IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode171 最凶の二闘神
「・・・う、うぅ・・・」
隼人は呻き声を出すと、頭を押さえて顔を上げる。
「・・・こ、ここは・・・」
ゆっくりと立ち上がると、周囲を見てから真上を見上げる。
「かなり高い所から落ちたな。くそっ・・・」
隼人は舌打ちをすると、周囲を見渡す。
(だが、どこまで落ちたんだ?これで最深部まで落ちたのなら、ある意味ラッキーだが・・・)
ゆっくりと前の方に歩みを進める。
「とは言っても、ここで連中の大群に襲撃されたらシャレにならんな」
マグナムを構え周囲を警戒する。
「・・・・」
コッチデス・・・
「・・・・?」
するとまた脳裏のあの声がする。
「またか・・・」
しかし今度は言葉が異なった。
「・・・こっち・・・なのか?」
隼人は声に導かれるように前の方にゆっくりと歩みを進める。
(さっきより声が響く。近くにいるのか・・・)
警戒しながらも奥に進んでいくと、大きな扉が現れる。
「・・・・」
隼人は扉の前に止まると、扉はゆっくりと重々しく開いていく。
「この先か」
そのまま扉の奥へと進んでいく。
「かれこれもう二時間以上は経過しているよ?」
「・・・・」
一方上では、通信が無いまま二時間以上が経過していた。
「やはり中で何かあったと見るのが妥当かと・・・」
「どういたしますか、マスター?」
「・・・・」
アーロンは顎に手を当てて考える。
「アーロン・・・このまま黙って見ているつもりなの」
束は少し苛立ちがこみ上げていた。
「俺だって出来るなら救出隊を送ろうとは思っている。だが、状況が把握できない以上、下手に動く事はできない」
「だからと言って・・・」
「・・・・」
「・・・連絡が無いまま二時間以上が経過しましたわ」
「・・・・」
外でも不安の空気が漂っていた。
「さすがにここまでくると少し不安やな」
エリーナは装甲表面の氷をライフルのグリップで叩き割る。
「こうなったら、うちが行くしかないな」
「だが、一人で行くのは危険すぎる。確かにこの中のISでほとんど無傷なのはお前だけだが・・・」
「やからうちが行くんや。このまま黙ってみるわけにはいかんからな」
「だが、中で何が起きているのか分からないのだぞ。お前も巻き込まれる恐れがある」
「やけどなぁ・・・」
「それに、エリーナさんの武装では完全なポテンシャルを発揮できませんわ」
「・・・・」
「それで、お前はどう見る、『ノア』?」
ネェル・アーガマが居る高度より遥かに高い場所に、その三機はいた。
「やはり守護者達が目を覚まし、侵入者を排除しようとしているな」
「あぁ。それに、あの二体も戦闘態勢に入っている」
と、黄金の装甲を持つ機体・・・・・・『グリッター』は言う。
「・・・・」
一体はフリーダムで、左にはあの時一緒に居た黄金の装甲を持つ機体・・・グリッター。そしてもう一体がいた。
黄金の機体同様にボロ布に身を包み、その隙間からは黄金とは対照的に銀色の装甲が覗いていた。背中には上のほうに向かって伸びる突起物らしきものもある。
フリーダムは彼の事を『ノア』と呼んでいた。
「あの者達は例の遺産を見つけ、その後あの場所にも向かっている」
「・・・例の『マテリアル』が眠っているあそこか?」
「あぁ。バインドの真の狙いは恐らくそれだ」
「やはりか・・・」
「なら、尚更連中にマテリアルを渡されるわけにはいかんな」
「・・・あぁ」
と、フリーダムは穴を見つめる。
「やはり彼らが心配か?」
と、ノアがフリーダムに問う。
「・・・・」
「まぁ、当然だな」
「・・・・」
「しばらく様子を見よう」
「あぁ」
「うむ」
そのままフリーダム、ノア、グリッターは穴の中を見下ろす。
「・・・・」
そうして隼人は扉の奥の部屋に入った。
「・・・これは」
そこだけがどこか雰囲気が違っていた。
ヨウヤク・・・アナタニ・・・アエマシタ・・・
その部屋の奥だけに光が放たれていた。
「・・・お前だったのか。俺を呼んでいたのは」
ゆっくりと歩みを進めて立ち止まると、奥にある一つのカプセルを見る。
その中には・・・・・・体操座りの様にして脚を持って丸くなりカプセルの中を一人の女の子が浮かんでいた。
まだ幼い女の子で、ボロボロの布を巻きつけるように身に纏い、金色の髪をしていた。
(・・・妙だな。どこかのキャラクターに似ているのは確かなんだが・・・・・・違う・・・)
隼人はその女の子を見て違和感を覚えていた。
(どこか・・・懐かしいような・・・)
関心に浸っていたが、すぐに考えを変える。
「君は一体なんだ。なぜこんな所に?」
・・・ワタシハ・・・・・・
しかしその後の言葉は続かなかった。
「・・・言えない理由があるって事か」
・・・・・
「まぁいいや。聞かない方が良いって事もある」
・・・・・
「・・・なぜ俺に助けを求めていた」
・・・カゲガワタシヲツレサロウトシテイマシタ・・・
「影・・・バインドの事か。だが、なぜ?」
イマハイエマセン・・・ソノリユウハ・・・
「さっきもそうだが、助けを求めておいてそれは無いだろ」
ゴメンナサイ・・・
「・・・まぁ、別にいい。それで、どうする?」
・・・ワタシヲ・・・ツレテイッテクダサイ
「お前を・・・?」
カゲニ・・・ツレテイカレルワケニハイキマセン・・・
「・・・・」
するとカプセルを固定する機具が外れ、真っ直ぐに立たされる。
「このまま運べってか?」
隼人はカプセルに近づくと、ビームマグナムを収納して両手でカプセルを持ってから右肩に担ぐ。
「まぁ、ちょっとは揺れるぞ」
後ろを向いて歩き出すも、すぐに立ち止まる。
「だが、どこから上に行けばいいんだ。ここから上に行く道は――――」
その瞬間に脳裏に道順が浮かび上がる。
「・・・そういう事か」
そう呟き、その道順通りに歩みを進める。
「・・・これでよし」
ユニコーンは量子変換されて収納されたアルタートゥムが入った装置を拾い上げる。
『・・・・』
リインフォースは隼人が消えた壁の方を見つめる。
「このままじっとしてもどうにもならないよ」
『ユニコーン・・・』
「隼人君なら大丈夫だよ、きっと」
『・・・・』
ユニコーンは先に出口に向かい、リインフォースはしばらくそこを見てから出口へと向かった。
「っ!」
バンシィは接近してくるアルテマがドラゴンハングを突き出すも、ライオットブレードを振るって攻撃を受け止める。
その直後に背後にオメガが回り込み、ビームシザースを振るってくるもとっさにライオットブレードを振るい刃を交える。
バンシィはタイミングを見計らって二体の間から後ろに飛び出ると刀身の輝きを増させて勢いよく振るい、光波を二つ放つがオメガとアルテマは右腕と左腕を振るい光波を弾き飛ばす。
「ちっ!」
オメガはバンシィに向けて左腕のダブルガトリングを放ってくるが、右手のライオットブレードを回して弾丸を弾くと、左手のライオットブレードの刀身にのエネルギーを溜める。
その直後にアルテマは一瞬の速さでバンシィの背後に回り込む。
「っ!?」
バンシィは振り向く前に、アルテマは右腕のドラゴンハングを輝かせると一瞬で腕を突き出してバンシィを殴りつける。
「がはっ!?」
殴られて物凄い勢いで吹き飛ばされ、床に叩きつけられる。
「ぐっ・・・!」
それに追い討ちを掛けるかのようにオメガが右手のビームシザースからカートリッジを三つ搭載したバスターライフルを展開し、三つ分の出力のビームを放つ。
「っ!!」
バンシィはとっさに前の方に飛び出して何とかかわすが、ビームが床に落ちて爆発を起こし、その爆風でバンシィは吹き飛ばされるも、床に着地して踏ん張る。
「っ!?」
しかしその瞬間、右腕を輝かせてアルテマがバンシィの目の前に来ると、目に見えない速さで突き出すとバンシィの腹部を殴りつけ、とてつもない衝撃を放ってバンシィを勢いよく吹き飛ばす。
「――――!!」
そのまま周囲の壁が凹むほどの勢いで壁に叩き付けられた。
「・・・・」
バンシィは壁から出て床に足を着けるが、すぐに片膝をつけてしまい、身体の各所から放電が起こる。
「・・・・」
虚ろになった瞳で二体を見る。
「何て・・・強さな・・・の・・・」
そのままもう片方の膝を着き、ライオットブレードを両手から落とし、前のめりに倒れる。
「っ!」
そして一夏達もそこの広場へと入った。
「更識・・・!」
「デュノアに・・・バンシィまで」
そこでは四人が気を失いうつ伏せになって倒れていた。
一夏達はその光景に唖然となる。
一夏達に気付いたのか、アルテマとオメガは一夏達の方を向く。
「あいつらがやったのか・・・!」
箒はビームサーベルを構えるも、千冬が制止する。
「熱くなるな、篠ノ之。あの四人がやられたのだ。只者ではない」
「そうだろうな。特にバンシィがやられているんだ」
「・・・・」
「・・・・」
一夏達はそれぞれ身構えると、アルテマとオメガはその場から飛び出した。
「っ!」
エレベーターで上がっているユニコーンはある事を感じ取る。
『どうしたのだ?』
「・・・バンシィ」
ユニコーンは震える声でバンシィの名を呟く。
『何?』
「彼女が・・・・・・やられた?」
『バンシィが・・・やられただと・・・?』
俄かには信じ難い事にリインフォースは戸惑う。
「・・・・!」
と、エレベーターが最初に乗り込んだ階に到着するとすぐにスラスターを噴射して飛び出す。
『ま、待て!』
リインフォースはとっさにその後を追う。
「ぐぁぁぁぁっ!?」
輝春は物凄い勢いで吹き飛ばされて壁に叩きつけられる。
グランサの増加アーマーは完全に破壊され、輝春はそのまま床へと倒れ込む。
「くっ!」
千冬はレヴァンティンを素早く連続で振るうが、アルテマは素早い動きで斬撃を全てかわす。
(速い・・・!)
直後に左脚で回し蹴りを入れるとレヴァンティンを両手で持ち直すと振り被り、一気に振り下ろす。
しかしアルテマは右手の一指しと薬指でレヴァンティンを受け止める。
「っ!?」
その直後に左拳を横から突き出してレヴァンティンの刀身を叩き折った。
千冬はレヴァンティンが折られた事に動揺し、その瞬間アルテマは右拳を一瞬で突き出し、千冬の腹部を殴りつける。
「――――!!」
そのままアルテマはその場で回って殴りつけたまま千冬を床へと叩きつける。
「くそっ!!」
一夏はアロンダイトを振るい、箒もビームサーベルを振るうが、オメガは両者の斬撃を全てかわす。
直後に箒が左脚のビームブレイドを出して振るうが、オメガは左に身体をずらしてかわす。
その瞬間に一夏が背後から迫り、右肩のビームブーメランを抜き放って振るうが、オメガは振り向き際に左脚を振るって一夏に回し蹴りを叩き込む。
「うぐっ!」
「一夏!!」
勢いよく一夏は吹き飛ばされ、その直後に箒は左腕のシールドのアンカーを飛ばすが、オメガは左手でアンカーを掴み取る。
「っ!」
そのままワイヤーを強力な力で引っ張り、箒を一気に引き寄せ、右拳で腹部に重い一撃を叩き込む。
「っ!?」
その一撃で激痛が体中を走り、箒は意識を失ってその場に膝を着き、前のめりに倒れる。
「っ!!」
一夏は勢いよく飛び出すとアロンダイトを振り下ろすが、オメガは横に動いて斬撃をかわし、アロンダイトの剣先は床にめり込む。
「ちっ!!」
そのまま強引にアロンダイトを横に振るうもオメガは後ろに跳んで床に着地すると右手にビームシザースを展開する。
一夏は渾身の力でアロンダイトを振るい、通常よりも強力な光波を放つが、オメガもビームシザースを振るって光波を放つ。
両者の光波はぶつかると同時に一夏の光波が真っ二つに切り裂かれた。
「なにっ!?」
一夏は反応が遅れてしまい、光波はインフィニティーに直撃すると爆発を起こす。
「っ!」
爆発に巻き込まれて勢いよく吹き飛ばされ、その瞬間アルテマが一夏の吹き飛ぶ進行上に立つ。
アルテマは両手を組んで渾身の力で振り下ろして胴体を殴りつけ、一夏を周囲の床を凹ませる程に叩き付ける。
「っ!?」
更に腹部に全体重を乗せた踵落としを叩き落とし、床に押し込んだ。
それによって一夏も意識を失い、インフィニティーのツインアイの光が消える。
「っ!」
そしてユニコーンとリインフォースも到着した。
『何て・・・事だ・・・』
リインフォースはその光景に唖然となる。
「みんなが・・・」
『・・・・』
新たに現れた二人をアルテマとオメガが振り向く。
「・・・あの最強闘神が二体も同時に居るなんて・・・」
ユニコーンは左腕にエクサランスカノンを展開すると、リインフォースもバスターライフルを両手に展開する。
『それほどのものなのか?』
「まぁね。みんながやれれるもの納得が行く」
『・・・・』
「さすがに・・・私達だけじゃ・・・勝てない」
さすがのユニコーンの表情に絶望の色が浮かんでいた。
『・・・・』
そしてオメガとアルテマは身構えると、二人に向かって飛び出した・・・
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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