北郷外史伝 親子邂逅
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  華蝶連者の誅殺から数日

 

 張任「・・・・はぁ、劉璋のやつどれだけ暗愚だったのよ・・・・」

 

 呉蘭「雷銅〜寝てないで手伝って〜」

 

 雷銅「調練なら手伝う・・・・・」

 

 呉班「蘭、雷に政務は無理ですよ?」

 

 呉蘭「うぅ、あの後解放された文官連中は軒並み国に帰るし・・・・新人は使い物にならないし・・・・」

 

 張任「仕方ありません。これは私たちのツケですよ」

 

 2人「は〜い」

 

 雷銅「頑張れ」

 

 雷銅「間違い、頑張る」

 

 3人「(たぶん前者が本音だろうなぁ)」

 

 張任「それにしても・・・・華蝶ですか。生き残った警備兵の話では華蝶連者と名乗っていたらしいですね。」

 

 呉蘭「何者なんだろうね。」

 

 呉班「そうね。また、逢えるかしら?」

 

 雷銅「・・・・すぅ」

 

 3人「・・・・・はぁ」

 

 この4人の働きもあり、成都はある程度活気を取り戻したのは言うまでもない

 

 

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  梓潼周辺

 

 一刀「さて、噂では梓潼に紫苑が居るらしい。なので、そこを経由し天水に入り月に仕官したいと思う。」

 

 左慈「董卓か。その心は?」

 

 一刀「月のお茶が飲みたいです。詠の突っ込みが恋しいです。深月とのんびり釣りがしたいですorz」

 

 3人「・・・・・・」

 

 左慈「ん?深月?」

 

 一刀「華雄の真名だよ?」

 

 左慈「・・・・本当にお前節操無いな」

 

 一刀「うぅ、求められたら断れないよ。俺も好きだし。」

 

 茉莉「私からしたら優柔不断の浮気男にしか見えない。」

 

 璃々「あの世界でほとんど過ごした私としてもどうにかしてほしい。」

 

 一刀「そんなこと言われても・・・・」

 

 左慈「無理だな。」

 

 二人「はぁ。」

 

 一刀「すみません。」

 

 左慈「さ、行くぞ。特に璃々覚悟だけはしておけよ?」

 

 璃々「うん」

 

 茉莉「覚悟?」

 

 璃々「私が消えた時は8歳の時だから・・・・日付から見ても一カ月くらいしかたってないの」

 

 茉莉「つまり・・・・」

 

 璃々「気付いてもらえないか、信じてもらえないか・・・・」

 

 茉莉「そんな・・・」

 

 一刀「大丈夫だよ。紫苑はきっと気付いてくれる。信じよう」

 

 左慈「そうだな、子供のころの面影は消えてない。きっと大丈夫さ」

 

 茉莉「実のお母さんなんでしょ?信じる事から始めよう?」

 

 璃々「うん・・・・」

 

 

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  梓潼

 

 紫苑「・・・・・(カリカリ」

 

 桔梗「紫苑、居るか?」

 

 紫苑「・・・・・(カリカリ」

 

 桔梗「紫苑?」

 

 紫苑「・・・・・(カリカリ」

 

 桔梗「・・・・ふむ」

 

 つつぅぅぅぅ

 

 紫苑「ひゃぁぁぁぁん」

 

 桔梗「はっはっはっは、なんじゃ紫苑、まだそのような初心い反応を見せるか」

 

 紫苑「き、桔梗!何するの!?」

 

 桔梗「何、今日の分の政務を終わらせているにも関わらず、山積みの書類に向かうやつが滑稽に見えてのう?」

 

 紫苑「・・・・」

 

 兵士「申し上げますぅ!」

 

 その時、かなりあわてた様子で兵士が入ってきた

 

 紫苑「どうしたの!?」

 

 兵士「は・・・成都にて劉璋様が誅殺された模様です!」

 

 2人「!?」

 

 紫苑「なんて事・・・・今はだれが政務を?」

 

 兵士「は、張任様と呉蘭様、呉班様、雷銅様のようです。」

 

 桔梗「その4人なら地下牢に閉じ込められ居ったと聞くがの?」

 

 紫苑「どちらにせよ賊が入りこんで太守を暗殺した事には変わりないわ。」

 

 桔梗「じゃが紫苑よ、これで成都の民は解放されたのではないか?」

 

 兵士「私もそのように報告を受けました。伝令の話によると誅殺された日の朝は民から華蝶華蝶と誅殺したものの名をたたえる声が絶えなかったとか。」

 

 紫苑「華蝶?」

 

 兵士「はい、華蝶連者という4人組が事を起こしたようでして・・・」

 

 桔梗「なんと!4人で成都の城に忍び込み事を起こしたというのか!」

 

 兵士「はっ」

 

 紫苑「それなりに腕の立つ者のようですわね」

 

 桔梗「うむ、手合わせしてみたいのう。」

 

 紫苑「桔梗、自重しなさいね?」

 

 桔梗「わ、分かっておるわい」

 

 門番「も、申し上げま〜す!!」

 

 紫苑「今度は何!」

 

 門番「は・・・はい!今しがた南門に・・・・怪しい4人組があらわれたのですが・・・・」

 

 桔梗「ほう?4人組のう・・・・」

 

 紫苑「それで?」

 

 門番「そ、その中の一人の名が・・・・・璃々・・・・と」

 

 2人「な!?」

 

 

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  梓潼 南門

 

 一刀「おそらく紫苑が来ると思うんだけど・・・・」

 

 左慈「呼ばれるんじゃなく、駆けつけるか?」

 

 茉莉「娘と同じ名前の人が居る。それだけで大慌てでしょ。」

 

 璃々「お母さん・・・・」

 

 璃々はただただ手を合わせ祈る事しかできなかった。

 

 それからしばらくして・・・・

 

 紫苑「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

 

 桔梗「これ、紫苑慌てすぎじゃて。」

 

 紫苑「これが慌てずにはいられないわ。璃々・・・・・」

 

 桔梗「じゃが門番の話ではその璃々を名乗った娘は17,8ぐらいの娘と聞く。あり得んじゃろ・・・・」

 

 一刀「お、来た来た。璃々、黄忠将軍だぞ〜」

 

 璃々「・・・・・お母さん・・・・・」

 

 紫苑「あ、あぁ・・・・・璃々」

 

 桔梗「何と・・・・確かに面影が・・・・じゃが・・・・」

 

 璃々「ただいま、お母さん」

 

 紫苑「璃々!」

 

 紫苑は璃々に抱きつきそのまま璃々の名前を呼び続けた。

 

 璃々「お母さん・・・・・どうして成都を放置したの?(ボソ」

 

 紫苑「!?そ、それは・・・・」

 

 桔梗「?」

 

 璃々「私は・・・・お母さんを信じれないよ・・・・」

 

 紫苑「あ、あぁ・・・・・璃々・・・・・」

 

 桔梗「紫苑!?お主、紫苑に何を!」

 

 一刀「厳顔さん、これは親子の問題です。俺たちが口を挟むものではありません。」

 

 桔梗「な、なぜワシの名前を知っておる!」

 

 一刀「それは置いといて・・・・ちょっと歯を食いしばってもらってもいいですか?」

 

 桔梗「なん・・・・がっ」

 

 その瞬間一刀の拳が桔梗の頬に吸い込まれ、桔梗は後ずさる。

 

 桔梗「な、何を・・・・」

 

 一刀「あんた今まで何やっていた!成都はあんな事になっていたのに黙って見ているなんて恥を知れ!!」

 

 紫苑「桔梗!?」

 

 桔梗「そ、それは・・・・」

 

 一刀「あんたの義ってのはその程度なのか!喧嘩師として恥ずかしくはないのか!?あんたの忠義は主の横暴を肯定する事なのか!!それなら俺はあんたを軽蔑する!!!」

 

 桔梗「な・・・・・それは・・・・その・・・・・」

 

 一刀「俺が言いたいのそれだけだ。璃々、黄忠とはお前が話を付けろよ?」

 

 璃々「うん、わかった。ご主人様」

 

 二人「ご主人様!?」

 

 璃々「うん、今は一刀お兄ちゃんだけどね。私の今の名前は北郷璃々、もう黄忠の娘璃々じゃない。だって・・・・私の信じてるお母さんは苦しんでいる人を見殺しにする人じゃない。だから私のお母さんはもう死んでしまっているの。」

 

 桔梗「そ、それは違うぞ璃々!」

 

 一刀「口出し無用!」

 

 桔梗「ぬぅ・・・・」

 

 紫苑「私は・・・・どうにもできなかったのよ。あなたが居なくなってどうしようもなくなって・・・」

 

 璃々「あの荒れ方は一カ月なんてものじゃなく何年も前からなんでしょう!?」

 

 紫苑「下手に手を出せば璃々を連れていくと言われて・・・・ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

 

 璃々「・・・・私が・・・・いたから?私が・・・・消えたから?」

 

 紫苑「・・・・・(コク」

 

 一刀「・・・・なぁ黄忠、それは言い訳だろう?璃々に責任転嫁してるのと同じだぞ?」

 

 紫苑「え?」

 

 璃々「一兄ぃ」

 

 一刀「あんたの周りはどれだけの仲間が居た?厳顔、魏延、成都に囚われている者、挙げればきりがない。」

 

 紫苑「謀反なんて、考えられないわ。」

 

 璃々「そうじゃなくてもどうにかできた筈だよ?他の勢力に協力を打診することだってできた。お母さんはそれを放棄したんだよ。」

 

 紫苑「璃々、私はどうすればあなたの母親に戻れるの?」

 

 璃々「成都の復興に手を貸して。張任さん達に協力して。」

 

 桔梗「やはり・・・・お主たちが華蝶連者と呼ばれるものたちか・・・」

 

 紫苑「あなた達は?」

 

 一刀「天水に向かう」

 

 桔梗「董卓か?あそこの治安は良いぞ?」

 

 一刀「だからだ。仕官する」

 

 桔梗「なんと!」

 

 璃々「いずれまた戦場で・・・・」

 

 紫苑「な、何を言ってるの璃々」

 

 璃々「それまでさようなら、お母さん」

 

 紫苑「璃々?璃々ぃぃぃ!」

 

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  梓潼北部

 

 一刀「璃々・・・」

 

 璃々「一兄、お母さん疑わなかった。」

 

 一刀「あぁ、だから言ったろう?大丈夫だって」

 

 璃々「うん」

 

 茉莉「璃々、本当にいいんだね」

 

 左慈「茉莉、しつこいぞ?」

 

 璃々「ありがとう茉莉ちゃん。私はもう北郷璃々、一兄の妹なんだよ。それにあのまま残ってもお母さんのご褒美にしかならない。これは罰なの」

 

 茉莉「そっか・・・・わかった」

 

 一刀「それじゃ天水に向かうか」

 

 3人「お〜」

 

 こうして一刀達のこの外史での最初の戦いは幕を閉じた。この一報は意外な事に大陸全土に知れ渡る。愚かな罪人にはたとえ皇帝陛下であろうと華蝶連者が成敗に来る。良い子にしてないと華蝶連者が来るぞ・・・・と

 

 

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  朱提 一刀達が梓潼につくちょっと前

 

 明命「成都が解放・・・・華蝶・・・・・まさか!報告によれば北上したと・・・・ならば・・・・もし一刀様なら・・・・そう言えば璃々さまが行方不明と聞く。その事を心配し梓潼に向かったかも・・・・よし!梓潼に向かいましょう!」

 

 孫呉の隠密周泰 独断でいまだ北郷一刀探索中・・・・呉に戻れるの?

 

 明命「一刀様が別の所に居るなら戻る気は有りません!!」

 

 さいですか。

 

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  荊州襄陽 

 

 稟「風、聞きましたか?」

 

 風「はいですよ〜成都が怪しい4人組に襲われて劉璋が討たれたとか〜」

 

 稟「はい、どう思います?」

 

 風「さぁ?あんな暗愚殺されて当然では〜?」

 

 稟「まぁな、それよりもその4人組何だが華蝶連者というらしいぞ?」

 

 風「・・・・・そうですか〜」

 

 稟「ん?何か心あたりでも?」

 

 風「いいえ〜、どんな姿なのだろうと思いまして〜」

 

 稟「怪しい格好としか噂は流れてないからな。」

 

 風「何処に言ったかとか噂は流れてないですか〜?」

 

 稟「北に向かったぐらいですかね」

 

 風「成都より北・・・・天水辺りですかね〜」

 

 稟「なぜそう思うのです?」

 

 風「・・・・勘です」

 

 稟「風、いつも思うのですが。識者たるもの勘などと言う曖昧なものに頼っては行きませんよ?」

 

 風「わかってますよ〜・・・・・稟ちゃん」

 

 稟「なんですか?」

 

 風「風は天水に行きます。」

 

 稟「はぁ!?曹操様にお仕えするために陳留に向かってる最中なのに・・・・戻るんでうか?」

 

 風「稟ちゃんはそのまま曹操さんの所に行ってください。風は・・・・別の道を行くのです」

 

 稟「風!」

 

 風「それじゃ稟ちゃん。あでぃおすです〜」

 

 稟「なんですかその言葉は!!」

 

 風「ふふふ、なんでしょうね〜♪」

 

 風(華蝶連者と言えば星ちゃんですが〜・・・・ここはお兄さんとみるべきですね〜。成都を開放して移動、という事は旗揚げではなく仕官。北上したという事は・・・・涼州・・・天水辺りで月ちゃんに士官と言うところでしょうか〜。馬騰さん当たりは・・・お兄さんでは考えられないですね〜あそこの人達は良くも悪くも悪運がありますから良いですが、月ちゃん辺りは反董卓連合で死んでしまう恐れがありますし・・・・・)

 

 と考えを巡らせていると

 

 稟「風!なぜですか!?」

 

 風「・・・・・・ぐぅ」

 

 稟「寝るな!」

 

 風「おぉ、あまりにしつこいのでやり過ごそうと寝てしまったのですよ」

 

 稟「なぜなの?風」

 

 風「勘ですよ〜」

 

 稟「だから、勘なんてものは」

 

 風「稟ちゃん〜、世の中にはそういう曖昧なものを信じる事が大事な時があるのですよ〜」

 

 稟「・・・・」

 

 風「では・・・・ぐっばい、ぐっないですよ〜」

 

 稟「また・・・・また訳の分からない言葉を・・・」

 

 風「では今度はどこかの戦場で〜」

 

 稟「な!風!それはどういう意味だ!」

 

 風「・・・・・お元気で〜」

 

 そして風はとてとてと立ち去って行く。それをただ茫然と眺める稟であった。

 

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あとがき

 

 どうも羽生なのです

 

 さて今回は紫苑と桔梗との再会および合流フラグです(ネタばれ乙

 

 紫苑とは勝負してもらいたいなぁという理由で別勢力です。

 

 ま、あとは私の妄想(暴走)次第なのですが?

 

 他の記憶持ちの方たちの出番、およびなんとなく感じ取っている方達の出番は今のところ思い浮かんでいません

 

 というか紫苑や桔梗が居て焔耶出番無しとかマジ桃香ポジ

 

 まぁ、桃香ラブなんで同じ立ち位置にいてもらいませう。

 

 というわけで次回に向かってレッツゴー

説明
羽生なのです
昨日パチスロ英雄伝説を打って負けました。
そんな憤りの中書き上げましたよ
というわけで本編どうぞ。
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コメント
風が居なくなったら途中の旅路で誰が凛の鼻血を止めるんだ・・・・・・・(霊皇)
稟に関しては・・・・動揺してただけです。そうです、そうにきまってます。そうであってほしい(ユウヤ)
羽生なのです。何気に初コメ返し。え〜といろいろありますがまず幼女ハーレムは無意識です。さらに言うなら法も何も整備していない世の中ですのですからね、敵討もよしとしていた風もありますので華蝶も一つの義賊の形です。一刀君は今お兄ちゃんですのでシスコンだと思ってください(ユウヤ)
一刀が口出ししちゃってるじゃないですか〜やだ〜(親善大使ヒトヤ犬)
稟が途中星みたいなもの言いしてたんですがそれは・・・(M.N.F.)
一刀君は「幼」でも建国するんかなw(R田中一郎)
デュークさん?そんなこと例え羽生さんの趣味全快で幼女ハーレム作ろうとしているしても口にしてはいけませんよ〜羽生さんに悪いです(ウィングゼロ)
準幼女ばかり集まりつつあるな…羽生さんの趣味ですか?(デューク)
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