夏休み
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遠い日

夏休みが始まるとき

大きな荷物を抱えながら

うきうきと足早に帰った

日は強い

強く反射する塀のペンキ

まだ生きる不安もあまり感じず

だだ緑濃い木々や

生い茂り花と実と

おかしなフワフワをまき散らす

雑草の群れを蹴散らして走った

そんな

むっとする草の息を感じながら

遊びに出

顔を真っ赤にしてアイスキャンディを齧り

ソーダやコーラを口からこぼす様にあおった

ひまわりは大きく花を咲かせ

太陽を追いかけていると信じた

日の影の濃い外の光を感じながら

室内で回る扇風機の前で

テーブルで紙を押さえながら絵を描き

発売されるまんが雑誌を楽しみに思い

ほんの少し宿題の心配をした

時折遠くから雷の音がして

強い雨が

葉や屋根を叩く音を聞きながら

稲妻を眺め

壁の時計で光から音が響くまでの時を測った

スイカの種が皿に落ちる音

ちりん

大雨の後

外に出てアリの巣を眺め

あんな豪雨のとき彼らはどうしているのだろうと

疑問に思った

蝉の声が何重にも響く

強い光と

陽炎

長い一日

いつまでも日は天高くあった

また走り

立ち止まり

何かをしゃがんで眺めては

長くしゃがんだせいで立ち上がると

目がすうっと暗くなる

それも面白かった

そのうち

永遠にも思えた天空の太陽も

いつの間にか斜めになり

蝉の声も変わり

細長く色濃い雲に西の空が覆われて行く

むっとした夕暮れ

走る車の音さえも普段と違って

物悲しく感じた

だが夏休みは

すっとずっと長く有る

そう思った

本当にそうだった

そんな少年のイノセントとは

何も知らない事だったのかもしれない

 

 

 

説明
夏休みの日々、時にそれは永遠にも思えた。詩。
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夏休み 永遠 日々 

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