北郷一刀争奪戦勃発?(ばれんたいんでー争奪戦)嵐の向う先編
[全3ページ]
-1ページ-

「ここ最近、みんなに避けられてる気がする・・・・・本当に蜀に旅行に行っちゃおうかな?」

 いろいろと呟きながら政務室へと向かう途中で、偶然、穏とすれ違った。

「穏、聞きたいことがあるんだが・・・・」

「か、一刀さん、ど、どうしたんですか?」

「いや、政務のことで聴きたいことがあるんだけど・・・・」

 なぜか、一刀が一歩近付くと穏が一歩下がり、ついに穏は走り去って行った。

「ごめんなさい〜」

「あんな態度取られるとさすがにキツイな・・・・」

 肩を落とし、廊下を歩いていると祭の部屋がわずかに開き、その中で難しそうに悩む祭の姿が見えた。

「う〜む、やはり難しいのう・・・・・しかし、妥協するわけにはいかん」

 部屋が軽くノックされて、来客が来たことに気付く、最近はノックが習慣づき始めていた。

「祭さん、今大丈夫?」

「北郷か?しばし待て!」

 何か慌てたように、中から物を片付けるような音が聞こえてくる。

「よいぞ」

「失礼します・・・・・珍しいね、祭さんが焦って片付けするなんて」

「色々と、散らかって、おってな」

 よほど疲れたのか、肩で息をしている。

「それで、何の用じゃ?」

「いや、最近、みんな俺を避けてるみたいだな・・・って祭さん!」

「すまん、急用を思い出した」

 無理やりに押し出されて、そのままの勢いで扉を閉め、鍵をかけられた。

「ちょ!祭さん!」

「急用があるんじゃ!着替えていかねばならんのだ!」

 結局、そのまま退散するしかなかった。

「うむぅ・・・・・祭さんにも避けられるなんて・・・・そうだ!シャオなら!」

 そう思い、小蓮の部屋へと向かうと、部屋の前には武装した侍女が待機していた。

「シャオはいる?」

「おられますが、御遣い様は通すなと言われています」

「なんで?」

「詳しくはわかりませんが、絶対に通すなと、無理やり通ろうとしたときは、攻撃もやむなしといわれていますが?」

-2ページ-

「し、失礼しました〜」

 軽く後ろを振り向くと、矢をつがえ、狙われていた。

「本気・・・・・って、きくまでもねぇ!」

 さすがに刃は付いていないが、直撃すればそれなりに痛い。

 ようやくシャオの部屋から退散すると、ちょうどそこは亞莎の部屋の前だった。

「亞莎?いる?」

「か、一刀様!い、いかがなさいました?」

「いや、用ってこともないんだけど・・・・・」

「なんか最近、みんなから避けられてるような気がするんだけど」

「き、き気のせいですよ」

「そうなのかな?」

「そうですよ、きっと・・・・・あぁ!今日は穏様にお話を聞きに行く日でした・・・・も、申し訳ありませんが、また後日にしていただけますか?」

 何を焦っているのか、珍しく一刀の背中を押して部屋から出そうとしている。

「・・・・・・・」

 結局、亞莎の部屋からも追い出されてしまった。

「はぁ、おれが何したって言うんだ」

 顔をあげ、廊下の先を見ると思春がこっちへ向ってきていた。

「お〜い!思春!」

「何か・・・・・!北郷っ!」

 完全にしかしに入れることもせず、来た道を引き返して行った。

「うわ・・・・・・一番傷つく」

 傷心のまま、中庭に行くとなぜか猫が摺り寄ってきた。

「慰めてくれるのか?」

「にゃ〜」

 珍しく、一刀のまえで寝っ転がると、腹を見せて触ることを催促してくる。

「わかった、わかった、ココがいいのか?」

 気持ちいいのか目を細め、なすがままになっている。

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・明命も触る?」

「はうあ!気づかれてしまいました・・・・・お猫様が・・・・」

 必死に誘惑と戦っているのか、たまに頭を振っている。

「だめです、今日のところは・・・・一刀様、すみません!」

 そう言うと、つかみかけていた手をすり抜けてどこかへと走り去ってしまった。

「にゃにゃにゃ〜」

「お前にも、笑われるのか・・・・・はぁ・・・・」

-3ページ-

 さらに傷を深くした一刀は、自室へと帰ろうとしていた。

「・・・・・・だそうだが、準備できるか?」

「えぇ、してみます」

「そうか、頼む」

 意外なところから冥琳が出てきた。

「冥琳?調理場から出てくるなんて珍しいな」

「北郷、お前は私をなんだと思っている?私だってたまに小腹が空くこともある」

「じゃあ、おれも同じものを頼ん・・・・・」

「それは駄目だ!」

 異常なまで否定され、一刀はびっくりした。

「もう余りの食材がないそうだからな!さっさと部屋で待機しておいた方がいいぞ!ほらほら!」

 背中を押され、だいぶ離れたところで押すのをやめると、急用を思い出したと言ってそのまま去って行ってしまった。

「はぁ・・・・・・」

「はぁぁ・・・・・」

「ん?どうした、蓮華?そんな大きな溜息なんかついて」

「あぁ、一刀か・・・・実は・・・・・!な、何で一刀がこんなところに」

「こんな所って、ここを通らないと俺の部屋に行けないのは知っているだろ?」

「あぁ、忘れていたわ」

「なんか悩みがあるのか?俺でよかったら聞いてあげるけど?」

 少し顔を近づけると顔を真っ赤に染め、押し黙ってしまった。

「いい、今は相談することなどない!」

 語気を荒げると、そのまま何処かへ行ってしまった。

「あぁ・・・・はぁ・・・・嫌われているのかな?」

 完全に気落ちしてしまったように、部屋までもう少しというところで雪蓮と出会った。

「あら、一刀、どうかしたの?」

「雪蓮か、ちょっと色々あってね」

「そうなの?・・・・・・!ご、ごめん、私も急用が・・・・」

「雪蓮!まって!」

 運よく、雪蓮の手を捕まえることができた。

「どうして逃げるんだ?」

「逃げてないわ、ちょっと用を思い出しただけよ」

「じゃあ、何で俺に会う前から急いでないんだよ」

「そ、それは・・・・・一刀の顔を見て思い出したからよ」

 手を振りほどくと、急いだように走り去ってしまった。

「なんか、悪いことしちゃったかな?」

 

 

 

小さき風は刻一刻と力をつけ始めている、一つ一つが旋風へ変貌するのも時間の問題であろう、その先に待ち受けるのは目的地までの広大な平原、この平原で旋風は力をつけ、竜巻へと変貌し、ついには嵐へと至る

 

説明
呉の皆さんより避けられる一刀を書きました、まだまだ焦らします
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
15434 11723 120
コメント
もっとあーれーろー(ブックマン)
む、遠くから雷音が聞こえる・・・(としろー)
あれ〜?昼なのに真っ暗になってきた・・・・・?(りばーす)
風が強くなってきたな・・(にゃ〜)
これは何かの前触れなのか……(nemesis)
今日の風は変だな〜…って、よく見たら網戸が裂けてる!? (MiTi)
雲の動きが早い(DDD)
なんだか家がゆれてきたぞ・・・・・・(kain)
窓がガタガタうるさいな・・・(でんち)
ブルブルッ おや?最近は風が強い日が多いなあ(水質測量班員)
愛されているからこそ避けられる・・・一刀が羨ましいような、そうでないような(サワディー(・ω・))
あぁぁぁー・・ し、視界がかすむ・・・(YUJI)
タグ
真・恋姫?無双 恋姫?無双 恋姫  バレンタイン 北郷一刀争奪戦シリーズ 

叢 剣さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com