魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ー終結 そして脱出ー
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ムンドゥスとの激闘を終え、勝利を噛み締めるバルダ達。

 

「……終わった。勝ったんだ!!」

 

とにかくはしゃぐバルダ。そんなバルダを見ながら、ギルバーとダンテは話し合っていた。

 

「やりましたね、父さん」

 

「ああ。とりあえずこの戦いは終わりだ。まあにしても、本当に強くなったな…お前達は」

 

バルダ達を褒めるダンテ。

 

「いや、俺達はまだまだ実力不足だ」

 

「そうそう」

 

それに謙遜するバルダ達。

 

「まあお前達がそう思うんならそれでいい…さて!そろそろーーーーー」

 

 

 

 

――ゴゴゴゴゴゴ…――

 

 

 

 

突如、地面が揺れ始めた。

だがそれはほんの数秒で終わり、再び静かになった。

 

「なんだ?今の?」

 

動揺するバルダ。

 

「………(まさかな)」

 

嫌な予感がよぎるギルバー。

そんなギルバーの予想通りにダンテが絶望的な事を言う。

 

「どうやら魔界と人間界の道が閉ざされようとしているようだな。こりゃ急がないと帰れなくなるぞ」

 

「そ、そんな…」

 

「だったら早く脱出しようぜ父さん!!」

 

二人が慌てだすと、

 

「そう慌てんなよ。その為にこれがあるんだからよ」

 

ダンテが指をパチンと鳴らすと………

 

 

 

 

――ドゥルルン!!―――ドゥルルン!!――

 

 

 

 

どこからともなく、ちょうど三人は乗れそうな黒い模様を施した大きな赤いバイクが爆音を上げて現れた。

 

「え?!バイク?」

 

「父さん、一体これは?」

 

「何ってバイクだよ。バイク」

 

呆ける二人にダンテはあきれ気味に言った。

 

「「でもなんで?」」

 

「んなもん当然…」

 

そしてバイクに乗り込み、

 

「ここから脱出する為に決まってんじゃねえか」

 

そう言って、手でバルダ達に乗るように促す。

バルダとギルバーは若干戸惑いながら、バイクに乗り込んだ。

 

「OK!(よし!)Let's go!!(行くぞ!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方なのは達は…

 

 

 

「ふう、なんとかなったね…」

 

「うん」

 

「これでひとまず大丈夫やな」

 

悪魔を全滅させることに成功し、一息ついていた。

 

「バルダ…大丈夫かな」

 

心配そうに、頭上にそびえ立っているテメンニグルを見上げるなのは。

 

「大丈夫だよ、なのは。バルダは強い子だから」

 

「そうですよなのはさん!あのダンテさんとギルバーもいるんですし!」

 

心配するなのはをなだめるフェイト達。

 

「ありがとう皆。………はあ…」

 

それでも心配が絶えないのか、溜め息を吐くなのは。

 

「「「なのは(ちゃん、さん)……」」」

 

フェイト達は、そんななのはをただ見ていることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どけどけーー!!スパーダの血族のお通りだーー!!」

 

「道開けやがれーー!!」

 

「二人とも、テンション高いな…」

 

立ちふさがる悪魔共を薙ぎ倒しながら進んでいく バルダ達。

 

「Ha!まさか父さんがこんなバイクを持ってたなんてな!」

 

そう言いながら、この場を通さないと言わんばかりに群がるアビスをソル&ルナで撃ち抜くバルダ。

 

「確かに。これならなんとか間に合いますね」

 

ギルバーはデビルスターで(ダンテから貰った)回復した魔力で幻影剣を創り出し他の悪魔達をくし刺しにする。

 

「まあこの[ブラッドオーキス]は時速300キロ以上は出せるからな」

 

そしてダンテは、自身のバイクの事について説明しながら卓越した運転技術で悪魔達をかわしたり、踏みつけたりした。

 

「へえ。それならあっという間に人間界に帰れるね」

 

三人でそう話していると 、目の前にチェスの駒を模した悪魔、[ダムドキング]率いる、およそ百はいるダムドシリーズが押し寄せてきた。

 

「おいおいおい。あれは多すぎるんじゃねえの!?」

 

あまりの数に呻くバルダ。ギルバーも、苦虫を噛み潰したかのような顔をしている。

 

そんな時、

 

「ギルバー、運転任せたぞ!!」

 

ダンテがいきなりハンドルを放した。

 

「え!?うわあっとと!」

 

ダンテがハンドルを放したことに驚きつつ、ギルバーはなんとかハンドルを握り、運転した。

 

「さあて!消えてもらおうか!悪魔共!!」

 

そう言ってエボニー&アイボリーをホルスターから抜き放ち、魔力を収束させる。

 

「Die!!」

 

そして引き金を引いた。

 

 

 

 

―――ズガガガガアアアアン!!!―――

 

 

 

 

雪崩のような魔力の奔流は、悪魔達をまとめて呑み込み、跡形もなく消し飛ばした。

 

「すっげー!流石は父さんだ!!」

 

ダンテの圧倒的な力に興奮するバルダ。

 

「これが、伝説の魔剣士スパーダを超越した魔剣士の力……いつか俺も…!」

 

ギルバーは何やら熱がこもったような声を出しながらダンテの攻撃に魅入っていた。

 

「Jack pot.」

 

そしてダンテは決めセリフを言って、銃をホルスターにしまう。

そしてようやく魔界と人間界を繋ぐ扉が見えてきた。

 

「さて、邪魔者もいなくなったし…このまま突っ切るぞ!」

 

「「了解!!」」

 

そうしてバルダ達は、魔界を脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ父さん」

 

「なんだ?バルダ」

 

「これ、落ちてない?」

 

「ああ。落ちてるな」

 

そう、今バルダ達は文字通り[落ちていた]

 

「拙いんじゃないか?この状況」

 

ギルバーが冷や汗をかきながらダンテに尋ねる。

 

「Ah?まあ確かに今はやばいな」

 

ダンテは軽く返した。

 

「ちょ、どうすんのさ!流石の俺達でもこの高さは死ぬぜ!?」

 

慌てふためくバルダを見て、ダンテは不敵に笑う。

 

「確かに[今は]やばいと言っただろ?」

 

「「え?」」

 

ダンテの言葉に疑問を持つバルダ達。

 

「なに、大丈夫だ。こっからは安全なFlightだからな」

 

そう言って、ダンテはハンドルにある何かのスイッチを押した。

 

 

 

 

――ガシュン!―ガシュン!―ガシュン!ガキィィン!――

 

 

 

 

すると、バイクの側面が変形して、空を飛ぶための翼になり、後ろについていたジェットバーニアによって安定して飛び始めた。

 

「「おおおお!?飛んだぁ!!?」」

 

そしてさっきまでは落下一直線だったバルダ達だったが、ダンテの秘策によって今は穏やかに飛んでいた。

 

「「…………」」

 

「な?大丈夫だって言っただろう?」

 

ダンテは驚くバルダ達を笑い、なのは達の下へとバイクを飛ばしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈マスター。上空より、3つの魔力反応です〉

 

なのは達が休んでいたとき、突如知らされた3つの魔力反応。

 

「「「え!?」」」

 

それにより困惑するなのは達。

 

〈更にこちらに近づいて来ます〉

 

「「「!!」」」

 

そしてこっちに近づいて来ているということに警戒する。

だが彼等の警戒は、すぐ解くことになる。

 

 

 

 

――ドゥルルルルン!!―ドゥルルン!!――ドゥルルン!!――

 

 

 

 

「「「!?」」」

 

突然聞こえてきた何かのエンジン音。

 

「え?」

 

「な、なに?!」

 

「敵か!?」

 

辺りを見回すなのは達だが、問題のエンジン音の正体はいなかった。

 

「いない?」

 

皆辺りを警戒しながら疑問に思う一同。

 

「けど今のエンジン音からしてバイクですよね?」

 

すると、スバルがこんな事を言った。

 

「そういえば、エンジン音って上から聞こえなかった?」

 

流石にそれはないと思う一同。

 

「バカスバル。そんな有り得ない事言うんじゃ……な…い!!?」

 

そんなスバルをたしなめようとしたティアナが反射的に上を見て驚愕する。

 

「ティアナ?」

 

「ティア?どうしたの?」

 

不思議に思ったなのはとスバルがティアナを気遣いながらティアナの目線にあるものを見る。それにつられて他のみんなも 上を向いた。

 

「「「!!?」」」

 

一同が見るその先には…

 

 

 

 

ーードゥルルン!!―ドゥルルン!!―ドゥルルン!!ーー

 

 

 

 

「「「バイクが…飛んでる〜!?」」」

 

そう、バイクが飛んでいたのだ。本来ついてるはずのない翼があり、戦闘機についているようなエンジンを搭載していて、悠々と空を飛んでいた。

 

「あれ?なんかこっちに来てないか?」

 

ヴィータが訝しげに言った。

 

「あ、本当だ」

 

「どんどん近付いてきますね」

 

エリオとキャロも首を傾げながら言った。

すると謎のバイクはどんどん高度を下げていき、 三人組の人影が見えた。 そして三人組の内の一人が

 

「Fow!!」

 

「「「あああああああーーーーー!!?」」」

 

飛び降りた。

 

「ええ!?ちょ、ええっ!?」

 

「うそ!?飛び降りちゃった!?」

 

「なに考えてんだ!あいつ!!」

 

慌てふためくなのは達。

 

「ん?いや待て、もしかしてあれは…」

 

シグナムが目を細めながら言う。

すると、

 

「お〜い!!母さーん!みんなーー!!」

 

飛び降りてきたのはバルダだった。

バイクに乗っている残りの二人…ギルバーとダンテはやれやれといった感じだ。

 

「「「バルダ!!」」」

 

「よかった…無事だったんだ…!!」

 

バルダの安否を確認できて、安堵するなのは達。

 

「よっ…と!」

 

そして地面に着地し、皆の方を向く。

 

「バルダーー!!」

 

そしたら、なのはがバルダの下へ走り寄り、抱きしめた。

 

「うわぁ!?か、母さん!恥ずかしいよ…!!」

 

なのはのいきなりの行動に恥ずかしがるバルダ。

 

「嫌だよ…ずっと心配してたんだから…」

 

なのはの言葉を聞いて、少々申し訳なそうに、そして嬉しそうに

 

「ありがとう…母さん」

 

と礼を言った。

 

「はは、みんなもご無事でなによりですね」

 

「ふっ、そうだな」

 

そしてバルダとなのはのやりとりを見守りながら、ギルバーとダンテが地上に降り立った。

 

「「「ギルバー(さん)!」」」

 

「お疲れ様。ギルバー」

 

フォワード陣がギルバーに駆け寄る。

 

「ああ。お前達もよく頑張ったな」

 

「「はい!!」」

 

「これくらい、当然よ」

 

「確かにティア、頑張ってたもんね」

 

「うっさい!バカスバル!!」

 

「痛い!痛いよ!ティア!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダンテさん」

 

「あん?」

 

はやては楽しそうに会話するバルダ達を見守るダンテに礼を述べる。

 

「私達を助けてくれてありがとうございます。貴方が来てくれなかったら、今頃私達は……」

 

「まあ、気にするな。俺は俺の魂に従ったまでのことだ」

 

ダンテは、そんなはやての言葉を軽く返す。

 

「クスッ、そうでしたね。みんなー!!お疲れ様!これより機動六課は、退散します!!もう少ししたらクロノ君が迎えに来るから、ここから離れんといてなーー!!」

 

「「「はーい!!」」」

 

そしてはやては再びダンテの方に向き、

 

「もちろん、ダンテさんも来てくれるよな?」

 

笑顔で言った。

 

「ああ、ご一緒させてもらうぜ?Lady.(お嬢さん)」

 

そしてダンテも肩を竦めつつ穏やかな笑みを浮かべたのだった。

 

説明
四十二話目です。
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