【東方】従者同士の恋愛事情・第3話Side:S |
「幽々子様もそうならそうと言ってくれればそれなりの用意したのに・・・。あの企み癖はもうちょっとどうにかならないかなぁ?」
「お嬢様お出掛けになるなんて一言も言ってなかったのに。困ったものです。」
「お茶やら用意するのはいいけど、それから何も言わずにスキマに放り込むなんてひどいよ。師匠ぉ。」
「こういうのは身内だけにすればいいのに必ずと言っていいほど他の方々を巻き込むのは紫様の悪い所です。全く。」
「物事ハッキリ付けたがる癖になんでかこういう事に乗るかなぁ?まぁ仕事じゃないならいいけどさぁ。」
紫さんの式である藍さんの話に拠ると今夜はここに居る主や上司や永遠亭に集まって当主会談とやらをやってるらしい。
ただ、その会談の内容までは藍さんは知らされていないみたい。
一応名目的に
『これからの幻想郷に起きる異変解決に対する妖怪側の対応』
という事らしいがそれすら嘘の可能性があるらしい。
ところで式神が主人の言動を疑っていいものなの?
そして、当主達が会談やってる最中にその下の人(?)がここに集められたのは
「上は上で話しをしてるから下の者は親睦でも深めてなさい」
とのことらしい。。
しかし、それも何か裏があるかもと藍さんは付け加えてる。
だから式神が主人の言動を疑っていいものなの?
えーと?つまり本当の事は分からないってことなのね?
「わからないなら変に考えるより楽しんだ方がいいんじゃん。酒も差し入れられた事だしさぁ。」
と小町さんが言うのだけど、まぁそれも一理あるわね。
この人はこの人で上司とは真逆の性格よね。
だから合うのかもしれないけど。
・・・合ってるのかな?
ということでもうすっかり宴会状態。
そしていつしか冒頭にあるような各々の主への愚痴の数々。
「ね・ねぇ?もしかして愚痴を言わせてそれを盗み聞きして後で脅すなり弱みにするなりの魂胆なんじゃぁ・・・。」
妖夢が何かに気付いた様に言うのに合わせ、一瞬の沈黙。
そして顔を見合わせるが、出てきた言葉は異口同音に
「今更盗み聞きされても普段から言ってる事だし・・・」
まぁ確かに。
ってみんな言ってるの?
それは従者もしくは部下としていいの?
勿論人のこと言えないのだけど。
それを受けてまたも妖夢がはけ口として言わせてるんじゃあ?と疑問を口にする。
「それならそれこそ言い放題で構わないじゃん。乗ってあげよう。」
との小町さん返答により再び雑談に戻る。
が、いつしか
「ところで霊夢って結局誰が本命?」
「それより魔理沙はどうなの?」
「どうでもいいけどミスティーをお持ち帰りしたい。」
「この前アリスを後ろから抱き付いてる幽香を見た。」
みんな好きよね。この手の話題。
私も好きだけど。
でもこれだと私と妖夢の事も出てくる?
もしくは逆に気を使って出てこない?
ま、どっちでもいいんけどね。
でもいっそ言ってしまった方がすっきりするかなぁ?
ただ妖夢がどう考えてるかよねぇ・・・。
とりあえず様子見かしら。
ところでみんな酔ってるのかな?
初めて飲む人ばかりなのでよくわからない。
妖夢がお酒強いらしいというのは聞いた事がある。
実際こうして見ててもわかる。
あ、私は弱いですよ。
こればっかりはダメなのよねぇ。
その辺を妖夢は考えてくれていて、梅割っていうのにしてくれた。
ご丁寧に温めで。
こうすると二日酔いになりにくいみたい。
でも酔っぱらって妖夢に介抱してもらう楽しみが・・・。
ま、それは二人で飲む時でいいか。
そして他の三人なんだけど・・・。
少なくとも藍さんと小町さんは酔ってないっぽいわね。
残る鈴仙さんは・・・ちょっと酔ってる感じ?
でも酔っ払ってはいない。
というのはさっきから私の事を睨んでるから。
それも妖夢と私に近づく度に。
これは・・・うん、きっとそうね。
でもごめんね。妖夢は譲れないの。
というかそもそも譲るとかそういう話しでもないしね。
にしても妖夢もなかなかモテるのね。
ん?むしろ私がしっかり捕まえておかないと?今後も含めて。
でもまだ私と妖夢が付き合ってるというのはまだ知らないみたいね。
私を牽制しようと
「そうそう!あの時妖夢ったらさぁ〜。」
とか
「それで妖夢が私にね〜。」
と『あんたよりもわたしの方が妖夢の事知ってるもん』アピールを始めた。
むぅ、ちょっと悔しい。
でもだからといって過去をやり直せるわけでもないし、ここで対抗心を出すのもなんか違う。
当然嫉妬めいた事するのは負けた気になる。
というかここは恋人としての余裕を見せつけたい。
と言うことでここは利用させて貰いましょう。
話しに乗じるフリをして妖夢の昔話を聞き出すことにする。
単純に私の知らない妖夢が聞きたいという事もあるけど。
あ、でも藍さんの方が詳しいんじゃないのかな?
付き合いの長さならダントツにこの人の方が長いでしょう。
それに妖夢が小さいときは面倒を見ることもあったらしいし。
そう思って何気なく様子をうかがう。
うーん、これは話しに乗ってくるような感じじゃないわね。
紫さんの式だけあって私の妖夢の関係を知ってるだろう。
そしてうどんげの妖夢に対する気持ちも知ってる様だ。
ちょっとだけ哀れむような目でうどんげを見てる。
小さい妖夢の話しを聞けないのは残念だけど、この場はまぁそうよね。
またの機会にしましょう。
「えー?妖夢てっばそんなことしたのぉ?」
「今度それネタにしよう。」
うどんげに狙いを絞って話しを聞き出す。
さすがの妖夢もそこまで言われて焦ってきたのか
「うどんげ?その辺にしとかないと私もあの事バラしちゃうよ?」
と釘を刺しにかかる。
そこで私をよせばいいのについ
「そうねぇ、うどんげさんのも聞きたいな。」
いつの間にか心の中でで”うどんげ”の方で言ってたのでそれが出てしまった。
でも言った瞬間はそんなに大事とは思ってなかったのだけれど・・・。
「私の事は”鈴仙”と呼んでください!!」
あー、これは地雷だったようね。
妖夢専用の呼び名だったかぁ、悪い事しちゃった。
謝ろう。
でも自分でも思わず出てしまった事なのか
鈴仙さん(心の中でも修正)ちょっと慌てて、
「あ、ご・ごめんね。急に大声出して。ちょっと酔いが回ってきたのかなぁ?ははははは」
「えーと、そういう訳で飲もうよ?ね!?」
やはり慌ててるのか、手近にあったグラスを手に一気に飲み干す。
「それあたいの!!」
実はそれは小町さんのだった。
しかしその制止は遅く、すでにグラスに入ってたお酒は消えていた。
と同時にうどんげの表情が凍り付き・・・
コテン
静かに倒れた。
「あーあ・・・、あたいさっきからストレートで飲んでたのよねぇ。それを一気だものねぇ。」
呆れるように言いながらうどんげの顔を覗き込む。
次いで私もうどんげの様子を見るために覗き込む。
どうやらそのまま寝てしまったようだ。
このまま寝かせておこうという暗黙の了解的な空気が流れ、隣の部屋に移した。
さすがにそのままでは皺になると思ったのか妖夢がブレザーとスカートだけは脱がした。
うーん、妖夢の昔話をもっと聞きたかったのになぁ。
まぁ、仕方ないか。
次に期待。
と言っても次から私と顔を合わせてくれるかわからないけど。
あ、でもこれで藍さんが話しをしててくれるかも。
そっちに期待。
と思ったのも束の間
「さーて、うるさくなりそうなのが居なくなった所で・・・。お二人さんの事を詳しく聞かせて貰いましょうかね。
なに、酒の肴にするだけだ。気にしなさんな。」
と小町さん。
う、聞き出す側から聞き出される側に回ってしまった?
むぅ、こうなったら開き直るしかないわね。
惚気まくるよ?
と、しどろもどろになってる妖夢を尻目に話し始める。
説明 | ||
第3話の咲夜視点できました。 第3話妖夢視点 → http://www.tinami.com/view/575298 第2話咲夜視点 → http://www.tinami.com/view/572490 で、こちらを書いてて入れたかった会話を入れてなかった事に気付いた。 あとでこっそり足してしまおうか・・・w ちなみに第3話はもう一人の視点を書きます。 |
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