第二話
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 チームとしてままならないままスタートした新生イナズマジャパン。その初戦の相手は雷門メンバーを幾度となく寄生虫と下痢へと陥れた宿敵・韓国。絶対に落とせない一戦に気合を高める天馬たちだったが、とある事件がチームに影を落とす……

 

『VSファイヤードラゴン 〜僕はやってない〜』

 

剣城「初戦の対戦相手は韓国とはな……」

 

 ロッカールームへと向かう途中、剣城はイライラとした口調で今回の対戦国のことを口に出す。天馬もまたいつになく真剣な表情でうなずく。

 

天馬「俺たちを寄生虫や下痢に陥れてきた、あの辛いだけで旨みのないラーメンをばらまいている国だね。これは今までやられた分を含めてきっちりと倒しておかないと」

 

ドナルド「もちろんさー!」

 

 今までやられてきたことへの怒りを原動力に、一行は盛り上がりを見せる。だが、ただ一人、別方向への怒りのベクトルを見せるものもいた。

 

神童「だが、実際のところはイナズマジャパンのメンバーは俺たち以外は足手まといでしかないぞ。これでどうするつもりだ?」

 

 それは代表選手として呼ばれていないはずの神童であった。どこから調達したのか日本代表のユニフォームまでも着ていた。

 

天馬「そ、それは…… みんなで力を合わせてフォローし合えば、なんとか……」

 

神童「フォローしあうだと? 馬鹿を言うな! 技術の不足をチームプレイでフォローするのは間違ってない。だが、今、このチームはそれぞれが本気でサッカーに向き合ってすらいないじゃないか! そんな状態でチームプレイなんてできるものか!」

 

天馬「で、でも……! みんな、女の子には興味があるんです!」

 

神童「俺は興味ない!」

 

ドナルド「もちろんさー!」

 

天馬「し、神童さん……。ドナルド……」

 

 己の近しいところから団結を試みようとした天馬であったが、神童、ドナルドの反対にあえなく二の句を遮られる。天馬は助け舟を求めて剣城へと視線を送るが、剣城も首を振るだけだった。

 

神童「いいか、天馬。こうなった以上、この試合は俺たちだけで戦うぞ。剣城、天馬の二人でゴールを狙え。中盤はドナルド、ゴールは俺が守る」

 

天馬「そんな…… 神童さん、選手でもないのにまた出るつもりですか?! いい加減、十二人で試合するのバレますよ! 剣城も何か言ってよ!」

 

剣城「いや…… ここは神童さんの言うとおりだ。むしろ最初からいないものとして俺たちで引っ張るしかないだろう」

 

天馬「俺たちで引っ張るとかそうじゃなくて、問題は十二人で試合しようとしていることだよ! なんでツッコミ役の剣城がボケにまわるのさ!」

 

剣城「ふっ……。悪いな、天馬。俺も大事な一戦を前にして少し緊張していたのかもな。言い直そう。むしろ最初から神童さんなんていないものとして俺たちで引っ張るしかないだろう!」

 

天馬「違うよ! それじゃ一番の問題点から目をそらしてるだけだよ! いい加減、しっかりといいきかせないとこのまま十二人で試合しなくちゃならなくなるよ! ドナルドも何かいってよ!」

 

ドナルド「……この本、前に読んだなぁ」

 

天馬「だから見てみないふりしないでよ!」

 

 さまざまな問題を抱えるイナズマジャパン。だが、さらに状況を悪化させる出来事はすぐに起こる。選手控室の扉を開いた瞬間から険悪なオーラと共に困惑した叫びが飛び出したのだ。

 

???「違う! 俺じゃない……! 俺は…… 俺はやってない!」

 

 声の主は瞬木だった。それに対峙するのは酷くさげすんだ目をした真名部。ほかのメンバーは遠巻きにことの成り行きを見守っているといったところか。

 

真名部「ちょうどよかった。キャプテンも何かいってくださいよ」

 

天馬「な、何がどうしたっていうのさ」

 

久坂「下着が盗まれたんスよ」

 

 状況の呑み込めない天馬に傍にいた久坂が原因を告げる。

 

天馬「そ、そんな…… ま、待ってくれ! 違う! 俺じゃない……! 俺は…… 俺はやってない!」

 

剣城「いや、誰もお前がやったとはいってないだろ! しかも瞬木とまったく同じセリフで否定するなよ!」

 

真名部「やったのは彼、瞬木君ですよ」

 

瞬木「ま、待ってくれ! だから、俺はやってないって言ってるだろ!」

 

天馬「そ、そうだよ! 俺もやってない!」

 

剣城「だからお前は疑われてないっていってるだろ! どれだけ自信がないんだよ! むしろ、何かやったとしか思えないぞ!」

 

ドナルド「もちろんさー! あはっはっはっはっはっはっはー!」

 

 役に立たない天馬を尻目に、神童が代わりに話を進める。

 

神童「瞬木はやってないって言ってるが証拠か何かあるのか?」

 

真名部「それはありません……。ですが、彼は下着ドロの前科があるんですよ。今回も彼がやったに違いありません」

 

皆帆「んー、でもそれを言うなら君は前科7犯だし、僕も前科15犯。ドナルドに至ってはわかっているだけで前科1024犯。この状況で瞬木君だけを疑うのはどうかと思いますが」

 

剣城「いや、前科あることさらりというなよ! と、いうかここにいるんはこんなのばかりか?! ついでに言わせてもらうが前科1024犯ってなんだよ! わかってるだけでってなんだよ! ドナルド、お前、明らかに見た目も前科も中学レベルじゃないだろ!」

 

ドナルド「あはっはっはっはっはっはっはー!」

 

剣城「笑ってごまかすな!」

 

ドナルド「ドナルドは男子に夢中なんだ!」

 

剣城「罪状告白するなよ!」

 

 誰もが容疑者という混沌とした状況。その中で真名部はため息とともに瞬木の風呂敷を持ち上げる。それを見た瞬間、瞬木の顔色が一気に青ざめる。

 

瞬木「ま、待ってくれ! そ、それは……!」

 

真名部「仕方ありませんね。出来ればみせたくなかったんですが……」

 

瞬木「やめろー!」

 

 瞬木が止めにかかるよりも早く真名部は風呂敷の中身をぶちまける。中からあふれ出したのは男女問わず、無数の下着であった。

 

真名部「これで言い逃れはできませんよね」

 

 その光景を前にして、全ては決した。全員の視線から疑惑は消え去り、ただ憐みにも似た蔑みを瞬木へとぶつけるだけだった。

 

瞬木「ち……違う……。俺じゃ…… 俺じゃない!」

 

天馬「ま、マタタビ!」

 

瞬木「それも違う! うわぁーーーーー!」

 

天馬「ま、待ってくれ! マタタビーーーーーーー!」

 

 天馬の呼び止める声も聞かず、瞬木は控室から走り去ってゆくのだった。

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『VSファイヤードラゴン 〜それでも僕はやってない〜』

 

天馬「マタタビ……」

 

瞬木「キャプテン……?」

 

 日の当たらない階段の隅。そこに瞬木は小さく座っていた。

 

瞬木「試合にはちゃんと出ます。だから、心配しないでいいですよ。あと俺の名前はマタタビじゃなくて瞬木です」

 

天馬「そうじゃない! 俺はただ…… マタタビが今回の下着ドロはやってないってことを確かめたかったんだ」

 

瞬木「だから俺はマタタビじゃなくて瞬木です。下着ドロのことはどっちでもいいですよ。今回はともかく以前に捕まったのは本当ですから」

 

天馬「そんな……! なんで……」

 

 天馬の問いに瞬木は疲れた表情をみせてから、ため息交じりに昔のことを口にする。聞いてほしかったわけじゃない。冤罪を信じて欲しかったわけじゃない。ただ天馬に同じ匂いを感じて話しやすかっただけだった。

 

瞬木「うち、貧乏なんですよ。弟たちもいつも腹を空かせていて……。それが原因でよくいじめられてました。……そんなある日のことでした。弟たちが辛いだけでまるで旨みのないラーメンを持ってきてしまったのは……」

 

天馬「な、なんでそんなものを?!」

 

瞬木「ワゴンセールで売れ残って、それでもブロッコリーみたいな髪型の人しか買わなくて結局、廃棄処分されたものだそうです。だけど、そんなものを食べたことを知ったら、また苛められる……。おいしいものを食べて苛められるならともかく、辛いだけでまるで旨みのないラーメンなんか食べて苛められるなんて弟たちが耐えられるわけがない! ……だから、俺は……。弟たちが辛いだけでまるで旨みのないラーメンを食べようとしてしまったことからみんなの目を背けるために」

 

天馬「じゃあ、まさか…… 下着ドロは……!」

 

瞬木「そう……。今までやってきた下着ドロを自首したんです」

 

天馬「それはやってたの?!」

 

瞬木「それからです! それからみんなが俺を見る目は一気に変わってしまった……! 仲の良かった奴らもみんないなくなってしまった!」

 

天馬「いや、それは、まあ……」

 

瞬木「ははっ……。なんかいいたいことを言ったら少し楽になりました。そろそろ試合の時間だし行きましょう、キャプテン」

 

天馬「マタタビ…… 今回はやってないって、信じていいよな?」

 

瞬木「いや、だから、俺はマタタビじゃなくて瞬木です。あと今回はやってませんよ」

 

天馬「わかった。それじゃあ、行こう。マタタビ!」

 

 

――試合会場

 

黒岩「初戦の対戦相手、韓国代表のファイヤードラゴン。もっとも気を付けるべきはキャプテンの……パク? いや、リーか? キムだったような……。まあ、いい。あのメガネ。ヨン様と呼んでおこうか。もっとも気を付けるべきはヨン様の俊足。彼にボールが渡ったら最後、一気にゴール前まで持って行かれるだろう」

 

神童「そんな俊足が……?!」

 

 にわかには信じがたいといった神童に対し、黒岩はニヤリと含みのある笑みを浮かべる。

 

黒岩「雷門はホーリーロードで帝国学園と戦ったな。神童と三国以外、辛いだけでまるで旨みのないラーメンを食べたせいで極度の下痢となった状態で」

 

天馬「うぷっ!」

 

剣城「うっ……!」

 

 かつての激戦を思い起こし、天馬と剣城は腹部と口を抑えて顔を背ける。それだけでもどれだけひどい状況での戦いであったか容易に想像させ、瞬木達を軽く戦慄させた。

 

神童「それがいったいなんだというんです?!」

 

黒岩「くくっ……。そのとき、選手たちはまともに走ることもできなかったそうだな。唯一、トイレへ駆け込むときを除いては」

 

剣城「あんたに何が分かる! あの状況で走り回れば、そのわずかな衝撃でどんな惨劇が待ち受けると思っている……!」

 

黒岩「ファイヤードラゴンの選手は全員、この試合に向けてこの三日間、辛いだけで旨みのないラーメンだけを食べ続けている」

 

 監督の告げたことをすぐには理解できず、わずかに遅れてから恐怖が伝播する。

 

天馬「ま、待ってください! そんなことをしたらむしろ逆効果なんじゃ!」

 

黒岩「お前らは帝国との戦いのあと、下痢だというのにトイレへ駆け込むスピードは最高のタイムをだした……。そうだろう?」

 

天馬「な、なんでそれを知ってるんですか!」

 

剣城「いや、なんでタイム測ってるんだよ! 誰が計測したんだよ! なんのための計測だよ! むしろそのタイムをなんで監督が知ってるんだよ!」

 

 驚きを隠せない天馬たち。誰が、何のために。そして、どうやって知ったのか。黒岩はその問いには答えず話を続ける。

 

黒岩「人はトイレを我慢すればするほどに、限界が近ければ近いほどに驚くべき力を発揮する。これはいわゆる火事場のクソ力というやつだ」

 

神童「脳のリミッターが外れることで普段は抑えていた力を出し切れるというものですね」

 

黒岩「そうだ。彼らはそのために辛いだけでまるで旨みのないラーメンを食べ続け、そして今、常にトイレへ向かうときと同じ力を出せるようになっている」

 

天馬「そんな……。俺たちはまともに走れなかったっていうのに……!」

 

剣城「これが…… 世界……!」

 

ドナルド「ウゥーッ! フゥーッ!」

 

 下痢に対する恐るべき抵抗力! その圧倒的な力の片鱗を見せつけられた天馬たちは、改めて世界の恐ろしさを思い知るのだった。

 

剣城「ふっ……。だが、俺たちも十二人いるんだ! 数の上では負けてないぜ!」

 

ドナルド「もちろんさー!」

 

天馬「いや、数の上でって違うから! そこツッコミいれるところだから! なんでそこだけはボケ倒すんだよ、剣城!」

 

瞬木「サッカーって十一人と十二人でやるスポーツなんだね。俺、まだサッカーのことよく知らないから勉強になるよ」

 

天馬「違うよ?!」

 

真名部「確かに数の上では有利かも知れませんが……」

 

 数の上で有利ということで盛り上がるイナズマジャパンに冷たい声が響き、新たな波紋を作り出す。

 

真名部「下着ドロと一緒のチームで本当に戦えるんでしょうかね」

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『VSファイヤードラゴン 〜やっぱり僕はやってない〜』

 

ヨン様「うおおおぉぉぉぉぉぉ!」

 

 ヨン様はパスを受けると同時に腹をおさえながら恐ろしいスピードのドリブルで駆け上がる。その速さにはかつて天馬達が下痢になったときのトイレ争奪戦にも勝るとも劣らない、並々ならぬ気迫を秘められていた。

 

久坂「うおっ!」

 

鉄角「速いっ!」

 

 すぐにディフェンスに入るイナズマジャパンだが、ヨン様の走りは近づくことすら許さなかった。

 

解説『ボールはまたしてもヨン様に渡った! 恐ろしいスピードの猛攻にイナズマジャパン、誰一人として追いつけない!』

 

天馬「なんて速さなんだ!」

 

剣城「速すぎる……! いや、それだけじゃない。あれはまさに、限界へ達した人間の…… いや、便意の限界へ片足を突っ込んだものだけが見せるあの気迫! あれが実際の速さよりもずっと速いと錯覚させているんだ」

 

 迫りくるイナズマジャパンの選手たちをぶっちぎり一気に最終防衛ライン、神童との一対一のシュートチャンスにもちこむ。

 

神童「どんなにドリブルが速かろうとシュートさえ決められなければいいだけのことだ!」

 

伊吹「どけ、神童! それは俺のセリフだ!」

 

ヨン様「寄生虫すらも抹殺する毒性をもつ韓国のりを食べ続ける我ら韓国のシュート! ワカメ頭、貴様に止められるものか!」

 

神童「誰がワカメ頭だー!」

 

伊吹「だから俺を無視するな!」

 

 ヨン様の猛烈なシュートを神童はブロックするも、ボールは誰もいないところへと流れてしまう。それは僅かでもタイミングを間違えれば防ぎきれないものであることを暗に示していた。

 

神童「なんてシュートだ……。これが辛いだけでまるで旨みのないラーメンを食べ続け、腹を壊し、そしてトイレが限界に達した力だというのか」

 

 驚愕する神童を尻目にヨン様はすぐに流れたボールへと向かう。距離にすればイナズマジャパンの選手たちのほうがずっと近い位置にいるのだが、そんなものに意味はないといわんばかりに一気にボールへと食らいつく。

 

解説『は、速い! 恐るべきスピードで再びボールへと攻め寄るヨン様! イナズマジャパンは誰もこの速さに手が届か…… いや、いた! 一人、ヨン様に追いつく選手がいた!』

 

瞬木「速さなら負けない!」

 

 限界とその先の狭間にいるヨン様に追いついたのは瞬木であった。

 

ヨン様「まさか、俺の速さに追いつくだと?! だが、同じスピードなら先を行く俺の勝ちだ!」

 

瞬木「……思い出せ! 思い出すんだ! あのときの感覚を! そうだ! 下着ドロがみつかってパトカーに追われていたあの日々のことを!」

 

 過去の記憶。速さの限界に挑んだ日々。それが瞬木の内に眠っていた限界のさらに一歩先へ踏み出した力を呼び覚ました。

 

瞬木「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 

解説『は、速い! 瞬木、信じられないスピードでヨン様に迫る! 迫る! これは、これは追いつく、いや追い抜いた!』

 

ヨン様「ば、ばかな!」

 

天馬「す、すごい!」

 

剣城「あれが瞬木の実力なのか……?!」

 

 ヨン様だけでない、天馬や剣城、敵も味方も観客さえも圧倒する走りを見せて瞬木はボールへ食らいつく。そして、更にボールを前へクリアして、それに自ら追いつき、またクリアするという離れ業を繰り出す。だが、ドリブル代わりの苦し紛れの策を敵チームが見過ごすわけもない。

 

 ボールではなく瞬木に対して反則ギリギリのブロックをけしかけてきたのだ。

 

瞬木「くっ!」

 

天馬「まずい! みんな、マタタビをフォローするんだ!」

 

 天馬は声をかけるが、真名部たちは動こうとしなかった。

 

真名部「下着ドロのフォローなんて誰もしたくありませんよ」

 

瞬木「ぐわぁっ!」

 

天馬「いや、確かにマタタビは下着ドロの前科があるのかもしれない。だけど、剣城だってこんなにもモミアゲがクルクルしてるんだぞ!」

 

剣城「誰のモミアゲがクルクルだ! そもそも下着ドロと俺のモミアゲとなんの関係もないだろ! つーか、忘れたと思ってた俺のモミアゲの話を持ち出すのはやめろ!」

 

瞬木「ごほぉっ!」

 

天馬「あ、ごめん。間違えた。剣城のモミアゲはともかく、剣城はムッツリなんだぞ! それならまだオープンなほうがいいだろ!」

 

剣城「誰がムッツリだ! つーか、ムッツリだろうとオープンだろうと下着ドロはダメだろうが!」

 

天馬「剣城、お前、誰の味方なんだよ! マタタビを助けたくないのか?!」

 

瞬木「ぎゃあっ!」

 

剣城「瞬木を助けたいからって俺のことをモミクルだのムッツリだの言う理由になってねぇ! つーか、俺はムッツリじゃねぇ!」

 

皆帆「んー、僕の観察では剣城君はムッツリというより、自分の感情をそのモミアゲみたいに真っ直ぐに表現できないだけのブラコンだと思うな」

 

剣城「変な観察するんじゃねぇ! あとなんでもかんでもモミアゲに結びつけるんじゃねぇ!」

 

真名部「まあ、剣城君のモミアゲがクルクルしてるとか、ちょっと異常なだけの性癖なんてどうでもいいんです」

 

瞬木「は、早くたすけ…… おぼぉっ!」

 

剣城「そのどうでもいいことにどれだけツッコミいれさせてるんだよ! 俺も瞬木もいい加減、限界が近いぞ……!」

 

真名部「問題は僕の作った下着を彼が盗んだということです」

 

ドナルド「んー、それって……」

 

 ドナルドが頭上でパチンと指を鳴らすと周囲の時間が停止する。ドナルドはそのまま動けなくなったイナズマジャパンのメンバーの間を悠々と抜けてゆく。

 

ドナルド「これのことかい?」

 

 抜けた先で再びドナルドが指を鳴らせば、その手には女子の下着があった。

 

真名部「そ、それは…… 盗まれた下着! ど、どうして君が!」

 

 ドナルドは下着をクルクルと弄びながら、真名部を指さす。

 

ドナルド「ずっと君が履いてたよ」

 

真名部「なっ!」

 

鉄角「おい! どういうことだよ!」

 

真名部「そ、そんな馬鹿な…… いや、そういえば……。ずっと下着の感覚がおかしかった気がしてたけど、それは慣れないジャージのせいだとばかり……」

 

瞬木「ぶべらっ!」

 

剣城「いや、気付けよ! むしろ着替えの時点で気付くだろ!」

 

天馬「ともかく、これでマタタビは犯人じゃないってわかっただろ! これでわだかまりもなくなったはずだ! みんなでマタタビをサポートするんだ!」

 

真名部「し、仕方ないですね……」

 

 瞬木の冤罪が晴れたことでイナズマジャパンは一丸となって攻撃へと移る。

 

天馬「マタタビ、パスを回すんだ!」

 

瞬木「げふっ……! お、遅いよ、キャプテン……!」

 

 ボロボロになりながらも瞬木は死守してきたボールを真名部へとパスする。敵チームはGK以外、瞬木についていた。ゆえにそこからの反撃はいともたやすいものだった。パスは次々と繋がり、一気に天馬達の元まで繋がる。

 

瞬木「き、決めてくれ、キャプテン……!」

 

天馬「任せてよ、マタタビ!」

 

剣城「いくぞ、天馬!」

 

天馬・剣城「ファイアートルネードDD!」

 

 瞬木の思いの乗ったパスを受け、天馬と剣城は必殺シュートを放つ。その一撃はGKごとゴールへと突き刺さる! そして、そこでホイッスルが鳴り響き、試合は終了を告げた。

 

解説『ゴオオオオォォォォォォォル!! そして試合終了! 瞬木の俊足から始まったカウンターにより見事にイナズマジャパンが一点をもぎ取った! これで得点は2対0! 最後の一点はあまり意味がなかったが、イナズマジャパン、勝利を収めたー!』

説明
イナズマイレブンGO ギャラクシー 二次創作。作者HPより転載
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