武器の御遣い
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迦楼羅が本隊(一刀達)に追いつく頃には既に一刀達本隊は益州の城の幾つかを制圧していた。そして迦楼羅は一刀等本隊が駐屯している城の玉座に入ると、恋・音々音・((菖蒲|しゃうほ))・緑・桜・神楽・戦姫・霞・月・詠の10人に玉座中央に正座させられ、2刻程(約4時間)たっぷりと有り難い御小言を頂いた。それもその筈、迦楼羅が一刀達に合流したのは曹操軍をボロボロにしてから1週間程経っていた為だ

 

 

因みに一刀は恋達と共に直ぐに桃香達に追いついたが、目が覚めたのは追い付いてから三日後。そして目が覚めたのを知った桃香・愛紗・鈴々・朱里・雛里・白蓮・麗羽・斗詩・猪々子が一度に腹に体当たりをかまし、更に三日気絶。迦楼羅が到着する前日に目覚め、桃香・愛紗・星・朱里・雛里・白蓮・麗羽・猪々子・斗詩に泣きながらも1日中説教され、自身に割り振られた部屋でぐったりしているらしい。説教組に鈴々が居ないのはご愛嬌

 

 

2刻程が経ち、漸く説教から解放されて痺れた足を摩りながら立ち上がると、見覚えのある将が2人と見知らぬ将が1人いることに気がついた

 

 

『………馬超と馬岱と、誰?』

詠「ああ、あんたは知らなかったっけ。彼女の名は鳳徳よ。あの3人、二日くらい前に仲間に成ったの」

 

 

迦楼羅はそう聞くと3人の方を向いて

 

 

『…………馬幼常。真名、迦楼羅』

馬超「へ?あ、ああ。あたしは馬超だ」

馬岱「わ、私は馬岱だよ!」

鳳徳「鳳令明です。 あの、真名まで宜しいので?」

『……ん、構わない。虎牢関の時の事を言ってるなら、別にもう気にしてない。あれは仕方ない事。それに、あの連合は劉表が悪いから』

鳳徳「……そうですか。 我が真名は向日葵と申します」

馬超「あたしの真名は翠だ」

馬岱「私の真名は蒲公英だよ♪」

『……ん、よろしく。蒲公英、向日葵、ばっちょん』

翠「ば、ばっちょん!?あ、あたしの呼び方それで固定か!?」

『……冗談。言ってみたかっただけ』

翠「そ、そうか」

『……3人とも、大将に会った?』

翠「大将? ああ、北郷か?なんか、寝込んでるみたいだが」

『……そうか。全く、こういう場が有る時に限って寝込んだりするから、詠に((バ一刀|バカズト))(バカ一刀の略)とか((ア北郷|アホンゴウ))(アホ北郷の略)なんて言われるんだ。叩き起こして来る。愛紗、大将の部屋何処?』

愛紗「ああ、御主人様の部屋なら廊下の月当たりの部屋だ」

『………ん、分かった』

 

 

そう言って迦楼羅は玉座を後にした。その数分後、城全体に北郷の悲鳴が響き渡り、ボロボロの北郷を引き摺って迦楼羅が玉座に戻って来た

 

 

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その後、迦楼羅は1週間不眠不休で居た為『眠いから寝る』と言い、また迦楼羅に続いて元董卓軍の将達が迦楼羅のお守をすると言って迦楼羅を荷車に詰め込み、その荷車の上に麻布を被せている

 

 

そして迦楼羅は1週間眠り、迦楼羅が寝ている間に益州を平定したらしい

 

 

益州を平定してから漸く起きた迦楼羅は、顔合わせの為に一刀に連れられて成都の玉座に向かっていた

 

 

『………なんか、除け者にされた気分』

一刀「そうわ言っても、起こそうとしたけど起きなかったし」

『………そう。 あ、そうだ大将。劉璋のクソヤローどうした?』

一刀「く、クソヤローって。桔梗や焔耶もそうだけど、どんだけ劉璋嫌いなの。ってか、迦楼羅は劉璋に会った事あるの?」

『……ん。幽州で大将達と会う三ヶ月くらい前にここで客将してた。あの時はまだ、梅香様の代だったし、梅香様は良い人だった。 あ、梅香様は劉焉様の真名ね。 でも、劉璋のクソヤローは、親の七光りが服着て歩いてるような奴だった。俺が益州を去る一寸前に梅香様が病死して、劉璋に州牧の地位が移ったけど、あいつは州牧に成った途端に税を重くして、私腹を肥やしだした。だからさっさと益州から離れた。梅香様は月様に劣らず、名君だった。だから、梅香様が生きてたら、梅香様の配下に成っていたと思う』

一刀「劉焉さんは、よっぽどの名君だったんだな。迦楼羅が様付けで呼ぶ程だからな」

『………ん』

 

 

そして暫く無言で歩き

 

 

一刀「………なあ迦楼羅」

『……ん?』

一刀「お前、武の御遣いだろ?」

『………………何の事だか』

一刀「恍けなくていい。お前が虎牢関前で暴走した時に使ってた武器に銃が有った。銃はこの時代じゃ有り得ない。曹操軍の李典でも製作は不可能だお前は占い師みたく、未来予知が出来る訳でも無いからな。それに、愛紗に初めて会ったときに聞いた噂『黒天を切り裂いて、天より飛来する一筋の流星。その流星は天の御使いを乗せ、乱世を平定す。その御遣い、至高の知を宿す』。これには続きが有ってな」

『………続き?』

一刀「ああ。『人知れず、大陸に降臨せし御遣い有り。その御遣い、多種多様の武器を操り、至高の武を持つ者也』ってな。迦楼羅は多種多様の武器を使い、恋よりも強い。そして極めつけは銃だ。これだけ証拠が有って御遣いの俺が疑わない訳無いだろ?」

『………………………ん。確かに俺は御遣い。でも、大将が来る三ヶ月くらい前にこの大陸に来た。それに、世間では大将だけが御遣い。御遣いは指導者、この軍では桃香殿の道を示す存在。その存在は二人も要らない。だから、俺はこの先も御遣いを名乗る事は無い。軍が違えば別だけどな』

一刀「……そっか。いや、迦楼羅が其れで良いなら良いんだ。でもさ、帰ろうと思わないのか?」

『………ん。思わない。前の世界じゃ、俺は交通事故で死んでるから。帰れるとも思っていない』

一刀「おいおい、マジかよ」

『…………ん。この話終わり。あと、皆にも俺が武の御遣いだと話すつもりも無い。話すなら反董卓連合の時にそう名乗ってる』

一刀「わかった。この事は桃香達には黙っておこう」

 

 

その後は何も話す事無く玉座に入り、迦楼羅は桔梗・紫苑・焔耶と再会の挨拶を交わした

 

 

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一刀達が成都を制圧してから3ヶ月程

 

 

その間に、一刀達は取り過ぎた税を民達に返還し、向う半年税を取らないと決める等をして衰退しきった国を復興させ、西方・南方からの侵略に備えていた

 

 

幸い、北方を拠点とする曹操等魏はその勢力を磐石なものとするために西方に手を伸ばし、東方を拠点とする雪蓮達呉は美羽と七乃の空いた穴を埋めるために奔走していた為、警戒は最小限とし、南蛮・五胡に対して目を光らせる事に専念している

 

 

そのおかげもあり、一刀達はしばらく両勢力とぶつかることも無く。そして最初は一刀を(嫉妬で)親の仇を見るような目で見てた焔耶も一刀の実力を認め、一刀の事を『お館』と呼び慕うように成った

 

 

そんな中、一刀達は正式に国号を蜀とし、次の行動にでる

 

 

――南蛮制圧――

南征の決定であった

 

 

あったのだが…………

 

 

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『………南蛮には、俺と((銀狼|インロウ))で行く』

一刀「よし迦楼羅ちょっと待とうか。お前の実力を疑う訳じゃ無いが何で一人何だ」

焔耶「お館の言う通りだぞお師匠」

桔梗「そうじゃぞ迦楼羅よ」

朱里「そ、そうでしゅ!」

雛里「でしゅ!」

 

 

南征の赴くメンバーを決める軍議で行き成り飛び出した迦楼羅の爆弾発言に全員度肝を抜かれた

 

 

『………大丈夫。無血降伏させる』

詠「待ちなさい迦楼羅。それは無理よ。南蛮軍は武器持って攻めて来てるの。それを無血で降伏させれるの?」

『………出来る。美以とは友達だから』

恋「……美以って誰?」

『…孟獲の真名』

詠「預けて貰ったの?」

『……ん。溺れてたの助けた。梅香様のトコ来る前』

一刀「う〜〜ん。どうする?」

詠「僕は良いと思うよ。」

朱里「うぅ、折角策を色々と考えたんでしゅが」

雛里「うぅ」

一刀「じゃあ、迦楼羅。頼めるか?」

『……承知。大将達は五胡の対策しといて。何か俺が必要に成ったら……秋桜、玲、楓、雫、椿』

5人「「「「「ハッ」」」」」

元董卓軍以外「「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」」

 

 

突如として現れた5人に元董卓軍以外の将が武器を構える

 

 

『……警戒要らない。4人とも俺が直々に鍛えた俺の部下。自己紹介』

秋桜「……私は高順。字は無い。真名は秋桜」

玲「徐元直であります。真名は玲であります」

楓「アタシは凌公績。真名は楓だ」

雫「…………鍾士季。…真名は雫」

椿「お初にお目見えします。ケ士載、真名を椿と申しやす」

一刀「あ、ああ。よろしく」

『………何かあったらこの中から誰か俺のトコに飛ばしてくれ。皆優秀だから。じゃあ、俺はそろそろ行く』

 

 

迦楼羅はそう言うと玉座を後にした

 

 

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〜南蛮と蜀の境〜

 

 

『………ミケ、トラ、シャム』

ミケ「にゃ!迦楼羅にゃ!」

トラ「ホントにゃ!迦楼羅にゃ!」

シャム「…………迦楼羅にゃ」

南蛮兵達「「「「「「「「「「にゃにゃにゃ〜!!!」」」」」」」」」」

『………皆久し振り。美以は何処?』

ミケ「だいおーしゃまにゃら向うに居るにゃ」

『……ん。ありがと』

シャム「………シャムも行くにゃ」

トラ・ミケ「「あ!シャムだけずるいにゃ!」」

南蛮兵達「「「「「「「「「「ずるいにゃ!!」」」」」」」」」」

 

 

シャムが迦楼羅の背中によじ登るとそれに続いて他の南蛮兵達も背中に登り、頭の上や肩の上、他の南蛮兵の上などに乗っかる。そして迦楼羅は全員が乗っかったのを確認すると美以の居る場所に歩き出す。そして美以を見つけると

 

 

『………美以、久しぶり』

美以「どわあ!だ、誰にゃ! って迦楼羅にゃ!?って言うか何をやっとるにゃお前等!!」

シャム「………迦楼羅の背中に乗ってるにゃ」

美以「お前等ばっかりずるいにゃ!」

『………皆、降りて』

南蛮兵達「「「「「「「「「「(………)分かったにゃ」」」」」」」」」」

 

 

迦楼羅が一言いうと南蛮兵達は一斉に迦楼羅から降り、ミケ・トラ・シャム以外は元居た場所に戻って行く

 

 

『………美以、何で蜀に攻めてくる?』

美以「蜀には美味しい物が沢山あるって聞いたにゃ!それに、劉璋がずっと従えって煩かったのにゃ!だから劉璋を倒して蜀を美以の領地にして美味しい物もたくさん食べようと思ったのにゃ!」

『………今、蜀を収めてるのは劉璋じゃない。劉璋は劉備軍が討った』

美以「にゃ!?そ、そうなのかにゃ?」

『………ん。それに、俺も蜀に居る。だから、美以。蜀軍に下って。下ったら、美味しい物沢山食べさせる。南蛮の皆にもお土産持たせる』

美以「ホントカにゃ!?美味しい物食べさせてくれるにゃら降参するにゃ!!」

『………ん。なら、何人か護衛を残して軍を退いて。流石に軍隊で成都には連れて行けない』

美以「分かったのにゃ!」

 

 

そう言うと美以はミケ・トラ・シャムを残して軍を南蛮に戻らせた。戻らせる際、迦楼羅が『………今度美味しい物、沢山送る』と言ったらすんなりと南蛮に戻って行った

 

 

こうして、南蛮軍は1刻弱(約2時間)で蜀軍に下った

 

 

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