武器の御遣い
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迦楼羅達が程立――風と郭嘉――凛を陳留に送り届けて半月。迦楼羅達は洛陽近くに来ていた。因みに迦楼羅は久しぶりに仮面を取っている

 

 

『……ここが、洛陽』

((菖蒲|しゃうほ))「噂とずいぶん印象が違いますね」

緑「活気に溢れています」

 

 

5人は噂と違う洛陽の街の様子に少し驚いていた

 

 

菖蒲「ということは最近聞く董卓が献帝を操って悪政を行っているって言うのもどこかの軍が流したものなんでしょう」

 

 

そんなことを考えながら5人はじっくりと街の様子を見ていた。するといつのまにいたのか、迦楼羅の目の前には赤いスカーフを首に巻いた一匹の犬がいた

 

 

『……セキト。と言う事は、恋が近くに居る?』

 

 

迦楼羅は子犬――セキトを抱き上げて問うと

 

 

セキト《居ますよ!》

 

 

そう帰って来た。すると

 

 

恋「……迦楼羅」

『……恋、何やってたの?』

恋「……セキト、探してた。迦楼羅達は?」

『……街を見てた。仕事、探してる』

恋「迦楼羅達…仕事ない?」

『……ん。今さっきこの街に来たばかりだから』

 

 

迦楼羅はそう言うと恋に柔らかな笑顔を向ける

 

 

恋「///……仕事ないなら恋とくる」

 

 

そう言って恋は迦楼羅の服の袖をぐいぐいと引っ張って進む

 

 

『………れ、恋? どこに行く?』

 

 

そんな迦楼羅の問いに恋は一言だけ返す

 

 

恋「城…」

『……そう』

 

 

そのまま迦楼羅はズルズルと恋に城へと引きずられて行った。他の面々は茫然とした後、迦楼羅の後を追いかけて行った。((銀狼|インロウ))は恋と一緒に居たので街の人に一瞬驚かれたが、恋が居る為特に何も言われなかった

 

 

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迦楼羅はそのまま恋に引きずられて洛陽の城に連れて行かれ、迦楼羅の弟子たちはそれに着いて言った。今、迦楼羅達の前には恋を含めて5人の女の子がいた

 

 

??「恋がみんなを集めるなんてめずらしいな、なんかあったんか?」

??「それよりもそいつらは誰?恋の知り合いかなにか?」

??「恋殿〜探しましたぞ〜、今までどこに行ってたのですか〜」

??「今、鍛錬の途中でな、出来るだけ早めに終わらせて欲しいのだが」

恋「迦楼羅……恋の友達…」

張遼「へぇ〜、恋の友達か〜。うちは張遼、字は文遠や」

華雄「私は華雄だ」

賈駆「姓は賈、名は駆、字は文和よ」

音々音「おぉ〜迦楼羅ではありませんか〜」

張遼「なんや?ねね。知り合いか?」

音々音「ハイなのです!迦楼羅はねねと恋殿の友人なのです!!」

張遼「へぇ〜」

華雄「ほう。で?恋はどうしてその者をここに連れてきたのだ?」

恋「迦楼羅達…仕事ない…ここで雇う」

賈駆「はぁ?なに言ってんのよ恋! 僕達にそんな訳の分からない奴等を雇う余裕なんて無いんだけど!」

 

 

眼鏡をかけた少女が少し怒りながら言うと

 

 

華雄「ふむ、そいつは何か役に立つことが出来るのか」

霞「あんまり強そうにも見えへんけどもな〜」

 

 

華雄と張遼は迦楼羅達を品定めするかのようにジロジロ見ていた、すると恋は二人の言葉に反抗するように

 

 

恋「迦楼羅……強い……菖蒲も」

華雄「ほう、呂布が強いと言うか」

霞「どんぐらい強いんや?」

恋「わからない……けど強い……少なくとも、迦楼羅は恋と同じくらい強い。菖蒲は霞と同じくらい強い。他の3人は初めて会うから、分からない。でも、それなりに強い」

賈駆「はぁ!?それホント!?」

 

 

賈駆と名乗った眼鏡を掛けた少女は驚いた声を上げる。華雄と張遼も信じられないと言いたげな表情をしている

 

 

張遼「なぁなぁ詠、一つ提案があるねんけど」

賈駆「どうせ手合わせをしてみればわかるとか言い出すんでしょ」

張遼「ありゃ? ばれとった」

賈駆「でもまぁ、それが一番わかりやすいのも確かだし」

張遼「何よりあの恋が強いって言っとるんやから、試してみる価値はあるやろ?」

賈駆「そうね、今は一人でも多く人は欲しいし、日にちは……明日でいいよね、僕も明日なら空いてるし」

張遼「うちも明日は大丈夫や」

華雄「まてまて、呂布がそこまで言う奴なら私も手合わせをしたいのだが」

張遼「それは聞けへん話や、うちが最初に言ったんやから」

華雄「うぬぬ〜」

張遼「まぁまぁ、うちとの仕合を見てから決めてもええんとちゃうか?」

華雄「そうだな、そうしよう」

賈駆手合わせは明日の昼過ぎに武道場で行うわ、戦う相手は霞でいいのよね?」

張遼「もちろんや!!」

恋「迦楼羅……がんばって」

『……ん。頑張る』

菖蒲「師匠!こんなさらしは師匠が出るまでも無いのです!僕がけちょんけちょんにしてみせるよ!」

張遼「なんやと!?そこまで言うならまずあんたからやったろうやないか!」

菖蒲「フン!ビビビーンっと返り討ちにしてあげるよ!」

 

 

こうして、その場はいったん解散と成り、迦楼羅達は与えられた部屋に入った

 

 

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次の日の武道場

 

ここには今、賈駆・張遼・華雄・音々音・恋・迦楼羅・菖蒲・桜・緑・神楽の10人が居り、菖蒲と張遼は武道場の中央で向かい合うように立っていた。そして二人の間に立っていた華雄が言う

 

 

華雄「これより一騎打ちを行う! 勝敗は私が判断するがいいな?」

張遼「それでええよ」

菖蒲「良いですよ」

 

 

そう言うと二人は互いの獲物――飛龍偃月刀と軍具弐琉を構える

 

 

華雄「それでは……始め!!!」

 

 

開始と同時に二人は地面を蹴って互いに肉薄する

 

 

菖蒲「それそれそれそれ!」

 

 

菖蒲は顔の高さから槍を突き出し、2〜3回突いた後薙ぎ払う。そして最上段から槍――と言うか、薙刀に近い――を全力で振り下ろす。それを何度も繰り返す。順序を変え、タイミングをずらし、徐々に突く回数を多くしていく

 

 

張遼「クッ!」

 

 

張遼は勢いに負け、防戦一方だ。そして…

 

 

菖蒲「貰った!!」

 

 

キィィンと言う音と共に、張遼の手から飛龍偃月刀が弾き飛ばされる

 

 

 

華雄「勝負あり! 勝者、え〜っと、((白髪|はくはつ))!!」

 

 

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賈駆「あの霞が負けた? 嘘でしょ?」

音々音「菖蒲もめちゃめちゃ強いのですよ〜」

恋「しゃう……すごい……」

 

 

周りのそんな言葉も気にも止めずに菖蒲は張遼に手を差し伸べる

 

 

張遼「あんさん、半端なく強いな」

菖蒲「あんたもなかなか強かったよ。でも、その程度じゃ師匠には勝てないかな」

張遼「かぁ〜〜、あの蒼髪の奴はもっと強いんか。敵わんな〜。ウチの事は霞って呼んでや」

菖蒲「じゃあ僕の事は菖蒲って呼んでよ」

華雄「ふむ、次は私とも手合わせをしてもらおうか。今の仕合をみてやりたいと思わんやつはいないだろうからな」

張遼「いやいや、華雄っちはうちにすら満足に勝てへんのやから、菖蒲に勝つなんて無理やと思うで〜」

華雄「なっ! 確かにそうだがやってみなければ!」

菖蒲「えぇ〜、連戦は疲れるから師匠〜代わりにお願いします!」

『………ん。分かった』

華雄「む、お主とか。ではやろうではないか!」

張遼「ならウチが審判するわ!」

華雄「うむ、任せた」

 

 

そう言って華雄と迦楼羅は向かい合うように立つ

 

 

華雄「どうした、武器を構えろ」

『………ん』

 

 

迦楼羅は首からかけている小さな小刀を構える

 

 

華雄「……貴様、ふざけているのか?」

『(フルフル)……ふざけて無い。お前なんて、これで十分』

 

 

迦楼羅がそう言うと何処かからバツン!!と言う音が武道場に響いた。音源は言わずもがな、華雄である

 

 

華雄「そうか、此処までバカにされたのは初めてだ。張遼、早く合図を出してくれ。こいつを八つ裂きにしてくれる」

張遼「いや、八つ裂きにしたらあかんのやけども……まあ、ええか。されたらそこまでやったっちゅうこっちゃ。はじめぃ!」

華雄「ククク、貴様はこの金剛爆斧の錆にしてくれるわ!」

『………御託は良い。さっさと掛かって来い。それと、そう言う事を言う奴は大抵雑魚』

 

 

そう迦楼羅が言うと、華雄の米神に青筋が5本ほど浮き出た

 

 

華雄「ククク、やはり貴様は八つ裂きだーー!!」

 

 

そう叫びながら金剛爆斧を振り上げて突進する華雄

 

 

『………そうやって、突進ばかりするから猪華雄なんて言われる』

 

 

迦楼羅は大斧を動かず小刀で少し触れ、最小限の力で逸らす

 

 

華雄「クッ!まだまだ!!」

 

 

華雄は我武者羅に金剛爆斧を振り回す。迦楼羅はそれを一歩も動かずに小刀の先に触れるだけで軌道をそらしてく

 

 

華雄「はぁ、はぁ、はぁ」

 

 

何度も何度も斬り掛かり、その度に軌道を逸らされて肩で息をする華雄。対して迦楼羅は息一つ乱れていない

 

 

『………まだ、やる?』

華雄「当たり、はぁ、はぁ、前だ。はぁ、はぁ、と、言いたいが、もう腕が上がらん。残念だが、私の負けだ。張遼、奴の勝ちだ」

張遼「分かったわ。勝者!えぇっと。名前何やっけ?聞いとらんのやけど」

『…………………………ん。言って無かった。俺の名は、馬謖』

張遼「はぁ!?馬謖って、あの轟将軍の!?」

華雄「何と!道理で強い訳だ!!」

賈駆「ってちょっとは疑うって事を覚えなさい!」

華雄「いや、しかしだな。頭に血が上って単調だったとは言え、あ奴は一歩も動いていないのだぞ?」

 

 

そう、華雄の言う通り、迦楼羅は一歩も動かず、小刀による攻撃の起動逸らしだけで勝ったのだ。そして、そんなやり取りの最中、武道場に一人の少女が入ってくる。その少女は入ってくると賈駆に近づき

 

 

少女「詠ちゃん! なんで私にこのことを教えてくれなかったの!!」

 

 

怒鳴っていた

 

 

賈駆「ゆ、月! どうしてここに!?」

少女「さっき詠ちゃんたちを探してたらここから大きな音が聞こえてきたから、それで入ってみたら皆いて」

賈駆「ごめんね月、でもどこのどいつだか訳のわからないやつを月とあわせるのは……」

少女「詠ちゃん、それは失礼だと思うな私……もうこんなことしないでよね」

賈駆「で、でも!」

少女「詠ちゃん……」

賈駆「はい」

 

 

そんなやり取りを終えた少女は一刀に近づいて

 

 

董卓「はじめまして、私は董卓といいます」

『………俺は、馬謖』

董卓「では、馬謖さん。私達のところに仕官していただけませんか? 先ほどの仕合は見させていただきました」

『…………ん、仕官するのは構わない。でも、聞きたい事が有る』

董卓「何です?」

『………ん。菖蒲』

菖蒲「はい。師匠は話すのが苦手なので僕が代わりに。董卓さん」

董卓「なんでしょうか」

菖蒲「あなたの目指す天下はなんですか??」

董卓「………」

 

 

月は菖蒲の言葉を確りと受け止め

 

 

董卓「私はみんなが笑顔でいれる世界にしたいです。争わなくていいなら争いたくない。話し合いですむならそれにこしたことはない」

菖蒲「もし相手が武力をもって攻めてきたら」

董卓「戦います、未来の笑顔のため今一時の悲しみを飲み込みます」

菖蒲「もし皆の笑顔のためにあなたが死ななくてはならない時は」

董卓「よろこんで命を絶ちましょう」

 

 

そしてじっと迦楼羅達の眼をみつめる

 

 

迦楼羅達はその眼に宿る覚悟を感じ、臣下の礼をとる。そして…

 

 

5人『「「「「……………董卓様。今、この時をもって我等は貴女様の部下として、貴女様の理想実現の為に持てる力全てを貴女様に捧げます」」」」』

 

 

 

 

 

 

 

そう、誓いの言葉を口にした

 

 

 

説明
第壱弐話
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コメント
申し訳ない。白髪と打とうとして"は"が"ほ"に成り、勢い余ってTadボタン押して北郷一刀に成ってしまいました。ホント申し訳ない(頭翅(トーマ))
あれ? 何で、勝者が「北郷一刀」何ですか?  『菖蒲』が勝ったのに?(・3・) アルェー(劉邦柾棟)
・・・・・・・なぜここに北郷一刀の名前が出てくる?(アサシン)
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