ミライノ・ホシカラ!ヴィーボちゃん登場の巻(Aパート) |
それは今からちょっとだけ未来のお話。
人間とロボットが平和に暮らす、小さな島があった。
その名を((唐栗島|からくりじま))。まったくと言っていいほど平和なこの島に、
物語の始まりを告げる流れ星が近づいていた……。
第1話『ミライノ・ホシカラ!ヴィーボちゃん登場の巻』
(その1)
さて、島の一角では、なにやら小学生たちが集まっていた。
望遠鏡を持って、みんなで星空観察に来ているようだ。
「今日は晴れてるから、きれいな星空が見えるはずだよ」
と、みんなを案内してきたのは『ヒデくん』こと、((中津|なかつ))ヒデトシ。
「ほんと!?カシオペアに北斗七星、オリオン座も見えるかなあ」
「ね、早く見ようよ!」
それに続いてきたのは『ミカちゃん』こと((中山|なかやま))ミカ、そして宇宙大好きな女の子『ナナちゃん』こと((相川|あいかわ))ナナミだ。
彼らはこうして時折、星空観察に出かけるのが趣味だった。
望遠鏡をセットし、いつものように星空観察をしていた子供たち。
「あ、流れ星だ」
と、呟くナナミ。だが、子供たちが見ていた流れ星はどうも様子が違う。
ゆっくりと赤い尾を引きながら、そのまま地上へと向かってきたではないか!!ヒデトシが叫ぶ。
「あぶない!みんな逃げろ!」
その合図とともに近くにあった茂みへと隠れた三人は、その流れ星を心配そうに見つめていたが…。
次の瞬間、強烈な衝撃音とともに『それ』は地上へと激突した…。
謎の物体衝突から数分。辺りは煙に包まれている。
「…な、何が起こったの?」
「暗くて何も見えないよ…」
やがて、煙が少しずつ晴れていくと、目の前に落ちている物体が少しずつその姿をあらわにした。
「あれは一体?」
と、ミカがヒデトシに訊ねる。
「飛行機かな?翼があるし、ロケットエンジンらしいものもついてる」
「でもあんな形の飛行機見たことないよ…もしかしたら!」
と、ナナミが手をポンと叩く。
「宇宙船よ!」
「宇宙船!?」
その言葉に驚くミカとヒデトシに、ナナミはさらに力説する。
「だってこんな形の飛行機なんてどこにもないでしょ?きっと宇宙船だよ!」
「うーん、そうかなぁ…」
「ちょっと待って!パパを呼んでくる!!」
と、ナナミは目をらんらんと輝かせながら、一度家のほうへと走っていったのだった。
さらに数分後、ナナミが戻ってきた。
「ちょ、ちょっと、ナナ、どうしたんだ急に」
「いいからいいから!すごい物が落ちてるのよ!」
ナナミに引っ張られてやってきたのは、彼女の父親にして天文・宇宙学者の相川ユメジ博士である。
「あ、ナナちゃん!」
「それに博士も!」
「なんだ、ナナのお友達か。それで、例の宇宙船っていうのは…」
「たぶん、アレのことだと思うんですけど…」
「ふむ…」
そう言うとユメジは、その宇宙船を覗き込むように眺める。
その隣でやはり宇宙船を覗き込む子供たち。
「あ、見て!誰かいるよ!」
と、ミカがその宇宙船の前頭部分を指差す。
窓らしき部分には濃い色がついていて何者かは判然としないが、
小学5年生ぐらいだろうか、人の形をした影が確認できた。
するとその時、その窓の部分から強烈な煙が発せられた!
「うわ!?なんだ!?」
突然の出来事に驚き、ユメジの後ろに隠れる子供たち。
「あっ…あれ見て!」
ふと、ナナミが宇宙船を指差す。
キャノピー部分がゆっくり開いていき、中の人影がその姿を現す。
「…キュピィィー…着陸失敗しちゃった…ちゃんと地球に着いたのかな…」
と、痛そうに頭を押さえて出てきたのは…少女の姿をしたロボットだろうか。
「あ」
「キュピ?」
一瞬、辺りが静寂に包まれる。
お互いをみつめ合ったまま身じろぎをしない4人と、謎のロボット少女。
すると先に静寂を破ったのは、そのロボット少女のほうであった。
「…ど、どうも…宇宙人です、って言えばいいのかな、こういう場合…」
そう、どう見てもロボットにしか見えない彼女こそ、この物語の主人公・ヴィーボなのであった…。
説明 | ||
ようやく本編が動き出した! ヴィーボちゃん待望の第1話、いよいよ公開です。 |
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