恋姫無双 〜〜紅と蒼の悪魔〜〜 3−2話
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 注、この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」を私の個人的妄想により都合よく改変しております。

詳しくは1話を参照してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ここが…」

「ええ、彼らのいる店ですね」

「おなか空いたのだ〜」

「こ、こら鈴々!もう少し緊張感を持ってだな…」

「え〜、でもダンテの兄ちゃんは面白いやつなのだ!別に悪いやつじゃないのだ!お邪魔しま〜す!」

「おい、待て!」

「待ってよ〜、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん!!」

 

 

 

 

「…また、珍しい客が来たもんだな。うちはいつからお偉いさん御用達になったんだ?」

「………」

「あはは…」

 

ダンテがいつも通り仕事を終え、外から帰ってきて最初の台詞である。

バージルも流石に珍しいことを否定できず、黙ることを選択したようだ。

流琉は乾いた笑い声を上げていた。

 

なぜ、そんなことを言ったのか。それは

 

「バージルの兄ちゃん、これおかわりなのだ!」

「…そろそろ終わらんのか」

「うう、今月のお小遣いが…」

 

そう言っているのは上から張飛こと鈴々、関羽こと愛紗、そして劉備こと桃香。

いわずと知れた蜀の王族とその腹心、桃園の三姉妹が店内で食事していたからである。

 

ちなみに、バージルとダンテの店は洛陽の一等地にあるとはいえ、二人は何の位も持っていない平民である。というか、三国でもたびたびそのことを指摘され、何かしらの官職を与えようとしていたが、二人が拒否しているのである。

 

「もらったって使い方がわからん」とのこと。

 

この時代の人からすれば信じられない理由であるが、二人は元々権力に興味がないから当たり前といえば当たり前である。

 

 

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さて、ダンテが呆れてぼ〜っと入り口に突っ立っていると、後ろから

 

「はわわ、すみましぇん。ちょっと良いですか?」

「あわわ、ちょっと人を探しているのでしゅが…」

「ふむ、どうやらここにいるようだがな」

「「あ(は)わわ!見つけました!」」

 

という声とともにダンテの脇をすり抜けて新たに三人ほど来店した。が、

 

「おいおい…、これじゃ噂されんのも頷けるぜ…」

 

面子をみてダンテがさらに呆れたのも無理はない。なぜなら

 

ベレー帽をかぶった小柄な女の子は諸葛亮こと朱里。

魔女帽をかぶっているのが鳳統こと雛里。

そして、裾の短いきわどい服を着て槍を持っているのが趙雲こと星。

 

蜀のはわわあわわ軍師と愛紗と同じくその名をとどろかせる武人の三人が来たからである。

 

ちなみに、ダンテの言った噂というのは来店者のほとんどを今の世に名を響かせる猛者、智者ばかりであり、二人もじかに見る機会はないもののとんでもない実力者(らしい)、そして、かつて魔王とまで言われた月、その側近たる詠、そしてそのそばを支えた「飛将軍」含む将軍達。以上のことから「洛陽に建つ魔窟」といわれていることである。

 

最も洛陽の民は、店主のバージルは無表情でいることは多いものの、おいしい料理を出してくれるし、反対にダンテは乗りもよく、色々な話をしてくれるということでむしろ好意的に見ているが、それゆえに噂が回るのも早かったのだろう。

 

呆れているのに飽きたのか、ダンテが上に引っ込むと同時、バージルが鈴々用の料理となぜか新しくきた人用に食器を持ってきて

 

「せっかくだ、新作に付き合え」

 

ぶっきらぼうではあったものの、行動は丁寧に三人に差し出してその新作というものを一緒においていった。

 

「はわわ…、おいしそうです」

「あわわ、おなか空いてたしよかったね朱里ちゃん」

「ふむ、なかなか空気の読める御仁のようで」

 

そういって三人も混ざり食べ始める。

 

しばらくは鈴々も含め、静かに食事する時間が流れた。

 

 

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「「「「「「ふぅ…」」」」」」

 

やがて、落ち着いたのか六人がほぼ同時に息をついた。

 

「しかし、この料理はおいしかったな」

「だから、そう言ってたのだ!愛紗が信じてなかっただけなのだ!」

「だ、だから…」

 

と、鈴々と愛紗が言い合っていると、

 

「食器お下げしますね」

 

と月が出てきた。

ちなみに、服装はバージルが考案したメイド服である。

月はこれを気に入っているようで、常に着用してるとか。

 

「おお、月ならちょうどいい。ちょっと聞きたいんだがな」

 

と、星が突然声をかけた。

 

「ちょっと待っててください、下げたらお聞きします」

 

というと、どこにそんな力があるのか鈴々の食器もまとめて全て持ち、厨房に消えていった。

 

「何を聞くつもりだ?」

「いや、別にたいしたことではござらんよ、でも、それゆえに皆が気になってることかと思ってな」

「お待たせしました」

 

愛紗と星がそうやり取りしていると月が戻ってきた。

 

「それで、私に聞きたいことがあるとか…」

「ああ、実はあの二人のことなんだが」

 

星は、降りてきたダンテと洗物をしているバージルを指差し、

 

「あれほどの力量があってなぜ仕官しようとしないのかと思ってな」

 

といった。

それを聞いた瞬間、鈴々以外のものが思わず背筋を伸ばした。やはり気になっているようだ。

 

「なぜ、私に?」

「いや、あの二人にも聞いたんだがどちらにも、のらりくらりとかわされてな。勝負しようにも話にならんし、なら一緒に働いているものに聞こうかと」

 

星は正直に月に答えた。

 

「私の想像で良いですか?」

 

と前置きした上で

 

「あの人たちは、正直私達にもわからないんです。たぶん私よりも長く一緒の流琉ちゃんも分からないでしょう」

「そうか…」

「でも、あの人たちは自分達の道は自分達で切り開く、という単純でとても難しいことを信念にしているみたいです」

 

「…それは、すごいことだな」

「ええ、ほんとにそう思います。…何があったかは分かりませんが、集団を取り巻くというものをあまり好きではないらしいのですが」

 

そばで聞いていた愛紗は思わず頷いていた。

集団、すなわち国家や権力ととるなら今までの様子も納得いくからだ。

それに、信念を貫くために力をつけたというのなら、あの強さもまた納得のいくものであったからだ。

 

「それに、バージルさんが言ってたんですが、『俺達はもともと誰かを率いたり導いたりするのは性に合わん』そうです」

「あ〜、何となく分かるかも…」

 

思わず、月と桃香は顔を合わせて苦笑いしていた。

 

と、バージルが

 

「すまん、食料がさっきので足りなくなった。買出しに行くから任せていいか?」

 

と、月に話しかけてきた。

 

「す、すみません!ほら、鈴々も謝れ!」

「う〜、ごめんなさいなのだ〜」

「…金さえ払ってもらえれば問題ない、その点お前たちは信頼できるから気にしとらん」

「な、ならせめて買い物を手伝わせてください!」

「……王族に庶民の買出しをさせろ、と?」

「うう、そうですけど…」

 

名乗りを上げた桃香だったが、当然のことを指摘されうっと詰まってしまった。しかし、

 

「はぁ〜、こんなことで援護したくないのですが…。桃香様は普段から雪蓮殿同様、町に下りているでしょう。そのせいか、バージル殿が心配してるようなことは起きませんよ。どうせいつものことだと思われるでしょうし」

「それに、あの魔窟の店主と一緒ならば不審にも思われますまい?」

 

と愛紗と星が援護したため、なし崩し的にバージルは買い物に桃香を連れて行くことになった。

 

 

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「け、結構多いんですね…」

「飲食店だからな。噂のおかげか客入りも多い」

「あ、あはは…」

 

あれから大量に買い込み、バージルは荷車に積み込んで運んでいた。

桃香のおかげでいつもより安く買えたのはうれしい誤算だったが。

 

「…それで?何か聞きたいことがあったのではないのか?」

「…分かってたんですか?」

「先ほど店内で俺たちのことを月に聞いてたろう、聞こえたぞ」

「そうですか…」

 

そういうと、桃香はしばらく黙っていたが、やがて

 

「貴方達は、なぜ集団を嫌うのですか?」

 

と、ストレートに聞いてきた。

 

「………」

 

今度はバージルが黙ってしまった。

 

「…?」

 

あまりにも長い間黙っているので桃香が首をかしげていると、

 

「俺たちは大人数の意見というものが嫌いなんだ」

 

とバージルが突然言った。

 

「…どういうことでしょう?」

「…あるところに双子の兄弟がいた。母は人間だったが、父は人ならざるものだった。もちろん二人は愛し合っていたから、その双子は生まれたんだが。当然二人は人間よりもはるかに強い力を有していた。。父は決して力に驕ってはならない、とその二人に教え込み、二人もそれを守るために日々努力していた。だが、あるとき賊がその双子の住む町に来て

な、たまたま父が不在だったため、その双子は町を守るために人前で初めてその力を使ったんだ。その場は追い返せてそれで良かったんだが、次の日以降、その双子とその家族からは人が離れてしまった。あまりに強い力を持っていたがために恐怖の対象として、人々に忌避された…」

 

バージルは珍しく感情のこもった声でそう話した。

 

「人のため、力を使ってその人から蔑まれる…、ただ、自分達とは違うという理由だけで。それ以来、その双子は自ら力を磨き、人に流されることなく生きられるようにしていった…」

「………」

 

桃香は何も言えなかった。

 

「別に、今のこの国の政治がどうとか言うわけではない…。ただ、俺たちはそういう目にあった奴らを知っているからな。そういうわけで、どうも人より一段上から見下ろすことになりやすい権力ってのに合わないって訳だ」

 

そういうと、いつの間にか着いていた店に戻っていくバージルの背を桃香は見送ることしか出来なかった。

 

 

 

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「結局、一日お世話になってしまいました…」

「おいしかったのだ!また食べたいのだ!」

「こ、こら!」

「…昼にも言ったが金さえ払ってくれればこちらは気にしてない」

「バージルの兄ちゃんもそう言ってるのだ。愛紗は気にしすぎなのだ」

「お前が不躾なだけだ!」

 

外で、愛紗と鈴々が騒いでいると、帰ってきてから何かを考え込んでいた桃香が

 

「バージルさん!」

 

と話しかけた。

 

「…?」

「私たちは、民の笑顔を取り戻すためにこれからも色々なことと戦っていきます。だからその『双子』さんに伝えてください。『見ててください』って!」

「…分かった。確かに伝えておこう」

 

少しだけ、ほんの少しだけバージルが笑った、そんな気が桃香はしたとそのときのことを後で言っていた。

 

「じゃあ、今日はおいしかったです!また来ますね!」

「今度は、私とも手合わせしてください、それでは」

「あ〜、鈴々もやるのだ!じゃあね!兄ちゃん!」

「はわわ、そ、それでは!」

「あわわ!し、しちゅれいしました!」

「ふふ、面白い御仁だ、某とも手合わせ願いたいところですな。それでは」

 

そういって去っていく六人。

 

「見ていてくれ、か…。」

 

そう呟いて、バージルも店に戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「はわわ、や、やっぱり次の本はダンテ×バージルだよ!」

「あわわ、で、でもバージル×ダンテも捨てがたいよ…」

 

後日、そんなことを城内部で呟く小さな軍師がいたとかいないとか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 あとがき

 

どうも、作者のmorikyouです。

今回はいかがだったでしょうか。

今回は、あまり拠点ぽくないですが桃香、というか蜀面子のバージルとの拠点です。

ちなみに、バージルが言っていたことは私が勝手に考えた過去です。

父のことをぼかして伝えてますが、一応桃香は二人がそういう身であることは理解しております。

うーん、なかなか拠点というのは難しいですね。精進あるのみですが。

 

次回も、出来るだけ早く上げたいと思います。

引き続き拠点アンケートも実施中なので、どんどんコメントしてください。

それでは次回もお楽しみに!

 

 

説明
この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」の二次創作です。
作者の妄想成分が過分に含まれているので、ご覧になる際はこのことを頭の片隅にでも置いておいていただけたら幸いです。
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コメント
>スターダストさん ここでは秘密ですが、実は前の戦いで鬼ぃちゃんは使ってます。まあ、気づかれてませんが。 最後はまあ、彼女達ですしwww(morikyou)
これは・・・・デビルトリガーフラグかな? っておいwww最後やめんかwwwwwwwwww(スターダスト)
>覇王さん ありがとうございます。 鬼ぃちゃんは、仲違いしてなかったらこんな感じではないかな〜と思いつつ書いてます。(morikyou)
とても、面白かったです!次回も期待します。あとなんかバージルがめっちゃ優しいから新鮮です(覇王)
>nakuさん コメありがとうございます。 集団心理ってコワいですよね・・・。(morikyou)
>月黄泉さん いつもありがとうございます 現在鋭意製作中です(morikyou)
いやー 面白くなってきましたねー 次回楽しみー!!!(月黄泉)
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真・恋姫無双 DMC ダンテ バージル 桃香 鈴々 愛紗 朱里 雛里  

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