超次元ゲイム ネプテューヌmk2 〜Blue Wind〜(~SOUL~)
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ルウィーの街中に響く爆音。

時が経つにつれて壊れていく街。

こだまする悲鳴。

逃げ惑う人々。

 

――まるで、地獄絵図のようなこの凄惨な場景を生み出しているのがこの国を守護している女神だということを、誰が信じられるであろうか……

 

 

 

「………………」

 

女神化したロムとラムの瞳に映し出されているのは――その地獄絵図だった。

 

「はーっはっはっはっは!いい気味だぜ!こんな国、跡形もなくぶち壊してやるぜぇぇー!」

 

二人の後ろでリンダが高笑いを上げていた。

まるで、色の付いた鏡のようにロムとラムの瞳にはゴォゴォ音を立てて燃え盛る住宅街が映る。

 

「………――――」

 

潤された二人の瞳には、何も映らなくなった。

 

「そこまでですッ!」

「ッ!」

 

かけられた声にリンダの笑い声がぴたり、と止まる。

 

「……てめぇらか。」

 

リンダ達に対峙するように現れたのは、ネプギアとその仲間達。

20メートル程離れた双方の間を一つ、風が吹く。

 

「これ以上、好きにはさせませんッ!」

 

ネプギアが言い放ち、ビームソードを構える。

それに続くように仲間達もそれぞれ武器を構える。

一方でリンダは余裕そうにフン、と鼻を鳴らした。

 

「おっと、いいのかぁ?こっちには盾があるんだぜ?」

 

リンダが言うと、ロムとラムがリンダを守るように立ちはだかる。

 

「……ッ……!」

 

――盾扱いなんて……ッ!

 

思わず足が勝手に動きそうになったが、何とか留める。

 

「……みんな、いいわね?私達の役目は『ソニックが戻ってくるまであの二人の囮』よ。絶対に倒そうと思っちゃダメよ。『あの二人を助ける』つもりでいくのよ…!」

 

そっと、アイエフが仲間達全員に聞こえるほどの声量で告げる。

だが、そのアイエフの声はネプギアの耳には届いていなかった。

 

「いいぜ、そこまで死にてぇなら相手してやる!行けッ!」

 

リンダが合図し跳躍すると、ロムとラムが武器を構える。

ネプギアも女神化し、パープルシスターへとその姿を変える。

刹那、ロムとラムは同時のタイミングで地を蹴りそれぞれ反対方向へと跳躍する。一同を挟むようにロムとラムが移動すると同時にステッキを一同に向ける。

 

「みんな、走って!」

 

攻撃の予感がし、パープルシスターが叫ぶ。

声と重なるように、ロムとラムのステッキからビームが放たれる。

走り出す一同。なんとかビームをかわす。二つのビームがぶつかり、爆発を起こす。

 

「きゃぁぁッ!?」

 

だが、爆風で一同が吹っ飛ばされる。

 

ズザザザザァァァァァァッ!

 

パープルシスターとアイエフ以外は着地に失敗。地に叩きつけられる。

 

「みんなッ!」

 

アイエフは助け起こそうとするも、すぐさま振り返る。

 

ギュォォォォォッ!!

 

ロムとラムがこちらに飛来してきていたのだ。

パープルシスターとアイエフに肉薄すると、二人はそれぞれステッキを振り下ろす。

 

ガキィィッ!

 

パープルしスターのM.P.B.Lとアイエフのクロスしたカタールがそれぞれ受け止める。

 

「う、くぅ……ッ!!……きゃぁぁッ!」

 

しかし、幼子ではあるが流石に女神との力の差は圧倒的だったのだろう。ガードを崩されアイエフの体はいとも簡単に吹っ飛ばされてしまう。

 

「アイエフさんッ!」

 

ロムのステッキを受け止めながらパープルシスターが叫ぶ。

アイエフの体を吹っ飛ばしたラムはそのままアイエフ含めコンパ達に攻撃を加えようとしている。

 

「……ッ……!」

 

ロムをステッキごと強引に押し退け、パープルシスターはバックステップしラムの前に立ちはだかる。

ラムのステッキは既に振り降ろされていた。

 

ドグォッ!

 

「あぐッ……!!」

 

ラムのステッキがパープルシスターの左腰を殴打した。

いくら、年端も行かぬ子供といえども魔法力で数倍にも強化されたその腕力は生半可なものではなかった。

パープルシスターの腰部分を殴打したステッキからバヂバヂと唸る電流が放出されパープルシスターの身体を吹っ飛ばす。

 

ギュオォォォッ!!

 

ロムとラムは地を蹴りパープルシスターを追いかける。

ズザザザザと音を鳴らしどうにか地に着地したパープルシスターはM.P.B.Lをすぐさま構える。

髪に掠るも、ラムのステッキをギリギリでかわす。

続いてロムのステッキが振り下ろされ、M.P.B.Lで受け流すとと大きくバックステップし距離をとる。反面、ロムとラムは距離を取らせまいと何度も地を蹴り間合いを詰める。

三人はアイエフたちの居る場所からみるみる離れていった。

 

バッ!

 

「みんな、一旦離れるわよ!」

 

アイエフは立ち上がると仲間たちに告げる。

 

「で、でもギアちゃんが……ッ!」

「私達は邪魔よ!一旦引いて策を練るの!」

「……ッ……!」

 

一同は悔しそうに歯軋りをするも、それぞれがそれを悟っていたのだろう。アイエフに続き走り出す。

崩れた店舗の瓦礫の山の陰に隠れ、一同はパープルシスターを見守っていた。

 

 

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ギュゥンッ!

 

プラネテューヌに戻ってきたソニックはそのまま都市中央部にそびえ立つプラネタワーへと急いだ。

 

バッ!

 

ドシュウゥゥゥゥッ!!

 

プラネテューヌの都市内のビルからビルへと飛び移り瞬時にしてタワーへ近づくと大きく跳躍しほぼ垂直に近いタワーの壁を勢い良く駆け上がった。てっぺん付近へ駆け上がっていくと、偶然にも開けられていた窓を発見し中へ飛び込んだ。

廊下に着地すると再び走りだしタワー内の階段室を駆け上った。

あっという間に最上階へとたどり着くとドアを開け放ち謁見室内へと足を踏み入れた。

奥に見える長机をバックに、少しだけ険しい表情のイストワールが待ち受けていた。

 

「……お待ちしておりました、ソニックさん。」

 

ソニックが早歩きでイストワールへと近寄る。

 

「ネプギアから話は聞いてるか?」

「はい。先程ネプギアさんからメールをいただきました。状況は全て把握しております。」

「それで、今からシェアクリスタルを作るのか?」

「いえ、その必要はありません。」

「huh?」

 

「――既に、出来ております。」

 

そっと、イストワールは掌に拳程の大きさのシェアクリスタルを出現させる。

眩しさにソニックは目を細めた。

 

「へへッ、仕事が早いじゃないか。」

「……実は、ルウィーのシェアが9割奪われたと報告を受けた時にもしもの時のためにと既に作り始めていました。本当は、皆さんがルウィーへと向かう前にお渡ししたかったのですが……流石にそれまでには間に合いませんでした……申し訳ありません。」

「気にすんなって!さて、みんなが待ってるから俺は戻るぜ!」

 

ソニックが踵を返し、走り出そうとした時だった。

 

「あ……ソニックさん。」

「what?」

「……ルウィーの国民達にはプラネテューヌに一時的に避難して頂きました。今、あの国にはネプギアさん達しか居ません。国民の方々に、あのお二人のことは私達が説明しておきます。」

「…………」

「……戦いでどんなにあの国の建物が壊れてしまっても構いません。必ず、あのお二人を正気に戻してあげてください。」

「…………正気か?」

 

ソニックが振り返り、イストワールの瞳を見つめた。

 

「はい。その後のことは既に――」

「そんなんじゃない。」

「……?」

 

「――例え元に戻せても、友達が大切にしてるものを簡単に壊すようなことを教祖であるお前がそんなに軽々しく口にしていいのか?」

 

「………………確かに今のはぶしつけでしたね。失礼しました。」

 

深く、イストワールが頭を下げた。

 

「……『ネプテューヌさん達を一刻も早く救出しないと』って頭に血が上りすぎてたのかもしれません。」

「とにかく、俺はルウィーに戻るぜ。」

 

そう言い残すと、ソニックは謁見室を飛び出しプラネテューヌを後にした。

イストワールは頭を下げたままだった。

 

 

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「……ッ……!」

 

パープルシスターは既に肩で息をしている。

二つの大きな力をたった一人で受け止め、腕は限界に近づいていた。

 

グォォォッ!!

 

しかし、ロムとラムはそんなパープルシスターに一切の休養を与えなかった。

幾度もパープルシスターへとがむしゃらにぶつかっていく。

 

ガァンッ!キィィンッ!!

 

金属音が幾度も響き渡った。M.P.B.Lを握った手がその大きな衝撃に襲われる。

しかし、こっちは攻撃できない。

相手を傷つけてはいけないという圧倒的に不利な戦い。戦闘開始時点から防戦状態が続いていた。

 

ババッ!

 

再びパープルシスターは大きく距離をとる。

乱れた呼吸を直し再びM.P.B.Lを構える。

少し離れた場所でロムとラムが並んで地に舞い降りた。だが、パープルシスターに射るような眼差しを向けたままだった。

しかし、そこまで険しい表情をしていない。むしろ、どこか悲しげだった。

 

「…………――――」

 

パープルシスターも、とあることに気づき始めていた。

 

――――力は大きいままだが、あの二人のスピードがどんどん落ちてきているのだ。

 

いくら女神といえども、流石にあの幼さではスタミナはあまりないのだろう。ロムとラムが激しい息遣いであるのが分かる。二人の攻撃は初めに比べ遥かにかわしやすくはなっている。

 

「………………ッ…………」

 

だからこそ、こちら側も胸が締め付けられるような気分となる。

 

あの二人が―――望んでもいない戦いを強いられているのだ。

 

「……ッ……!!」

 

胸が苦しくなり、パープルシスターは胸に手を置く。

次第に表情も崩れ、頬に伝った涙が顎から落ちた。

 

「ラムちゃん……ッ!」

 

ラムも表情が崩れていた。

何も映らない瞳に涙が浮かんでいる。

 

「ロムちゃん……ッ!」

 

ロムも表情が崩れていた。

何も映らない瞳からポロポロ涙が零れている。

 

バッ!

 

ロムとラムがステッキを振り上げクロスさせた。

二つのステッキの先端が輝く。

二人の周りに円を描くように白い風が吹き始める。

風がロムとラムの姿を覆い隠し代わりに中から真っ黒な神鳥が現れた。

ロムとラムの合体魔法――『Eフォースブリザード』は原型は留めているものの以前目にした神々しさとは裏腹に邪神を彷彿させるようなドス黒いオーラをはなっている。

 

ギロリッ!

 

不気味に赤く光る瞳がパープルシスターを睨むと咆哮をあげた。

虚空にビリビリと衝撃が奔る。パープルシスターの体もその激しさに吹っ飛ばされそうになるもどうにか持ちこたえた。

だが、ほっとしたのも束の間。

神鳥が猛スピードでこちらに向かって飛来してきていた。防御も間に合わない。パープルシスターは咄嗟に目を閉じた。

 

ビカ―――――ッ!!

 

突如、『何かが起こった』。

何が起こったのか分からない。薄く目を開いても分かるのは、神鳥が動きを止めたことだけ。だが、神鳥はまるで自らの目を覆い隠すように翼を広げている。

そして、目を覆う翼が明るいことに気づいた。光が当たっている。

 

「…………ッ!!」

 

光の発信源―――自分の腰元を見下ろす。

自分の身を包む白い戦闘服――プロセッサユニット(ライラック)が光り輝いている。

 

ポケットに手をいれ、取り出したのは光り輝くカオスエメラルド。

 

ギャアァァァァァァァッ!!

 

「ッ!!」

 

取り出した刹那、神鳥が叫び声をあげる。

頭を激しく振り叫び続けた。

 

ドサァッ……!

 

暫く叫び続けた後、力無く倒れた。刹那、神鳥の体が光り瞬時にしてロムとラムの姿が現れる。

だが、様子がおかしい。二人は膝を地につけ苦しそうに頭を抱え込んでいた。

 

「……うぅ……!」

「……イ…………タ……イ……!」

 

二人は唸りながらも絞り出すような声で言った。

パープルシスターは咄嗟に二人に手を伸ばす。

だが、その刹那カオスエメラルドの輝きが増した。

 

 

 

 

 

 

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――――苦シイヨ……ッ!!

 

 

 

――――ダスケテ……!

 

 

 

 

 

――――オネガイ…………オネエチャン…………

 

 

 

 

 

―――――ネプギアチャン…………タスケテ………ッ!!

 

 

 

 

 

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「ッ!?」

 

脳内に響き渡った声。ロムとラムの物だった。

ロムとラムの間にリンダが舞い降りる。

 

「チッ!このままじゃまずい!」

 

リンダはぐったりした二人を脇に抱えパープルシスターに背を向け走り出した。

 

「あっ、待ちなさい!」

 

そんなリンダを追いかけるべく、パープルシスターは跳躍した。

アイエフ達もその後を追って駆け出していった。

 

 

説明
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コメント
あざっす… ハイク「ここ最近忙しいんだよな」コル「そうかな?ありがとう♪」ブラック「これからもよろしく頼む」(こた)
byH 本当お疲れさんです・・・戦闘シーンの表現分かりやすくて丁寧でした。俺どうしてもほのぼのしかできないので羨ましいです・・・。( Z ハデス)
タグ
ソニック ネプテューヌ ネプギア クロスオーバー 

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