魔法少女リリカルなのは 四天王始めました
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買い物に行くことになった俺たちは此処から車で20分ほどいった場所にある大型デパートに向かうこととなった。

 

車の運転は勿論、ヴァルドがする。助手席にはレオンが座り、後ろの席にシア、俺、リゼットの順に座っている。

 

今回の買い物で買う予定の物は、晩御飯の食材と調味料、新しい服に靴だ。それ以外は特に決まっていない。

 

一つだけ確信しているのは俺の服は必ず女性用になることだけだ。既に今着ている服も女性用だからきっと俺が男だとは誰も思わないだろう。

 

容姿からして男だとは思ってもらえないだろうな…きっと男物の服装でも……そう考えると少し悲しくなった。

 

デパートに着くとまず最初にいった場所は服屋だった。

 

「さあ……レイン♪服を選びましょ」

 

リゼットが満面の笑みを浮かべながら俺を服屋の中に連れ込む。そして、幾つかの服を選ぶと俺を試着室に連れて行く。

 

「さ、着替えましょ」

 

そう言うと同時に俺の服を剥きにかかってきた。

 

「ふっ……甘いわ!」

 

試着室に連れ込まれた時点でその行動に出ることは既に分かっていた。

 

「そんな!?」

 

驚愕した様子のリゼットを尾てい骨から尻尾を生やして縛り上げる。

 

幸い試着室のカーテンは閉めてあるため外からは見えない。更に、声を出されて人を呼ばれるのは勘弁なので口を尻尾で塞ぐ。

 

「ん〜〜ん〜〜」

 

必死に拘束から逃れようともがくが如何せんスペックの差がありすぎる。

 

よし、着替えるか。と言っても全部女性用なんだけどね……。

 

試着室に持ってきた服を一つ一つ試着する。一応、鏡を見る限り全部似合っている……正直言ってあまり嬉しくはないが。

 

元から着ていた服に着替えると、リゼットの拘束を外す。

 

「……折角の楽しみが」

 

orz状態のリゼットを無視して試着室から出て、財布を持っているヴァルドを探す。

 

ヴァルドはレジ近くの柱に背を預けていた。

 

「お待たせ。そう言えばシアとレオンは?」

 

てっきり一緒にいると思っていたので、此処にいない二人について訊いた。

「あの二人なら彼処だ」

 

ヴァルドが指差した方に視線を移すと店の前のベンチに座ってアイスを食べていた。

「ところでリゼットはどうしたんだ?」

 

リゼットならorz状態になってたけどそろそろ来るだろう。

 

そう思った矢先、

 

「見つけた!レイン!酷いじゃない置いてきぼりなんて」

 

俺の肩を両手で掴んでガクガクと揺さぶる。

 

「何とか言ったらどうなのよ!」

 

じゃあ、まず揺さぶるのを止めて欲しいのだが……。

「アウッ」

 

ズビシ、とリゼットの頭に手刀を叩き込み、

 

「会計お願い」

 

と言ってヴァルドに服を渡して、俺はリゼットを引き摺ってシアとレオンが座っている、ベンチにに向かう。

 

 

 

 

 

ベンチに座り、俺の膝の上にリゼットを乗せて、暴れないように抱き締める。そうすると丁度、リゼットの頭の高さと俺の頭の位置が同じになる。

 

周りから微笑ましい視線を向けられて、恥ずかしくなったのかリゼットが俯く。そのリゼットの頭を片手で撫でると「う〜」と唸りながらプルプルと震えだした。

 

シアとレオンからも暖かい視線が送られ、それがリゼットをより恥ずかしがらせた。

 

「会計が終わったから次行くぞ」

 

ヴァルドがそう言いながら此方に来た。

「了解」

 

俺はリゼットの頭を撫でるのを止めて、膝から降ろす。その時にリゼットがちょっと残念そうな表情を浮かべた。

 

「仕方ないな〜」

 

クスクスと笑いながらリゼットを抱っこする。

 

「わ!?」

 

リゼットはビックリした様子で声を上げて、俺の首に腕を廻わして掴まった。そして、その状態で歩き出す。いつの間にかヴァルドがシアを肩車していた。

 

食品販売コーナの隣にある、ペットショップの前を通ろうとした時に最近聞いたばかりの声が聞こえた。

 

「待っておくれよ、フェイト」

 

ん?……フェイト……まさか!?予感に従い声が聞こえた方に視線を向ける。

 

するとそこには、片手にジャーキー、もう片手にドッグフードの缶詰タイプを持って額にシワを寄せて悩むアルフの姿があり、その隣で頬を赤らめて恥ずかしそうにキョロキョロとするフェイトの姿があった。

 

「アルフ、まだなの?」

 

「もうちょっとだけ待っておくれ、今夜の私の晩御飯がかかってるんだ!」

 

今のアルフの言葉を聞いた人達が目を見開いた。そりゃそうだろう……だって人間の晩御飯がドッグフードなんて言うんだから。まあ、アルフは人間じゃなくて使い魔なのだが。

 

今のアルフの発言が余計に周りから視線を集める結果となりフェイトは恥ずかしそうに俯いた。

 

「御愁傷様ね」

 

リゼットが同情的な視線をフェイトに 向ける。

 

「そうだね」

 

俺も実際にそう思う。確かにあんなに視線を集めると流石に恥ずかしくもなる。

 

その場を後にして晩御飯の食材を選ぶ。

 

「今日の晩御飯は何にする?」

 

「そうね……あなた達は?」

 

リゼットはヴァルド、シア、レオンの三人に話を振った。

 

「俺は何でもいいぜ」

 

「僕もかな」

 

「余はキムチ鍋がよい」

 

基本的に皆何でも良いみたいだし、シアの希望通りキムチ鍋で良いか。

 

そうして今晩の夕食はキムチ鍋に決まった。その後は材料を買って車に戻る。

 

 

 

 

 

車に乗って家に帰る。家に着いてから鍋の準備を進めていると、ピンポーン、とインターホンから音が鳴ったので玄関に向かう。

 

「どちら様ですか?」

 

「先ほど引っ越して来た者ですが、引っ越しのご挨拶に」

 

引っ越しの挨拶ね……それにしてもこの声って……まさかね。

 

家の扉を開けるとそこには、

 

「あんたは!?」

 

「あなたは!」

 

「え!知り合いなの?フェイト、アルフ」

 

「そうなの?」

 

テスタロッサ一家が引っ越し蕎麦を持って玄関にいた。

 

何故だぁぁぁぁぁぁ!!!俺の記憶が正しければあなた方の家は確か時の庭園でしたよね?何で此処に!?

 

(緊急事態発生!)

 

念話で家族全員にテスタロッサ一家襲来について連絡する。

 

(ちょっ!?何それ、!どういうこと?)

 

(むっ、敵襲か?)

 

(まて、まだ敵と決まったわけではない)

 

(とりあえず、流れに身を任せてみたら?)

 

(流れに身を任せてみるから、そっちも一応有事の際に動けるよう準備しておいて)

 

そう言うと俺は念話を止める。

 

「これはどうもご丁寧に」

 

俺は蕎麦を受け取り、お辞儀をする。

 

「えっと、あなたはフェイト達とどういう知り合いで?」

 

「彼女達が脅していた少年に盾にされて武器を突きつけられた仲です」

 

俺が正直に言うとアリシアが申し訳なさそうな表情で謝罪する。

 

「ごめんなさい!私の妹とその連れが迷惑をかけたようで」

 

「ね、姉さん!謝らないで……謝らないといけないのは私とアルフなんだから」

 

「そうよね……アリシア、あなたが謝る必要はないのよ、ここは親である私が謝るべきよ」

 

プレシアがこっちを向いて頭を下げた。

 

「ごめんなさいね、家の娘が迷惑をかけたようで」

 

「気にしないでください。これと言った被害はありませんから」

 

俺がそう言うとフェイトとアルフがアリシアに背を押されて俺の前に出てくる。

 

「ほら、二人ともちゃんと謝って」

 

「ごめんなさい!」

 

「悪かったね」

 

頭を下げ、謝る二人。

 

「さっきも言ったけど気にしてないから」

 

その二人に俺は気にしてないからと伝える。

 

「挨拶が遅れたわね。私はプレシア・テスタロッサ」

 

「アリシア・テスタロッサです」

 

「フェイト・テスタロッサです」

 

「アルフです」

 

「レイン・ヴェルテールです」

 

お互いに自己紹介を終える。

 

「夕食時にごめんなさいね。それじゃあ」

 

そう言うとプレシアはフェイト達を連れて隣の家に挨拶しに向かって行った。

 

家の扉を閉めてリビングに向かう。

 

やはり、引っ越しの原因は転生者の時の庭園訪問が原因なんじゃないのか?そうとしか思えない。

 

とりあえず、今は夕食だな………。

 

 

説明
無印編 6話 まさかのご近所さん
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