美少女のコスプレは男の浪漫、技術の進歩とその影で。
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華琳の命により天界の知識を元に政策を立案することになった一刀。世界史で学んだ産業革命を魏にも起こそうと思い、真桜と一刀の努力の末、紡績機と蒸気機関を再現。その結果、安価な衣料品の大量生産が可能となった。その一方で・・・

 

 

「いやー、真桜のおかげで蒸気機関が完成したよ。まさか本当に作れるとは、赤壁のジェバンニは伊達じゃないな!」

「じぇばんに って誰やねん。 まあでもあんなすごい絡繰を思いつくなんて、さすが天の国やな。」

 

試行錯誤し、苦労して完成させた。その開発の日々を思い出す。真桜は本当にすごいと思う。

 

「俺の大雑把な記憶を元に再現できる真桜の方が凄いって! 華琳も国力が豊かになるって喜んでたし・・・」

   

その働きを華琳は高く評価し、俺と真桜に工場の儲けから特別手当を出してくれた。

 

「よし! 頑張った真桜にご褒美をあげよう」

「マジで!? やったー!!  ほんならウチはお菊ちゃん・改(パンツに装着可能)で後ろから隊長を・・・」

 

ウヒヒ・・と真桜は笑いながら俺を見る。

 

「いやいやいや!後ろは勘弁して! 」

 

反射的に自分の菊門をかばう。

 

「そんな卑猥なご褒美ではなくてだな・・・ 天界の、女の子らしい素敵な服を真桜のために用意してあげよう」

「隊長の用意する服ってたいがい卑猥な香りがすんねんけど・・・」

 

ちなみにこれまで俺はセーラー服、白ビキニ、ゴスロリやメイド服を馴染みの服屋に依頼して作ってもらっていた。

そして魏の種馬と呼ばれる俺は、君主の華琳から部下の三羽鳥に至るまで様々な女の子にコスプレさせていた。

 

「そんなことはないって!」

「まあ、そういうことにしといたるわ。沙和やないけど、可愛い服を着るっちゅーのはええもんやからな」

 

俺と真桜は笑いながら町を歩く。そして真桜と別れ、俺は馴染みの服屋がある場所に到着した。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・あれ? 何でオヤジさんの店が酒屋になってんだ?  ・・・場所はあってるよな」

 

そこには新しい酒屋が出来ていた。

 

「・・・・・店の場所を変えたのかな? その辺探してみるか」

 

非番だったので散歩がてら目的の店を探す事にした。その途中、屋台で買った肉まんを手に公園のベンチに立ち寄った。

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

「うわっ!  何やってるのオヤジさん!」

 

三国同盟が出来てから街の区画整理が進められ、俺の発案により公園が城下町には設置された。

親子連れや恋人たちが集まる憩いの場、太平の世にふさわしい平和的な光景が広がるはずだったが・・・

 

「・・・・・・ああ、御遣い様。 ・・・・・・お久しぶりでごぜぇます。」

「・・・あ、うん、久しぶり。 ・・・・・どうしたの?」

 

久しぶりに会ったオヤジさんには、かつての覇気が無かった。

俺が描いたセーラー服などの意匠に目を輝かせ、針子を総動員して職人技を披露してくれたオヤジさんは・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・ホームレスになっていた。

 

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公園のベンチに座り、死んだ魚のような虚ろな目で俺を見る。かつての親しみのわくドジョウひげも、今は仙人みたいにボーボーだ。世が世なら、モザイクをかけられニュースのインタビューに出ていただろう。不況で会社が云々言いながら文句たれるアレである。

 

「・・・それが、工場とやらで作られた安い服に、お客様をとられたんです。・・・そのせいで、ウチみたいな手作りの高い服を売っている店には・・・ううっ・・・ 」

「・・・・・・・・・」

 

なんてこった、自分が良かれと思ってやった事によって馴染みの店が潰れてしまった。わざわざ「高い」なんて自分の商品を卑下するあたり、かなりショックみたいだ。

 

「そ、そう。大変だね」

「・・・・・へぇ」

 

・・・・・会話が続かない。どうしようかと思っていたら、オヤジさんのお腹がなった。聞くところによると ここ数日、水しか口にしていないそうだ。

 

「そっ、そうだ!  これ食べなよオヤジさん! 俺オススメの肉まんなんだ、おいしいよ!」

 

俺はさっき買った肉まんを差し出した。

 

「おぉおぉぉぉぉぉ、ありがとうごぜぇます御遣い様。あなた様はまさに天上のお人だ!」

「う、うん」

 

胸が痛む

 

「ありがてぇ、ありがてぇ」

 

もしゃもしゃと肉まんに齧り付くオヤジさん。

・・・何とか、何とかしなければ。

 

 

「・・・・・・・・・・そうだ!!」

「ど、どうしたんですかい御遣い様」

 

どこぞの少年探偵みたいに頭に電撃が走った俺を、オヤジさんはびっくりした目で見る。

 

「逆転の発想だよ! 工場製品に対し、量より質で対抗するんだ!」

「ええと、仰る意味がよくわかりませんが」

 

オヤジさんは困惑しているようだ。だが、起死回生のアイディアが頭に飛来した俺はそんな事などものともしない

 

「つまり、オヤジさんのその技術の高さを売りにするのさ。

オヤジさんは今まで俺の煩悩・・・ではなくて、ほとばしる熱い熱情(パトス)を具現化し続けてきた。

その神技は三国一!  工場の没個性的な服ではなく、職人の技光る付加価値の高い素敵な衣装を売りに出すんだ!

俺の意匠とオヤジさんの技術が合わさればまさに三国無双!その服は必ず飛ぶように売れる!」

「おぉ、御使い様。そこまでに私の事を・・・」

 

「オヤジさんならできるよ! 衣装の意匠なら俺に任せてくれ!」

「へぇ!・・・・・しかし、私にはもう資金が・・・」

 

オヤジさんは再び暗い顔をする

 

「はっはっは! 心配要らないよ! お金なら俺が融資してあげる!

    ・・・・・・・・とある事情で、すごい臨時収入があったからね!」

「なんと、そこまでしていただけるとは。これはぜひとも期待に応えねばなりませんな」

 

うん、心が痛い。そんな聖人を見るような目で俺を見ないでくれ

 

 

「しかし、材料はともかく店はどうしましょう? 流石にそこまで負担させるわけには・・・」

「売り場なら心配要らない。三ヵ月後に行われる三国同盟五周年を記念した平和祭があるのは知ってるよね?

そこで出店に華琳・・・・・曹操様の命令で天界の知識を活かした何か珍しい物を用意しなければいけない事になっているんだ

そこでオヤジさんの服を売りに出そう。」

「なるほど、あとは製作場所ですな」

 

ホームレスとなったオヤジさんには家が無い、もちろんそんな状態では服なんか作れない。

 

「住込みで働かしてもらえる職場を斡旋するよ。これでも街の警備隊長だからね、いろんな知り合いがいるから。

仕事が終わった後の時間を使って部屋でコツコツ製作すれば何とかなると思う。」

 

職業斡旋なら季衣もやっていたし、これくらいはいいよね?

 

「ありがとうごぜぇます! きっと御遣い様の期待に応えて見せますぜ!」

「うん! その意気だ、期待してるよ!」

 

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それから三ヵ月後、平和祭が開催された。

俺は天の御遣いということもあり、ホスト役も兼ねて三国の君主達とともに祭を楽しむ事となった。

様々な催し物を見た後、いよいよ例の店に案内する。

 

「・・・というワケで、この店では天界のいろんな物を再現した商品を扱っているんだ。 

お酒、お菓子、漫画、カラクリ人形(動く座敷わらしみたいな奴)、etc・・・ そして、俺の意匠を凝らした服がある!」

 

「わーー! すごーい!」

 

桃香がが目を輝かせながら驚きの声を上げる

 

「面白そうじゃない」

 

天界の物を買って帰りたいと言っていた雪蓮も興味津々だ

 

 

反応は上々のようだ、準備を頑張った甲斐があるな・・・

まあ、俺は指示を出したり雑用をしてただけなんだけど、喜んでもらえて何よりだ

 

「あら、今度はどんな服が出てくるのかしら」

 

華琳は呆れたような、期待したような目で俺を見る。うん、メイド服でコスプレエッチしたのはさすがに恥ずかしい思い出だよね。俺は嬉しかったけど

 

 

「これは、お酒なの?・・・なんか赤いんだけど、血じゃないわよね」

「スッポンじゃないんだから・・・血なんか商品にならないよ。これはワインっていう葡萄の酒なんだ。」

 

雪蓮がワインを指差して俺に聞いてきた

やっぱり知識無しに初めて見たらビックリするよね

実際に昔の日本人も異人は血を好んで飲むってかなり不気味に思ってたらしいし

 

「他にもワインを蒸留という方法で加工した酒もあるよ。ブランデーっていうんだ」

 

テレビや本で見たけど、蒸留の原理って意外に単純でこちらでも再現できた。味は若干不安だけど、華琳なら改良できそうな気がする・・・

酒作りも天才的みたいだし。

 

そして、ついに店の目玉商品であるコスプレ衣装の話題になった。

 

 

 

「可愛い服がたくさんあるね、愛紗ちゃん達にお土産としてもって帰りたいなあ。

    ねえねえ、一刀さん。愛紗ちゃんに似合いそうな服はあるかな?」

「もちろん。・・・そうだな、愛紗にはやはりこれだ!」

 

俺は聖フランチェスカの制服を模した服を手にとって桃香に差し出した。

 

「わー!可愛い! うんうん、愛紗ちゃんにはきっと似合うよね 」

 

俺もそう思う。今度 蜀に行ったときには着てもらえるよう頼んでみよう。

 

 

 

「ウチの蓮華にもお土産買って帰りたいんだけど、オススメの服は無い?」

「よし、まかせてくれ!   ・・・・・・これだ!」

 

俺はブルマと体操着を雪蓮に差し出した。

 

「これは運動のために特化した衣服で、動きやすく 汗を吸い取りやすい生地を使っている。

一国の王族ともなると政務が忙しく、運動不足に陥りやすいと思う。健康のために、美容のためにもそれはいけない。

これを着て適度に運動する事をオススメするよ! 

・・・・・よければ俺にも見せてくれないかな。天界の知識で運動の指導が出来るかもしれないしね!」

 

ブルマ姿の蓮華・・・うむ、最高だな!

俺はその後も雪蓮に、ブルマの色は紺色が王道であるとか、赤も捨てがたいとかを力説した。

・・・・・・・・若干引き気味だったようだが気にしない事にする。

 

 

 

 

 

「ねえ、その。   ・・・・・私にも何か選んでくれないかしら?」

 

少し赤い顔をした華琳が俺を見る。思わず抱きしめたくなるくらい可愛かったが、人の目もあるので自重する事にした。

 

「華琳には、これを着て欲しい」

 

俺は純白のウェディングドレスを華琳に差し出した。

 

「綺麗な服ね、ありがとう一刀」

 

にっこりと微笑む華琳は思わず見惚れるほど綺麗で・・・・

後で、ウエディングドレスが結婚式で着る衣装だといったら、華琳は着てくれるのだろうか?

着てくれることを信じ、後で二人で会う約束をする。

 

平和祭が終わったその夜、部屋で二人になった。その時に、ウエディングドレスは結婚式で新婦が着る服であることを華琳に説明すると、

赤い顔で「あ、ありがとう」と言い、着てくれた。

 

俺は、自分の気持ちを受け止めてくれた華琳を抱きしめ、寝台にそっと押し倒した。

気が早いけど、結婚初夜の素敵な時間を味わおうと思う。

 

平和祭が終わったその後、俺の店に出した色々な衣装を手掛けたオヤジさんは有名になった。

オヤジさんには衣装の依頼が続々と来るようになり、沙和の話では 阿蘇阿蘇でも取り上げらたらしい。

店も無事に再開できたらしく、三国一のカリスマ服屋としてオヤジさんは忙しい日々を送っている。

 

俺御用達の服屋は見事に復活を果たした、よかった。

 

今度は張三姉妹のステージ衣装を依頼しようかな。そんな事を思いながら、俺は今日も警邏に励むことにした

 

 

 

 

説明
すでに外史まとめスレにもあるのですが、こちらでも投稿したくなったので
修正+加筆したものを投稿します。

前に2chの恋姫スレに書き込んだ一発ネタをSS化してみました。

初めてSS書いたので自信ないです。
あと、真桜の技術力と一刀の具体的な知識は外史設定ということで、細かい突っ込みは勘弁して下さい。
設定は一刀帰還後の魏です。


(スレに書いた元ネタ)
あの時代でも外史なら、真桜工房なら蒸気機関作れるんじゃないかと思う。カメラ作ってたし、メガネの製作技術があるみたいだし。
でも産業革命起こしたら史実どおり安価な衣料品が市場に出回るから今までの家内制手工業の服屋って急速に没落するのよね。
そうなると一刀御用達の仕立て屋が路頭に迷うので、セーラー服もゴスロリもブルマも再現できなくなるな。

追記(02/09):コメントでもご指摘いただきましたが、自分でもおまけが酷い内容だと思ったので削る事にしました。
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コメント
オヤジさんの良い仕事に対し敬礼(^Д^)ゞ(零壱式軽対選手誘導弾)
・・・・・・結局真桜への語法日の服はどんなものになったんだろう?(霊皇)
>nemesis 様   やはりそう思いますか、書いた時はオチつけたほうが良いと思ったんですが・・・ 改めてみると酷いと思うので削ります。(yosi)
外史スレでも拝見しましたが、やはりおまけの部分は要らないと感じました。せっかく良い感じで終わったのが台無しなのでもったいない。(nemesis)
>ガイア様   VHSが急速に普及した背景にはアダルトビデオにかける漢達の煩悩がありました。ほとばしる熱い熱情(パトス)はいつの時代も技術進歩を支えているのであります(yosi)
>DDD様  それでも真桜なら、真桜ならやってくれる(yosi)
>MiTi様  チート設定と言う事でここはひとつ・・・(yosi)
>マイソロジー12様  ありがとうございます!  楽しんでいただけたのなら幸いです!(yosi)
一刀の煩悩・・・もとい熱い熱情(パトス)は不可能を可能にするのか。(ガイア)
なぜだろう? ありえないと言い切れない。(DDD)
この外史で産業革命て…すごいな、いろんな意味で…(MiTi)
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