恋姫外史終章・いつまでも一刀第22と1/2話
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「こっちに人回す相談しないといけないし、一度帰るわ」

 

と言ってステージが終わった翌日、雪蓮たちは建業へと帰って行った。

 

そして現在、

 

「あの〜〜、風さん。そろそろ今後の舞台の予定について、美羽たちと相談したいのですが・・・・・・」

 

「おや?そうですか、では仕方ありませんね〜〜。それにしてもいいですね〜、お兄さんは。面倒な仕事は風に押し付けて、自分は好き勝手やって。羨ましいかぎりですよ。ああ、相談でしたね。いいですよ、行っても。風はここで仕事してますから。準備だけ手伝わせてステージに呼んでもくれなかったお兄さんのために、風はここでお仕事してますから・・・・・・」

 

「・・・・・・いえ、まだ手伝わせていただきます」

 

「無理しなくてもいいですよ〜。風の事なんて放っておいてもらっても」

 

「いえ、手伝います。手伝わせてくださいお願いします」

 

一刀はず〜〜っと放っておかれてすっかり拗ねてしまった風の手伝いをしていた。

 

内心、美羽たちの今後の活動方針について決めたかったのだが、今の状態の風をこれ以上放置すると後が怖い。

 

なにせ、ステージが終わって、ふと思い出して会いに行った時から風の態度も表情も、一切変わっていないのだから・・・・・・

 

そんな中、文官が一人、扉を開けて部屋へ入ってきた。

 

「北郷様、お客様が来られております」

 

「客?来客の予定はなかったはずだけどな・・・・・・誰だ?」

 

「卑弥呼、華陀と申しております」

 

「ああ、あの二人か!今忙しいからここに通してくれ」

 

「はっ」

 

少しして、文官に連れられて卑弥呼と華陀はやってきた。

 

「久しぶりだな。一刀」

 

「随分忙しそうだのう」

 

「たはは、まあな。んで、お二人さんは今日は何の用で来たんだ?」

 

「近くまで来たから、中間報告にな」

 

「ほう・・・で?進展は?」

 

「・・・・・・残念じゃが、有力な情報はいまだ無しじゃ」

 

「・・・・・・そっか」

 

一刀の顔に少なからず、落胆の色が浮かぶ。

 

「・・・・・・」

 

その様子に風も、無言ではあるが一刀を心配しているようだった。

 

「そこでだ、俺は一度ゴッドヴェイドーの総本山に行ってみようと思う」

 

「そんな所があるのか?」

 

「ああ、そこには様々な難病に対しての治療法を記した書物が大量に書庫に納められているんだ。その中に何か手がかりがあるかもしれん」

 

「そいつはすげえ。期待して待ってるとしよう」

 

「ただ、書庫に入れてもらうには様々な試練に打ち勝たなければいけないんだ。前に一度挑戦した事があるが、駄目だった。今の俺に、それが出来るかどうか・・・・・・」

 

「とにかくやってみてくれよ。駄目だったらまた挑戦するなり別の方法を考えるなりすればいいんだし、ドーンとぶつかってみればいいじゃねえか」

 

「・・・・・・そうだな。分かった。俺の全ての力をぶつけてみる!」

 

「頼む」

 

「頑張るのだぞ?ダ―リン」

 

「ん?卑弥呼は一緒に行かないのか?」

 

「残念じゃが、総本山の場所は門外不出で関係者以外は立ち入る事ができぬらしい」

 

「ああ、今回は俺一人で行ってくる」

 

「・・・・・・というわけで、ダーリンが帰ってくるまでこちらに厄介になろうと思うのじゃが」

 

「それは構わねえけど、今は人が足りねえから働いてもらうぜ?」

 

「任せておけい!・・・・・・ところで、貂蝉の姿が見えぬようじゃが?」

 

「ああ、あいつ、美羽たちのステージに触発されたみたいで、「アタシもみんなに感動を与えるステージを開いてくるわん♪」って言って、どこかへ行っちまった。いったいどこへいったのやら・・・・・・」

 

一刀は目線を天井へ向け、ふうとため息を漏らしたのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

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建業にて

 

「わ、私が南陽に行って統治をするのですか!?」

 

突然の雪蓮からの提案に、蓮華は驚きを隠せなかった。

 

「そうよ。領地だけじゃなく、袁術の所の人間も使う事になるんだからあそこにいたほうが統治がやりやすいでしょ?」

 

「そ、それはそうですが・・・・・・」

 

「心配しなくても、貴方だけ行かせたりしないわよ。思春、亜莎、それと明命が貴方と一緒に行く事になってるわ」

 

「ね、姉さまや冥琳は・・・・・・」

 

「ここに残るわよ?」

 

「そ、そんな・・・・・・」

 

蓮華は不安そうに顔を曇らせる。

 

「いい、蓮華?これは世代交代のための試験みたいなものなのよ?」

 

「試験・・・・・・ですか?」

 

「そう。私や冥琳がいつまでも大事な所で出張っていたら、貴方達は大事な所で私達に頼ってしまう。それは先の事を考えれば大きな弱点になってしまうわ」

 

「その通り。蓮華様には酷に思えるかもしれませんが、いつか蓮華様は雪蓮から家督を渡される身。呉の長として自分で考え、自分で行動する事を身に付けていただきたいのです」

 

「・・・・・・」

 

雪蓮、冥琳の言葉に不安げだった蓮華の表情は引き締まっていく。

 

「やるわよね?蓮華?」

 

「・・・・・・はい。姉さまたちからの試験、見事やりとげてみせます!」

 

こうして、蓮華はお供を連れて、一路南陽へと向かうのである。

 

 

 

 

 

蓮華が旅立った後、

 

「策殿。小蓮様の姿が見えぬのじゃが・・・・・・」

 

「・・・・・・まさか」

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

(一刀、今行くからね!!)

 

 

 

 

 

蓮華たちに追従する輸送用の馬車に潜り込み、小蓮も南陽へと向かっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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「麗羽様、お腹大きくなりましたね」

 

すっかり大きくなった麗羽のお腹を見ながら言う猪々子。

 

「そうですわね。あとどのくらいで産まれるのかしら?」

 

寝台で自分のお腹を見ながら麗羽も言った。

 

「まあ、すぐでは無いと思いますけど・・・・・・そういえば名前は考えてあるんですか?麗羽様?」

 

斗詩の問いに、麗羽は頷いた。

 

「一応、候補は考えてありますけど、一刀さんにも聞かないといけませんわね」

 

「・・・・・・ですね」

 

「それにしても兄貴、まだ帰ってこないんですかね?」

 

「そろそろ帰って来れないか、使者を送っておきますか?麗羽様?」

 

「・・・・・・そうですわね。せめて、この子が産まれる時には一緒にいてもらいたいですし。お願いできるかしら?斗詩さん?」

 

「もちろんです麗羽様」

 

「んじゃ、すぐ使者を向かわせますね」

 

そう言って猪々子と斗詩は部屋を出て行った。

 

「・・・・・・ふふ」

 

麗羽は穏やかな顔で、大きくなったお腹を愛しそうに撫でるのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ところで、最近干吉と左慈とかいう兄ちゃんたち、見ないなあ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです。

 

今回はまあ、色んなフラグの詰め合わせってところですね。

 

私としてもちょっと展開を整理しておきたかったんで、ささっと書いてみました。

 

ところで、少し重要なお知らせがあります。

 

麗羽と一刀の子供の名前を募集したいと思います。

 

自分でも考えているんですけど、今一ついいのが浮かばなくて・・・・・・

 

参加していただける方はこの話のコメントの所に子供の名前を書いてください。

 

どうかご協力をお願いします。

 

では、次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔王玉!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
久しぶりの各国の状況のおまけ
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コメント
此処まで楽しく読ませていただきました。続きを楽しみにさせていただきます。(アーバックス)
左慈……生きてるのかなぁ。 名前の候補は「綺羅(きら)」とかどうですかね? 厨二全開の名前ですがww 男の子でも女の子でも男の娘でもいけると思いますよww(神余 雛)
旗印が十だから十羽(とわ)とかどーすか?(らっしぃ)
新婚旅行にでも行ったのかな?(都非様)
↓「麗刀」も捨てがたいですね。(劉邦柾棟)
↓↓↓女の子なら一羽か?(デューク)
左慈と于吉、まさか地下からずっとでてないんじゃ!?ww(デューク)
何? 左慈も于吉の子供を懐妊したの?(劉邦柾棟)
于吉と左慈か、左慈はもう駄目でしょwww 麗羽と一刀の子供の名前案ですが、男の子なら麗刀(れいと)を提案します!(本郷 刃)
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外史 いつまでも一刀 北郷一刀 恋姫†無双 真・恋姫†無双 

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