ゼロの使い魔 〜魔法世界を駆ける疾風〜 第二十四話
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意識を失ったヴィリエを保健室に運び込んだあと、決闘の舞台である広場はピリピリとした緊張感に包まれていた

 

「待たせたかな。それじゃ決闘を始めようか?」

「ええ、そうですね。ミスタ・ハヤテ」

 

俺に挑んでくる生徒はギーシュを含めて五人

スクウェアメイジに挑もうとする気概がある生徒が五人も居るとは思わなかった

良くも悪くも魔法学院は、貴族の集大成と思っていたから

その集大成が、先ほどまでのヴィリエの高慢な性格を作り出していたのだが

 

「では、決闘を始めましょう。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュ」

 

特徴的なシャツを着た、金髪の少年が名乗りを上げると、それに続いて各々が高らかに名乗りを上げる

 

「俺の二つ名は『((火閃|かせん))』。火閃のフィニアスだ」

「僕は『((水冷|すいれい))』のウォルターだよ」

「私は『((土繰|つちくり))』のマティアスと申します。以後お見知りおきを」

「僕はヴィクトル。二つ名は『((風霧|かざきり))』です」

 

それに対抗して、と言う訳ではないが此方も名乗り、写輪眼を発動する

 

「俺はハヤテ・ナミカゼ。二つ名は無い」

 

決闘参戦者全員の名乗りが終わり、それぞれが杖を構える

もっとも、俺はデルフだけど

皆が杖を構える中一人だけ剣を構える姿はある種、異質に映るだろう

 

「では決闘を始めましょう。ミスタ・ハヤテ。みんなは作戦通りに動いてくれ」

 

 

 

広場に訪れる静寂

緊張感は限界に達し、弾かれるように踏み込み彼らに斬りかかる

しかしその斬撃は人の肉を切り裂いた手応えより、更に柔らかい物を裂いた感触をもたらした

 

「私の二つ名の土繰は、その名の通り土を繰る。土メイジの本質を最も体現した二つ名ですよ」

 

俺が斬り裂いたのは土の壁

斜めにずり落ちた土から見えたのは、今にも魔法を放とうとしている二人の少年

 

「ティール・ウル・カーノ『ファイアー・アロー』!!」

「ラナ・ウィンデ『ウィンド・ブレイク』!!」

 

火で形作られた矢と、それを後押しする不可視の衝撃が遅い来る

矢はデルフで切り払い防いだものの、風は受け流せず吹き飛ばされてしまう

迫り来る学院の壁。このままでは叩きつけられてしまう

 

「ちぃっ!!」

 

舌打ちをしつつ体勢を整え足から壁に着地する

そのまま脚に力を入れて壁を蹴り、デルフを脇に構えて疾駆する

狙いは先ほどの二人組み

魔法を放った後の集中が切れた瞬間を斜めに斬りつけた、が―――

 

「デル・ウォータル『ウォーター・シールド』。斬られるのは御免だね」

 

斬りつけた刃は流水の盾に防がれてしまう

しかもデルフが水流に捕らわれ、一瞬だが隙が生まれてしまう

 

「行け、ワルキューレ!!」

 

その隙を突きギーシュのワルキューレが、両手に携えた長剣を真一文字に薙ぎ払う

振り抜かれる長剣を空中に跳躍する事で回避する

 

「今だ!フィニアス、ヴィクトル!!」

「ええ、詠唱も完了しています。『エア・スピアー』!!」

「喰らいやがれ!『フレイム・ジャベリン』!!」

 

炎と風を固めて形作られた槍が俺を目掛けて投擲される

 

「『水遁・水陣壁』!!」

 

炎と風の槍に対して口から大量の水を吐き出しその水で自身の周囲を覆う障壁を編む

障壁を構成する水はチャクラで出来ているため、障壁と二本の槍がかち合った途端、槍は拮抗すら出来ずに雲散霧消する

 

「やはり貴方はとても強いです。ミスタ・ハヤテ。でも…」

 

ギーシュが何事かを呟くのを他所に着地する

途端に体を襲う浮遊感。ボコォッと言う音と共に地面が陥没していく

これは、まさか…?

 

「決闘で罠を仕掛けるとは、思わなかったようですね。ああ、流石だよ僕のヴェルダンデ!!」

 

落とし穴だ。単純で原始的だが、それ故に故障などという心配も無い、極めて効果的な罠

彼の言うとおり、決闘で罠を仕掛けるとは思い当たらなかった自分の迂闊さに頭が来る

 

「最後の仕上げだ、みんな。フル・アース・マッド『アースハンド』!!」

「私は出番が少なかったですねぇ。『ブレッド』!」

「ま、そう言うなって。『フレイム・ボール』!」

「僕も防いだだけだったね。『ウォータル・ガン』」

「無駄口を叩かないように。僕なんか最後は出番が無いんですよ?」

 

石の腕が体に巻きつくように拘束され、石礫が雨あられとばかりに襲い来る

数個は頭や胴体に直撃し血が流れる

しかしまだ終わりではなかった

 

「っぐあぁぁああぁ!?」

 

燃え盛る炎の玉が我が身と共に石の腕を溶かし、石はマグマと化す

肉が焼ける音とにおいが辺りにたちこめ、周囲の野次馬の何人かが眉を顰める

カトレアとテファ、ルイズは蒼白になった顔を手で覆い隠している

マチルダは今にも飛び出しそうなその体を懸命に自制しているようだ

そのマグマを瞬時に滝のような勢いの水が冷やし固め、更に強固な拘束と化す

 

「さて、コレで貴方はもう戦えません。降参してくれませんか?」

 

ギーシュはその特徴的な、薔薇の花弁が装飾されている杖を俺に突きつけ降伏を促す

確かにコレじゃ戦うのはきついけど、まだ―――!

 

「ああ、確かにこれじゃきついかもしれないね」

「だったら、素直に降伏を「でも、俺に降伏を促すより」…?」

 

 

 

「早く俺に、止めを刺したほうが良かったかもよ?」

 

 

―――((桜華衝|おうかしょう))!!

 

両掌に溜めたチャクラを一気に開放する

瞬間、俺を拘束していた岩が崩壊

戒めが解け、一気に攻勢に出る

 

「さあ防げるかな?『火遁・((鳳仙花爪紅|ほうせんかつまべに))』!」

 

口から複数の火の玉を吐き出し、チャクラで操る

少年達は各々の属性魔法で火の玉を消そうと試みた

―――が、しかし彼らに放ったのは火だけではなかった

 

「な、何だコレは!?」

 

風、水または火魔法で火の玉を相殺した者には、その中に仕込まれていた手裏剣が牙を剥く

―――結果、ヴィクトルとウォルター、フィニアスは杖を手裏剣に破壊され、リタイアとなった

 

土魔法でそれぞれ手裏剣ごと火を叩き落した二人の内、ギーシュは腰が抜けてほぼ戦闘は不能

となれば必然狙いはマティアスへ移行する

 

「『分身の術』」

 

忍者として一番基本的な忍術、分身の術で二体の分身を編み出す

 

「っ!これは、『偏在』!?」

 

本体の俺を含めて三人

分身二体を前に、一直線の隊列を組み突撃する

 

「くっ!アース・クレイ『ブレッド』!!」

 

マティアスは苦し紛れか石の礫を放ってくる

分身二体は石礫に巻き込まれ白煙を上げながら消滅する

しかし俺本体はその煙に紛れ、背後から彼の首を手刀で叩き気絶させる

 

 

 

これでこの決闘も終わり、かと思いきや

 

「イル・アース・デル『錬k「『草薙の剣・((空の太刀|くうのたち))』動かない方が良いよ。死にたくなければね」…分かりました」

 

ギーシュが最後の悪足掻きとばかりに、ゴーレムを生成しようとしていたので、先ほど拘束された場所に置きっ放しだったデルフを操り首の皮一枚といった所で刃を止める

 

「さて、コレで君達はもう戦えない。降参してくれないかな?」

 

意趣返しとばかりに先ほど言われた台詞をそのまま返す

勿論ギーシュに逆らえる訳も無く、今回の決闘はこれにて終結した

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えー遅れてしまい本当に申し訳ありませんでしたぁ!!

軽いスランプに加えキーボードの故障、USBメモリのデータ喪失…

上記の3コンボでちょっと鬱になってました

次回の投稿は未定です。出来るだけ早く致しますので、どうか見捨てないで下さいませ

 

説明
第二十四話です。遅れてしまい、真に申し訳ありませんでした!
お楽しみいただければ幸いです
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コメント
>FALKEN様 そうですねえ。主に四人の嫁さんからの涙目説教と某烈風からのO☆HA☆NA☆SIがね…ハヤテがんばれ(ディアーリーズ)
>マッサー様 まあ、そもそも忍術全使用可能って言う時点でヤバイですからねハヤテは。(ディアーリーズ)
ハヤテがまともに負傷したのは今回が初めてかな?後が大変そうだ(ガルム)
やっぱりハヤテ強ぇ〜。次回の更新を楽しみに待っています。(マッサー)
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