未来戦隊タイムレンジャー&魔法少女まどか☆マギカ
[全1ページ]

Case File1 再会のとき

 

 

 竜也が正体不明の怪物を倒した後、謎の空間が崩れて元の会議室に戻ってくることができた。

 その後、渡や他の浅見グループの重役、話し合いの相手の会社の重役が会議室に来てロンダースファミリーの一員であったリラの遺体を見てしまい、一時騒然となった。

 竜也は謎の空間のことを話すわけにもいかず、自分が会議室に来たらすでにリラが死んでいたと嘘をついてその場を凌いだ。

 リラの遺体は通報でやってきた警察によって回収され、死亡原因を探るために司法解剖されることになった。

 会議は騒動によって予定より遅れたものの、無事に終わり浅見グループの重役一行は帰路についた。

竜也「(今日は色々ととんでもないことの連続だったな……)」

 竜也が突然出会った不思議に思った少女鹿目まどか、突然暴れだした社員、謎の空間、外傷もないのに死んでいたリラ、そしてクジラの頭部と金庫の体を持った怪物、

 今日のことを車内で振り返っていると不可解な出来事の連続だった。

渡「也、竜也!」

竜也「お、親父!!」

渡「竜也、ポケットに隠しているものは何だ。」

竜也「親父、ひょっとして、これのこと?」

 竜也は怪物を倒して手に入れた宝石を渡に見せた。

渡「その宝石、一体どこで手に入れたんだ?」

 渡は竜也が朝には持っていなかった黒い宝石をどこで手に入れたかと問い詰めてくる。

竜也「その宝石はリラが持っていた宝石なんだ。」

 もちろんこれは嘘である。謎の空間のことを話すわけにはいかないからだ。

渡「そうか、この宝石は私が預かる。」

竜也「えっ、なんで!!」

渡「この宝石は見たことがない。31世紀のものかもしれないから施設で調べる。」

 竜也は仕方なく、宝石を渡に渡した。

 不可解な出来事の連続と謎の黒い宝石を考えても竜也は何なのか整理がつかなかった。

 そのまま車は浅見グループのビルへと進んでいった。

 

 

--------西暦3002年

 

西暦3002年……さまざまな歴史を繰り返した地球は新たな発展の時代を迎えていた。知的星人は……人間だけに留まらず、その行動範囲を地上から宇宙へ、そして時間にさえ広がっていた。時間移動装置……いわゆるタイムマシンが発明されて12年が経っているのである

 

時間保護局

男「ようこそ、我が時間保護局へ。新しいレンジャー諸君……我々の任務はその名の通り、時間を守ることである。過去に一度、軽率な時間移動により30世紀は消滅寸前の危機に陥った。以来、時間移動は完全に禁止されたが万が一のために我々は存在する。歴史の保護は……最優先事項であり、最重要事項である」

 今、説明をしている滝沢直人にそっくりな男の名はヤマトである。ヤマトは滝沢直人の従兄弟の子孫で、1年前に自分が生き残るために歴史改ざんを企てたが、結局死亡した時間保護局の隊長、リュウヤの親友にして、後任の隊長である。

 

 ヤマトが説明している頃、1000年前には無かったような建物の屋上に、一人の女性がいた。

女「タ・・・・・・ツ・・・」

 彼女はうわごとのように繰り返す。

 彼女は1年前まで、1000年前にいた。不正に時を越え、過去へ逃亡した犯罪者を捕まえるために。

 彼女と3人の未来人の4人も1000年の時を越え、更に一人の男と出会った。新しい時を刻むために。それが“タイムレンジャー”だ。

 彼女らは次元の歪みや犯罪者によって生じた大消滅を阻止し、本来の時代へ帰還した。1000年前で必要となった情報、記憶を消し、それぞれの新しい明日の中で生きている。彼らの作った、明日の中で

 彼女・・・ユウリは、家族の生きている新しい生活に喜びつつも、どこか悲しい目をしている。何か思い残したことがある、そういう目だ

女隊員A「あの・・・ユウリ先輩?」

ユウリ「どうしたの?」

女隊員A 「ユウリ先輩、今何を考えていたのですか?」

ユウリ「別に、なんでもないわよ。」

女隊員A「先輩は過去に行ったことがあるので、ひょっとしたらその時代で出会った人のことが忘れられないのですか?」

ユウリ「!!!!」

 ユウリは戸惑った。記憶にないはずなのに何かが残っているかを見透かされたような感じだった。その後、慌ててユウリはその場を去ってしまった。

 

時間保護局

 

ヤマト「私の話は以上だ。サンプラシス」

会議は終わり、それぞれ解散する。

 

ヤマトはある部屋で椅子に座っていた。そこへユウリがやってきた。

ヤマト「ユウリ君、今日のニュースを見たかい。」

ユウリ「はい、見ました。」

ヤマト「最近、また原因不明の少女の蒸発事件が増え始めたようだ。」

 ヤマトの話の中にあった原因不明の少女蒸発事件は31世紀で起きている事件ばかりではなかった。遡れば20世紀以降からその様な事件があったからだ。

 しかし、犯人はおろか遺体すら見つからず、犯人の疑惑で捕まえた容疑者も約95%は無罪が確定して釈放されている。このような謎の少女蒸発事件はインターシティ警察も頭を悩ませる存在であった。

ヤマト「ドルネロがいなくなって犯罪の発生件数の増加が落ち着くと思ったのに、こんな雲を掴むような原因不明の事件が増えるなんて、捜査官の君はどう思うのかね?」

ユウリ「私としても、早く原因を解明して犯人を逮捕したいところです。」

 ユウリは時間保護局の隊員ではあるが、本当の顔はインターシティ警察のマフィア担当の捜査官であった。2年前に時間保護局に新入隊員として来たのも、ドルネロの捜査のための潜入であった。

 ヤマトは椅子にあるボタンを押して地図を出した。

ヤマト「この蒸発事件が以前から多く発生している場所がここだよ。」

 ヤマトがポインターで地図に光を当てている場所は、なんと見滝原市であった。

ユウリ「ここで多くの蒸発事件が起きているのですか?」

ヤマト「そうだ、この見滝原で多くの蒸発事件が起きている。それに、ここは2012年の4月に一度自然災害で壊滅状態になった。」

ユウリ「自然災害?」

ヤマト「何でも台風や竜巻と違って急に発生して凄まじい嵐を巻き起こしたんだが、しばらくした後、急に嵐が収まったらしい。」

ユウリ「(そんな自然災害があったなんて、でも、嵐が急に収まるなんておかしいのにも程があるわ………)」

 ヤマトから聞かされた2012年に見滝原市で突如発生した自然災害、しかも急に収まった嵐のことにユウリは本当に自然災害かと疑問に思うのであった。

 

--------西暦2012年4月

 

少女「………。」

 とある場所にいた紫と黒の服装の少女は左腕についている羅針盤についている砂時計を傾けた。

 

--------西暦3002年

 

時間保護局

 

音声「歴史への影響を考え、時間移動は5名という少人数で行われます。それを補う意味で非常用緊急ツールがいくつか用意されています。これがその1つ、『クロノチェンジャー』で……」

 そこへ突然、音声が途切れて放送が入った。

オペレーター「ヤマト隊長、至急、来てください。」

ユウリ「ヤマト隊長、呼び出しのようです。」

ヤマト「またか、これで4回目のようだ。」

 そう言うとヤマトはユウリとともに部屋を出た。

 

とある部屋

 

オペレーター「ヤマト隊長、西暦2012年で時間移動が確認されました。」

ヤマト「これで4回目か、31世紀から時間移動をした者はいるのか?」

オペレーター「いえ、実験も含めてした人はいません。」

ヤマト「そうか……こうも頻繁に時間移動が確認されたなら時空犯罪者がいるかもしれん。誰かを調査に向かわせたほうが良さそうだ。ユウリ君。」

ユウリ「はい。」

ヤマト「指揮権を君に預ける。西暦2012年に調査に行ってくれるかね?」

ユウリ「わかりました。ですが隊長、チーム編成はどうしますか?」

ヤマト「メンバーならもう決めている。1人は一旦、2002年で迎えに行く必要があるが、後の3人はもうじき来るはずだ。君は過去に行く準備に取り掛かってくれ。」

ユウリ「わかりました(タ・・・ツ・・・・・・ヤ・・・)。」

 そう言うとユウリは過去に行く準備に取り掛かりにその場を去った。

上司2「ヤマト君、どうして君は過去に行かないんだ?2012年に行く前にわざわざ2002年にユウリ君達を立ち寄らせるなんて」

ヤマト「ユウリ君達は実際に時間移動をした経験があります。それに、私がチームに入っても『彼』のような人望はないでしょう。」

 そう言ってヤマトはユウリ達の時間移動の準備に取り掛かった。

 

 ユウリは過去に行くための準備に取り掛かった。

 過去へ細菌を持ち込まないようにする消毒、そして21世紀の一般的な服。

メカフクロウ「ユウリ、やはり君が行くんだな。」

 横にいたサポートロボット、タックが訊ねた。

ユウリ「タック・・・あなたは知っているんでしょう?全部。私たちが戦っていた時のことも、私たちが誰に逢ったのかも・・・。」

タック「誰か忘れられない人でもいるのか、ユウリ。記憶が無くても、何かまだ残っているんだろう?」

ユウリ「・・・そ、それは・・・。」

 ユウリは少し戸惑い、言葉が詰まる。

タック「まあ、答えはこの先にある。」

 タックは少し微笑んだように見えた。

 

 ユウリは着替えた後、スモークを浴びる。

オペレーター「21世紀に必要な情報をインプットします。効果は1年です。任務においては歴史の本は全て優先されます」

 ユウリの頭の中に刷り込まれていく情報。2年程前にも同じ事をしたのだが、少し別な何かが、彼女の頭の中に入る。タイムレンジャーとしての記憶、そして・・・。

ユウリ「竜也・・・!」

タック「思い出したようだな、ユウリ・・・。」

 横で微笑みかけるタック。ユウリは突如慌て出す。

ユウリ「早く行かなきゃ・・・他のメンバーはどうなってるの?」

 今の彼女は相応しい人物4人、いや、3人と共に過去へ行きたいという思いがあった。ヤマトがすでにメンバーを決めていてもう取り返しはつかないだろう、そう思った時。彼らが目の前にいた。

ユウリ「・・・どうして・・・?」

 ユウリの目の前に現れたのは、アヤセ、ドモン、シオンの3人だった。すでに20世紀での服装に着替えていた。

ユウリ「どうして・・・あなたたちがいるの・・・?」

 ユウリが混乱しつつ問うと、ドモンが勢いよく返す。

ドモン「決まってんじゃんか!俺たちだってな・・・お前と同じだ。」

シオン「僕たちが一番行くべきだって、わかってます!」

 シオンもそれに続ける。

タック「念の為、ヤマト隊長は3人を呼んで20世紀の情報を入れておいた。念の為と言うよりむしろこうするべきだと隊長は思っていた。そうしたら案の定だ。君も今ではこの方が良いと思えるだろう?」

ユウリ「タック・・・。」

ユウリは感情を抑えきれず、泣き出しそうだ。

アヤセ「おっと、泣くのはまだ早いぜ。せめてアイツを迎えに行ってからじゃないとな。」

 アヤセがそう言った後、ドモンが構えながら急かした。

ドモン「早くしてくれよ、こっちは次の試合まで後、2ヶ月しか無いんだ。」

 シオンもドモンのように急かした。

シオン「僕、早く竜也さんに会いたいです!」

 ユウリはクロノチェンジャーを2つ手に取る。他の三人も一つずつ取る。

ユウリ「みんな、行くわよ!」

 ユウリはさっきとは打って変わっていつもの調子を取り戻し、時間飛行体に乗り込んだ。3人とタックもそれに続いた。

 

 時間飛行体の目的地が2002年にセットされた。

シオン「なんだか・・・懐かしいですね。」

アヤセ「そうだな・・・。車の運転しかしてないから随分鈍っちまった。」

ドモン「んなこと言って、元からじゃねーのか?」

アヤセ「・・・後で覚えてろよ・・・。」

 懐かしいやり取り。今までの戦いの記憶、日常の記憶が昨日の事のようにユウリの頭の中に蘇っている。

タック「さあ、そろそろ到着だ。」

 時間飛行体は時空を越え、歴史を守るため、大切な仲間を迎えに行くために進むのだった。

 

 時間飛行体は2002年に辿り着く。場所は・・・以前竜也と初めて出逢った場所だ。

シオン「うわあー・・・。なんだか凄く久し振りです。」

ドモン「ホナミちゃんにも・・・会わなきゃな。」

アヤセ「それよりも先にすることがあるだろうが・・・。」

ユウリ「竜也を探すわよ。タイムフライヤー!」

 ユウリは3人を気にせず、自分のペースで行動する。これが本来の彼女だ。彼らもそれに従って、タイムフライヤーに乗った。

 とりとめのない会話をしながらしばらく空中を飛び回っていると、竜也の家の前に黒い車から降りているスーツ姿の男が目に入った。彼は浅見竜也だ、と。

ドモン「竜也の奴、あの姿はいかにもお坊ちゃまだぜ。」

アヤセ「あいつも見ないうちに浅見の人間らしくなったな。」

シオン「スーツ姿の竜也さんもかっこいいですね。」

ユウリ「みんな、準備はいい!?」

 4人は竜也の家の近くの建物の屋根に静かに飛び降りた。

 

 その頃、竜也は会議などが終わって家に帰っていた。

竜也「(今日はへんな空間やクジラの怪物などが出たりと波乱の一日だったな・・・)」

 竜也はそう考えながら玄関に来ると、

???「竜也」

 声のした方向に竜也が振り向くと、そこには懐かしい4人が立っていた。

ドモン「竜也、俺達がいない間に元気にしてたか?」

アヤセ「久しぶりだな、竜也。」

シオン「竜也さん、また会えて嬉しいです。」

ユウリ「竜也・・・。」

 目の前に並んだ4人の顔を、順に見る竜也。

竜也「俺・・・なんて言っていいのか・・・。もう会えないと思ってたのに・・・。」

アヤセ「時間保護局から2012年で時間移動が確認されたとの報告があってな。」

ドモン「それで、一度タイムレンジャーとして戦った俺たちがお前を迎えに来た、ってわけだ。」

シオン「短い間ですけど、またよろしくお願いしますね!」

竜也「アヤセ・・・ドモン・・・シオン・・・。でも、どうして直接2012年に行ってその時代の俺を迎えに行かないんだ?」

ユウリ「それは、2012年では竜也が浅見グループの社長になっていて迂闊に迎えにいけないからよ。だから社長になっていない頃の竜也を迎えに来たの。」

竜也「そっか、社長だったら動きにくいからな・・・・それと・・・」

 言葉を切り上げた後、ユウリの方を向いた。

ユウリ「どうしたの?」

竜也「ユウリ、また会えて・・・良かった・・・。」

ユウリ「私も・・・記憶が消えても・・・忘れられなかった・・・。」

 2人は抱き合い、時空を越えた愛を確かめ合った。

 だが、竜也はあることに気付いた。

竜也「あっ!」

タック「どうした、竜也」

竜也「今日はもう遅いから俺の家に泊まっていきなよ。俺も明日、ユウリ達に話したいことがたくさんあるし」

 4人と1機は竜也の提案に従って竜也の家に泊まっていくことになった。

説明
西暦3002年の時間保護局が西暦2012年の見滝原市で時間移動を確認した。時間移動を調査するため、ユウリ達は一旦2002年に行き竜也を再びチームに加え2012年へ向かう。そこで出会ったのは絶望に抗おうとする魔法少女と呼ばれた少女達。タイムレンジャーと魔法少女の出会いは新たな時を刻むのか・・・・・
この小説は未来戦隊タイムレンジャーと魔法少女まどか☆マギカのクロスオーバー小説です。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
2544 2535 0
タグ
魔法少女 クロスオーバー 戦隊ヒーロー 魔法少女まどか☆マギカ 未来戦隊タイムレンジャー 

超AIn12さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com