・・・・・・」

 

 

いきなりのキスで一瞬思考が停止したが慌てて恋から離れた。

 

 

一刀「れ、れ、れ、れ、恋さん!?」

 

 

恋「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

自分が慌てている一方当の恋は自分の唇をなぞり何かボーッとしていた

 

 

 

恋「・・・・・・・不思議な感じ・・・・ぽわぽわする。ご主人様・・・・・もう一回」

 

 

そう言って迫ってきたが

 

一刀「ダメだよ。恋」

恋を突き放す。

 

 

恋「・・・・・どうして?」

 

 

突き放された恋はまるで捨てられた子犬のような目をして見つめてくる

 

 

 

一刀「うっ・・・。恋こういうことは大事なことだから本当に好きな人とだな・・・・」

 

 

 

恋「・・・・・・恋はご主人様のこと好き」

 

 

一刀「い、いや、多分恋の好きは俺の言っている好きとは違ってだな」

 

 

恋「・・・・・・恋はご主人様のこと好き、ご主人様は恋のこと嫌い?」

 

 

昨日の今日でこんなことを思うのは不謹慎だろうが、たぶん、いや確実に俺は恋のことも好きなんだ。自分を慕ってくれている娘を嫌いになれるわけがない。

 

でも恋の好きが俺の好きとは違うかもしれない、それに引っかかっていることもある。これ以上蜀のみんなと深く関わることで何か起こるんじゃないかという不安も。それでも・・・・・・・

 

 

 

恋「・・・・・ご主人様?」

 

黙っているもんだから恋が不安そうにこっちを見ている。

 

恋の頬をそっと撫で、唇にそっと口づけた。

 

 

 

一刀「俺も恋のことが好きだよ」

 

そう微笑むと

 

恋「・・・・・・・・ふぇ!?」

 

 

恋らしからぬ声を上げ、顔を赤く染め、黙ってしまった。

 

 

 

一刀「お、おーい、恋、大丈夫?」

 

 

いつもと違う恋の反応に困ってしまう。

 

恋「・・・・・・・おかしい」

 

一刀「えっ!?」

 

恋「ご主人様にチュッってした時もっともっとしたくなった。でもご主人様が好きってチュッってしてくれたら、体が熱くなってきて、胸の辺りがドキドキしてきた」

 

 

ええっと、つまり俺のさっきのことで恋のスイッチが入ってしまったってことか?そう考えるとなんか恋の肌が艶かしく見えてきて、その上さらに恋は体を密着させてきた。理性も限界へと近づき、

 

 

一刀「恋、・・・・・これ以上は駄目だ、このままだと恋のこと傷つけてしまうかもしれない」

 

 

必死の想いで伝えた。でも・・・・

 

 

恋「・・・・恋、ご主人様が喜ぶとうれしい、だから・・・・・・・ご主人様のしたいことして」

 

 

ぷっつん

 

 

 

自分の中で何かが切れた

 

 

一刀「・・・・・・・・恋」

 

恋を引き寄せ、そして1つになっていった。

 

 

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恋「・・・んー、ご主人様」

 

疲れて、腕枕で寝ている恋を見て思わず笑みが溢れ、そっと頭を撫でる。このままもう一眠りといきたいところだが、そろそろこっちの方にも俺を探しに来るかもしれない。

 

 

 

一刀「ええっと、服、服」

 

 

手探りで服を手繰り寄せようとする。

 

??「はい」

 

服が手の上に置かれる。

 

 

一刀「ありがとう」

 

そして服を着ようと起き上がろうと

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「んっ?」

 

今違和感があったような、ここには俺と恋しかいないはず、それなのに服を誰かが取ってくれたような。

 

 

そう考えた瞬間         ドスンッ

 

 

 

 

一刀「ぐふっ!!」

 

腹部にすごい衝撃がきたかと思ったら、

 

 

 

 

 

 

蒲公英「・・・・・・・・」

 

 

 

可愛い可愛い女の子が頬を膨らませ座っていましたとさ、おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒲公英「終われると、思う?」            ですよね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正史と外史の挟間

 

 

 

 

 

??「やっと、見つけたぞ北郷一刀!!今度は逃がさないぞ、必ず殺してやる!!」

 

 

貂蝉「あらあら、左慈ちゃん。私があなたをご主人様の所へ行かせると思う?」

 

左慈「俺が何も考えてないと思うか?于吉!!」

 

于吉「はい、左慈♪いつにも増して格好良いですね」

 

左慈「いいから、さっさと足止めしておけ」

 

于吉「つれない左慈も、素敵だ」

 

于吉の周りにたくさんの白装束の集団が現れる。

于吉「ふむ、こんなもんでしょうか」

 

 

 

左慈「俺は行くぞ。貂蝉!!北郷の死に様をそこから見てるといい」

 

そう言って消えていった

 

 

 

貂蝉「まずいわねぇん、早くご主人様のもとへ行かなくちゃ」

 

 

于吉「そうはいきません。少し私と遊んでいただきます」

 

 

                                      続く

 

 

 

あとがき

 

久しぶりの更新です。なかなか書く時間が見つからなくて申し訳ありません。そろそろ物語も次の段階へ進められるように話を展開させていきたいと思います。駄文ではありますが楽しめていただけたなら幸いです。感想などがありましたら是非お願いします。では、また次の作品で

説明
久しぶりの投稿です。若干キャラ壊れや展開の違和感があるかもしれないですが、それでも構わないという方はどうぞ楽しんでください。
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コメント
続きはまだなの?(デューク)
卑弥呼達に食われろwww(渡部一刀)
うおおおおおっ!!恋も可愛いけどプンスカした蒲公英もめっさ可愛い!!そして一刀がめっさうらやまずるい!!いっぺん鬼神愛紗に追いかけまわされればいい!!(デューク)
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