IS〈インフィニット・ストラトス〉?G-soul?
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一夏が俺に来るよう言ったのは、なぜか箒の実家、篠ノ之神社だった。

 

どうして篠ノ之神社なのかという疑問もあったけど、かなり切羽詰まった一夏の声から、とにかく行くしかなかった。

 

石段を駆け上ると、箒が待っていた。

 

「瑛斗! やっと来たか!」

 

勢いに任せて石段を駆け上がったせいで乱れた息を整える。

 

「ハァ…ハァ…こ、これでも、全力で来たんだけど…ハァ…それで、一夏は?」

 

「家の中だ。来てくれ」

 

箒に連れられて家の中にお邪魔する。

 

「あら、瑛斗くん。おはよう」

 

「あ、雪子さん。おはようございます。すみません、こんな朝早くに」

 

まだ朝の7時を回ろうかって時間に上がりこんだんだから、上がり込んだ身として謝ると、雪子さんは手を振って笑みを浮かべた。

 

「気にしないで。事情はよくわからないけど、大変なことになってるのよね? 一夏くんはこの奥にいるわよ。箒ちゃん、案内してあげてね」

 

「はい。瑛斗、こっちだ」

 

雪子さんに会釈してから箒について行く。

 

「一夏、瑛斗が来たぞ」

 

襖を開けた奥にいたのは、湿布を顔に貼って布団の中にいる一夏だった。

 

「瑛斗! つっ…!」

 

「急に起き上がるな。怪我に障るぞ」

 

心配そうな箒の横に立って単刀直入に言った。

 

「一夏、マドカの記憶が戻ったのは確かなんだな?」

 

一夏は俯いた。

 

「あぁ…」

 

「なんでお前そんなやられてんだよ」

 

「マドカと、戦った」

 

「…それは、マドカが記憶を取り戻して、お前を襲ったってことだな?」

 

一夏は首を振る。

 

「止めようとして、返り討ちだ」

 

「はぁ…大体想像つくぞ。お前、躊躇ったんだな」

 

「………………」

 

この沈黙は図星ということだろう。

 

「それで、なんで篠ノ之神社なんだ? マドカと揃って泊まってたのか?」

 

「いや、そうではない」

 

箒が一夏の代わりに答えた。

 

「一夏は今から数刻前に空から落ちて来たのだ」

 

「落ちて来た? なんでまた」

 

「マドカに白式のバランサーをやられて、ちょうど箒の家の玄関先に落ちたんだ」

 

「夜中に大きな音がして何事かと思って外に出てみたら、一夏が気を失って倒れていたのだ」

 

「なるほどな。つまり、着地をミスって…」

 

ポン、と一夏の背中を軽く叩く。

 

「いでっ…」

 

「そのザマって訳か」

 

「…悪い」

 

「織斑先生はこの事を知っているのか?」

 

「いや…連絡がつかないんだ」

 

「寝てんじゃないのか? なんだかんだ言ってまだ朝早いんだぞ」

 

「ならいいけど…」

 

もしかしたらもう…なんて言葉が頭をよぎったけど、織斑先生がそう簡単にやられるはずがない。

 

(そんなこと考えるより、どうするかを考えねぇと……ん?)

 

違和感に気づいた。

 

「一夏、お前怪我はどうなんだ?」

 

「どうって?」

 

「いや、ぱっと見が軽症過ぎるような気がしてよ」

 

「それは私も気になっていた。手当てをしていた時、落下の衝撃の大きさにしては目立った外傷がないのだ」

 

ブレーディアの戦法はブレードビットの斬撃だ。でも一夏にそれっぽい傷はない………

 

俺は思い至った。

 

「一夏、白式を見せてくれるか? 出来れば全身がいいんだけど」

 

「え…あぁ」

 

寝そべった状態の一夏に白式を展開してもらうと、白式の装甲は数カ所の貫通痕を除けばほぼ無傷だった。

 

数時間前の戦闘での損傷だから自己修復機能が働いて小さな傷は消えたようだ。

 

「なるほどな…」

 

みんな忘れてると思うけど、俺はIS研究員だ。ISの知識ならそこらの連中よりはずっとある。ましてや、身近にいる一夏のISである白式のことなら、なおさらさ。ドヤァ…

 

「瑛斗、ドヤ顔しているところ悪いが、何かわかったのか」

 

「まぁな。箒、この穴あるだろ?」

 

「あぁ。何かに貫かれたようだが…」

 

「この穴、無作為に空いてると思うだろ? でも違うんだ」

 

「どういうことだ?」

 

「この穴の位置、白式のPIC及び姿勢制御系統のシステム回路が配置されてる位置なんだ」

 

「……つまり?」

 

「この穴は白式にとっての急所。ほんの少し傷をつけられれば、しばらくいくらエネルギーがあっても動けなくなる。場所が違うだけで俺のG-soulにもあるぞ」

 

「あらゆるISに存在する、ということか」

 

「第四世代型のお前の紅椿はどうかわからないけどな。今度よく見せてくれよ」

 

「なぁ瑛斗、話が脱線してないか?」

 

一夏の声で思い出した。

 

「っと、そうだな。で、この穴の大きさだから動けるようになるにはあと二時間ってとこだな」

 

「わかるのか?」

 

「だって一夏、お前、白式重いか?」

 

「へ…あ、い、言われてみれば」

 

「治ってなけりゃ、ISの質量的に確実に畳に布団ごとめり込んでるからな」

 

「じゃあ、白式は動けるんだな!?」

 

「損傷自体は自己修復できるレベルだったみたいだな」

 

「そうとわかれば早くマドカを追わないと!」

 

展開を解除して起き上がろうとした一夏の頭を押してまた倒す。

 

「何言ってんだバカ。穴が塞ぎきるまで待てよ。穴が空いてたらそこに弾丸打ち込まれて終わりだぞ」

 

「でも!」

 

「第一、お前も負傷してるんだ。白式だけ動けても意味がない」

 

「……クソッ!」

 

一夏は悔しさをぶつけるように拳を打ちつけた。

 

「…わからないな」

 

「え? まだわかんないのか箒。だから、白式に空いた穴はーーーーー」

 

「それではない。私が気になっているのは、マドカの行動だ」

 

「マドカの行動?」

 

「マドカは去年のお前達の誕生日の夜、お前達を襲ったのだろう?」

 

「そうだな。殺されかけたぜ」

 

「ならば、なぜ今回一夏は殺されなかったのだ?」

 

「それは………」

 

確かに不可解だ。一夏は織斑先生の弟。千冬さんを狙うマドカには十分殺す理由になる。でも、それをしなかった。なんでだ?

 

「ブレーディアに、慣れていなかった?」

 

「いや、それはない。マドカは完璧に使いこなしてた。雪羅で勝てなかったんだからな…」

 

一夏の言うことには一理ある。確かに、そうでなきゃ白式をこんな風にはできない。かなりの腕が必要だ。

 

「それじゃあ…考えられるのは一つだけだな」

 

「それはなんだ?」

 

「マドカには、初めから一夏を殺す気はなかったってことさ」

 

「……………………」

 

「ただの気まぐれだったのか、はたまた一夏が眼中になかっただけなのか……それにしても、雪羅の状態の白式に勝つとは、流石俺の造ったISだ」

 

「言ってる場合か。こうしてる間にもマドカは千冬さんの命を狙って動いているのだぞ」

 

「わかってる。一夏、織斑先生がどこに行ったか知っているか?」

 

「それも知らないんだ。そういう話はあまりしないからさ」

 

「マドカの行方は……わかれば苦労しないか。所在特定信号もオフなんだろ?」

 

「…ごめん……俺が躊躇わずにマドカを攻撃できてれば…」

 

「一夏…」

 

「なっちまったもんは仕方ない。気にするな。俺たちにできることをやればいい」

 

「それは?」

 

「それは………」

 

そこで、襖が静かに開いた。

 

「三人とも、朝ごはんできたけど、食べるかしら?」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「………朝ごはんだ」

 

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「………………………」

 

織斑マドカ。私の名前だ。

 

《エム》というコードネームで呼ばれていたが、もう、そう呼ばれることもないだろう。

 

私の顔は、世界最強として名高いねえさん、織斑千冬と瓜二つ、いや、まさしく同じ顔である。

 

幼き頃亡国機業に誘拐され、顔と、記憶の大半を奪われ、組織への憎悪はそのままに組織に従っていた。

 

ねえさんとの決闘で私は敗れ、あの女に記憶を奪われた。

 

そこからは、こともあろうに、ねえさんと、その弟の織斑一夏の妹として暮らしていた。

 

「…我ながら、茶番だな」

 

つぶやいて、通りのベンチに腰かけ、靴を履いた足元を見る。

 

裸足で歩き回るのは、流石に怪しまれる。

 

(しかし………)

 

「ねえさんめ、いつまで寝ているのだ……」

 

取り出した携帯電話の画面を確認する。何度か電話をかけても、応答はない。

 

どうせ、夜遅くまで酒でも飲んでいたのだろう。

 

(あれ程言われているのに………)

 

「……なっ、わ、私は、何を考えて………」

 

頭を振って思考に走ったノイズを切り捨てる。

 

「あんな…あんなくだらない幻想など…!」

 

くだらない。取るに足らない。仕様もない。

 

そんな言葉を並べて、再確認する。

 

そう。私に、そんなものは必要ないのだ。

 

「暑い…まだ島の山の方が涼しいわい。これだから街は好かんのじゃ」

 

ぶつくさ言いながら、背の低い少女が向こうから歩いて来た。

 

朝早く、人の数も少ない道を、たった一人で歩く少女。

 

言えた義理ではないが、怪しい。

 

「大体、人遣いが荒いんじゃよ。すぐに向かえとか、少しは休ませんか……」

 

よっこらせ、と、年寄りのような言い方をして私の隣に座った。

 

「ははぁ…しかしのぉ……ここまでとはのぉ……」

 

しげしげと私の顔を見る少女を無視して立ち上がり、その場から離れようと足を動かした。

 

「……………………」

 

「待て待て待て! 待たんか!」

 

すると少女は私を追い抜いて、道を塞ぐように腕を広げた。

 

「………………………」

 

しかしそんなことは全く気にせずに横を通り過ぎようとした。

 

「だから待てと言っておろう!」

 

腕を掴んできた。いい加減目障りだ。乱暴に振り払うと、少女は転がるように背中から倒れた。

 

「あたたた…」

 

「………何だお前は」

 

問いかけに、少女は腰をさすりながらも笑みを浮かべる。

 

「やっとこっちを向いたのぉ。織斑マドカ」

 

「…………………」

 

私の名前を知っている……亡国機業か。

 

「そう警戒するでない。ワシはお前の敵ではないのでな」

 

「では何だ。私に何の目的があって近づいた」

 

「伝言を伝えに…と言ったところかの」

 

「伝言だと?」

 

「スコールからじゃよ」

 

「!」

 

その名前は、あまり聞きたくない名前だった。

 

「まずはワシのことを教えておこう。ワシの名はチヨリ。最近まで亡国機業技術開発長じゃったものじゃ」

 

「技術開発……」

 

この少女が、か?

 

「お前さんの頭のも、元はワシの開発したものじゃよ」

 

「面白いことを言う…では、その姿も技術開発長のなせる技か?」

 

「そんなところじゃよ」

 

飄々とした言い方に、少し挑発めいた感じがした。

 

「なぜ、私がここにいるとわかった」

 

「言ったじゃろう? お前の頭の中のナノマシンはワシが造った。じゃがスコールはどうやらそれに細工をして、居場所を特定できるようにしておったようじゃ。勝手なことをしてくれるわい。おかげでワシは昨日の今日なのにこうして駆り出されたわけじゃよ」

 

「ふん、あいつの監視を逃れるには、この頭を切り落とすしかないということか」

 

「理解が早くて助かるぞ」

 

「伝言とやらは何だ。組織に戻れという話なら、私は聞かないぞ」

 

「その話もしようと思っておったのじゃが、いきなりふいになったか。まぁよい。伝言じゃが…」

 

少女は私の周りをゆっくりと歩きだした。

 

「ワシもスコールからお前のことは多少聞いておる。織斑千冬と一騎打ちを演じてみせるとは、大したやつじゃよ。じゃから、ワシとスコールの考えは重なった」

 

少女は足を止めて私の真正面に立つ。

 

「『織斑千冬は諦めたらどうか』とな」

 

「………それが、伝言というわけか」

 

「お前に勝ち目はない。相手は世界最強。お前も経験したはずじゃろう?」

 

「だからこそ意味がある。ねえさんを倒す。それだけが私の望みだ」

 

「別の道もあると思うんじゃがのぉ」

 

「そのようなもの、ありはしない」

 

断言した。

 

「私には必要ない」

 

「……そうか。じゃがまぁ、止めろとは言われとらんし言うつもりもない。お前の好きなようにやるがよい」

 

「言われなくもそのつもりだ。スコールに伝えておけ。もう私には関わるな、と」

 

「約束しかねるが、気には留めておこうかの。それと最後に、これはワシ個人の好奇心で聞かせてもらうが」

 

まだ何かあるのか。うっとおしい。

 

「仮に、お前が見事勝利した場合…お前はどうする? その先に一体何があるのじゃ?」

 

「愚問だな」

 

私は、少女に背を向けて、歩き出す。

 

「その先など、それこそありはしない」

 

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「…………………」

 

シャル。

 

「…………………」

 

ラウラ。

 

「…………………」

 

簪。

 

「…………………」

 

んで、俺。

 

正座してる俺を、三人が取り囲むようにして完全に退路を封じている。

 

ゴゴゴオーラ×3だ。

 

…あれ? おかしいな? なんで、俺こんな追い詰められてんの?

 

こういう時は状況整理をしよう。

 

朝飯を食べ終えて、さぁこれからどうしようかと考え出したら、呼び鈴が鳴って、雪子さんがシャル達を連れて来た…

 

……うん、やっぱり理不尽だ。

 

「あ…あの…三人とも? 俺…いや、わたくしは、何かしましたでしょうか?」

 

しかし、思わず変な敬語になってしまうほどの威圧感。怖い。半端なく怖いです。

 

「瑛斗」

 

「は、はい…」

 

シャルが俺に話しかけてきた。

 

「箒の家で、なにしてたのかな?」

 

「あ…朝飯を、ご馳走になってました」

 

「そういうことじゃないの!」

 

「はいすいませんっ!!」

 

怒られた! 正直に言って怒られた!

 

「瑛斗、なぜ箒の家にいた?」

 

ラウラのドスの聞いた声。殺気全開だよ…

 

「い、一夏がマドカの記憶が戻って行方をくらましたって言うから、話を聞きに……」

 

「な…!」

 

「マドカちゃんの記憶が!?」

 

「一夏、箒、本当…?」

 

簪の言葉に、一夏と箒がうなずく。てか、二人とも見てないで助けてくれたってバチはあたらないんじゃないか?

 

「となると…教官の身に危険が…!」

 

「一夏、織斑先生と連絡は?」

 

「取れてないんだ。さっきも電話かけたんだけど返事が来ない」

 

「マドカの方も、連絡手段がないからどこにいるか見当もつかん」

 

「そんな…」

 

「だから俺は一夏に呼び出されたんだ。早く手を打たないと大変なことになるからな」

 

「僕達に一言も声をかけずに、一人で飛び出したんだ」

 

「そ、そんな言い方しなくてもいいだろ。それに、マドカのことはともかく、俺がいなくてもそんな大したことじゃーーーーー」

 

「大したことじゃなくないよっ!」

 

シャルが声を張り上げた。

 

「え……」

 

「心配…したんだよ?」

 

「シャル…?」

 

「僕だけじゃないよ。ラウラも、簪ちゃんも、すごく、すごく心配したんだよ? 瑛斗がどこにもいなくて、瑛斗に何かよくないことが起きたんじゃないかって……」

 

俺の前に座り込んだシャルは、目に涙を浮かべていた。

 

「よかった…! 無事で…本当によかったよ…!」

 

「瑛斗、お前は自分がどれほど重要な存在かを認識できていない」

 

「もう少し…自分を、大切にして…?」

 

「……………………」

 

確かに、こいつらの言う通りだ。何も言わずに出て行ったのは軽率だったかもしれない。

 

「…ごめん。ちょっと無神経過ぎた。気をつける」

 

「うん…僕も、いきなり怒鳴ってごめんね。でも……」

 

「わかってるよ。もう大丈夫だからさ」

 

「…うん」

 

「ラウラと簪も。悪かった」

 

「わかればいい」

 

「もう、平気」

 

二人とも頷いてくれた。お許しをもらったんだ。やることは決まってる。

 

「さて、それじゃあこれからどうするかを話そう」

 

「現状、私達のできることは少ない。マドカまたは教官の捜索。しかしどちらも効果的な手段がない」

 

「マドカがブレーディアを動かしてくれてれば俺のGメモリーのパルフィスで一発なんだけどな」

 

だけど『あの』マドカがそんな考え無しな行動をするとは思えない。

 

「学園に戻ってる可能性も無くは無い。鈴と楯無さんにも話して確かめてもらおう。学園にいるのだろう?」

 

箒の言葉にシャル達はきょとんと目を丸くした。

 

「鈴が学園に? 一夏達と一緒じゃないの?」

 

「え?」

 

「鈴…昨日……帰って来てない」

 

「なんだって?」

 

「今朝、鈴のルームメイトのハミルトンが言っていた。鈴は昨日の昼から帰って来ていないそうだ」

 

「嘘だろ? 俺昨日の夕方、鈴を家からそこまで送ったぞ」

 

「なっ、鈴はお前の家に居たのか!?」

 

「あ、あぁ。宿題片付けようって話になってな」

 

「り、鈴め…いつの間にそんな話を……」

 

箒がなぜか悔しそうな顔をしてるけど、俺は嫌な予感がした。

 

(このタイミングで鈴がいなくなるなんて…)

 

偶然には、思えない。

 

俺は携帯で鈴に電話をかけた。

 

「………ダメだ。出ない」

 

でも、いくら待っても鈴が出ることはなかった。俺は携帯をしまって、みんなに顔を向けた。

 

「みんな…鈴が、何も言わずに学園に戻らないことって、あると思うか?」

 

ここにいる全員が、首を横に振る。鈴がそんな奴ではないこと全員わかってる。

 

「鈴って、知り合いの電話をシカトするタイプか?」

 

「鈴の性格なら、折り返しはすぐにするはずだ」

 

「………じゃあ、そうなると」

 

鈴をよく知る一夏のそんな発言が、決め手だった。

 

「マドカや織斑先生だけじゃなく、鈴も行方不明ってことになるぜ」

 

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瑛「い、いいインフィニット・すすストラトスすすすす…」

 

一「りゃりゃりゃ略して…」

 

瑛&一「「らららラジオISGいいい…」」

 

瑛「ど、読者のみなさん、こここんばどやああああ…寒い!! なんだこの寒さはっ!!」

 

一「こんばどやぁ…さ、寒い…」

 

瑛「なんだか大変なことになって来たのに、こっちホントに平常運転だよなっ! まぁそれが正常だけども!」

 

一「マイナス15度って…この前暑さで次は寒さかよ」

 

瑛「放送が始まる前に厚手のコートを渡された時から薄々嫌な予感はしてたけどな」

 

一「俺は薄々どころの騒ぎじゃなかったんだけど…というか、これも質問なんだろ?」

 

瑛「まぁな。キリヤさんからの質問だ。北海道はそろそろ寒い時期が近づいて来ました。そこで?15度の中にお湯があります。どうつかいますか?」

 

一「お湯? そんなものどこにもーーーーー」

 

フ「………………!!」

 

瑛「あるじゃん。でかい鍋の中で煮立ってる熱湯が。フォルテ先輩がガクブルしながら必死に暖を取ろうとしてる」

 

一「なんでまた…」

 

瑛「フォルテ先輩、大丈夫ですか? あ、意外とあったけぇ」

 

フ「だだだだ大丈夫なわけあああるかっす…! どうしていつも私の時だけ過酷な環境なんすか!」

 

瑛「タイミングが悪いのか。はたまた運が悪いのか」

 

一「どっちにしてもロクな目にあってないですね」

 

フ「ここに来る時にコート渡されて、嫌な予感はしてたっすけど…!」

 

瑛「あ、それは俺達もです」

 

一「おー、本当あったかいな」

 

フ「のんきな事言ってる場合じゃないっすよ。は、早く質問に行くっす。凍死しちゃうっす」

 

瑛「あ、はい。えーと、カイザムさんからの質問! フォルテさんに質問です!! アメリカ代表候補生としての質問ですが、アメリカ代表のイーリスさんはフォルテさんにとってどんな存在ですか? ですって」

 

フ「アメリカ代表…すか」

 

瑛「おや、薄い反応」

 

フ「どんなって言われても、会ったことないっすからねぇ」

 

一「そうなんですか?」

 

フ「あ、でもダリル先輩からお話は何度か聞いてるっすよ」

 

瑛「ほう、どんな」

 

フ「んーと、訓練にいきなり現れて、しごくだけしごいて楽しそうに笑いながら嵐のように去って行くとかなんとか」

 

瑛&一「「何その迷惑行為!?」」

 

フ「後は、素手でグリズリーをボッコボコにしたとか」

 

瑛「どっかで聞いたことあんぞそんな話…」

 

一「格闘マンガとかでよくあるやつだな」

 

フ「でもISの操縦はすごいらしくて、織斑先生にも負けないとか」

 

一「千冬姉にも…すごいな」

 

瑛「国家代表だからな。不思議じゃないだろ」

 

フ「ダリル先輩も、アメリカ代表を目標に頑張ってるっす」

 

瑛「じゃあ、フォルテ先輩にとってアメリカ代表はダリル先輩の目標にしてる人って認識でいいですか?」

 

フ「そうっすね。そうなるっす」

 

一「いつか実際に会ったら、また変わるかもしれませんね」

 

フ「それもあるっすねぇ」

 

瑛「そろそろ時間か。それじゃあエンディング!」

 

流れ始める本家ISのエンディング

 

瑛「今日はそこの黒い子と黄色い子に歌ってもらったぞ」

 

一「やけに、ちっちゃくないか?」

 

フ「人って言うより…お人形っすね」

 

瑛「確かに小さいなとは思ったけど、ダメ元でいったらなんとかなった」

 

一「そ、それはそれは…」

 

フ「よかったっすね…」

 

瑛「おっと、時間いっぱい。それじゃあ!」

 

一&フ「「みなさん!」」

 

瑛&一&フ「「「さようならー!」」」

 

???「ほら! もっとちゃんと歌うかしら!」

 

???「どうして私がこんなことをしなきゃいけないのよ…」

 

???「あら、頼まれたんだから、やるのは当然かしら」

 

???「ふん、本当におばかさんね。付き合ってられないわ」

 

???「あっ、ちょっと! どこに行くのかしら!!」

 

???「じゃあね、おばかさん」

 

???「待つかしらー!!」

 

一「え、瑛斗。なんか、黒い方の子の背中から羽が生えて、飛んで行ったぞ」

 

フ「き、黄色い方も傘を開いて飛んでっちゃったっすよ」

 

瑛「不思議なことも、あるもんだね」

 

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後書き

 

おまっとさんでした! 二週間!

 

なんだかややこしいことになってしまいました…夏休みは、長そうだ(遠い目)

 

さて次回は奔走する瑛斗や一夏達。そして鈴の身に何が起こったのか。というお話の予定です。

 

お楽しみに!

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コメント
秋は英語で「オータム」    さてフォルテさんにまたまた質問ですけど、IS学園はISの操縦だけではなく普通の高校のと同じ一般科目を習うと思いますが、フォルテさんが一番苦手な一般科目は何ですか?  ちなみに私は数学と理科が大嫌いですwww  (カイザム)
北海道は-10以下とか割とざらなことですからねぇ……ここで質問です!秋といえば紅葉や栗などが挙げられますが主人公sが思う秋とは何ですか?(キリヤ)
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