【オリジナル】小さな革命【SS】
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外灯が鈍く光る町の中を、俺は宛ても無く彷徨い歩いていた。

見上げた空に星は無く、ただ冷たい雨が降り注ぐのみ。

『どうして、こうなってしまったんだ…?』

自問するも、そこに適切な回答は無く。

 

胸が痛み、喉が渇く。

こんな雨でも俺の魂は潤う事が無く、カラカラに乾いた砂漠の中で、のたうち回るような感覚だけが襲ってくる。

苦しみのあまり、俺は自らの首筋に爪を立てる。

走り出すのは鈍い痛み。

 

喉の奥が、頭の中が爆発しそうだ。

目玉と舌が飛び出て来そうなこの感覚。

何かが俺の奥に潜んでいる。

 

天使か?悪魔か?

いいや違う。

 

飛び出て来そうなのは灼熱の情熱だ!!

 

世界を焼きつくす程の激しい情熱……

ジッと身を潜めていた“そいつ”が、今ここに頭角を現す!!

“俺”と言う外壁を破り“そいつ”は今、世界に飛びかかろうとしている!!

 

打ち破るんだ……

幼い頃に知らぬ間に被せられた“殻”を……

 

生みの苦しみ。

抑えつけられていた欲求。

しがらみに縛られ続けて来た精神。

 

どんなに弊害があろうとも、痛みを伴い、血と涙を流し、自身が崩壊しようとも、俺はこの“殻”を破らねばならない!!

 

のたうち回れ!!暴れるがいい!!

俺は俺の中に革命をもたらす!!

この灼熱の炎を持って俺は生まれ変わる!!

世界よ!!見届けるがいい!!これが俺の…俺の生きざまだ…!!

 

 

外灯が鈍く光る町の中の路地裏で、今、小さな火柱が灯った。

世間の誰にも顧みられる事もない小さな炎の中で、今、確かに、一人の男が生まれ変わった。

説明
・構想10分執筆20分です。厨二病です(笑)原稿執筆中に全然関係ない作品を突如書きたくなる罠……
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